- カテゴリ:法人税
- 根拠:法令77の2
- 入力3項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
認定NPO法人や日本赤十字社、学校法人といった、公益性の高い活動をする特定公益増進法人への寄附は、税務上とくに優遇されています。一般の寄附金とは別枠で、もうひとつの上限額まで損金に算入できるためです。この計算式は、その特別枠の上限がいくらになるかを求めるものです。
この計算式を3行でいうと
- 特定公益増進法人への寄附は、一般枠とは別に「資本金等×月数/12×0.375%+所得金額×6.25%」の合計の2分の1まで損金算入できます。
- この特別枠は一般の寄附金の限度額とは合算されず、それぞれ別々に上限を計算します。
- 特別枠を超えた金額は、改めて一般の寄附金の限度額の中で損金算入できるか判定します。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
特定公益増進法人等への寄附(特別枠)
法令77の2★結果コピーリンク認定NPO・特定公益増進法人(日赤・学校法人等)への寄附は、一般枠とは別枠の特別損金算入限度額まで損金算入できます。
| 資本基準×0.375% | ¥112,500 |
| 所得基準×6.25% | ¥1,250,000 |
| 合計×1/2 | ¥681,250 |
こんなときに使います
- 認定NPO法人や日本赤十字社、公益財団法人など、公益性の高い団体に寄付をしたとき
- 母校の学校法人や、社会福祉法人が運営する福祉施設への寄付を検討しているとき
- 一般の寄附金の限度額を超えそうで、もっと多く損金算入できる枠がないか確認したいとき
- 災害義援金など、公益性の高い団体を通じて寄付をする予定があるとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 期末資本金等の額 | 決算日時点の資本金と資本準備金等を合計した金額です。 | 法人税申告書別表五(一)、または決算書の純資産の部で確認できます。 |
| 当期の月数 | 今回の事業年度の月数です。通常は12ですが、設立初年度や決算期変更があった期は短くなります。 | 決算期の開始日と終了日から数えます。1か月に満たない端数は切り上げます。 |
| 所得金額 | 寄附金を損金に算入する前の所得金額です。 | 法人税申告書別表四で、寄附金の損金不算入額を加算する前の所得金額として確認します。 |
計算のしくみ(3ステップ)
- 資本基準の金額を出す:期末資本金等の額に、当期の月数を12で割った割合と0.375%を掛けます。一般の寄附金の限度額で使う0.25%より高い率です。
- 所得基準の金額を出す:所得金額に6.25%を掛けます。この率も一般の寄附金の2.5%より高く設定されており、優遇の度合いが大きいことがわかります。
- 合計して2分の1にする:資本基準額と所得基準額を足し、その合計額の2分の1が特別損金算入限度額です。一般の寄附金の限度額(合計額の4分の1)より優遇されています。
具体例で確かめる
例1 資本金等3,000万円、決算期間12か月、所得金額2,000万円のケース
資本基準額 = 30,000,000円 × 12/12 × 0.375% = 112,500円 所得基準額 = 20,000,000円 × 6.25% = 1,250,000円 特別限度額 =(112,500円 + 1,250,000円)× 1/2
特別損金算入限度額は681,250円。同じ会社の一般の寄附金の限度額143,750円より大きい
例2 特定公益増進法人へ50万円を寄付したケース
例1の会社(特別限度額681,250円)が、認定NPO法人に500,000円を寄付 500,000円は特別限度額681,250円の範囲内におさまる
500,000円の全額を損金に算入できる
例3 特別枠を超えて寄付をしていたケース
例1の会社が、特定公益増進法人へ100万円を寄付していた場合 損金算入できるのは特別限度額の681,250円まで 超過額 = 1,000,000円 - 681,250円 = 318,750円
超過した318,750円は、あらためて一般の寄附金の限度額の中で算入できるか判定する
ここを間違えやすい
1|一般の寄附金の限度額と合算してはいけません
特定公益増進法人等への寄附金の限度額は、一般の寄附金の限度額とは別枠です。それぞれ別の式で計算し、合算して1つの限度額として扱うことはできません。
2|特別枠からあふれた分は一般枠で判定します
特別損金算入限度額を超えた寄附金額は、そのまま損金不算入になるわけではありません。あらためて一般の寄附金の限度額に含めて計算し、その枠の中であれば損金算入できます。
3|寄付先が対象団体かどうかの証明が必要です
特別枠を使うには、寄付先が認定NPO法人や特定公益増進法人に該当することを示す証明書類が必要です。単に公益的な活動をしている団体というだけでは、特別枠の対象になりません。
4|使途を指定した寄付は対象外になることがあります
寄付した資金の使いみちを寄付者が具体的に指定し、公益目的以外に使われることが明らかな場合は、特別枠の対象として認められないことがあります。
よくある質問
- 特定公益増進法人にはどんな団体が該当しますか。
- 独立行政法人、日本赤十字社、一定の要件を満たす公益社団法人・公益財団法人、学校法人、社会福祉法人などが該当します。認定NPO法人も同様に特別枠の対象です。
- 一般の寄附金の限度額と、この特別枠はどちらを先に使うのですか。
- 特定公益増進法人等への寄附金は、まずこの特別枠で判定します。特別枠を超えた金額だけを、あらためて一般の寄附金の限度額の中で判定する順番になります。
- 特別枠を使うために申告書で必要な手続きはありますか。
- 確定申告書に、寄附金の明細を記載した別表を添付する必要があります。寄付先から受け取った証明書類も保存しておいてください。
- 認定を受けていない一般のNPO法人への寄付はどうなりますか。
- 認定を受けていないNPO法人への寄付は、特別枠の対象にはならず、一般の寄附金として扱われます。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 法人税法第37条(寄附金の損金不算入)、法人税法施行令第77条の2(特定公益増進法人等に対する寄附金の特別損金算入限度額)
- 国税庁タックスアンサー No.5263「特定公益増進法人に対する寄附金」
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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