上場株式等の譲渡(申告分離)の計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:個人の譲渡所得
  • 根拠:措法37の11
  • 入力3項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

上場株式等を売って利益が出ると、給与などとは合算せずに、単独で税金を計算する申告分離課税が適用されます。税率は一律20.315%で、利益の額にかかわらず変わりません。この計算機では、譲渡収入と取得費、手数料を入力するだけで税額の目安がわかります。

この計算式を3行でいうと

  1. 税額は「(譲渡収入-取得費-手数料)×20.315%」で計算し、税率は利益の大小にかかわらず一定です。
  2. 特定口座(源泉徴収あり)を選んでいれば、原則として確定申告なしで納税が完結します。
  3. 譲渡損失が出た年は、確定申告をすれば配当所得と損益通算し、翌年以降3年間繰り越せます。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

上場株式等の譲渡(申告分離)

措法37の11結果コピーリンク

上場株式等の譲渡益に20.315%(所得税15.315%+住民5%)の申告分離課税がかかります。

税額 = (譲渡収入 − 取得費 − 手数料) × 20.315%
税額 ¥402,237
譲渡所得¥1,980,000
×20.315%¥402,237
譲渡損失は配当と損益通算・3年繰越。
目次

こんなときに使います

  • 上場株式を売却して利益が出て、税額がいくらになるか知りたいとき
  • 複数の証券会社の口座があり、損益通算した場合の税額を試算したいとき
  • 今年、譲渡損失が出てしまい、繰越控除でどれだけ将来の税金を減らせるか知りたいとき
  • 特定口座(源泉徴収あり)で自動的に引かれた税額があっているか確かめたいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
譲渡収入株式を売った金額(約定代金)です。証券会社が発行する取引報告書や、年間取引報告書で確認できます。
取得費株式を買ったときの代金です。購入時の委託手数料も含みます。購入時の取引報告書、年間取引報告書の「取得費」の欄で確認します。
委託手数料等売却したときに証券会社に支払った手数料などです。売却時の取引報告書の手数料の欄で確認します。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 譲渡益を計算する:譲渡収入から取得費と委託手数料等を引きます。
  2. 税率を掛ける:20.315%(所得税及び復興特別所得税15.315%+住民税5%)を掛けます。
  3. 特定口座の種類を確認する:源泉徴収ありの特定口座なら、証券会社が自動で税額を計算・納付するため、原則として確定申告は不要です。
  4. 損失がある場合は申告を検討する:譲渡損失が出た年は、確定申告をすることで配当所得との損益通算や、翌年以降3年間の繰越控除が使えます。

具体例で確かめる

例1 譲渡収入500万円、取得費300万円、委託手数料2万円のケース

譲渡益 = 5,000,000円 - 3,000,000円 - 20,000円 = 1,980,000円 税額 = 1,980,000円 × 20.315%

税額は約40.2万円

例2 複数の証券会社で取引し、一方が損失のケース

A社の特定口座で譲渡益100万円、B社の特定口座で譲渡損失40万円 確定申告で損益通算すると、課税対象 = 1,000,000円 - 400,000円 = 600,000円

申告により課税対象が60万円に圧縮され、A社で源泉徴収された税金の一部が還付される

例3 その年に譲渡損失だけが出たケース

譲渡損失60万円で、他に利益がない場合

その年の税額は0円。確定申告をすれば、この60万円の損失を翌年以降3年間繰り越せる

損益通算・繰越控除の対象になるもの

通算・繰越の相手できるか
上場株式等の譲渡損失同士(複数口座間)できる
上場株式等の配当所得(申告分離課税を選んだ場合)できる
給与所得など総合課税の所得できない
繰越控除の期間翌年以後3年間

ここを間違えやすい

1|損益通算や繰越控除には確定申告が必要です

特定口座(源泉徴収あり)のままでは自動的に他口座と損益通算されません。複数の口座がある場合は、申告したほうが有利になることがあります。

2|繰越控除を続けるには、毎年申告が必要です

譲渡益がゼロの年でも、繰越控除を使い続けるには連続して確定申告をする必要があります。申告を1年でも休むと、繰り越していた損失が使えなくなります。

3|NISA口座内の損益とは通算できません

NISA口座は非課税のため、そもそも損益がなかったものとして扱われ、特定口座や一般口座の損益と通算できません。

4|家族の口座で申告すると、扶養に影響することがあります

譲渡益の金額によっては、扶養控除の判定や国民健康保険料などに影響することがあるため、家族全体で確認しておくことが大切です。

よくある質問

特定口座(源泉徴収あり)なら確定申告しなくてよいですか。
原則不要です。証券会社が譲渡のたびに税額を計算し、源泉徴収・納付まで行ってくれます。ただし他口座との損益通算をしたい場合などは、申告したほうが有利なことがあります。
手数料はどこまで取得費に含められますか。
購入時の委託手数料は取得費に、売却時の委託手数料は譲渡費用として、どちらも譲渡益の計算から差し引けます。
配当と損益通算するにはどうすればよいですか。
配当を申告分離課税で確定申告することで、その年の上場株式等の譲渡損失と通算できます。総合課税を選んだ配当は対象になりません。
繰越控除の途中で大きな利益が出たらどうなりますか。
その年の譲渡益から、繰り越していた損失を先に差し引き、残った利益にだけ課税されます。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 租税特別措置法第37条の11(上場株式等に係る譲渡所得等の課税の特例)
  • 国税庁タックスアンサー No.1463「株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」
  • 国税庁タックスアンサー No.1466「上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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