- カテゴリ:所得税
- 根拠:所法79〜81
- 入力6項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
所得税には、体の状態や家族の事情に配慮して税負担を軽くする人的控除という仕組みがあります。障害がある人を扶養している、配偶者と死別・離婚してひとりで子を育てている、学生をしながら働いているなど、該当する人数分だけ控除額が上乗せされます。控除の種類ごとに金額と条件が異なるため、まとめて確認できると申告のときに役立ちます。
この計算式を3行でいうと
- 障害者控除は27万円、特別障害者は40万円、同居している特別障害者は75万円が、対象となる人数分だけ控除されます
- ひとり親控除は35万円、寡婦控除と勤労学生控除はそれぞれ27万円で、本人の状況に応じて該当すれば控除されます
- これらの控除は所得税だけでなく住民税にも別に設けられており、あわせて申告することで両方の税負担が軽くなります
まずは計算してみる(自動計算ツール)
人的控除のまとめ計算(障害者・ひとり親等)
所法79〜81★結果コピーリンク障害者控除・ひとり親控除・寡婦控除・勤労学生控除の該当人数から、所得税と住民税の控除合計を計算します。
| 障害者(27万×0) | ¥0 |
| 特別障害者(40万×1) | ¥400,000 |
| 同居特別障害者(75万×0) | ¥0 |
| ひとり親/寡婦/勤労学生 | ¥0 |
| 所得税の控除合計 | ¥400,000 |
| 住民税の控除合計 | ¥300,000 |
こんなときに使います
- 家族に障害のある人がいて、扶養控除とは別に障害者控除が使えるか確認したいとき
- 離婚や死別のあと、ひとりで子どもを育てていて、ひとり親控除や寡婦控除にあたるか知りたいとき
- 大学生など働きながら学んでいる子がいて、勤労学生控除が使えるか確認したいとき
- 年末調整や確定申告の前に、該当する人的控除をまとめて漏れなく計算しておきたいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 一般障害者 | 障害者に該当する人(特別障害者を除く)の人数です。本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計です。 | 障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳などの等級。 |
| 特別障害者 | 障害の程度が重く、「特別障害者」に該当する人の人数です。手帳の等級が一定以上の場合などが対象です。 | 身体障害者手帳1級・2級、精神障害者保健福祉手帳1級など、手帳や認定書の記載内容。 |
| 同居特別障害者 | 特別障害者のうち、本人や配偶者などと同居している人の人数です。特別障害者の人数の内数として数えます。 | 住民票上の同居の事実と、特別障害者に該当することの両方。 |
| ひとり親1/0 | 本人がひとり親控除の要件にあてはまる場合は1、あてはまらない場合は0を入れます。 | 婚姻をしていない、または配偶者の生死が明らかでなく、生計を一にする子がいるかどうか。 |
| 寡婦1/0 | 本人が寡婦控除の要件にあてはまる場合は1、あてはまらない場合は0を入れます。 | ひとり親に該当せず、夫と離婚・死別したあと婚姻していないかどうか。 |
| 勤労学生1/0 | 本人が勤労学生控除の要件にあてはまる場合は1、あてはまらない場合は0を入れます。 | 給与所得などの勤労による所得があり、学校教育法に定める学生・生徒であるかどうか。 |
計算のしくみ(3ステップ)
- 該当する人数・状況を数える:本人・同一生計配偶者・扶養親族のうち、一般障害者、特別障害者、同居特別障害者にあたる人数をそれぞれ数えます。ひとり親・寡婦・勤労学生は、本人が該当するかどうかを1か0で入力します。
- 控除額を掛け合わせる:障害者は27万円、特別障害者は40万円、同居特別障害者は75万円を、それぞれの人数に掛けます。ひとり親は35万円、寡婦と勤労学生はそれぞれ27万円を、該当すれば加えます。
- 合計して所得から差し引く:すべての控除額を合計した金額が、所得から差し引かれます。住民税にも同じ考え方の人的控除がありますが、金額は所得税の控除額とは別に定められています。
