失業保険(基本手当)の計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:社会保険
  • 根拠:雇保法16・17
  • 入力3項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

会社を辞めたあと、次の仕事が決まるまでの生活を支えるのが、雇用保険の基本手当(いわゆる失業保険)です。もらえる金額は、辞める前の給料がそのまま支給されるわけではなく、賃金日額に給付率と所定給付日数をかけて計算します。この計算機では、退職前の賃金から、基本手当の日額とおおよその総支給額を試算します。

この計算式を3行でいうと

  1. 基本手当日額は、退職前6か月間の賃金(賞与を除く)を180で割った賃金日額に、給付率をかけて計算します。
  2. 給付率は賃金水準や年齢によって50%から80%の範囲で変わり、賃金が低いほど給付率は高くなります。
  3. 所定給付日数は自己都合退職で90日から150日、会社都合退職で90日から330日です。基本手当は非課税です。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

失業保険(基本手当)の試算

雇保法16・17結果コピーリンク

退職前6か月の賃金から基本手当日額と支給総額を試算します(給付率は賃金水準・年齢で50〜80%)。

賃金日額 = 退職前6か月の賃金 ÷ 180 基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(50〜80%) × 所定給付日数
支給総額の目安 ¥540,000
賃金日額¥10,000
基本手当日額¥6,000
所定給付日数90日
支給総額¥540,000
日額上限(45〜59歳)8,635円程度(毎年8月改定)
自己都合90〜150日・会社都合90〜330日(年齢・被保険者期間による)。自己都合は給付制限1か月(R7.4〜)。非課税。役員は原則対象外。
目次

こんなときに使います

  • 会社を退職することになり、失業保険(基本手当)がいくらくらいもらえるのか知りたいとき
  • 転職活動の資金計画を立てるために、基本手当の総支給額の目安を試算したいとき
  • 自己都合退職と会社都合退職で、もらえる金額や期間がどう変わるか比較したいとき
  • ハローワークで説明を受ける前に、大まかな金額感をつかんでおきたいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
退職前6か月の賃金(賞与除く)退職する前6か月間に支払われた賃金の合計です。基本給や諸手当を含み、賞与(ボーナス)は含めません。退職前6か月分の給与明細の支給額を合計します。
給付率賃金日額に対して、実際に支給される基本手当の割合です。賃金水準や年齢によって50%から80%の範囲で決まります。ハローワークが公表する給付率の表で、自分の賃金日額にあたる区分を確認します。
所定給付日数基本手当を受け取れる日数です。退職理由(自己都合・会社都合)や年齢、雇用保険に加入していた期間によって決まります。ハローワークで交付される「雇用保険受給資格者証」や、所定給付日数の一覧表で確認します。

基本手当は、退職前の給料をそのまま引き継ぐ制度ではありません。賃金が高い方ほど給付率が低く設定される仕組みのため、実際の給料に対する手当の割合は、賃金が高くなるほど小さくなっていきます。まずは自分の賃金日額と、あてはまりそうな給付率のおおまかな水準をつかむことから始めましょう。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 賃金日額を計算する:退職前6か月間の賃金(賞与を除く)を180で割ります。
  2. 基本手当日額を計算する:賃金日額に給付率(50%から80%)をかけます。賃金が低いほど給付率が高くなる仕組みです。
  3. 支給総額を計算する:基本手当日額に所定給付日数をかけます。
  4. 受け取れる期間を確認する:自己都合退職は90日から150日、会社都合退職は90日から330日の範囲で、年齢や被保険者期間によって所定給付日数が決まります。

基本手当は、原則として4週間に1回、ハローワークに来所して失業の認定を受けたあとに、その期間分がまとめて振り込まれる仕組みです。退職した翌日から自動的に振り込まれるわけではなく、求職の申し込みや失業の認定といった手続きが必要になります。

具体例で確かめる

例1 退職前6か月の賃金180万円、給付率60%、所定給付日数90日のケース

賃金日額 = 1,800,000円 ÷ 180 = 10,000円 基本手当日額 = 10,000円 × 60% = 6,000円 支給総額 = 6,000円 × 90日 = 540,000円

