- カテゴリ:所得税
- 根拠:所法190
- 入力5項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
会社員は毎月の給与から所得税があらかじめ差し引かれています(源泉徴収)。しかし毎月の源泉徴収額はあくまで概算で、実際に1年間で納めるべき税額とは一致しません。12月の給与や賞与のタイミングで1年分の正しい税額を計算し直し、天引きしすぎていれば戻し、足りなければ追加で徴収する精算作業が年末調整です。
この計算式を3行でいうと
- 年税額は「給与所得-社会保険料-基礎控除-扶養控除等-生命保険料控除等」をもとに税率をかけて計算します
- 1年間に源泉徴収された金額の合計と年税額を比べ、多く天引きされていれば還付、足りなければ追加徴収になります
- 住宅ローン控除(2年目以降)がある人は年税額からさらに差し引かれるため、還付額が大きくなることがあります
まずは計算してみる(自動計算ツール)
年末調整の過不足シミュレーション
所法190★結果コピーリンク年収と控除を入れると年税額を計算し、毎月の源泉徴収累計との差額(還付・追加徴収)を試算します。
| 給与所得 | ¥4,360,000 |
| 課税給与所得 | ¥2,400,000 |
| 年税額(復興込) | ¥145,400 |
| 源泉徴収累計 | ¥180,000 |
| 還付額 | ¥34,600 |
こんなときに使います
- 年末が近づき、今年は還付になりそうか追加徴収になりそうかを先に把握しておきたいとき
- 年の途中で子どもが生まれた、扶養家族が減ったなど、控除の内容が変わったとき
- 転職や副業があり、源泉徴収された金額の見込みと実際の年税額にズレがありそうなとき
- 住宅ローン控除が始まる(2年目以降)ので、還付額がどれくらい増えるか目安を知りたいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 年収(給与) | 1年間に会社から支払われる給与・賞与の合計額(額面)です。手取り額ではありません。 | 源泉徴収票の「支払金額」欄、または毎月の給与明細と賞与明細を合計した金額。 |
| 源泉徴収済みの累計 | 毎月の給与や賞与から、すでに天引きされた所得税(復興特別所得税を含む)の1年分の合計です。 | 各月の給与明細・賞与明細の「所得税」欄を合計します。年の途中であれば、その時点までの累計を使います。 |
| 社会保険料(年) | 健康保険・厚生年金・雇用保険など、給与から天引きされた社会保険料の1年分の合計です。 | 源泉徴収票の「社会保険料等の金額」欄、または給与明細の社会保険料欄の合計。 |
| 扶養控除等の合計 | 配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除など、扶養している家族の人数や所得に応じて受けられる控除の合計額です。 | 年末調整で提出した「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」「基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書」の記載内容から把握できます。 |
| 生保・地震等の控除計 | 生命保険料控除・地震保険料控除・小規模企業共済等掛金控除などの合計額です。 | 「給与所得者の保険料控除申告書」に添付した各保険会社の控除証明書の内容を合計します。 |
計算のしくみ(3ステップ)
- 給与所得を求める:年収(給与の収入金額)から、必要経費に相当する給与所得控除分を差し引いて「給与所得」を計算します。年収が同じでも、給与所得控除の分だけ課税対象は小さくなります。
- 各種控除を差し引く:給与所得から、社会保険料・基礎控除・扶養控除等・生命保険料控除等をすべて差し引いて、税額のもとになる金額を求めます。
- 税率をかけて年税額を出す:残った金額に所得税の税率をあてはめ、復興特別所得税として1.021倍します。住宅ローン控除(2年目以降の人)があれば、ここからさらに差し引きます。
- 源泉徴収額と比べる:1年間にすでに天引きされた源泉徴収の累計額と、計算し直した年税額を比べます。源泉徴収額のほうが多ければ還付、少なければ追加徴収です。
具体例で確かめる
例1 標準的なケースで還付になるパターン
年収600万円、源泉徴収済みの累計18万円 給与所得や各種控除を差し引いて税率をあてはめた結果、年税額が15万円になったとします 過不足 = 180,000円 - 150,000円
過不足はプラス3万円 → 12月の給与でまとめて還付される
例2 扶養親族が減って追加徴収になるパターン
年の途中で子が就職して扶養から外れたが、毎月の源泉徴収はそのままの人数で計算されていた 年収650万円、源泉徴収済みの累計16万円、年税額が19万円になったとします 過不足 = 160,000円 - 190,000円
過不足はマイナス3万円 → 12月の給与から不足分が追加で徴収される
例3 住宅ローン控除2年目で還付が大きくなるパターン
年収700万円、源泉徴収済みの累計25万円 住宅ローン控除を差し引く前の税額は22万円だったが、住宅ローン控除12万円を引いた結果、年税額は10万円になったとします 過不足 = 250,000円 - 100,000円
過不足はプラス15万円 → 住宅ローン控除がなければ還付3万円だったところ、還付15万円に増える
ここを間違えやすい
1|年末調整だけでは終わらない人がいます
医療費控除や、ふるさと納税でワンストップ特例を使わなかった場合、住宅ローン控除の1年目などは、年末調整の対象外です。別途、確定申告が必要になります。
2|扶養控除等申告書の提出が遅れると反映されません
年末調整は、会社に提出した申告書の内容にもとづいて計算されます。控除証明書の提出が年末調整の締め切りに間に合わないと、いったんその年は反映されず、確定申告でやり直すことになります。
3|追加徴収は自分で納付するわけではありません
年税額のほうが源泉徴収額より多い場合も、通常は12月の給与から不足分が天引きされるだけで、自分で税務署に納付書を持って行く必要はありません。
4|転職した場合は前職分の情報が必要です
年の途中で転職した人は、前の勤務先が発行した源泉徴収票を今の勤務先に提出しないと、前職分の給与や源泉徴収税額が年末調整に反映されません。提出を忘れると、年末調整を受けられず確定申告が必要になります。
よくある質問
- 年末調整で戻ってくるお金は、いつ、どうやって受け取れますか。
- 通常は12月の給与または賞与の支払いのタイミングで、給与と一緒に振り込まれます。追加徴収になった場合も、同じタイミングで給与から差し引かれます。
- 年の途中で転職しました。前の会社の分はどうなりますか。
- 前職の源泉徴収票を今の勤務先に提出すれば、前職分の給与と源泉徴収税額をあわせて年末調整してもらえます。提出しないと年末調整を受けられず、自分で確定申告をする必要があります。
- 年末調整を受けても、確定申告をしたほうがよいのはどんな人ですか。
- 医療費控除、ふるさと納税でワンストップ特例を使わなかった場合、住宅ローン控除の1年目、副業の所得がある人などは、年末調整だけでは完結せず確定申告が必要です。
- 追加徴収になりやすいのはどんな人ですか。
- 年の途中で扶養親族が減った人、配偶者の所得が増えて配偶者控除の対象から外れた人、賞与が想定より多く支給された人などは、毎月の源泉徴収が少なめになっていたことになり、追加徴収になることがあります。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 所得税法第190条から第192条(年末調整)
- 国税庁タックスアンサー No.2662「年末調整のしかた」
- 国税庁「年末調整がよくわかるページ」
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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