- カテゴリ:所得税
- 根拠:所基通36-38の2・36-47
- 入力4項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
会社が社員に食事を出したり、安い家賃で社宅を貸したりすると、そのぶんは「現物給与」として給与と同じ扱いになるのが原則です。ただし一定の要件を満たせば課税されません。この計算機は、食事と使用人社宅について、その要件を満たしているかどうかを判定します。
この計算式を3行でいうと
- 食事は「本人が価額の半分以上を負担」かつ「会社負担が月7,500円以下(消費税抜き)」の両方を満たせば非課税です。
- 要件を1つでも外すと、超過分だけでなく「価額-本人負担額」の全額が給与として課税されます。
- 使用人社宅は、賃貸料相当額の50%以上を家賃として徴収していれば非課税。役員社宅は別の基準です。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
社員食堂・弁当支給と使用人社宅について、非課税となる要件(食事:本人半額負担かつ会社負担月7,500円以下)を判定します。
| 食事: 会社負担 | ¥4,000 |
| 食事の判定 | 非課税(半額以上負担+7,500円以下(税抜)) |
| 社宅: 賃貸料相当額の50% | ¥10,000 |
| 社宅の判定 | 非課税 |
こんなときに使います
- 社員食堂や仕出し弁当を導入するとき、いくら本人負担にすれば非課税で収まるか決めたいとき
- いまの食事補助が課税対象になっていないか確かめたいとき
- 社員に社宅を貸すとき、家賃をいくら徴収すればよいか知りたいとき
- 税務調査で現物給与の指摘を受けないよう、事前に確認しておきたいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 食事の価額(月) | その社員に出した食事の1か月ぶんの価額です。弁当を買って支給しているなら業者への支払額、社員食堂で作っているなら材料費など直接かかった費用の合計です。 | 仕出し業者の請求書、または食材の仕入伝票。消費税抜きの金額で判定します。 |
| 本人負担額(月) | 社員が自分で払っている金額の1か月ぶんです。給与から天引きしている場合はその額。 | 給与明細の控除欄、または食堂の集金記録。 |
| 社宅の賃貸料相当額(月) | 税法で決められた計算式で求める「本来もらうべき家賃」です。実際の相場家賃ではありません。 | 固定資産税の課税明細書の課税標準額から計算します。役員社宅の計算機に算式があります。 |
| 社宅の徴収額(月) | 社員から実際に受け取っている家賃です。 | 給与明細の控除欄、または家賃の入金記録。 |
計算のしくみ(3ステップ)
- 食事の要件1を見る:本人負担額が食事の価額の50%以上あるかを確かめます。半分に1円でも足りなければ、この時点で要件を満たしません。
- 食事の要件2を見る:会社負担額(価額 - 本人負担額)が月7,500円以下かを確かめます。消費税を除いた金額で判定し、10円未満の端数は切り捨てます。
- 社宅は徴収割合を見る:賃貸料相当額の50%以上を徴収していれば非課税。足りなければ「賃貸料相当額 - 徴収額」が給与として課税されます。
食事は2つの要件を両方とも満たしてはじめて非課税です。片方でも外れると、超過した部分だけでなく「価額 - 本人負担額」の全額が給与として課税されます。ここが一番の落とし穴です。
具体例で確かめる
例1 価額13,000円、本人負担7,000円のケース
要件1:7,000円 ≧ 13,000円 × 50%(6,500円)→ 満たす 要件2:会社負担 13,000円 - 7,000円 = 6,000円 ≦ 7,500円 → 満たす
両方満たすので非課税。課税される金額はゼロ
例2 価額13,000円、本人負担6,000円のケース(半額に届かない)
要件1:6,000円 は 6,500円 に届かない → 満たさない このとき課税されるのは「超過分」ではなく差額の全額
13,000円 - 6,000円 = 7,000円が給与として課税される
例3 価額20,000円、本人負担10,000円のケース(会社負担が大きい)
要件1:10,000円 ≧ 10,000円 → 満たす 要件2:会社負担 10,000円 は 7,500円 を超える → 満たさない
10,000円が給与として課税される。半額負担だけでは足りない
例4 社宅の賃貸料相当額が月20,000円のケース
徴収額 12,000円 → 20,000円 × 50%(10,000円)以上なので非課税 徴収額 8,000円 → 50%に届かないので 20,000円 - 8,000円 が課税
徴収額を賃貸料相当額の半分以上にしておくのが安全
ここを間違えやすい
1|現金で食事代を補助すると全額課税です
「食事補助として月5,000円を給与に上乗せ」という形にすると、金額の大小にかかわらず全額が給与として課税されます。例外は、深夜勤務者に夜食を出せないために代わりに支給する1食650円以下(税抜)の金額だけです。非課税にしたいなら現物(弁当や食堂の食事)で支給してください。
2|要件を外すと「超えた分だけ」ではありません
会社負担が8,000円だったとき、7,500円を超えた500円だけが課税されるのではなく、会社負担8,000円の全額が課税されます。要件は「満たすか、満たさないか」の二択です。
3|残業時・宿日直時の食事は無料でも非課税です
残業や宿日直のときに支給する食事は、本人負担がゼロでも給与として課税しなくてよいことになっています。通常の昼食とは扱いが違います。
4|役員社宅は別の基準です
ここで判定しているのは使用人(役員以外の社員)の社宅です。役員社宅は床面積によって「小規模」かどうかで算式が変わり、豪華社宅は時価家賃になります。役員の場合は役員社宅の計算機をお使いください。
よくある質問
- 7,500円の判定に消費税は含めますか。
- 含めません。消費税および地方消費税を除いた金額で判定し、10円未満の端数が出たら切り捨てます。軽減税率8%と標準税率10%が混ざる場合の判定方法は、国税庁が別途示しています。
- 社員食堂の「食事の価額」は、いくらで計算すればよいですか。
- 弁当などを購入して支給しているなら業者への支払額です。社員食堂で会社が作っている場合は、食材費や調味料など食事を作るために直接かかった費用の合計額になります。人件費や光熱費まで含める必要はありません。
- 社宅の「賃貸料相当額」は近所の家賃相場のことですか。
- 違います。固定資産税の課税標準額をもとにした税法上の計算式で求めます。相場よりかなり低い金額になるのが普通で、だからこそ相場の半額以下でも非課税にできる余地があります。
- 社員から家賃をまったく受け取らない場合はどうなりますか。
- 賃貸料相当額の全額が給与として課税されます。少額でも徴収し、賃貸料相当額の50%以上にしておくことで課税を避けられます。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 所得税法第36条、所得税基本通達36-24・36-38・36-38の2・36-45・36-47
- 国税庁タックスアンサー No.2594「食事を支給したとき」(令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁タックスアンサー No.2597「使用人に社宅や寮などを貸したとき」
税制は毎年改正されます。実際の申告や給与計算にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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