- カテゴリ:社会保険
- 根拠:健保法99・102
- 入力3項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
病気やケガで働けなくなったとき、また出産で仕事を休むとき、健康保険から生活を支える手当が支給されます。金額の目安は、これまでの給料(標準報酬月額)のおよそ3分の2です。傷病手当金と出産手当金は日額の計算方法が共通しているため、この計算機では1つの式でどちらも試算できます。
この計算式を3行でいうと
- 手当の日額は、休む前12か月の平均標準報酬月額を30で割り、3分の2をかけて計算します。
- 傷病手当金は同じ病気やケガで通算最長1年6か月まで、出産手当金は産前42日と産後56日が対象です。
- 役員は原則として対象外です。傷病手当金と出産手当金を同時にもらえる期間は、金額の調整が行われます。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
傷病手当金・出産手当金
健保法99・102★結果コピーリンク病気やケガ・出産で仕事を休んだ場合に健康保険から支給される手当を計算します(給与の約3分の2)。
| 日額(標報÷30×2/3) | ¥6,666 |
| 支給日数 | 90日 |
| 支給総額 | ¥599,940 |
| 支給期間 | 通算1年6か月まで(待期3日) |
| 税・社保 | 非課税・その間の社保は産休免除(出産) |
こんなときに使います
- 病気やケガで長期間会社を休むことになり、健康保険からいくら手当が出るのか知りたいとき
- 産前産後の休業を控えていて、出産手当金がいくらもらえるか事前に把握したいとき
- 休職中の生活設計をするために、傷病手当金のおおよその総額を試算したいとき
- 会社側で、休職する従業員に手当の目安を説明する資料を作りたいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 平均標準報酬月額 | 手当の支給を始める日より前12か月間の、各月の標準報酬月額を平均した金額です。 | 協会けんぽや健康保険組合から届く支給決定通知書、または各月の標準報酬月額決定通知書で確認します。 |
| 支給対象日数 | 実際に手当の支給対象になる日数です。傷病手当金は休んだ日数のうち対象になる日数、出産手当金は産前42日・産後56日の範囲内で実際に休んだ日数を入力します。 | 会社の出勤簿や休業期間の記録、医師の意見書などで確認します。 |
| 傷病0/出産1 | 計算するのが傷病手当金か出産手当金かを指定する区分です。0を入れると傷病手当金、1を入れると出産手当金として計算します。 | 該当する制度を選ぶだけなので、書類を確認する必要はありません。 |
傷病手当金と出産手当金は、根拠となる条文も支給の目的も別々の制度ですが、日額の計算式が同じという共通点があります。そのため、この計算機では区分だけを切り替えて、どちらも同じ考え方で試算できるようにしています。
計算のしくみ(3ステップ)
- 平均標準報酬月額を確認する:手当の支給を始める日より前12か月間の標準報酬月額を平均します。
- 日額を計算する:平均標準報酬月額を30で割り、3分の2をかけます。これが1日あたりの手当額の目安です。
- 支給対象日数をかける:日額に、実際に手当の対象となる日数をかけて、支給総額を求めます。
- 支給される期間の上限を確認する:傷病手当金は、同じ病気やケガについて支給開始日から通算して最長1年6か月まで。出産手当金は産前42日と産後56日をあわせた期間が対象です。
会社から給料の一部が支払われている場合や、途中で出勤した日がある場合は、支給対象日数の数え方が変わります。実際に手続きをするときは、勤務先の担当者や協会けんぽ・健康保険組合の窓口で、対象日数の考え方をあわせて確認すると安心です。
具体例で確かめる
例1 平均標準報酬月額30万円、90日休んだ傷病手当金のケース
日額 = 300,000円 ÷ 30 × 2/3 = 約6,667円 支給額 = 約6,667円 × 90日
支給総額はおよそ60万円。実際には1円未満の端数処理があるため、目安として捉えてください
例2 平均標準報酬月額28万円、産前42日と産後56日(合計98日)を休んだ出産手当金のケース
日額 = 280,000円 ÷ 30 × 2/3 = 約6,222円 支給額 = 約6,222円 × 98日
支給総額はおよそ61万円。出産予定日と実際の出産日がずれると、実際に休んだ日数も変わります
例3 平均標準報酬月額45万円、60日休んだ傷病手当金のケース
