老齢厚生年金と在職老齢年金の計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:社会保険
  • 根拠:厚年法43・46
  • 入力6項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

会社員として働いた期間がある方がもらう老齢厚生年金は、加入期間中の平均給料(平均標準報酬額)と加入年数から金額が決まります。さらに、年金をもらいながら働き続ける場合は、給料と年金の合計額に応じて年金の一部が支給停止になる在職老齢年金のしくみもあります。この計算機では、年金の概算額と、働きながらもらう場合の支給停止額をあわせて試算します。

この計算式を3行でいうと

  1. 老齢厚生年金は、2003年4月以後の平均標準報酬額と加入年数、それ以前の平均標準報酬月額と加入年数から概算します。
  2. 在職老齢年金では、年金月額と総報酬月額の合計が65万円(令和8年度基準)を超えると、超えた分の半分が支給停止になります。
  3. 老齢基礎年金は満額84.73万円が基準で、在職中でも支給停止の対象にはなりません。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

老齢厚生年金の簡易試算+在職老齢年金

厚年法43・46結果コピーリンク

平均標準報酬と加入期間から老齢厚生年金・老齢基礎年金の年額を概算し、働きながら受け取る場合の支給停止(在職老齢年金・令和8年度基準65万円)も判定します。

老齢厚生 = 平均標準報酬額×5.481/1000×月数(2003.4以後)     +平均標準報酬月額×7.125/1000×月数(2003.3以前) 在職停止 = (年金月額+総報酬月額−65万円)×1/2
年金見込み(年) ¥1,899,652
老齢厚生年金(年)¥1,052,352
老齢基礎年金(年)¥847,300
合計(停止前)¥1,899,652
在職老齢の支給停止(年)¥0
受給見込み(年)¥1,899,652
月額換算¥158,304
2003年3月以前分は賞与を含まない標準報酬月額ベース。基礎満額84.73万円・停止基準65万円はいずれも令和8年度。厚年上限65万円は2027年9月から68万→71万→75万へ段階引上げ。基礎年金は停止対象外。繰下げ1月+0.7%。
目次

こんなときに使います

  • もうすぐ年金をもらえる年齢になり、老齢厚生年金・老齢基礎年金がいくらになるかおおまかに知りたいとき
  • 年金をもらいながら働き続けたいが、在職老齢年金でどれくらい支給停止になるか事前に確認したいとき
  • 2003年3月以前と4月以後の両方に加入期間があり、年金額の計算方法の違いを知りたいとき
  • 繰下げ受給を検討していて、その前提となる年金額の目安をまず把握したいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
平均標準報酬額(2003年4月以後・賞与込)2003年4月以後の厚生年金加入期間について、賞与を含めた標準報酬額を平均した金額です。日本年金機構から届く「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」の年金記録で確認できます。
2003年4月以後の加入年数2003年4月以後に厚生年金に加入していた年数です。ねんきん定期便に記載された加入期間の記録から数えます。
平均標準報酬月額(2003年3月以前)2003年3月以前の厚生年金加入期間について、賞与を含めない標準報酬月額を平均した金額です。2003年4月以後しか加入期間がない方はゼロで構いません。ねんきん定期便やねんきんネットの年金記録で確認します。
2003年3月以前の加入年数2003年3月以前に厚生年金に加入していた年数です。ねんきん定期便に記載された加入期間の記録から数えます。
国民年金の納付年数(基礎)国民年金(基礎年金)保険料を納めた年数です。老齢基礎年金の満額を受け取るための基準となる40年に対して、何年納めたかを入力します。ねんきん定期便の「国民年金」欄で確認します。
在職中の総報酬月額(退職済は0)年金をもらいながら働く場合の、標準報酬月額と直近1年間の賞与を月割りした額をあわせた金額です。すでに退職している場合はゼロを入力します。現在の給与明細や、雇用契約で見込まれる収入から確認します。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 老齢厚生年金(報酬比例部分)を計算する:2003年4月以後の期間は「平均標準報酬額×5.481/1000×月数」、2003年3月以前の期間は「平均標準報酬月額×7.125/1000×月数」で、それぞれ計算して合計します。
  2. 老齢基礎年金を計算する:満額84.73万円(令和8年度)に、国民年金の納付年数を40年で割った割合をかけます。
  3. 在職老齢年金の停止額を判定する:働きながら受け取る場合、老齢厚生年金の月額と在職中の総報酬月額の合計が65万円(令和8年度基準)を超えると、超えた額の2分の1が支給停止になります。
  4. 実際に受け取る年金額を求める:老齢厚生年金から在職停止額を差し引き、支給停止の対象にならない老齢基礎年金を足したものが、実際に受け取る年金の目安です。

