- カテゴリ:法人税
- 根拠:措法42の4
- 入力4項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
研究開発に力を入れている会社は、その年に支出した試験研究費の一定割合を、法人税額から直接差し引ける研究開発税制(試験研究費の総額に係る税額控除)を使えます。控除率や控除できる上限は、試験研究費が前年までと比べてどれだけ増減したかなどによって毎年の税制改正で変わるため、まず自社に適用される率を確認したうえで税額控除額を計算する必要があります。
この計算式を3行でいうと
- 控除額は「試験研究費の額×控除率」で計算しますが、控除できるのは法人税額×控除上限率までです。
- 控除率と控除上限率は、試験研究費の増減割合や会社の規模などをもとに、税制改正のたびに算式が変わります。
- この計算機では、あらかじめ確認した控除率・控除上限率を入力する前提で、控除額と上限のどちらが小さいかを試算します。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
研究開発税制(試験研究費)
措法42の4★結果コピーリンク試験研究費に控除率を掛けた額を法人税額から控除。控除率は増減試験研究費割合で毎年変動し、上限も年で変わります。
| 試験研究費×控除率 | ¥1,700,000 |
| 上限(法人税額×25%) | ¥7,500,000 |
| 控除額 | ¥1,700,000 |
こんなときに使います
- 研究開発や新製品・新技術の開発に継続的に費用をかけていて、税額控除額の見込みを知りたいとき
- 今期の試験研究費が前期より増えた(または減った)年に、控除額がどう変わるか確かめたいとき
- 顧問税理士から適用される控除率・控除上限率の連絡を受け、実際の控除額を試算したいとき
- 設備投資減税など他の税額控除と、研究開発税制のどちらを優先すべきか検討する材料にしたいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 試験研究費の額 | 新製品・新技術の研究開発のために支出した人件費、材料費、外部委託費などの合計です。 | 試験研究費の内訳を集計した明細(研究開発部門の原価計算資料など)から求めます。 |
| 控除率 | 試験研究費に掛ける割合です。試験研究費が前年までと比べてどれだけ増減したか(増減試験研究費割合)などにもとづいて、その年度の算式で決まります。 | その事業年度の税制改正の内容、または顧問税理士からの案内で確認します。 |
| 法人税額 | 控除の計算のもとになる、その事業年度の法人税額(研究開発税制などの税額控除を適用する前の金額)です。 | 法人税申告書別表一の「法人税額」欄で確認します。 |
| 控除上限率 | 法人税額のうち、研究開発税制で控除できる割合の上限です。会社の規模や試験研究費の水準によって毎年度の算式で決まります。 | その事業年度の税制改正の内容、または顧問税理士からの案内で確認します。 |
計算のしくみ(3ステップ)
- 控除額の候補を計算する:試験研究費の額に控除率を掛けて、控除できる金額の候補を求めます。
- 控除の上限額を計算する:法人税額に控除上限率を掛けて、その年に控除できる金額の上限を求めます。
- 小さいほうを控除額とする:1で求めた候補と2で求めた上限額を比べ、小さいほうの金額が実際に控除できる税額です。
具体例で確かめる
例1 試験研究費2,000万円、控除率8.5%、法人税額3,000万円、控除上限率25%のケース
控除額の候補 = 20,000,000円 × 8.5% = 1,700,000円 控除の上限額 = 30,000,000円 × 25% = 7,500,000円 候補のほうが上限額より小さい
税額控除額は1,700,000円
例2 試験研究費が多く、上限に達してしまうケース(試験研究費8,000万円、控除率10%、法人税額2,000万円、控除上限率25%)
控除額の候補 = 80,000,000円 × 10% = 8,000,000円 控除の上限額 = 20,000,000円 × 25% = 5,000,000円 上限額のほうが候補より小さい
税額控除額は上限の5,000,000円まで(候補との差額300万円はその年に使いきれない)
例3 控除率が変わった場合の比較(試験研究費2,000万円、法人税額3,000万円、控除上限率25%)
控除率8.5%のとき = 20,000,000円 × 8.5% = 1,700,000円 控除率が12%に上がった場合 = 20,000,000円 × 12% = 2,400,000円
同じ試験研究費でも、控除率が3.5ポイント上がると控除額は70万円増える
ここを間違えやすい
1|控除率と控除上限率は毎年見直されます
研究開発税制の控除率は、試験研究費が前年までと比べて増えたか減ったか(増減試験研究費割合)などをもとに、税制改正のたびに算式が変わります。前年に使った率をそのまま今年に当てはめないよう注意してください。
2|控除額には上限があり、使いきれない年もあります
試験研究費に控除率を掛けた金額が大きくても、法人税額×控除上限率を超える部分はその年には控除できません。会社の規模や利益水準によっては、上限に達してしまうことがあります。
3|対象になる費用の範囲を確認してください
試験研究費として認められるのは、新製品や新技術の研究開発に関連する人件費・材料費・外部委託費などです。通常の製造・生産活動にかかる費用や、既存製品の軽微な改良などは対象にならない場合があります。
4|中小企業やベンチャー企業には別枠の優遇があります
資本金1億円以下の中小企業や、設立間もない欠損法人などには、控除率や上限率を優遇する別の枠組みが用意されていることがあります。自社がどの区分に当たるかによって、使う率や上限が変わります。
よくある質問
- 控除率は自分で計算しないといけませんか。
- 控除率は増減試験研究費割合などをもとにした算式で決まりますが、算式そのものが毎年改正されるため、このページの計算機では確認済みの控除率を入力していただく形にしています。算式の詳細は顧問税理士や国税庁の資料で確認してください。
- 試験研究費が前年より減った場合はどうなりますか。
- 試験研究費が減少した年は、一般に控除率が低く算定される傾向があります。それでも要件を満たせば制度自体は利用できるため、実際の控除率をその年度の算式で確認してください。
- 控除しきれなかった金額は翌年に繰り越せますか。
- 研究開発税制の税額控除は、原則としてその事業年度内でしか使えません(一部、特別な繰越措置が設けられる年度もあります)。上限に達しそうな場合は、事前に顧問税理士に相談することをおすすめします。
- 設備投資減税と研究開発税制は同時に使えますか。
- 対象になる支出が異なれば、それぞれの制度の要件を満たす範囲で併用できる場合があります。ただし税額控除の合計にも別途上限が設けられているため、複数の制度を使う場合は全体の控除額を確認する必要があります。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 租税特別措置法第42条の4(試験研究を行った場合の法人税額の特別控除)
- 国税庁タックスアンサー、研究開発税制に関する経済産業省・中小企業庁の解説資料
税制は毎年改正されます。控除率・控除上限率は年度ごとに算式が変わるため、実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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