失業保険(基本手当)の計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:社会保険
  • 根拠:雇保法16・17
  • 入力3項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

会社を辞めたあと、次の仕事が決まるまでの生活を支えるのが、雇用保険の基本手当(いわゆる失業保険)です。もらえる金額は、辞める前の給料がそのまま支給されるわけではなく、賃金日額に給付率と所定給付日数をかけて計算します。この計算機では、退職前の賃金と離職時の年齢区分から、令和8年8月1日以後の算式で基本手当の日額とおおよその総支給額を試算します。

この計算式を3行でいうと

  1. 基本手当日額は、退職前6か月間の賃金(賞与を除く)を180で割った賃金日額に、給付率をかけて計算します。
  2. 給付率は賃金日額の水準に応じて80%から50%(60〜64歳は80%から45%)の範囲で算式により決まり、賃金が低いほど給付率は高くなります。基本手当日額には年齢区分ごとの上限(令和8年8月〜。45〜59歳は9,110円)があります。
  3. 所定給付日数は自己都合退職で90日から150日、会社都合退職で90日から330日です。基本手当は非課税です。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

失業保険(基本手当)の試算

雇保法16・17結果コピーリンク

退職前6か月の賃金と離職時の年齢から、令和8年8月1日以後の賃金日額の上下限・給付率の算式(80〜50%、60歳以上は80〜45%)を当てはめて基本手当日額と支給総額を試算します。

賃金日額(w) = 退職前6か月の賃金 ÷ 180(上限・下限あり) 基本手当日額 = 0.8w(w<5,480円)/ 0.8w−0.3×{(w−5,480)/(13,490−5,480)}×w(5,480〜13,490円)/ 0.5w(13,490円超・年齢別上限まで)
基本手当日額 ¥6,307/総額の目安 ¥567,630
賃金日額(6か月賃金÷180・上下限適用)¥10,000
年齢区分45〜59歳
給付率63.07%
基本手当日額(令和8年8月〜の上限9,110円)¥6,307
所定給付日数90日
支給総額の目安(非課税)¥567,630
令和8年8月〜の日額上限:29歳以下7,450円・30〜44歳8,270円・45〜59歳9,110円・60〜64歳7,830円(下限2,562円)。毎年8月改定。自己都合90〜150日・会社都合90〜330日。非課税。役員は原則対象外。
目次

こんなときに使います

  • 会社を退職することになり、失業保険(基本手当)がいくらくらいもらえるのか知りたいとき
  • 転職活動の資金計画を立てるために、基本手当の総支給額の目安を試算したいとき
  • 自己都合退職と会社都合退職で、もらえる金額や期間がどう変わるか比較したいとき
  • ハローワークで説明を受ける前に、大まかな金額感をつかんでおきたいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
退職前6か月の賃金(賞与除く)退職する前6か月間に支払われた賃金の合計です。基本給や諸手当を含み、賞与(ボーナス)は含めません。180で割った賃金日額には下限3,203円と年齢別の上限(29歳以下14,900円・30〜44歳16,540円・45〜59歳18,220円・60〜64歳17,400円。令和8年8月〜)があります。退職前6か月分の給与明細の支給額を合計します。
離職時の年齢(0:29歳以下/1:30〜44歳/2:45〜59歳/3:60〜64歳)離職した日の年齢の区分を0〜3の番号で入力します。給付率の算式(60〜64歳だけ最低45%まで下がる)と、基本手当日額の上限(令和8年8月〜:29歳以下7,450円・30〜44歳8,270円・45〜59歳9,110円・60〜64歳7,830円)が年齢区分で変わります。給付率そのものは賃金日額から自動計算されるため入力は不要です。離職票や雇用保険受給資格者証の離職日と生年月日から確認します。65歳以上で離職した方は基本手当ではなく高年齢求職者給付金(一時金)の対象です。
所定給付日数基本手当を受け取れる日数です。退職理由(自己都合・会社都合)や年齢、雇用保険に加入していた期間によって決まります。ハローワークで交付される「雇用保険受給資格者証」や、所定給付日数の一覧表で確認します。

