生命保険料控除(新制度)の計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:所得税
  • 根拠:所法76
  • 入力1項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

生命保険や医療保険、個人年金保険に加入していると、支払った保険料の一部を所得から差し引ける生命保険料控除が使えます。平成24年以後に契約した保険は「新制度」の対象で、一般・介護医療・個人年金という3つの区分に分かれ、区分ごとに控除額を計算してから合計します。ここでは1区分あたりの計算方法を確認しましょう。

この計算式を3行でいうと

  1. 年間の支払保険料が2万円以下なら全額、それを超えると段階的に減っていき、8万円を超えると一律4万円が上限になります。
  2. 一般・介護医療・個人年金の3区分があり、区分ごとの上限は4万円、3区分を合計した所得税の上限は12万円です。
  3. 住民税の控除額は別の計算式で、1区分の上限は2.8万円、3区分合計の上限は7万円と所得税より低く抑えられています。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

生命保険料控除(新制度・1区分)

所法76結果コピーリンク

平成24年以後契約の生命保険料控除(1区分あたり)。一般・介護医療・個人年金の3区分合計で上限12万円です。

2万以下:全額 / 〜4万:×1/2+1万 / 〜8万:×1/4+2万 / 8万超:4万
控除額(1区分) ¥40,000
支払保険料¥80,000
控除額¥40,000
3区分合計の上限12万円(住民税7万円)。
目次

こんなときに使います

  • 生命保険や医療保険、個人年金保険に加入していて、年末調整や確定申告で控除額を計算したいとき
  • 複数の保険に入っていて、一般・介護医療・個人年金のどの区分になるのか、区分ごとの控除額を確かめたいとき
  • 保険会社から届いた「生命保険料控除証明書」の金額をもとに、実際の控除額を知りたいとき
  • 新しく保険への加入を検討していて、控除の上限にまだ余裕があるかどうかを確認したいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
年間の支払保険料(1区分)その年の1月1日から12月31日までに、一般・介護医療・個人年金のいずれか1つの区分について実際に支払った保険料の合計です。配当金があれば差し引いた後の金額を使います。保険会社から毎年秋ごろに送られてくる「生命保険料控除証明書」に記載されています。証明書の金額は発行時点の見込み額であることが多いため、年末までの支払予定もあわせて確認してください。

支払保険料と控除額の早見表(1区分あたり)

年間の支払保険料控除額の計算式
20,000円以下支払保険料の全額
20,000円超 40,000円以下支払保険料×1/2+10,000円
40,000円超 80,000円以下支払保険料×1/4+20,000円
80,000円超一律40,000円

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 区分ごとに保険料を分ける:控除証明書に書かれている「一般生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」の表示にしたがって、加入している保険を3区分に振り分けます。
  2. 区分ごとに控除額を計算する:それぞれの区分の年間支払保険料に、上の早見表の式を当てはめます。加入が1区分だけならここで計算は終わりです。
  3. 3区分を合計する:各区分の控除額(上限4万円ずつ)を合計します。合計額が12万円を超える場合でも、控除できるのは12万円までです。

具体例で確かめる

例1 一般生命保険料が年間9万円のケース

80,000円を超えているので、控除額は一律40,000円

控除額4万円(一般生命保険料控除の上限に達している)

例2 介護医療保険料が年間3万円のケース

控除額 = 30,000円 × 1/2 + 10,000円

控除額25,000円

例3 一般・介護医療・個人年金の3区分に加入しているケース

一般(年9万円)→ 40,000円 介護医療(年3万円)→ 25,000円 個人年金(年6万円)→ 60,000円×1/4+20,000円=35,000円 合計 = 40,000円+25,000円+35,000円

控除額合計は100,000円(12万円の上限以内なのでそのまま適用される)

3つの区分とその対象

区分おもな対象備考
一般生命保険料控除死亡保険、学資保険など、生存・死亡に基因して保険金が支払われる保険介護医療保険料に当たらないものはこちらに区分されます。
介護医療保険料控除医療保険、がん保険、介護保険、所得補償保険など平成24年の税制改正で新設された区分です。
個人年金保険料控除個人年金保険料税制適格特約が付いた個人年金保険特約が付いていない個人年金は一般生命保険料控除の扱いになります。

ここを間違えやすい

1|新制度と旧制度を混同しない

平成24年(2012年)以後に契約した保険は新制度、それより前の契約は旧制度で、区分の数や上限額が異なります。控除証明書に「新制度」「旧制度」の表示があるので必ず確認してください。

2|1区分ずつ計算しても、最終的には12万円が上限

3区分それぞれで上限4万円まで計算できても、合計が12万円を超えることはありません。複数の保険に入っている方は、区分ごとに計算したうえで必ず合計を確認してください。

3|個人年金保険料控除には条件があります

個人年金保険料控除を受けるには、保険料払込期間10年以上、年金受取開始が60歳以降で受取期間10年以上などの要件を満たす「税制適格特約」が付いている必要があります。特約がない個人年金保険は一般生命保険料控除の対象になります。

4|所得税と住民税で上限額が違います

住民税の生命保険料控除は所得税とは別の計算式で、1区分の上限は28,000円、3区分合計の上限は70,000円です。所得税の控除額をそのまま住民税の欄に書き写さないよう注意してください。

よくある質問

1つの保険契約で複数の区分にまたがることはありますか。
主契約と特約の内容によっては、1つの証券の中で一般生命保険料と介護医療保険料が両方発生することがあります。控除証明書に区分ごとの金額が分けて記載されているので、それぞれの欄の数字を使ってください。
新制度と旧制度の両方の契約がある場合はどうなりますか。
区分ごとに新旧を合算するか、いずれか一方を選ぶかを選択できます。一般に新旧を合算したほうが有利になるケースが多いですが、契約内容によって異なるため、両方のパターンで計算して比べることをおすすめします。
年末調整で申告し忘れた場合は、もう控除を受けられませんか。
確定申告(還付申告)をすれば、あとから適用を受けられます。申告期限は控除を受けられる年の翌年1月1日から5年間です。
家族の保険料を自分が支払っている場合、自分の控除にできますか。
契約者ではなく、実際にその年の保険料を支払った人が控除を受けられます。生計を一にする家族の保険であれば、支払った人の申告に含めることができます。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 所得税法第76条(生命保険料控除)
  • 国税庁タックスアンサー No.1140「生命保険料控除」
  • 地方税法第34条・第314条の2(個人住民税の生命保険料控除)

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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