- カテゴリ:消費税
- 根拠:消法30・45
- 入力4項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
消費税の納税額を計算する基本のやり方が本則課税です。1年間の売上にかかる消費税額から、仕入れや経費にかかった消費税額を差し引いて、残った分だけを納めます。差し引ける金額のことを「仕入税額控除」と呼び、原則としてこの控除には条件があります。ここでは、いちばん基本になる「全額を差し引けるケース」の計算方法を確認します。
この計算式を3行でいうと
- 納付税額は「課税売上の消費税額-課税仕入れの消費税額(仕入税額控除)」で計算します。仕入れの消費税を差し引ける方式です。
- 課税売上割合が95%以上、かつ課税売上高が5億円以下の事業者は、仕入れの消費税額を全額差し引けます。
- この条件を満たさない場合は、個別対応方式か一括比例配分方式で仕入税額控除を計算し直す必要があります。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
消費税 本則課税の納付税額
消法30・45★結果コピーリンク本則課税では、課税売上の消費税額から課税仕入れの消費税額(仕入税額控除)を差し引いて納付額を求めます。課税売上割合95%以上(かつ売上5億円以下)は全額控除できます。
| 課税売上の消費税額 | ¥5,000,000 |
| 仕入税額控除 | ¥3,000,000 |
| 納付税額 | ¥2,000,000 |
こんなときに使います
- 簡易課税ではなく、実際の仕入れの数字を使って消費税の納付額を計算したいとき
- 簡易課税を選べない規模の事業者が、本則課税での納税額を試算したいとき
- 設備投資や仕入れが多い決算期に、本則課税のほうが有利かどうか確かめたいとき
- 会計ソフトが出した消費税の集計結果を、大まかな数字で検算したいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 課税売上高(税抜) | 1年間(課税期間)の、消費税がかかる売上の合計です。税抜の金額を入力します。 | 決算書の売上高、または消費税申告のための集計表で確認します。 |
| 税率 | 消費税と地方消費税を合わせた税率です。標準税率10%か、軽減税率8%のどちらかを入力します。 | 取引の内容(飲食料品などは軽減税率)に応じて判断します。 |
| 課税仕入高(税抜) | 仕入れ・外注費・経費・設備投資など、消費税がかかる支出の合計です。税抜の金額を入力します。 | 総勘定元帳の仕入・経費科目の合計、決算書から確認します。 |
| 課税売上割合 | 売上全体のうち、消費税がかかる売上が占める割合です。ほとんどの業種で100%に近くなります。 | 消費税申告書の課税売上割合欄、または「課税売上高÷総売上高×100」で計算します。 |
計算のしくみ(3ステップ)
- 売上の消費税額を出す:課税売上高(税抜)に税率を掛けて、その課税期間の売上にかかる消費税額を計算します。
- 全額控除できるか確認する:課税売上割合が95%以上、かつ課税売上高が5億円以下であれば、仕入れの消費税額を全額差し引けます。どちらかを満たさない場合は、個別対応方式や一括比例配分方式で計算し直す必要があります。
- 仕入税額控除を差し引く:課税仕入高(税抜)に税率を掛けた金額を、売上の消費税額から差し引きます。残った金額が納付税額です。
具体例で確かめる
例1 課税売上高5,000万円、税率10%、課税仕入高3,000万円、課税売上割合100%のケース
売上の消費税額 = 50,000,000円 × 10% = 5,000,000円 仕入税額控除 = 30,000,000円 × 10% = 3,000,000円(課税売上割合100%なので全額控除)
納付税額 = 5,000,000円 - 3,000,000円 = 2,000,000円
例2 開業したばかりの小規模事業者のケース(課税売上高1,500万円、税率10%、課税仕入高900万円)
売上の消費税額 = 15,000,000円 × 10% = 1,500,000円 仕入税額控除 = 9,000,000円 × 10% = 900,000円
納付税額 = 1,500,000円 - 900,000円 = 600,000円
例3 課税売上割合が95%未満のケース(課税売上高3,000万円、税率10%、課税仕入高2,000万円、課税売上割合80%)
売上の消費税額 = 30,000,000円 × 10% = 3,000,000円 仕入れの消費税額(参考) = 20,000,000円 × 10% = 2,000,000円
課税売上割合が80%(95%未満)のため、2,000,000円をそのまま全額は差し引けません。個別対応方式か一括比例配分方式で按分計算をやり直す必要があります
全額控除できるかどうかの判定
| 課税売上割合 | 課税売上高 | 仕入税額控除の扱い |
|---|---|---|
| 95%以上 | 5億円以下 | 課税仕入れの消費税額を全額控除できる |
| 95%以上 | 5億円超 | 全額控除の対象外。個別対応方式か一括比例配分方式で計算する |
| 95%未満 | 問わない | 全額控除の対象外。個別対応方式か一括比例配分方式で計算する |
ここを間違えやすい
1|課税売上割合は「売上の内訳」で決まります
課税売上割合の分母には、土地の売却や住宅の貸付けなど消費税がかからない売上(非課税売上)も含まれます。課税売上高だけを見て100%と思い込まないように注意してください。
2|税率は地方消費税を含めた合計で試算します
この計算機の税率は、国税分の消費税と地方消費税を合わせた率(標準10%・軽減8%)で試算する仕組みです。申告書では最終的に国税と地方税に分けて記載しますが、大まかな納付額を知るにはこの合計税率で十分です。
3|5億円の判定はその課税期間の実績で見ます
課税売上高5億円以下かどうかは、前期の実績ではなくその課税期間自体の課税売上高で判定します。年の途中で大きな売却があった場合などは注意が必要です。
4|簡易課税を選んでいる場合はこの計算方法を使えません
簡易課税制度を選択している事業者は、実際の仕入れの金額にかかわらず、みなし仕入率で仕入税額控除を計算します。本則課税の計算方法とは別の考え方になるため、混同しないようにしてください。
よくある質問
- 課税売上高が5億円を超えたら、必ず個別対応方式になりますか。
- 課税売上割合が95%以上であっても、課税売上高が5億円を超える場合は全額控除ができず、個別対応方式か一括比例配分方式のどちらかで計算し直す必要があります。
- 個別対応方式と一括比例配分方式はどちらを選べますか。
- 仕入れを課税売上対応・非課税売上対応・共通対応に区分できていれば、どちらの方式を選ぶかは事業者の判断になります。ただし一括比例配分方式を一度選ぶと、一定期間は継続して使う必要があるといった制限もあるため、個別の判断が必要です。
- 簡易課税と本則課税はどちらが有利ですか。
- 業種や仕入れの多さによって変わります。仕入れや経費が多い年、大きな設備投資をした年は、本則課税のほうが納税額を抑えられる傾向があります。両方の方式で試算して比べることをおすすめします。
- 標準税率と軽減税率が混ざっている場合はどう計算しますか。
- 本来は標準税率10%対象と軽減税率8%対象を区分して、それぞれの税率で計算し合計します。この計算機は単一の税率で概算を確認するものなので、正確な金額は税率ごとに分けて集計してください。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 消費税法第30条(仕入れに係る消費税額の控除)、第45条(課税資産の譲渡等及び課税仕入れ等の税額の計算)
- 国税庁「消費税及び地方消費税の確定申告の手引き」(仕入税額控除の計算方法)
- 国税庁タックスアンサー No.6501「納税義務の免除」(関連知識として)
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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