日額 = 450,000円 ÷ 30 × 2/3 = 10,000円 支給額 = 10,000円 × 60日 = 600,000円
支給総額は60万円。平均標準報酬月額が上がるほど、日額も支給総額も比例して増えます
傷病手当金と出産手当金の対象期間
| 区分 | 対象になる期間 | 備考 |
|---|---|---|
| 傷病手当金 | 支給開始日から通算して最長1年6か月 | 同じ病気やケガによる休業が対象です。 |
| 出産手当金 | 産前42日+産後56日 | 出産手当金と傷病手当金を同時にもらえる期間は、支給額の調整が行われます。 |
ここを間違えやすい
1|役員は原則として対象外です
傷病手当金・出産手当金は、健康保険に加入する従業員(被保険者)のための給付です。会社の代表者や取締役などの役員は、経営者としての立場が強いため、原則として対象になりません。ただし、部長や工場長などの職務をあわせて担う役員(使用人兼務役員)で、労働者としての実態が強い場合は対象になることがあります。役員報酬の一部が支払われ続ける場合の扱いも含め、判断に迷うときは加入している健康保険の窓口に相談してください。
2|出産手当金と傷病手当金は同時にもらえる期間の調整があります
出産前後の期間に、別の病気やケガで傷病手当金の対象にもなる場合、両方をそのまま満額もらえるわけではありません。出産手当金の金額のほうが多い場合は、その差額だけ傷病手当金が支給されるなど、併給調整が行われます。どちらを優先して申請すればよいか迷うケースもあるため、両方に該当しそうなときは早めに窓口へ相談しておくと手続きがスムーズです。
3|国民健康保険には傷病手当金がありません
傷病手当金は、会社の健康保険(協会けんぽや健康保険組合)に加入している方のための制度です。自営業者などが加入する国民健康保険では、傷病手当金は市区町村が任意で給付を設ける場合を除き、原則として支給されません。退職して国民健康保険に切り替わったあとは、それまで会社の健康保険で受けていた傷病手当金の扱いも変わることがあるため、あわせて確認しておきましょう。
4|日額は直近の給料の3分の2ではありません
日額の計算に使う平均標準報酬月額は、直近1か月の給料ではなく、支給開始前12か月間の平均です。給料が急に上がったり下がったりした直後は、実際の直近の給料と手当の日額にずれが生じることがあります。
よくある質問
- 平均標準報酬月額は、どの12か月を使えばよいですか。
- 手当の支給が始まる日の属する月より前、直近12か月間の各月の標準報酬月額を平均します。転職や入社したばかりで12か月分の記録がない場合は、別の計算方法になることがあります。自分で正確に計算するのが難しいときは、加入している協会けんぽや健康保険組合に確認するのが確実です。
- 会社を休んでいる間、給料はもらえますか。
- 傷病手当金・出産手当金は、給料の代わりに生活を支えるための給付です。会社から給料の一部が支払われている場合は、その金額に応じて手当が調整されることがあります。
- 出産手当金と育児休業給付金はどう違いますか。
- 出産手当金は健康保険から支給され、産前42日と産後56日が対象です。育児休業給付金は雇用保険から支給されるもので、産後の休業がひと区切りついたあと、育児のために休業する期間が対象になります。管轄の窓口も申請書類も別々のため、それぞれの制度として手続きが必要です。
- パートやアルバイトでも対象になりますか。
- 会社の健康保険(協会けんぽや健康保険組合)に加入していれば、雇用形態にかかわらず対象になります。逆に、勤務時間や日数が少なく健康保険に加入していない、国民健康保険に加入している自営業者やパート・アルバイトの方は、原則として傷病手当金の対象になりません。自分がどちらの制度に加入しているか、まずは保険証の種類で確認しておくとよいでしょう。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 健康保険法第99条(傷病手当金)、第102条(出産手当金)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「傷病手当金」「出産手当金」の制度案内
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「標準報酬月額表」
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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