- カテゴリ:所得税
- 根拠:措法41の17の2
- 入力1項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
ドラッグストアで買える市販薬の中には、税金の控除に使えるものがあります。それがセルフメディケーション税制です。健康診断や予防接種などを受けている人が対象医薬品を一定額を超えて購入すると、その超過分を所得から差し引けます。通常の医療費控除とはどちらか一方しか選べません。
この計算式を3行でいうと
- 対象医薬品(スイッチOTC)の年間購入額が1万2千円を超えると、超えた分を所得から控除できます。上限は8万8千円です。
- 健康診断や予防接種など、健康の維持増進や疾病予防への取り組みをしていることが適用の条件です。
- 通常の医療費控除とは選択制で、両方同時に使うことはできません。購入額に応じてどちらが有利か試算しましょう。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
セルフメディケーション税制
措法41の17の2★結果コピーリンク健康診断等を受けている人が対象医薬品(スイッチOTC)を年1万2千円超購入した場合、超過分(上限8.8万円)を控除できます。
| 購入額−12,000円(上限8.8万) | ¥38,000 |
こんなときに使います
- 病院にはあまりかからないが、ドラッグストアで市販薬をよく買うとき
- 会社や自治体の健康診断を毎年受けていて、健康維持に取り組んでいるとき
- 医療費控除を使うほど病院代がかからなかった年に、市販薬の購入額で控除できないか確認したいとき
- 家族の分もあわせて、対象医薬品の購入額がいくらになるか計算したいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 対象医薬品の年間購入額 | その年に購入した、対象医薬品(スイッチOTC医薬品)の合計金額です。生計を一にする家族の分もあわせて合計できます。 | レシートに記載される識別マークや、薬局が発行する対象製品の一覧で確認します。 |
入力するのはこの1項目だけです。レシートに「セルフメディケーション税制対象」などと印字されている商品の金額を、1年分合計してください。対象医薬品は、もともと医療用として使われていた成分が市販薬に転用された「スイッチOTC医薬品」が中心で、風邪薬・胃腸薬・鎮痛剤・湿布薬・水虫薬など幅広い分類にわたります。同じ売り場にあるビタミン剤やサプリメントでも、スイッチOTC医薬品に該当しないものは対象外になるため、購入のたびにレシートの表示を確認する習慣をつけておくと安心です。
計算のしくみ(3ステップ)
- 対象医薬品の購入額を1年分合計する:本人と生計を一にする家族が購入した対象医薬品(スイッチOTC医薬品)の金額をすべて足します。
- 1万2千円を差し引く:合計額から1万2千円を引きます。1万2千円以下の場合は控除額はゼロです。
- 上限8万8千円と比べる:差し引いた金額と8万8千円を比べて、小さいほうが実際の控除額になります。
具体例で確かめる
例1 対象医薬品を年間5万円購入したケース
控除額 = min(50,000円-12,000円, 88,000円) = min(38,000円, 88,000円)
控除額は38,000円
例2 対象医薬品を年間1万円しか購入しなかったケース
購入額10,000円は12,000円に届いていない
控除額は0円(対象外)
例3 家族の分もあわせて対象医薬品を年間15万円購入したケース
控除額 = min(150,000円-12,000円, 88,000円) = min(138,000円, 88,000円)
控除額は上限の88,000円
控除を受けるために必要な「一定の取り組み」
セルフメディケーション税制を使うには、対象医薬品を購入しているだけでなく、本人が健康の維持増進や疾病の予防への取り組みを行っていることが条件です。具体的には、会社や自治体の健康診断、特定健康診査(メタボ健診)、予防接種、がん検診、人間ドックなどを受けていることが該当します。取り組みを証明する書類は、申告時の提出は不要ですが、氏名・実施年・保険者等が確認できる状態で5年間保存しておく必要があります。
ここを間違えやすい
1|通常の医療費控除と同時には使えません
その年は、セルフメディケーション税制と通常の医療費控除のどちらか一方しか選べません。病院代も市販薬代も多い年は、両方を計算して控除額が大きいほうを選んでください。
2|どの薬が対象かはレシートで確認します
すべての市販薬が対象になるわけではありません。対象医薬品(スイッチOTC医薬品)を扱う薬局のレシートには、対象商品に識別マークが印字されているのが一般的です。購入時にレシートを確認する習慣をつけておくと安心です。
3|健康診断などの「一定の取り組み」が条件です
対象医薬品を購入しているだけでは適用できません。健康診断や予防接種など、健康の維持増進や疾病予防への取り組みを行っていることが前提条件になります。
4|1万2千円は家族分も含めた購入額全体から引きます
生計を一にする家族の購入額を合算したあとの金額から1万2千円を差し引きます。本人だけ、家族だけと分けて計算しないよう注意してください。
よくある質問
- 会社員でも申告できますか。
- できます。ただし年末調整では適用されないため、セルフメディケーション税制を使う年は確定申告が必要です。
- レシートを紛失した場合はどうすればよいですか。
- 原則としてレシートなど購入を証明する書類の保存が必要です。紛失した場合は、購入した薬局に再発行を相談するなどの対応を検討してください。
- 医療費控除とどちらが得か、毎回計算しないといけませんか。
- 購入額や医療費の金額によって有利な制度は変わるため、対象になりそうな年はどちらの控除額が大きいか確認することをおすすめします。市販薬中心の年はセルフメディケーション税制、通院や入院が多い年は医療費控除が有利になりやすい傾向があります。
- いつまでの制度ですか。
- 期限が定められた時限措置として運用されている制度です。適用期限は改正で延長されることがあるため、最新の情報を確認してください。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 租税特別措置法第41条の17の2(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)
- 国税庁タックスアンサー No.1128「セルフメディケーション税制」
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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