生命保険料控除(新制度)の計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:所得税
  • 根拠:所法76
  • 入力3項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

生命保険や医療保険、個人年金保険に加入していると、支払った保険料の一部を所得から差し引ける生命保険料控除が使えます。平成24年以後に契約した保険は「新制度」の対象で、一般・介護医療・個人年金という3つの区分に分かれ、区分ごとに控除額を計算してから合計します。ここでは1区分あたりの計算方法を、旧制度(平成23年12月31日以前の契約)と、令和8年分・令和9年分に限って23歳未満の扶養親族がいる人の一般生命保険料の控除が最大6万円に拡充される「子育て特例」もあわせて確認しましょう。

この計算式を3行でいうと

  1. 年間の支払保険料が2万円以下なら全額、それを超えると段階的に減っていき、8万円を超えると一律4万円が上限になります。令和8年分・令和9年分は、23歳未満の扶養親族がいる人の一般生命保険料(新制度)は12万円超で一律6万円が上限です。
  2. 一般・介護医療・個人年金の3区分があり、区分ごとの上限は4万円、3区分を合計した所得税の上限は12万円です。
  3. 住民税の控除額は別の計算式で、1区分の上限は2.8万円、3区分合計の上限は7万円と所得税より低く抑えられています。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

生命保険料控除(新制度・1区分)

所法76結果コピーリンク

生命保険料控除(1区分あたり)を所得税・住民税の両方で計算します。新制度・旧制度の切替えと、令和8年分・9年分の子育て特例(23歳未満の扶養親族がいる場合の一般生命保険料控除・上限6万円)に対応。

新制度: 2万円以下→全額 / 〜4万円→×1/2+1万円 / 〜8万円→×1/4+2万円 / 8万円超→4万円 子育て特例(令和8・9年分・新生命保険料): 3万円以下→全額 / 〜6万円→×1/2+1.5万円 / 〜12万円→×1/4+3万円 / 12万円超→6万円
控除額(1区分) 所得税 ¥40,000/住民税 ¥28,000
支払保険料¥80,000
区分新制度(平成24年以後の契約)
所得税の控除額¥40,000
住民税の控除額¥28,000
合計適用限度額所得税12万円・住民税7万円(3区分合計)
3区分(一般・介護医療・個人年金)合計の限度額は所得税12万円・住民税7万円で変わりません。新旧両方ある区分は各計算の合計(上限4万円、特例時6万円)。
目次

こんなときに使います

  • 生命保険や医療保険、個人年金保険に加入していて、年末調整や確定申告で控除額を計算したいとき
  • 複数の保険に入っていて、一般・介護医療・個人年金のどの区分になるのか、区分ごとの控除額を確かめたいとき
  • 保険会社から届いた「生命保険料控除証明書」の金額をもとに、実際の控除額を知りたいとき
  • 新しく保険への加入を検討していて、控除の上限にまだ余裕があるかどうかを確認したいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
年間の支払保険料(1区分)その年の1月1日から12月31日までに、一般・介護医療・個人年金のいずれか1つの区分について実際に支払った保険料の合計です。配当金があれば差し引いた後の金額を使います。保険会社から毎年秋ごろに送られてくる「生命保険料控除証明書」に記載されています。証明書の金額は発行時点の見込み額であることが多いため、年末までの支払予定もあわせて確認してください。
旧制度(1/0)平成23年12月31日以前に契約した保険(旧制度)なら1、平成24年1月1日以後の契約(新制度)なら0を入れます。旧制度は一般・個人年金の2区分で、1区分の上限は所得税5万円・住民税3.5万円です。控除証明書の「新制度(新生命保険料)」「旧制度(旧生命保険料)」の表示で確認します。
令和8・9年分の子育て特例(1/0)令和8年分・令和9年分は、その年の12月31日時点で23歳未満の扶養親族がいる人は、一般生命保険料(新制度)の控除額が「3万円以下全額/6万円以下×1/2+1.5万円/12万円以下×1/4+3万円/12万円超6万円」に拡充されます。該当すれば1を入れます(介護医療・個人年金・旧制度・住民税には適用されません)。扶養控除等申告書に記載した扶養親族の生年月日。令和8年12月の年末調整または令和9年3月の確定申告(令和8年分)で使います。

支払保険料と控除額の早見表(新制度・所得税・1区分あたり)

年間の支払保険料控除額の計算式
20,000円以下支払保険料の全額
20,000円超 40,000円以下支払保険料×1/2+10,000円
40,000円超 80,000円以下支払保険料×1/4+20,000円
80,000円超一律40,000円

旧制度(平成23年12月31日以前の契約)の早見表(所得税・1区分あたり)

年間の支払保険料控除額の計算式
25,000円以下支払保険料の全額
25,000円超 50,000円以下支払保険料×1/2+12,500円
50,000円超 100,000円以下支払保険料×1/4+25,000円
100,000円超一律50,000円

令和8・9年分の子育て特例(23歳未満の扶養親族がいる人の一般生命保険料・新制度)

年間の支払保険料控除額の計算式
30,000円以下支払保険料の全額
30,000円超 60,000円以下支払保険料×1/2+15,000円
60,000円超 120,000円以下支払保険料×1/4+30,000円
120,000円超一律60,000円

