賞与の社会保険料の計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:社会保険
  • 根拠:健保法45・厚年法24の4
  • 入力6項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

ボーナス(賞与)にも、毎月の給料と同じように社会保険料がかかります。ただし計算のもとになるのは支給額そのものではなく、1,000円未満を切り捨てた標準賞与額です。健康保険には年間の累計額に、厚生年金には1回ごとの支給額に、それぞれ上限が設けられています。

この計算式を3行でいうと

  1. 賞与の社会保険料は、1,000円未満を切り捨てた標準賞与額に健康保険・介護保険・厚生年金の料率をかけ、労使で折半して計算します。
  2. 健康保険は毎年4月から翌3月までの累計573万円、厚生年金は支給1回あたり150万円が上限です。超えた分に保険料はかかりません。
  3. 会社は本人負担分に加え、子ども・子育て拠出金も負担します。賞与の源泉所得税は別の計算式で求めます。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

賞与の社会保険料

健保法45・厚年法24の4結果コピーリンク

賞与は1,000円未満切捨ての「標準賞与額」に料率を掛けます。健保は年度累計573万円・厚年は1回150万円の上限があります。

標準賞与額(千円未満切捨) × 各料率 ÷ 2 健保:年度累計573万円上限/厚年:1回150万円上限
本人負担 ¥154,600
標準賞与額¥1,000,000
健保対象(累計573万まで)¥1,000,000
厚年対象(150万上限)¥1,000,000
健康保険(全体)¥100,000
介護保険(全体)¥16,200
厚生年金(全体)¥183,000
雇用保険(本人)¥5,000
本人負担合計¥154,600
手取り概算¥845,400
会社負担は折半額+子ども・子育て拠出金(厚年対象×0.36%)。源泉所得税は別途(賞与の源泉徴収の計算機へ)。
目次

こんなときに使います

  • 賞与を支給する前に、天引きする社会保険料がいくらになるか確認したいとき
  • 年度の途中で複数回賞与を出しており、健康保険料の573万円上限に近づいていないか確認したいとき
  • 大きな決算賞与を支給する予定で、厚生年金保険料の150万円上限がどう働くか知りたいとき
  • 給与計算ソフトが計算した賞与の社会保険料を、自分でも検算しておきたいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
賞与額今回支給する賞与の額面(税引き前)です。標準賞与額はここから1,000円未満を切り捨てて求めます。賞与支給明細や賞与辞令に記載されている総支給額です。
健保の年度内累計標準賞与今回の賞与より前に、その年度(4月から翌年3月)にすでに支給した賞与の標準賞与額の合計です。年度で最初の賞与ならゼロです。賃金台帳や給与計算ソフトの賞与支給履歴で確認します。
40〜64歳1/0介護保険料がかかる40歳から64歳までの方に該当するかどうかを、1(該当する)か0(該当しない)で入力します。従業員の生年月日から、支給日時点の年齢を確認します。
健康保険料率協会けんぽが都道府県ごとに毎年度定める健康保険の保険料率(本人・会社の合計)です。協会けんぽが公表する「都道府県毎の保険料額表」で確認できます。
介護保険料率40歳から64歳までの方に上乗せされる介護保険の保険料率で、全国一律です。健康保険料率と同じ保険料額表に、あわせて掲載されています。
雇用保険料率(本人)賞与から天引きされる、雇用保険料の本人負担分の料率です。厚生労働省が公表する雇用保険料率表で確認できます。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 標準賞与額を求める:賞与額から1,000円未満を切り捨てます。たとえば賞与が1,000,700円なら、標準賞与額は1,000,000円です。
  2. 健康保険・介護保険の上限を確認する:今回の標準賞与額に、健保の年度内累計を足して573万円を超える場合は、超えた部分には健康保険料・介護保険料がかかりません。対象になる金額に料率をかけ、2で割ったものが本人・会社それぞれの負担です。
  3. 厚生年金の上限を確認する:厚生年金は年度累計ではなく、1回の支給ごとに150万円が上限です。標準賞与額が150万円を超えるときは、超えた部分には厚生年金保険料がかかりません。
  4. 雇用保険を計算する:雇用保険には上限がないため、標準賞与額の全額に雇用保険料率(本人)をかけます。会社は、労使折半の金額に加えて、子ども・子育て拠出金(厚生年金の対象額の0.36%)を全額負担します。

