- カテゴリ:所得税
- 根拠:措法41
- 入力3項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
住宅ローンを組んでマイホームを購入・新築・増改築した方は、年末の借入残高に応じて税金が軽くなる住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受けられます。控除額は年末の借入残高に控除率を掛けて計算しますが、所得税から控除しきれない分は住民税からも差し引かれるという2段階のしくみになっています。ここではその計算方法を確認していきましょう。
この計算式を3行でいうと
- 控除額は「年末借入残高(限度額まで)×控除率0.7%」で計算します。借入残高が限度額を超える場合は限度額を使います。
- 借入限度額は住宅の環境性能(認定住宅かどうかなど)や入居した年によって変わり、まず自分の住宅がどの区分か確認する必要があります。
- 所得税から控除しきれなかった分は、課税総所得金額等の5%(上限9万7,500円)まで住民税からも差し引かれます。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
住宅ローン控除
措法41★結果コピーリンク年末借入残高(借入限度額まで)に控除率0.7%を掛けた額を所得税から控除。控除しきれない分は住民税から。
| 対象残高(限度まで) | ¥30,000,000 |
| ×0.7% | ¥210,000 |
こんなときに使います
- 住宅ローンを組んでマイホームを新築・購入・増改築し、年末調整や確定申告で控除額を計算したいとき
- 年末残高等証明書が届いて、実際にいくら税金が軽くなるのか確かめたいとき
- 住宅ローンの繰上返済を検討していて、控除額がどう変わるか事前に把握したいとき
- 所得税だけでは控除しきれないとき、住民税からいくら引かれるのか知りたいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 年末借入残高 | その年の12月31日時点で残っている住宅ローンの元金です。利息分は含みません。 | 金融機関から毎年10月ごろに届く「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」に記載されています。 |
| 借入限度額 | 控除の対象にできる借入残高の上限です。住宅の環境性能(認定住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅・その他の住宅など)と入居した年によって金額が変わります。 | 住宅ローン控除の計算明細書、住宅の性能証明書、税務署や国税庁の案内で確認します。 |
| 控除率 | 年末残高に掛ける割合です。現行制度では0.7%が基本ですが、計算の前に必ず適用年の率を確認してください。 | 国税庁の住宅借入金等特別控除の案内など、適用を受ける年分の資料で確認します。 |
計算のしくみ(3ステップ)
- 年末残高と限度額を比べる:年末借入残高と、住宅の種類・入居年で決まる借入限度額を比べ、小さいほうの金額を使います。
- 控除率を掛ける:小さいほうの金額に控除率(現行0.7%)を掛けて、その年の控除額を求めます。
- 所得税から引き、残りは住民税へ:まず所得税額から控除します。所得税額より控除額のほうが大きく引ききれない場合は、その残りが翌年度の住民税から差し引かれます。
具体例で確かめる
例1 年末残高2,800万円、限度額3,000万円のケース
年末残高のほうが小さいので、こちらを使う 控除額 = 28,000,000円 × 0.7%
控除額196,000円(この年の所得税・住民税をあわせた減税額の目安)
例2 年末残高が限度額を超えているケース(残高3,500万円、限度額3,000万円)
限度額のほうが小さいので、こちらを使う 控除額 = 30,000,000円 × 0.7%
控除額210,000円(残高のうち限度額を超えた分は計算に反映されない)
例3 控除額216,000円に対し、所得税額が15万円しかないケース
所得税から引けるのは150,000円まで 残り = 216,000円 - 150,000円 = 66,000円 住民税の上限は課税総所得金額等×5%(上限97,500円)
所得税150,000円が全額控除され、残り66,000円は上限の範囲内なら翌年度の住民税から控除される
ここを間違えやすい
1|借入残高がそのまま控除額になるわけではありません
控除額は「年末残高(限度額まで)×控除率」で計算した金額です。3,000万円の残高があっても、控除額はその0.7%である21万円にとどまります。
2|借入限度額は住宅の性能と入居年で変わります
省エネ性能が高い住宅ほど限度額が高く設定される傾向があります。中古住宅や増改築の場合は限度額の考え方自体が異なることもあるため、自分の住宅がどの区分に当たるかを最初に確認してください。
3|住民税の控除には別の上限があります
所得税から控除しきれなかった分が、そのまま住民税から引かれるわけではありません。課税総所得金額等の5%、上限97,500円までという別の上限があり、これを超える分は切り捨てられます。
4|初年度は確定申告が必須です
会社員の方でも、住宅ローン控除を初めて受ける年は必ず確定申告が必要です。2年目以降は年末調整で会社に申告できますが、初年度分の手続きを忘れると控除が受けられません。
よくある質問
- 繰上返済をすると控除額は減りますか。
- 年末残高が減るため、その分だけ控除額も減ります。返済期間が短くなりすぎると、住宅ローン控除の適用に必要な返済期間の要件を満たさなくなる場合があるため、事前に金融機関や税理士に確認することをおすすめします。
- 住民税から控除される分は、自分で申告する必要がありますか。
- 不要です。所得税の確定申告や年末調整の情報が市区町村に連携され、住民税の計算に自動的に反映されます。
- 控除率や限度額は毎年同じですか。
- いいえ、入居した年によって借入限度額や控除の扱いが変わります。制度改正もあるため、実際に適用する際は入居した年の基準を確認する必要があります。
- ペアローンを組んでいる場合はどう計算しますか。
- 夫婦それぞれの借入残高・持分割合に応じて、各自が別々に控除の計算をします。1つの物件でも2人分の控除額を合計するイメージです。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 租税特別措置法第41条(住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除)
- 国税庁タックスアンサー No.1210「マイホームを新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」
- 地方税法附則における住宅借入金等特別税額控除(個人住民税分)の取扱い
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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