通勤手当の非課税限度額|自動判定ツール

  • カテゴリ:所得税
  • 根拠:所法9・所令20の2
  • 入力2項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

会社が払う通勤手当は、一定の金額までは税金がかかりません。ただし「いくらまで非課税か」は片道の通勤距離で決まっていて、その金額を1円でも超えると、超えた分が給与として課税されます。マイカー通勤か電車通勤かでルールが違うので、そこから確認していきましょう。

この計算式を3行でいうと

  1. マイカー・自転車通勤は片道距離ごとに月額の限度額が決まっています。10km未満なら4,200円、45〜55kmなら32,300円です。
  2. 電車・バス通勤は距離ではなく実費で、最も経済的かつ合理的な経路の定期代が月15万円まで非課税になります。
  3. 非課税でも社会保険料の計算には含まれます。「税金がかからない=保険料もかからない」ではない点が最大の落とし穴です。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

通勤手当の非課税限度額

所法9・所令20の2くわしい解説結果コピーリンク

マイカー・自転車通勤の片道距離に応じた月額非課税限度額を判定します。電車バスは実費(月15万円まで)非課税。

片道2km未満:全額課税 / 〜10km:4,200円 / 〜15km:7,300円 / 〜25km:13,500円 / 〜35km:19,700円 〜45km:25,900円 / 〜55km:32,300円 / 〜65km:38,700円 / 〜75km:45,700円 / 〜85km:52,700円 〜95km:59,600円 / 95km〜:66,400円
非課税限度 ¥7,300/課税 ¥2,700
非課税限度額(月)¥7,300
支給額¥10,000
課税される通勤手当¥2,700
(参考)電車・バス実費非課税(月15万円まで)
距離は往復でなく片道。一定の駐車場等を利用する場合は月5,000円を上限に加算、有料道路利用は合理的な料金を加算(合計15万円まで)。課税分は給与として源泉・社保の対象。
目次

こんなときに使います

  • マイカー通勤の社員に、通勤手当をいくら払えば非課税で収まるか決めたいとき
  • いま払っている通勤手当が非課税の範囲に収まっているか確かめたいとき
  • 引っ越しや事業所の移転で通勤距離が変わったとき
  • 通勤手当の規程をつくる・見直すとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
片道の通勤距離自宅から勤務先までの片道の距離です。往復ではありません。まっすぐな直線距離ではなく、実際に通る経路に沿った長さで測ります。地図アプリの経路検索で自宅から勤務先までを調べ、その距離を使います。通勤経路の申請書があればそれが根拠になります。
支給している通勤手当(月額)毎月支給している通勤手当の額です。ガソリン代相当として定額で払っている場合もここに入れます。給与明細の通勤手当欄、または賃金台帳。

マイカー・自転車通勤の非課税限度額(月額)

片道の通勤距離1か月あたりの限度額
2km未満全額が課税されます
2km以上10km未満4,200円
10km以上15km未満7,300円
15km以上25km未満13,500円
25km以上35km未満19,700円
35km以上45km未満25,900円
45km以上55km未満32,300円
55km以上65km未満38,700円
65km以上75km未満45,700円
75km以上85km未満52,700円
85km以上95km未満59,600円
95km以上66,400円

さらに、一定の要件を満たす駐車場等(勤務先の周辺や、通勤に使う駅・停留所の周辺にあるもの)を利用している場合は、上の金額に月5,000円を上限として駐車場代を加算できます。有料道路を使っている場合は、合理的な料金の額を加算できます。ただし加算後の合計は月15万円が上限です。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 通勤方法を確かめる:マイカー・自転車だけか、電車・バスだけか、その併用かで使うルールが変わります。電車・バスは距離ではなく実費です。
  2. 片道距離を表にあてはめる:マイカー・自転車の場合は、上の表から月額の限度額を読み取ります。駐車場代や有料道路料金があれば加算します。
  3. 支給額と比べる:支給額が限度額以下ならその全額が非課税。超えていれば、超えた部分だけが給与として課税され、その月の給与に上乗せして源泉徴収します。

具体例で確かめる

例1 片道12kmのマイカー通勤、通勤手当を月10,000円支給しているケース

10km以上15km未満なので、非課税限度額は月7,300円 課税される部分 = 10,000円 - 7,300円

2,700円が給与として課税される(7,300円は非課税)

例2 片道50kmのマイカー通勤、通勤手当を月30,000円支給しているケース

45km以上55km未満なので、非課税限度額は月32,300円 30,000円 は 32,300円 以下

全額が非課税。課税される部分はゼロ

例3 電車で通い、勤務先近くの駐車場も使っているケース

電車部分:最も経済的かつ合理的な経路の定期代がそのまま非課税(月15万円まで) マイカー部分:片道距離の限度額 + 駐車場代(上限 月5,000円)

合算して月15万円までが非課税。グリーン料金は含められない

ここを間違えやすい

1|非課税でも社会保険料はかかります

通勤手当は、所得税では非課税でも社会保険(健康保険・厚生年金)の報酬には含まれます。標準報酬月額の計算に入るため、通勤手当を増やすと保険料も上がります。労働保険料の算定基礎にも含まれます。

2|距離は「片道」「経路に沿った長さ」で測ります

往復距離で判定すると限度額を過大に見積もってしまいます。また直線距離ではなく、実際に通る道に沿った長さです。地図アプリの経路検索の結果を残しておくと、あとで説明しやすくなります。

3|片道2km未満は全額が課税されます

近距離だから少額なので非課税、ということはありません。2km未満は支給額の全額が給与として課税されます。

4|新幹線はよくてもグリーン料金は対象外です

電車通勤で新幹線や特急を使う場合、その経路が最も経済的かつ合理的だと認められれば運賃は非課税になります。ただしグリーン料金は非課税の対象になりません

よくある質問

通勤手当が非課税なら、社会保険料の対象からも外れますか。
外れません。所得税の非課税と社会保険の報酬の範囲は別のルールです。通勤手当は非課税分も含めて標準報酬月額の計算に入ります。ここを混同すると保険料の届出を誤ります。
限度額を超えた分は、どう処理すればよいですか。
超えた部分を、その通勤手当を支給した月の給与に上乗せして所得税および復興特別所得税を源泉徴収します。年末調整でもその金額を含めて計算します。
パートやアルバイトでも同じですか。
同じです。短期間だけ雇う人についても、限度額は月を単位にして計算します。日数が少ないからといって日割りで限度額が減るわけではありません。
在宅勤務が増えて出社が週1〜2日になりました。定期代を払い続けてよいですか。
出社実績に対して定期代が明らかに過大であれば、実費(往復の交通費の実額)で精算する方法に切り替えるのが一般的です。実費精算であれば通常必要と認められる範囲で非課税です。支給方法を変える場合は就業規則や賃金規程の変更も必要になります。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 所得税法第9条第1項第5号、所得税法施行令第20条の2
  • 国税庁タックスアンサー No.2585「マイカー・自転車通勤者の通勤手当」(令和8年4月1日現在法令等)
  • 国税庁タックスアンサー No.2582「電車・バス通勤者の通勤手当」(令和8年4月1日現在法令等)

税制は毎年改正されます。実際の申告や給与計算にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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