具体例で確かめる

例1 賞与100万円、40〜64歳、年度内で最初の賞与のケース

賞与額1,000,700円 → 標準賞与額 1,000,000円(1,000円未満切り捨て) 健康保険+介護保険 = 1,000,000円 ×(10.0% + 1.62%)= 116,200円 → 本人58,100円/会社58,100円 雇用保険(本人) = 1,000,000円 × 0.5% = 5,000円

本人負担は健康保険・介護保険・雇用保険をあわせて63,100円です(厚生年金は別途計算されます)

例2 年度内の累計が550万円あり、今回の賞与100万円で573万円上限に近づくケース

573万円上限までの残り枠 = 5,730,000円 - 5,500,000円 = 230,000円 健康保険+介護保険(対象230,000円分)= 230,000円 ×(10.0% + 1.62%)= 26,726円 → 本人13,363円/会社13,363円

標準賞与額100万円のうち、健康保険・介護保険がかかるのは23万円分だけ。残り77万円分には保険料がかかりません

例3 決算賞与300万円で、厚生年金の1回150万円上限にかかるケース

標準賞与額300万円のうち、健康保険・介護保険は年度累計573万円以内なので全額が対象 健康保険+介護保険 = 3,000,000円 ×(10.0% + 1.62%)= 348,600円 → 本人174,300円/会社174,300円 厚生年金は1回150万円が上限のため、対象になるのは150万円分だけ。残り150万円分には厚生年金保険料がかかりません

同じ賞与でも、健康保険は300万円全額が対象、厚生年金は150万円までしか対象にならないという違いが出ます

ここを間違えやすい

1|標準賞与額は「支給額」そのものではありません

賞与の額面から1,000円未満を切り捨てた金額が標準賞与額です。切り捨てる前の金額に料率をかけてしまうと、実際の保険料と少しずれてしまいます。

2|健康保険の573万円上限は「1回ごと」ではなく「年度の累計」です

1回の賞与が573万円以下でも、その年度にすでに支給した賞与の標準賞与額と合計して573万円を超えていれば、超えた部分には健康保険料・介護保険料がかかりません。過去の支給分をきちんと積み上げて確認する必要があります。

3|厚生年金の150万円上限は「累計」ではなく「1回ごと」です

健康保険とは逆に、厚生年金の上限は年度の累計ではなく、賞与1回の支給額で判定します。年に何回賞与を出しても、その都度150万円が上限になります。健康保険と厚生年金で上限の数え方が違う点を混同しないようにしてください。

4|賞与には所得税の源泉徴収も別途かかります

この計算機で求めるのは社会保険料だけです。賞与からは、社会保険料を差し引いたあとの金額をもとに所得税の源泉徴収も行われます。源泉徴収額は、賞与の源泉徴収を扱う別の計算式で確認してください。

よくある質問

年に4回以上賞与を支給した場合も、この計算式でよいのですか。
年4回以上支給される賞与は、健康保険・厚生年金の扱いのうえで「賞与」ではなく毎月の「報酬」に含めて計算することがあります。回数の数え方や該当するかどうかの判断は個別のケースによって異なるため、支給回数が多い場合は年金事務所や協会けんぽに確認することをおすすめします。
退職する月に支給した賞与にも社会保険料はかかりますか。
退職日と資格を失う日、賞与の支給日の関係によって扱いが変わることがあります。資格を失ったあとに支払われた賞与は対象外になる場合もあるため、退職予定の従業員への賞与は個別に確認してください。
標準賞与額の1,000円未満切り捨ては、どこで確認できますか。
賞与の額面から1,000円未満の端数を切り捨てるだけなので、電卓でも簡単に出せます。たとえば賞与が258,600円であれば、標準賞与額は258,000円です。
この計算機で、賞与から天引きされる所得税もわかりますか。
わかりません。ここで計算するのは社会保険料だけです。所得税の源泉徴収額は、社会保険料を差し引いたあとの金額をもとに、賞与の源泉徴収を扱う別の計算式で求めます。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 健康保険法第45条(標準賞与額の決定)、厚生年金保険法第24条の4(標準賞与額の決定)
  • 全国健康保険協会(協会けんぽ)「都道府県毎の保険料額表」
  • 日本年金機構「標準賞与額に関するお知らせ」「子ども・子育て拠出金について」

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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