住民税の控除額は、新制度が「12,000円以下全額/32,000円以下×1/2+6,000円/56,000円以下×1/4+14,000円/56,000円超28,000円」、旧制度が「15,000円以下全額/40,000円以下×1/2+7,500円/70,000円以下×1/4+17,500円/70,000円超35,000円」で、3区分合計の上限は70,000円です。子育て特例は住民税にはありません。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 区分ごとに保険料を分ける:控除証明書に書かれている「一般生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」の表示にしたがって、加入している保険を3区分に振り分けます。
  2. 区分ごとに控除額を計算する:それぞれの区分の年間支払保険料に、上の早見表の式(新制度・旧制度、令和8・9年分の子育て特例に該当する一般生命保険料は特例の表)を当てはめます。同じ区分に新制度と旧制度の両方の契約があるときは、それぞれ計算した額の合計(上限4万円、特例のときは6万円)と旧制度だけで計算した額(上限5万円)のうち有利な方を選べます。加入が1区分だけならここで計算は終わりです。
  3. 3区分を合計する:各区分の控除額(新制度は上限4万円ずつ、旧制度のみなら5万円、令和8・9年分の子育て特例の一般生命保険料は6万円)を合計します。合計額が12万円を超える場合でも、控除できるのは12万円までです(住民税は7万円まで)。

具体例で確かめる

例1 この計算機の初期値:一般生命保険料(新制度)が年間8万円のケース

所得税 = 80,000円 × 1/4 + 20,000円 = 40,000円(8万円を超えても一律40,000円) 住民税 = 56,000円超なので一律28,000円

控除額は所得税4万円・住民税2.8万円(どちらも1区分の上限に達している)

例2 介護医療保険料が年間3万円のケース

控除額 = 30,000円 × 1/2 + 10,000円

控除額25,000円

例3 一般・介護医療・個人年金の3区分に加入しているケース

一般(年9万円)→ 40,000円 介護医療(年3万円)→ 25,000円 個人年金(年6万円)→ 60,000円×1/4+20,000円=35,000円 合計 = 40,000円+25,000円+35,000円

控除額合計は100,000円(12万円の上限以内なのでそのまま適用される)

例4 令和8年分・23歳未満の扶養親族がいる人の一般生命保険料(新制度)が年間9万円のケース

子育て特例の表を使う(60,000円超120,000円以下の段階) 控除額 = 90,000円 × 1/4 + 30,000円

所得税の控除額52,500円(特例がなければ40,000円)。住民税は特例がないので28,000円のまま

3つの区分とその対象

区分おもな対象備考
一般生命保険料控除死亡保険、学資保険など、生存・死亡に基因して保険金が支払われる保険介護医療保険料に当たらないものはこちらに区分されます。
介護医療保険料控除医療保険、がん保険、介護保険、所得補償保険など平成22年度の税制改正で新設され、平成24年分から適用されている区分です。
個人年金保険料控除個人年金保険料税制適格特約が付いた個人年金保険特約が付いていない個人年金は一般生命保険料控除の扱いになります。

ここを間違えやすい

1|新制度と旧制度を混同しない

平成24年(2012年)1月1日以後に契約した保険は新制度、それより前の契約は旧制度で、区分の数(旧制度は一般・個人年金の2区分)や上限額(旧制度は1区分5万円)が異なります。控除証明書に「新制度」「旧制度」の表示があるので必ず確認してください。

2|1区分ずつ計算しても、最終的には12万円が上限

3区分それぞれで上限4万円まで計算できても、合計が12万円を超えることはありません。複数の保険に入っている方は、区分ごとに計算したうえで必ず合計を確認してください。

3|個人年金保険料控除には条件があります

個人年金保険料控除を受けるには、保険料払込期間10年以上、年金受取開始が60歳以降で受取期間10年以上などの要件を満たす「税制適格特約」が付いている必要があります。特約がない個人年金保険は一般生命保険料控除の対象になります。

4|所得税と住民税で上限額が違います

住民税の生命保険料控除は所得税とは別の計算式で、1区分の上限は28,000円(旧制度は35,000円)、3区分合計の上限は70,000円です。令和8・9年分の子育て特例も住民税にはありません。所得税の控除額をそのまま住民税の欄に書き写さないよう注意してください。

よくある質問

1つの保険契約で複数の区分にまたがることはありますか。
主契約と特約の内容によっては、1つの証券の中で一般生命保険料と介護医療保険料が両方発生することがあります。控除証明書に区分ごとの金額が分けて記載されているので、それぞれの欄の数字を使ってください。
新制度と旧制度の両方の契約がある場合はどうなりますか。
区分ごとに新旧を合算するか(合算後の上限は4万円・住民税2.8万円)、いずれか一方だけで計算するか(旧制度だけなら上限5万円・住民税3.5万円)を選択できます。旧制度の保険料が多い人は旧制度だけで計算したほうが有利になることがあるため、両方のパターンで計算して比べることをおすすめします。
令和8・9年分の子育て特例はだれが使えますか。
その年の12月31日時点で23歳未満の扶養親族(所得62万円以下の子など)がいる人が、一般生命保険料(新制度)について使えます。控除額は最大6万円になりますが、3区分合計の上限12万円は変わらず、介護医療・個人年金・旧制度の保険料や住民税には適用されません。令和7年度改正では令和8年分限りの措置でしたが、令和8年度改正で令和9年分まで延長されました。
年末調整で申告し忘れた場合は、もう控除を受けられませんか。
確定申告(還付申告)をすれば、あとから適用を受けられます。申告期限は控除を受けられる年の翌年1月1日から5年間です。
家族の保険料を自分が支払っている場合、自分の控除にできますか。
契約者ではなく、実際にその年の保険料を支払った人が控除を受けられます。生計を一にする家族の保険であれば、支払った人の申告に含めることができます。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 所得税法第76条(生命保険料控除)
  • 国税庁タックスアンサー No.1140「生命保険料控除」
  • 地方税法第34条・第314条の2(個人住民税の生命保険料控除)
  • 令和7年度税制改正(生命保険料控除の子育て世帯特例・租税特別措置法)・令和8年度税制改正(同特例の令和9年分までの延長)

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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