- カテゴリ:個人の譲渡所得
- 根拠:措法36の2
- 入力3項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
マイホームを売って、同じ価額以上の新しい住宅に買い換えると、税金の支払いを将来に先送りできる特例があります。課税の繰延であって、税金がなくなるわけではない点が最大のポイントです。この計算機では、譲渡価額と買換資産の取得価額から、今回課税される譲渡所得の目安を確認できます。
この計算式を3行でいうと
- 買換取得価額が譲渡価額以上であれば、今回課税される譲渡所得は0円になり、課税は将来に繰り延べられます。
- 買換取得価額が譲渡価額より低いときは、その差額部分にだけ按分計算をして課税されます。
- 課税されなかった分は消えるのではなく、将来買換資産を売るときにまとめて課税されます。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
居住用財産の買換え特例
措法36の2★結果コピーリンク譲渡価額以上の住宅に買い換えると課税繰延。買換取得価額を超えた部分だけが課税対象になります。
| 収入金額(譲渡−買換取得) | ¥20,000,000 |
| 必要経費(按分) | ¥8,000,000 |
| 譲渡所得 | ¥12,000,000 |
こんなときに使います
- 長く住んだマイホームを売って、新しい住宅に買い換える予定があるとき
- 買換えによって、今回の売却でどれだけ税金の支払いを先送りできるか知りたいとき
- 3,000万円特別控除と、この買換え特例のどちらが有利か比べたいとき
- 買換資産の値段によって、課税される部分がどう変わるか試算したいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 譲渡価額 | 今まで住んでいた家を売った金額です。 | 売却した住宅の売買契約書で確認します。 |
| 買換資産の取得価額 | 新しく買った住宅の購入価格です。 | 新居の売買契約書で確認します。 |
| 取得費+譲渡費用 | 売った家の取得費(購入価格など)と、売るために直接かかった費用の合計です。 | 売った家の購入時・売却時の契約書、領収書で確認します。 |
計算のしくみ(3ステップ)
- 譲渡価額と買換取得価額を比べる:新しい家の購入価格が、売った家の譲渡価額以上かどうかを確認します。
- 課税される「収入」を計算する:譲渡価額から買換取得価額を引いた金額が、今回課税の対象になる収入です。買換取得価額のほうが高ければ、この収入は0円になります。
- 必要経費を按分する:取得費と譲渡費用の合計に、(収入 ÷ 譲渡価額)の割合を掛けて、対応する必要経費を計算します。
- 譲渡所得を計算する:収入から按分した必要経費を引いた金額が、今回課税される譲渡所得です。
必要経費の按分計算は、譲渡価額に占める「今回課税される収入」の割合を、取得費と譲渡費用の合計に掛けるという考え方です。買換取得価額が譲渡価額に近づくほど、今回課税される収入は小さくなり、それにあわせて必要経費も小さく按分されます。買換資産のほうが高ければ収入は0円になるため、必要経費の按分計算そのものが不要になります。
具体例で確かめる
例1 譲渡価額8,000万円、買換取得価額6,000万円、取得費+譲渡費用3,200万円のケース
収入 = 80,000,000円 - 60,000,000円 = 20,000,000円 必要経費 = 32,000,000円 ×(20,000,000円 ÷ 80,000,000円)= 8,000,000円 譲渡所得 = 20,000,000円 - 8,000,000円 = 12,000,000円
課税される譲渡所得は1,200万円。残り6,800万円分の税金は将来に繰り延べ
例2 買換取得価額が譲渡価額以上のケース
譲渡価額5,000万円、買換取得価額6,000万円 収入 = 50,000,000円 - 60,000,000円 → マイナスのため0円
課税される譲渡所得は0円。税金は買換資産を売るときまで全額繰り延べられる
例3 買換えをしない場合との比較
同じ譲渡価額8,000万円・取得費等3,200万円の物件を、買換えせずに売った場合 通常の譲渡所得 = 80,000,000円 - 32,000,000円 = 48,000,000円
買換え特例を使うと、今回課税される所得が4,800万円から1,200万円に圧縮される
ここを間違えやすい
1|「非課税」ではなく「課税の繰延」です
税金が消えるわけではなく、将来その買換資産を売るときに、繰り延べた分も含めてまとめて課税される仕組みです。
2|所有期間などの要件を満たさないと使えません
売った家と敷地を10年を超えて所有していることなど、細かな要件が定められています(措法36の2)。要件を満たすかどうかは個別の判断が必要です。
3|3,000万円特別控除とは選択適用です
どちらも使える場合でも、同時に両方は使えません。目先の税負担と将来の見通しを踏まえて、有利なほうを選ぶ必要があります。
4|買換資産の床面積や取得時期にも条件があります
新しく買う家の広さや、取得の時期(譲渡した年の前後の一定期間内であることなど)についても要件があるため、事前の確認が欠かせません。
よくある質問
- この特例を使うと、税金はまったくかかりませんか。
- かからないのではなく「先送り」されます。将来、買い換えた家をさらに売却するときに、今回繰り延べた分も含めて課税されます。
- 3,000万円特別控除と、どちらが得ですか。
- 目先の税負担を軽くしたいなら3,000万円特別控除、将来にわたって課税を先送りしたいなら買換え特例が向いていることが多いですが、所有期間や将来の売却予定によって有利不利は変わるため、個別の試算をおすすめします。
- 買換資産の取得価額に、諸費用も含めてよいですか。
- 原則として購入代金そのものです。仲介手数料などの諸費用の扱いは、個別に確認が必要です。
- 住宅ローンを組んで買い換えた場合も対象になりますか。
- 対象になりますが、この特例と住宅ローン控除は選択適用のため、同じ年に両方を受けることはできません。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 租税特別措置法第36条の2(特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例)
- 国税庁タックスアンサー No.3355「特定のマイホームを買い換えたときの特例」
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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