具体例で確かめる

例1 2003年4月以後だけ40年加入し、すでに退職しているケース

老齢厚生年金 = 400,000円 × 5.481/1000 × 480か月 = 1,052,352円 老齢基礎年金 = 847,300円 ×(40年 ÷ 40年)= 847,300円

退職済みで在職老齢年金の対象にならないため、年金の年額はあわせて約190万円です

例2 38年加入し、在職中の総報酬月額60万円で働きながら受け取るケース

老齢厚生年金(年額) = 550,000円 × 5.481/1000 × 456か月 = 1,374,635円 → 年金月額 約114,553円 年金月額114,553円 + 総報酬月額600,000円 = 714,553円(65万円を64,553円上回る) 支給停止額(月額) = 64,553円 × 1/2 = 約32,276円

実際に支給される老齢厚生年金は月額約82,276円(年額約98万円)。老齢基礎年金約80万円は全額そのまま支給されます

例3 2003年3月以前と4月以後、両方の期間があるケース

2003年4月以後分 = 380,000円 × 5.481/1000 × 240か月 = 499,867円 2003年3月以前分 = 300,000円 × 7.125/1000 × 180か月 = 384,750円 老齢厚生年金合計 = 499,867円 + 384,750円 = 884,617円

老齢基礎年金(納付35年分)約74万円をあわせると、年金の年額はおよそ163万円です

年金の種類と在職老齢年金の対象

年金の種類在職老齢年金による支給停止
老齢厚生年金(報酬比例部分)対象になります。年金月額と総報酬月額の合計が65万円を超えると、超えた額の2分の1が停止されます。
老齢基礎年金対象外です。どれだけ働いていても、全額がそのまま支給されます。

ここを間違えやすい

1|2003年3月を境に計算のルールが変わります

2003年4月に「総報酬制」が導入され、それより前とあとで年金額の計算方法が異なります。2003年4月以後は賞与を含めた平均標準報酬額に5.481/1000を、2003年3月以前は賞与を含まない平均標準報酬月額に7.125/1000をかけます。両方の期間に加入していた方は、2組の入力欄にそれぞれ分けて入力してください。

2|65万円という基準は今後変わる予定です

支給停止の基準になる65万円は令和8年度の金額です。2027年9月からは68万円、その後71万円、75万円へと段階的に引き上げられる予定のため、将来この計算機を使うときは、その時点の基準額に置き換えて考える必要があります。

3|老齢基礎年金は在職中でも支給停止になりません

在職老齢年金の仕組みで停止の対象になるのは老齢厚生年金だけです。老齢基礎年金は、どれだけ働いていても、どれだけ収入があっても全額支給されます。停止額を計算するときに、基礎年金まで一緒に減らしてしまわないよう注意してください。

4|繰下げ受給と在職老齢年金は別のしくみです

年金の受け取りを遅らせる繰下げ受給をすると、1か月あたり0.7%ずつ年金額が増えます。ただし、繰り下げている間に在職老齢年金の停止対象になった部分の扱いには注意点があります。繰下げを検討する場合は、在職老齢年金との関係もあわせて確認してください。

よくある質問

ねんきん定期便のどこを見れば、この計算機に入力する数字がわかりますか。
ねんきん定期便には、これまでの加入期間や、それまでの記録にもとづく年金の見込み額が記載されています。正確な平均標準報酬額を自分で出すのが難しい場合は、ねんきん定期便に記載された見込み額と、この計算機の概算額をあわせて参考にしてください。
加入期間が2003年3月をまたいでいる場合、どちらに入力すればよいですか。
2003年3月以前の期間は「平均標準報酬月額(2003年3月以前)」と「2003年3月以前の加入年数」に、2003年4月以後の期間はもう一方の欄に、それぞれ分けて入力してください。両方に加入期間がある方は、両方の欄に数字を入れます。
65歳を過ぎても在職老齢年金の対象になりますか。
老齢厚生年金を受け取りながら働く方は、年齢にかかわらず在職老齢年金の対象になります。年金月額と総報酬月額の合計が基準額を超えていれば、超えた額に応じて支給が調整されます。
この計算機の結果は、実際にもらえる年金額とまったく同じですか。
あくまで概算です。実際の年金額は、加入期間の詳細な記録や特別な加算、経過的な措置などによって変わります。正確な金額は、日本年金機構の「ねんきんネット」や年金事務所での試算で確認してください。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 厚生年金保険法第43条(老齢厚生年金の額)、第46条(在職老齢年金による支給停止)
  • 日本年金機構「老齢厚生年金の計算方法」「在職老齢年金の仕組み」
  • 日本年金機構「国民年金保険料と老齢基礎年金」

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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