課税事業者の判定方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:消費税
  • 根拠:消法9・9の2・12の2
  • 入力5項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

消費税を納める義務があるかどうか、つまり課税事業者かどうかは、1つの基準だけでは決まりません。売上の規模、特定の半年間の実績、会社の設立時期と資本金、インボイス登録の有無など、複数の基準のうちどれか1つでも当てはまれば課税事業者になります。ここでは代表的な4つの基準を順番に確認しながら、当期が課税事業者になるかどうかを判定します。

この計算式を3行でいうと

  1. 基準期間(原則2期前)の課税売上高が1,000万円を超えると、それだけで課税事業者になります。
  2. 特定期間(前期の上半期)の課税売上高と給与等支払額が両方とも1,000万円を超える場合も課税事業者になります。
  3. 新設法人で資本金1,000万円以上の場合や、インボイス登録をしている場合も、売上に関係なく課税事業者になります。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

課税事業者の判定フロー

消法9・9の2・12の2結果コピーリンク

基準期間・特定期間・資本金・インボイス登録から、当期が課税事業者かどうかを判定します。

基準期間売上>1,000万 → 課税 特定期間の売上と給与がともに>1,000万 → 課税 新設1・2期目で資本金≧1,000万 → 課税 / インボイス登録 → 課税
免税事業者
基準期間売上¥8,000,000 ≦1,000万
特定期間給与≦1,000万→免税可(選択)
判定免税事業者
(参考)特定期間は売上に代えて給与で判定可能
特定新規設立法人(親会社売上5億超)・高額特定資産取得後・課税事業者選択届出中は別途課税。相続・合併の特例あり。
目次

こんなときに使います

  • 新しく事業年度が始まる前に、今期は消費税の課税事業者になるのかどうかを確認したいとき
  • 売上は基準に届かないのに、給与の支払いが多くて課税事業者になるのか迷っているとき
  • 会社を新しく設立するにあたり、資本金の額で消費税の扱いが変わるのか知りたいとき
  • インボイス登録を検討する前提として、登録しなくても課税事業者になるかどうか確認したいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
基準期間(前々期)の課税売上高個人は2年前、法人は原則2期前にあたる課税期間の課税売上高です。2期前の決算書・確定申告書の売上高で確認します。
特定期間の課税売上高原則として前事業年度開始の日から6か月間(個人は前年1月から6月)の課税売上高です。前期の試算表や月次の売上集計資料で確認します。
特定期間の給与支払額同じ6か月間に、従業員や役員に支払った給与等の合計額です。給与台帳・賃金台帳の該当期間分を集計します。
資本金(新設1・2期目のみ)事業年度開始の日における資本金または出資金の額です。設立1期目・2期目以外は0を入力します。登記簿謄本や定款で確認します。
インボイス登録済1/0適格請求書発行事業者として登録しているかどうかです。登録番号(Tから始まる13桁)の通知を受け取っているかで判断します。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 基準期間で確認する:基準期間(原則2期前)の課税売上高が1,000万円を超えていれば、その時点で課税事業者です。
  2. 特定期間で確認する:基準期間の判定で免税のままでも、特定期間の課税売上高と給与等支払額の両方が1,000万円を超えていれば課税事業者になります。どちらか一方だけなら、この基準では免税のままです。
  3. 新設法人とインボイス登録を確認する:設立1期目・2期目で資本金が1,000万円以上なら無条件に課税事業者です。また、インボイス発行事業者として登録していれば、他の基準を満たさなくても課税事業者として扱われます。

具体例で確かめる

例1 基準期間800万円、特定期間の売上1,200万円・給与900万円、資本金0円、未登録のケース

基準期間800万円は1,000万円以下 → この基準では免税 特定期間は売上1,200万円が1,000万円超だが、給与900万円は1,000万円以下 → 両方は超えていないため、この基準でも免税

資本金・インボイス登録もなければ、いずれの基準にも当てはまらず免税事業者のまま

例2 基準期間の課税売上高が1,500万円あったケース

基準期間1,500万円は1,000万円を超えている

この時点で課税事業者になる。特定期間や資本金を確認するまでもない

例3 資本金1,500万円で会社を設立し、1期目のケース

設立1期目のため基準期間の課税売上高は存在しない 資本金1,500万円は1,000万円以上

基準期間がなくても、資本金の要件だけで設立1期目から課税事業者になる

課税事業者になる4つのパターン

基準見る数字課税事業者になる条件
基準期間前々期(個人は前々年)の課税売上高1,000万円を超えるとき
特定期間前期上半期の課税売上高と給与等支払額両方とも1,000万円を超えるとき
新設法人の資本金設立1期目・2期目の資本金または出資金1,000万円以上のとき
インボイス登録適格請求書発行事業者としての登録登録しているとき(登録日以降)

ここを間違えやすい

1|「特定期間」は前期そのものではありません

特定期間は、前事業年度開始の日から6か月間という決まった期間です。決算月を変更した年や、前期が1年に満たない年は、期間の数え方を間違えやすいので注意してください。

2|特定期間は売上と給与のどちらか一方だけでは課税事業者になりません

課税売上高と給与等支払額のどちらか一方だけが1,000万円を超えていても、この基準では免税事業者のままです。両方を確認してから判断してください。

3|インボイス登録をすると、原則として課税事業者のままです

いったん適格請求書発行事業者として登録すると、その後に売上が下がっても、登録の取りやめの手続きをしない限り課税事業者として扱われます。

4|この4つ以外にも課税事業者になるケースがあります

親会社等の課税売上高が5億円を超える場合の新設法人の特例、高額特定資産を取得した後の届出制限、課税事業者選択届出書を提出している場合、相続や合併があった場合など、別途注意が必要なケースがあります。個別の判断が必要です。

よくある質問

基準期間に売上がまったくなかった場合はどうなりますか。
基準期間の課税売上高が0円であれば、その基準では免税事業者のままです。ただし特定期間や新設法人の基準など、他の基準に当てはまらないかはあわせて確認してください。
特定期間の売上か給与、どちらか一方だけが1,000万円を超えている場合はどうなりますか。
この基準は課税売上高と給与等支払額の両方が1,000万円を超えた場合に課税事業者となる仕組みなので、どちらか一方だけであれば、この基準では免税事業者のままです。
一度課税事業者になったら、ずっと課税事業者のままですか。
基準期間や特定期間の判定は毎期行うため、翌期以降に売上が下がれば免税事業者に戻ることもあります。ただしインボイス登録をしている場合は、登録を取りやめない限り課税事業者のままです。
資本金1,000万円未満で会社を設立すれば、消費税は関係ありませんか。
設立1期目・2期目は基準期間の判定ができないため、資本金が1,000万円未満であれば原則として免税事業者からスタートできます。ただし特定期間の基準やインボイス登録によって課税事業者になることはあります。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 消費税法第9条(小規模事業者に係る納税義務の免除)、第9条の2(特定期間における課税売上高による納税義務の免除の特例)、第12条の2(新設法人の納税義務の免除の特例)
  • 国税庁タックスアンサー No.6501「納税義務の免除」
  • 国税庁「消費税のインボイス制度」における登録と納税義務に関する案内

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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