基本手当は、退職前の給料をそのまま引き継ぐ制度ではありません。賃金が高い方ほど給付率が低く設定される仕組みのため、実際の給料に対する手当の割合は、賃金が高くなるほど小さくなっていきます。給付率は賃金日額から算式で自動的に決まるため、まずは自分の賃金日額と離職時の年齢区分を確かめることから始めましょう。

計算のしくみ(4ステップ)

  1. 賃金日額を計算する:退職前6か月間の賃金(賞与を除く)を180で割ります。賃金日額には下限3,203円と年齢別の上限(29歳以下14,900円・30〜44歳16,540円・45〜59歳18,220円・60〜64歳17,400円。令和8年8月1日以後)があり、上限を超える部分は切り捨てられます。
  2. 給付率を当てはめて基本手当日額を求める:賃金日額が5,480円未満なら80%、5,480円以上13,490円以下は「0.8×賃金日額 − 0.3×{(賃金日額−5,480円)÷(13,490円−5,480円)}×賃金日額」で80%から50%へ逓減、13,490円超は50%です(60〜64歳は同じ区間で80%から45%へ逓減し、13,490円超は45%)。1円未満は切り捨てます。
  3. 上限・下限を確認する:基本手当日額には年齢区分ごとの上限(29歳以下7,450円・30〜44歳8,270円・45〜59歳9,110円・60〜64歳7,830円)と下限2,562円があります。これらの額は毎年8月1日に改定されます。
  4. 支給総額を計算する:基本手当日額に所定給付日数をかけます。所定給付日数は自己都合退職で90日から150日、会社都合退職(特定受給資格者)で90日から330日の範囲で、年齢や被保険者期間によって決まります。

基本手当は、原則として4週間に1回、ハローワークに来所して失業の認定を受けたあとに、その期間分がまとめて振り込まれる仕組みです。退職した翌日から自動的に振り込まれるわけではなく、求職の申し込みや失業の認定といった手続きが必要になります。

具体例で確かめる

例1 退職前6か月の賃金180万円、45〜59歳、所定給付日数90日のケース(この計算機の初期値)

賃金日額 = 1,800,000円 ÷ 180 = 10,000円(下限3,203円以上・45〜59歳の上限18,220円以下) 基本手当日額 = 0.8 × 10,000円 − 0.3 ×{(10,000円 − 5,480円) ÷ (13,490円 − 5,480円)}× 10,000円 = 8,000円 − 1,692.88円 = 6,307.12円 → 1円未満切捨てで6,307円(給付率63.07%) 支給総額 = 6,307円 × 90日 = 567,630円

基本手当日額は6,307円(45〜59歳の上限9,110円の範囲内)、受け取れる総額はおよそ56.8万円です

例2 賃金水準が低く、給付率80%が適用されるケース(所定給付日数150日)

賃金日額 = 900,000円 ÷ 180 = 5,000円(5,480円未満なので年齢区分を問わず給付率80%) 基本手当日額 = 5,000円 × 80% = 4,000円(下限2,562円以上) 支給総額 = 4,000円 × 150日 = 600,000円

賃金日額は例1より低くても、給付率が高いぶん、支給総額は60万円と例1を上回ります

例3 会社都合退職(45〜59歳・被保険者期間10年以上20年未満)で、所定給付日数が270日と長いケース

賃金日額 = 1,080,000円 ÷ 180 = 6,000円 基本手当日額 = 0.8 × 6,000円 − 0.3 ×{(6,000円 − 5,480円) ÷ 8,010円}× 6,000円 = 4,800円 − 116.85円 → 1円未満切捨てで4,683円(給付率78.05%) 支給総額 = 4,683円 × 270日 = 1,264,410円

賃金日額が5,480円を少し超えるため給付率は78%程度ですが、給付日数が長いため、支給総額はおよそ126万円になります

例4 賃金が高く、賃金日額と基本手当日額の上限にかかるケース(45〜59歳・所定給付日数90日)