基本手当日額は6,000円、受け取れる総額はおよそ54万円です

例2 賃金水準が低く、給付率80%が適用されるケース

賃金日額 = 900,000円 ÷ 180 = 5,000円 基本手当日額 = 5,000円 × 80% = 4,000円 支給総額 = 4,000円 × 150日 = 600,000円

賃金日額は例1より低くても、給付率が高いぶん、支給総額は60万円と例1を上回ります

例3 会社都合退職で、所定給付日数が270日と長いケース

賃金日額 = 1,080,000円 ÷ 180 = 6,000円 基本手当日額 = 6,000円 × 50% = 3,000円 支給総額 = 3,000円 × 270日 = 810,000円

1日あたりの金額は低めでも、給付日数が長いため、支給総額はおよそ81万円になります

自己都合退職と会社都合退職の違い

区分所定給付日数の範囲支給が始まるまで
自己都合退職90日から150日令和7年4月以降は、原則として給付制限1か月を経てから支給が始まります。
会社都合退職90日から330日給付制限はなく、比較的早く支給が始まります。

ここを間違えやすい

1|賃金日額の計算には賞与を含めません

基本手当のもとになる賃金には、退職前6か月間の基本給や諸手当を含めますが、賞与(ボーナス)は含めません。賞与が多い方でも、それを理由に基本手当が増えることはありません。年俸制で賞与部分の割合が大きい方は、額面の年収から想像するよりも賃金日額が低く出ることがあります。

2|給付率は賃金が高いほど低くなります

給付率は50%から80%の範囲で、賃金水準や年齢によって決まります。賃金日額が高い方は給付率が低め、賃金日額が低い方は給付率が高めになるよう設計されており、賃金の額と同じ割合で支給額が増えるわけではありません。この計算機の初期値である60%は、あくまで目安の一つとして扱ってください。

3|自己都合退職には給付制限があります

令和7年4月以降、自己都合退職の場合は、原則として給付制限期間(1か月)を経てから支給が始まります。会社都合退職にはこの給付制限がなく、比較的早く支給が始まります。退職理由によって受け取り始める時期が大きく変わるため、退職を決める前に、生活資金がいつから手当でまかなえるようになるかを確認しておくことが大切です。

4|役員は原則として対象外です

会社の代表者や取締役などの役員は、雇用保険の被保険者にならないため、原則として基本手当の対象になりません。部長や工場長などを兼務し、労働者としての実態が強い役員は例外的に対象になることもありますが、判断には個別の確認が必要です。退任して労働者として別の会社に再就職する場合などは、あらためて雇用保険の加入要件を確認しましょう。

よくある質問

基本手当は税金がかかりますか。
かかりません。雇用保険の基本手当は非課税です。確定申告や年末調整で、基本手当の金額を収入として申告する必要はありません。
所定給付日数はどこで確認できますか。
ハローワークで交付される「雇用保険受給資格者証」に記載されています。退職理由や年齢、雇用保険に加入していた期間によって、90日から330日の範囲で決まります。同じ年齢・同じ加入期間でも、自己都合か会社都合かで日数が変わることがあります。
自己都合と会社都合はどちらが得ですか。
一般的には、会社都合退職のほうが所定給付日数が長く、給付制限もないため早く受け取れます。ただし退職理由は離職票に記載された内容やハローワークの確認にもとづいて実際の状況から判定されるものであり、都合よく選べるものではありません。倒産や解雇など特定の事情がある場合は、会社都合に近い扱いになることもあります。
パートやアルバイトでも基本手当をもらえますか。
雇用保険に加入し、一定の要件を満たしていれば、雇用形態にかかわらず対象になります。加入していたかどうかは、雇用保険受給資格者証や離職票で確認できます。勤務時間や勤務日数が短いパート・アルバイトは、そもそも雇用保険に加入していないこともあるため、まずは給与明細で雇用保険料が天引きされているかを確認してください。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 雇用保険法第16条(基本手当の日額)、第17条(賃金日額)
  • 厚生労働省・ハローワーク「基本手当の受給に関する手引き」
  • 厚生労働省「雇用保険の基本手当日額・所定給付日数」「給付制限期間について」

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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