交際費の損金不算入(中小法人)の計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:法人税
  • 根拠:措法61の4
  • 入力2項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

取引先との飲食や贈答にかかった交際費は、原則として税金の計算上は経費にできません。ただし資本金1億円以下の中小法人には特例があり、一定額までは損金算入が認められています。この計算式は、その特例を使った場合に損金にできない金額がいくらになるかを求めるものです。

この計算式を3行でいうと

  1. 中小法人は「定額控除800万円」と「接待飲食費の50%」のうち、損金算入額が大きくなる有利な方を選べます。
  2. 損金不算入額は、交際費等の額からそれぞれの基準で計算した損金算入額を引いた金額のうち小さい方です。
  3. 資本金1億円超の大法人は定額控除が使えず、接待飲食費の50%を損金算入する基準だけになります。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

交際費の損金不算入(中小法人)

措法61の4結果コピーリンク

中小法人は「定額控除800万円」と「接待飲食費の50%」の有利な方まで損金算入できます。損金不算入額が小さい方を選択します。

損金不算入 = min( 交際費−800万 , 交際費−接待飲食費×50% )
損金不算入額 ¥4,000,000
定額控除800万基準の不算入¥4,000,000
飲食費50%基準の不算入¥7,500,000
有利判定定額控除800万基準
損金算入額¥8,000,000
大法人は接待飲食費50%基準のみ。
目次

こんなときに使います

  • 取引先との会食や接待、贈答品の購入が多い月・決算期に、経費にできる金額を確認したいとき
  • 忘年会や新年会など、取引先を招いた飲食の費用が交際費に該当するか気になるとき
  • 今期の交際費の使いすぎで、損金にできない金額が出そうか事前に見積もりたいとき
  • 定額控除方式と接待飲食費の50%基準のどちらが有利か、決算対策として比較したいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
交際費等の額取引先への接待・供応・慰安・贈答などのために支出した費用の年間合計額です。総勘定元帳の交際費勘定、または法人税申告書別表十五の集計額で確認します。
うち接待飲食費交際費等の中でも、飲食のために支出した費用(社内だけの飲食費を除く)の金額です。交際費の内訳から、飲食店等への支払いに絞って集計します。1人当たり少額で交際費から除外した飲食費は含めません。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 定額控除方式で計算する:交際費等の額から800万円を引きます。交際費等の額が800万円以下であれば、この方式では損金不算入額はゼロになります。
  2. 接待飲食費50%方式で計算する:交際費等の額から、接待飲食費に50%を掛けた金額を引きます。
  3. 小さい方を選ぶ:2つの方式で計算した損金不算入額のうち、小さい方(損金算入額が大きくなる方)を採用します。中小法人はこの2つを自由に選択できます。

具体例で確かめる

例1 交際費1,200万円、うち接待飲食費900万円のケース

定額控除方式:12,000,000円 - 8,000,000円 = 4,000,000円 接待飲食費50%方式:12,000,000円 -(9,000,000円 × 50%)= 7,500,000円 小さい方を選ぶ = 4,000,000円

損金不算入額は400万円。定額控除方式のほうが有利で、800万円までが損金算入できる

例2 交際費600万円、うち接待飲食費500万円のケース

定額控除方式:6,000,000円 - 8,000,000円 = マイナスなので損金不算入額は0円 接待飲食費50%方式:6,000,000円 -(5,000,000円 × 50%)= 3,500,000円

損金不算入額は0円。交際費が800万円以下なら定額控除方式で全額を損金算入できる

例3 接待飲食費の割合が高いケース

交際費2,000万円、うち接待飲食費1,900万円の場合 定額控除方式:20,000,000円 - 8,000,000円 = 12,000,000円 接待飲食費50%方式:20,000,000円 -(19,000,000円 × 50%)= 10,500,000円

損金不算入額は1,050万円。この場合は接待飲食費50%方式のほうが有利になる

ここを間違えやすい

1|社内の懇親会費用は「接待飲食費」に含みません

接待飲食費50%基準の対象になるのは、取引先など社外の者を接待する飲食費です。従業員だけの忘年会や慰安旅行の費用は、そもそも交際費や福利厚生費など別の区分で判断します。

2|1人当たり少額の飲食費は交際費から除外できます

取引先と行った飲食で、1人当たりの金額が一定額以下のものは、要件を満たせば交際費等から除外して会議費などで処理できます。除外した分は、この計算の交際費等の額にも接待飲食費にも含めません。

3|2つの方式は事業年度ごとに選び直せます

定額控除方式と接待飲食費50%方式は、いったん選んだら翌期以降も固定されるわけではありません。事業年度ごとに、その期の交際費の内訳を見て有利な方を選び直せます。

4|資本金1億円超の法人は定額控除方式が使えません

定額控除800万円の特例は中小法人だけの制度です。資本金の額が1億円を超える法人は、接待飲食費の50%を損金算入する基準しか使えません。

よくある質問

交際費と会議費は何が違うのですか。
取引先との打ち合わせで、社会通念上妥当な範囲の茶菓・弁当程度の費用は会議費として全額損金算入できます。豪華な接待や、単なる親睦目的の飲食は交際費に該当しやすくなります。
贈答品の購入費用も交際費に含まれますか。
含まれます。取引先へのお中元・お歳暮、慶弔の際の贈答品なども交際費等の額に集計します。ただし接待飲食費50%基準の対象にはならず、定額控除方式の判定でのみ考慮されます。
決算月に交際費の使いすぎに気づいたら、対策はありますか。
期をまたいで支出時期を調整する、内容を再確認して会議費など他の区分に整理できないか見直す、といった方法が考えられます。個別の判断が必要ですので、早めに顧問税理士へ相談することをおすすめします。
接待の相手が海外の取引先でも扱いは同じですか。
相手が国内・海外いずれであっても、事業に関係のある者への接待であれば交際費等として扱われる考え方は基本的に同じです。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 租税特別措置法第61条の4(交際費等の損金不算入)
  • 国税庁タックスアンサー No.5265「交際費等と福利厚生費との判定」

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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