賃金日額 = 3,600,000円 ÷ 180 = 20,000円 → 45〜59歳の上限18,220円に頭打ち 基本手当日額 = 18,220円 × 50%(13,490円超は50%)= 9,110円(45〜59歳の上限額) 支給総額 = 9,110円 × 90日 = 819,900円

退職前の賃金がいくら高くても、基本手当日額は年齢区分ごとの上限(45〜59歳は9,110円)を超えません

自己都合退職と会社都合退職の違い

区分所定給付日数の範囲支給が始まるまで
自己都合退職90日から150日令和7年4月以降は、原則として給付制限1か月を経てから支給が始まります。
会社都合退職90日から330日給付制限はなく、比較的早く支給が始まります。

ここを間違えやすい

1|賃金日額の計算には賞与を含めません

基本手当のもとになる賃金には、退職前6か月間の基本給や諸手当を含めますが、賞与(ボーナス)は含めません。賞与が多い方でも、それを理由に基本手当が増えることはありません。年俸制で賞与部分の割合が大きい方は、額面の年収から想像するよりも賃金日額が低く出ることがあります。

2|給付率は賃金が高いほど低くなります

給付率は50%から80%の範囲で、賃金水準や年齢によって決まります。賃金日額が高い方は給付率が低め、賃金日額が低い方は給付率が高めになるよう設計されており、賃金の額と同じ割合で支給額が増えるわけではありません。この計算機では、賃金日額と離職時の年齢区分から、令和8年8月1日以後の算式で給付率と上限・下限を自動で当てはめています(金額は毎年8月1日に改定されます)。

3|自己都合退職には給付制限があります

令和7年4月以降、自己都合退職の場合は、原則として給付制限期間(1か月)を経てから支給が始まります。会社都合退職にはこの給付制限がなく、比較的早く支給が始まります。退職理由によって受け取り始める時期が大きく変わるため、退職を決める前に、生活資金がいつから手当でまかなえるようになるかを確認しておくことが大切です。

4|役員は原則として対象外です

会社の代表者や取締役などの役員は、雇用保険の被保険者にならないため、原則として基本手当の対象になりません。部長や工場長などを兼務し、労働者としての実態が強い役員は例外的に対象になることもありますが、判断には個別の確認が必要です。退任して労働者として別の会社に再就職する場合などは、あらためて雇用保険の加入要件を確認しましょう。

よくある質問

基本手当は税金がかかりますか。
かかりません。雇用保険の基本手当は非課税です。確定申告や年末調整で、基本手当の金額を収入として申告する必要はありません。
所定給付日数はどこで確認できますか。
ハローワークで交付される「雇用保険受給資格者証」に記載されています。退職理由や年齢、雇用保険に加入していた期間によって、90日から330日の範囲で決まります。同じ年齢・同じ加入期間でも、自己都合か会社都合かで日数が変わることがあります。
自己都合と会社都合はどちらが得ですか。
一般的には、会社都合退職のほうが所定給付日数が長く、給付制限もないため早く受け取れます。ただし退職理由は離職票に記載された内容やハローワークの確認にもとづいて実際の状況から判定されるものであり、都合よく選べるものではありません。倒産や解雇など特定の事情がある場合は、会社都合に近い扱いになることもあります。
パートやアルバイトでも基本手当をもらえますか。
雇用保険に加入し、一定の要件を満たしていれば、雇用形態にかかわらず対象になります。加入していたかどうかは、雇用保険受給資格者証や離職票で確認できます。勤務時間や勤務日数が短いパート・アルバイトは、そもそも雇用保険に加入していないこともあるため、まずは給与明細で雇用保険料が天引きされているかを確認してください。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 雇用保険法第16条(基本手当の日額)、第17条(賃金日額)
  • 厚生労働省・ハローワーク「基本手当の受給に関する手引き」
  • 厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更(令和8年8月1日から)」「所定給付日数」「給付制限期間について」

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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