上場株式の評価額の計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:相続税・贈与税
  • 根拠:評基通169
  • 入力4項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

上場している会社の株式を相続や贈与で受け取った場合、評価額は市場価格をもとに決まります。ただし、その日の終値をそのまま使うわけではありません。課税時期の終値と、直近3か月の各月の平均株価を比べて、いちばん低い金額を評価額にします。株価が短期間で大きく変動していても、偏った金額で評価しないようにするためのしくみです。

この計算式を3行でいうと

  1. 評価額は「課税時期の終値・当月平均・前月平均・前々月平均」の4つのうち、最も低い金額を選びます。
  2. 課税時期は相続なら亡くなった日、贈与なら贈与を受けた日で、取引のない日は近い営業日の値段を使います。
  3. 求めた評価額は1株あたりの金額なので、実際の保有株数を掛けて相続財産の金額にします。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

上場株式の評価

評基通169結果コピーリンク

上場株式は、課税時期終値と直近3か月の各月平均のうち、最も低い価額で評価します。

評価額 = min(課税時期終値, 当月, 前月, 前々月 の各平均)
評価額(1株) ¥1,480
4つのうち最も低い価額¥1,480
1株あたり。株数を掛けて評価額に。
目次

こんなときに使います

  • 相続や遺贈で、上場企業の株式を受け継ぐことになったとき
  • 祖父母や父母から、上場株式の贈与を受けたとき
  • 株価が大きく変動している時期に、相続財産としての評価額を確認したいとき
  • 複数の銘柄を保有していて、それぞれの評価額をまとめて計算したいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
課税時期の終値相続開始日(亡くなった日)または贈与を受けた日の、その銘柄の終値です。証券会社の取引履歴や、証券取引所が公表するデータで確認します。
当月の平均課税時期が属する月の、毎営業日の終値を平均した金額です。証券会社に依頼するか、証券取引所が公表する月間平均株価で確認します。
前月の平均課税時期の1か月前の月の、終値の月平均です。同じ方法で確認します。
前々月の平均課税時期の2か月前の月の、終値の月平均です。同じ方法で確認します。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 課税時期を確定する:相続なら亡くなった日、贈与なら贈与を受けた日が課税時期です。その日が土日祝日などで取引がない場合は、最も近い営業日の終値を使います。
  2. 4つの価額を並べる:課税時期の終値、当月の月平均、前月の月平均、前々月の月平均の4つを並べます。
  3. いちばん低い金額を選ぶ:4つのうち最も低い金額が、1株当たりの評価額になります。

上場株式は毎日値段が動くため、たまたま課税時期の株価が高かっただけで評価額が跳ね上がってしまうと、相続税や贈与税の負担が偶然に左右されてしまいます。そこで、直近3か月の月平均という、ある程度ならした金額とも比べたうえで、納税者に有利な低いほうを選べるようにしているのがこのしくみの考え方です。保有する銘柄が複数ある場合は、銘柄ごとにこの計算をくり返します。

具体例で確かめる

例1 前月の平均がいちばん低いケース

課税時期の終値1,500円、当月平均1,550円、前月平均1,480円、前々月平均1,600円 4つのうち最も低いのは前月平均の1,480円

1株当たりの評価額は1,480円

例2 保有株数を掛けて相続財産の金額にするケース

1株当たりの評価額1,480円、保有株数2,000株 評価額 = 1,480円 × 2,000株

この銘柄の相続財産としての評価額は2,960,000円

例3 課税時期の終値がいちばん低いケース

課税時期の終値1,200円、当月平均1,350円、前月平均1,400円、前々月平均1,450円 4つのうち最も低いのは課税時期の終値1,200円

1株当たりの評価額は1,200円(株価が急落した直後に相続が起きた場合など)

ここを間違えやすい

1|課税時期の終値がいちばん高くても、当日の値段は使いません

4つの価額を比べて必ず最も低いものを選ぶルールです。課税時期の終値がいちばん高かったとしても、月平均のほうが低ければそちらを評価額にします。

2|複数の証券取引所に上場している場合の扱いに注意します

同じ銘柄が複数の証券取引所に上場している場合、原則として最も取引量の多い取引所の価額を使いますが、納税者が選んだ取引所の価額を使うことも認められています。

3|増資や配当の権利落ちがある月は調整が必要です

権利落ちや配当落ちがあった月は、月平均株価をそのまま使うと実態とずれることがあるため、権利落ち前後で計算方法を調整するルールがあります。個別の判断が必要です。

4|非上場株式にはこの評価方法を使えません

この評価方法は、金融商品取引所に上場されている株式が対象です。非上場の同族会社の株式などは、類似業種比準価額や純資産価額など別の方法で評価します。

よくある質問

月平均株価はどこで確認できますか。
証券会社の取引残高報告書や、証券取引所が公表する統計資料で確認できます。証券会社に相続税評価用の残高証明書を依頼すると、必要な価額がまとめて記載されている場合があります。
課税時期に取引が行われていない銘柄はどうなりますか。
課税時期の前後で最も近い日に取引があった日の終値を使います。前後の日までの日数が同じ場合は、その平均額を使うことになっています。年末年始や大型連休をまたぐ場合は特に確認が必要です。
投資信託やETFも同じ計算方法ですか。
上場されているETF(上場投資信託)は上場株式に準じて評価される場合がありますが、非上場の投資信託は別の評価方法になります。銘柄の種類によって扱いが異なるため確認が必要です。
外国の証券取引所に上場している株式はどうなりますか。
外国の取引所に上場されている株式も基本的な考え方は同じですが、為替換算のタイミングなど追加で確認すべき点があります。個別の判断が必要です。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 財産評価基本通達169(上場株式の評価)
  • 国税庁タックスアンサー No.4632「上場株式の評価」
  • 国税庁 財産評価基本通達 第2章 第2節(株式及び出資の評価)

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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