具体例で確かめる
例1 同居している特別障害者の親を扶養しているケース
本人と同居している特別障害者の親を1人扶養している 控除額 = 75万円(同居特別障害者1人分)
人的控除は合計75万円
例2 ひとり親で、障害のある子を育てているケース
本人はひとり親に該当し、一般障害者に該当する子を1人扶養している 控除額 = 35万円(ひとり親)+ 27万円(一般障害者1人分)
人的控除は合計62万円
例3 勤労学生と障害者控除が重なるケース
本人が勤労学生に該当し、同居していない特別障害者の親を1人扶養している 控除額 = 27万円(勤労学生)+ 40万円(特別障害者1人分、同居なし)
人的控除は合計67万円
控除額の一覧表(所得税)
| 区分 | 要件の目安 | 控除額 |
|---|---|---|
| 障害者控除(一般) | 障害者に該当する本人・配偶者・扶養親族 | 27万円 |
| 障害者控除(特別) | 障害の程度が重い特別障害者に該当する人 | 40万円 |
| 障害者控除(同居特別) | 特別障害者のうち本人等と同居している人 | 75万円 |
| ひとり親控除 | 所得500万円以下で生計を一にする子がいる、婚姻していない人(性別・婚姻歴不問) | 35万円 |
| 寡婦控除 | ひとり親に該当せず、夫と離婚・死別後に婚姻していない人 | 27万円 |
| 勤労学生控除 | 勤労による所得があり、学生・生徒に該当する人 | 27万円 |
住民税にも同じ種類の人的控除がありますが、控除額は所得税の金額とは別に定められています。
ここを間違えやすい
1|扶養控除と障害者控除は併用できます
扶養している家族に障害がある場合、扶養控除に加えて障害者控除も受けられます。16歳未満で扶養控除の対象にならない子でも、障害者控除だけは受けられます。
2|ひとり親控除と寡婦控除は同時に使えません
どちらも配偶者がいない人を対象にした控除ですが、ひとり親控除の要件を満たす場合はそちらが優先され、寡婦控除とは重複して使えません。
3|「同居」の判定は住民票だけでは決まりません
同居特別障害者にあたるかどうかは、単に住民票の住所が同じというだけでなく、実際に同居して生活をともにしている実態で判断されます。
4|自分で申告しないと適用されません
障害者控除やひとり親控除は、扶養控除等申告書やその他の控除申告書に自分で記載しないと適用されません。年の途中で状況が変わった場合は、会社への届け出を忘れないようにしてください。
よくある質問
- 16歳未満の子は扶養控除の対象になりませんが、障害者控除も対象外ですか。
- いいえ、扶養控除の対象にならない16歳未満の子でも、障害者に該当すれば障害者控除の対象になります。
- ひとり親控除は、離婚歴や性別によって受けられないことがありますか。
- 婚姻歴や性別は問われません。婚姻をしていないこと、生計を一にする子がいること、所得が500万円以下であることなど、要件を満たせば受けられます。
- 寡婦控除とひとり親控除の違いは何ですか。
- まずひとり親控除に該当するかどうかを確認し、該当しない場合に寡婦控除の対象になるかどうかを確認します。夫と離婚・死別したあと婚姻していないことなど、要件が異なります。
- これらの控除は年末調整で受けられますか、確定申告が必要ですか。
- 多くの場合、勤務先に提出する扶養控除等申告書などに記載すれば年末調整で受けられます。記載を忘れた場合や、年の途中で状況が変わった場合は確定申告で調整できます。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 所得税法第79条(障害者控除)・第80条(寡婦控除)・第81条(ひとり親控除)・第82条(勤労学生控除)
- 国税庁タックスアンサー No.1160「障害者控除」/No.1171「ひとり親控除」
- 国税庁タックスアンサー No.1170「寡婦控除」/No.1175「勤労学生控除」
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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