- カテゴリ:法人税
- 根拠:法令73
- 入力3項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
会社が支出した寄附金は、全額を経費(損金)にできるわけではありません。税法で決められた損金算入限度額までしか認められず、超えた分は法人税の計算上、利益に足し戻されます。この計算式は、国や地方公共団体、特定公益増進法人以外への「一般の寄附金」について、その上限がいくらになるかを求めるものです。
この計算式を3行でいうと
- 一般の寄附金の損金算入限度額は「資本金等×月数/12×0.25%+所得金額×2.5%」の合計の4分の1です。
- 限度額を超えた部分は損金不算入となり、法人税の確定申告で所得に加算調整されます。
- 国・地方公共団体への寄附金や指定寄附金は全額損金算入で、この限度額の対象外です。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
寄附金の損金算入限度額(一般)
法令73★結果コピーリンク一般の寄附金は、資本基準と所得基準の合計の4分の1までが損金算入。超える部分は損金不算入です。
| 資本基準(資本金等×月数/12×0.25%) | ¥75,000 |
| 所得基準(所得×2.5%) | ¥500,000 |
| 合計×1/4 | ¥143,750 |
こんなときに使います
- 取引先ではない団体やお祭り、スポーツ大会などに協賛金・寄付金を出したとき
- 決算前に、今期支出した寄付金がどこまで経費(損金)になるのか確認したいとき
- 関連会社への無償の資金援助や、時価より著しく低い価格での取引が寄附金として扱われないか心配なとき
- 特定公益増進法人(日本赤十字社など)以外の一般の団体に寄付をする予定があるとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 期末資本金等の額 | 決算日時点の資本金と資本準備金等を合計した金額です。単純な「資本金」の額とは一致しないことがあります。 | 法人税申告書別表五(一)、または決算書の純資産の部で確認できます。 |
| 当期の月数 | 今回の事業年度の月数です。通常は12ですが、設立初年度や決算期変更があった期は12より短くなります。 | 決算期の開始日と終了日から数えます。1か月に満たない端数は切り上げて数えます。 |
| 所得金額 | 寄附金を損金に算入する前の所得金額です。「寄付をしなかったとしたら」の所得と考えるとわかりやすい数字です。 | 法人税申告書別表四で、寄附金の損金不算入額を加算する前の所得金額として確認します。 |
計算のしくみ(3ステップ)
- 資本基準の金額を出す:期末資本金等の額に、当期の月数を12で割った割合と0.25%を掛けます。事業年度が12か月であれば、資本金等の額の0.25%がそのまま資本基準額になります。
- 所得基準の金額を出す:所得金額に2.5%を掛けます。ここでの所得金額は、寄附金を損金に算入する前の金額を使う点に注意してください。
- 合計して4分の1にする:資本基準額と所得基準額を足し、その合計額の4分の1が損金算入限度額です。実際に支出した一般の寄附金の額がこの限度額を超えていれば、超えた部分は損金不算入になります。
具体例で確かめる
例1 資本金等3,000万円、決算期間12か月、所得金額2,000万円のケース
資本基準額 = 30,000,000円 × 12/12 × 0.25% = 75,000円 所得基準額 = 20,000,000円 × 2.5% = 500,000円 限度額 =(75,000円 + 500,000円)× 1/4
損金算入限度額は143,750円。この金額までの一般の寄附金であれば経費にできる
例2 設立初年度で、決算期間が6か月だったケース
資本金等3,000万円、所得金額2,000万円は例1と同じで、月数だけ6か月に変わる場合 資本基準額 = 30,000,000円 × 6/12 × 0.25% = 37,500円 限度額 =(37,500円 + 500,000円)× 1/4
損金算入限度額は134,375円。事業年度が短いほど限度額も小さくなる
例3 限度額を超えて寄付をしていたケース
例1の会社が、一般の寄附金として30万円を支出していた場合 損金算入できるのは限度額の143,750円まで 超過額 = 300,000円 - 143,750円
156,250円は損金不算入。法人税の申告書でこの金額を所得に加算する
寄附金の種類ごとの扱い
| 寄附金の種類 | 損金算入の扱い |
|---|---|
| 国・地方公共団体への寄附金、指定寄附金 | 全額が損金算入されます。このページの限度額の計算には含めません。 |
| 特定公益増進法人等への寄附金 | 一般の寄附金とは別枠で、特別の損金算入限度額が設けられています。 |
| それ以外の一般の寄附金 | このページの計算式で求めた限度額までが損金算入され、超過分は損金不算入です。 |
ここを間違えやすい
1|「資本金」と「資本金等の額」は違います
資本金等の額には、資本金だけでなく資本準備金や、税務上の資本積立金の増減額なども含まれます。決算書の資本金の欄だけを見て入力すると、限度額がずれることがあります。
2|所得金額は「寄附金を足し戻す前」の数字を使います
限度額の計算に使う所得金額は、寄附金の損金不算入額を加算する前の所得です。すでに加算した後の所得金額を入れてしまうと、限度額が本来の金額からずれてしまいます。
3|関連会社への資金援助が寄附金とみなされることがあります
子会社への無利息貸付、債権放棄、時価より著しく低い価格での資産の譲渡などは、実質的に贈与とみなされ、寄附金として扱われる場合があります。取引条件に経済合理性があるか、事前の確認が必要です。
4|未払いのまま計上しただけでは損金になりません
寄附金は、実際に金銭などを支払った日の属する事業年度の損金となります。「寄付すると決めて未払金に計上しただけ」の状態では、その事業年度の損金には算入できません。
よくある質問
- 限度額を超えて寄付した分は、翌期に繰り越して経費にできますか。
- できません。限度額を超えた部分はその事業年度で損金不算入となり、切り捨てられます。翌期以降に繰り越して損金算入する制度はありません。
- 代表者が個人名義で寄付した場合はどうなりますか。
- 会社の経費として処理するには、会社の資金から会社名義で支出したことが前提です。代表者が個人として寄付した場合は、会社の寄附金にはなりません。
- 寄付先が特定公益増進法人かどうかは、どうやって確認しますか。
- 認定NPO法人や公益社団法人・公益財団法人、学校法人、社会福祉法人などが該当します。寄付先の団体に、税務上の証明に必要な書類を発行してもらえるか確認するとよいでしょう。
- 赤字(欠損金)の期でも寄付金の限度額はありますか。
- 所得金額がマイナスの場合、所得基準額の計算はゼロとして扱われます。この場合、限度額は資本基準額だけをもとに計算されることになります。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 法人税法第37条(寄附金の損金不算入)、法人税法施行令第73条(一般の寄附金の損金算入限度額)
- 国税庁タックスアンサー No.5262「寄附金を支出したとき」
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
関連する計算ツール
← 税務計算ツール集(全168式)の一覧にもどるこの計算、実際の数字で確かめませんか
札幌のジェイスタート会計事務所(公認会計士・税理士)が、御社の実額をもとに試算し、次に打つ手までご提案します。初回のご相談は無料です。
初回相談(無料)を申し込む料金・契約の流れを見る