- カテゴリ:シミュレーション
- 根拠:相法19の2
- 入力3項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
配偶者の税額軽減を目いっぱい使うと、最初の相続(一次相続)の税額はゼロに近づきます。しかし、その配偶者が亡くなったときの相続(二次相続)では、まとめて子が財産を引き継ぐことになり、かえって税負担が重くなることがあります。この二次相続シミュレーションは、配偶者の取得割合を少しずつ変えながら、一次と二次を合計した税額がいちばん小さくなる割合を探します。
この計算式を3行でいうと
- 一次相続の課税価格・配偶者の固有財産・子の人数を入れると、配偶者の取得割合を0〜100%まで10%刻みで走査します。
- 一次相続の税額(配偶者軽減後)と、二次相続の税額(配偶者の固有財産+一次の取得分)を各割合で合計します。
- 合計がいちばん小さくなる取得割合が最適点です。配偶者軽減を使いすぎると二次相続が重くなることを可視化します。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
二次相続まで含めた最適化シミュレーションSIM
相法19の2★結果コピーリンク一次相続で配偶者がどれだけ取得するかを0〜100%まで10%刻みで走査し、一次+二次(配偶者の相続)の相続税合計が最小になる取得割合を探索します。配偶者軽減の使いすぎによる二次相続の重税化を可視化します。
| 取得0%: 一次2,700万+二次80万 | 2,780万円 |
| 取得50%: 一次1,350万+二次1,840万 | 3,190万円 |
| 取得100%: 一次540万+二次4,920万 | 5,460万円 |
| ★最適: 配偶者取得10% | 2,750万円 |
| 一次/二次の内訳 | 2,430万円 / 320万円 |
| 「とりあえず半分」比の節税額 | 440万円 |
こんなときに使います
- 一次相続で、配偶者にどれくらい財産を取得してもらうか遺産分割協議で悩んでいるとき
- 配偶者の税額軽減を目いっぱい使うべきか、あえて抑えるべきか判断したいとき
- 両親のうち一方がすでに亡くなっていて、残る親の相続(二次相続)も見据えて対策したいとき
- 「配偶者に多く相続させると税金が減る」という話が、本当に家族全体で得なのか確かめたいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 一次相続の課税価格 | 今回の相続(一次相続)で、基礎控除を引く前の財産の課税価格です。 | 他の計算機で算出した課税価格、または財産の合計から債務・非課税枠を引いた金額です。 |
| 配偶者の固有財産 | 配偶者が、今回の相続で取得する分とは別に、もともと持っている財産です。 | 配偶者名義の預貯金・不動産・保険などを合計します。 |
| 子の人数 | 一次相続・二次相続の両方で法定相続人になる子の人数です。 | 戸籍謄本で確認します。 |
計算のしくみ(3ステップ)
- 配偶者の取得割合を0%から100%まで10%刻みで設定する:0%、10%、20%…100%の11パターンについて、それぞれ次の計算を行います。
- 各割合で一次相続の税額を計算する:一次相続の課税価格を配偶者と子で按分し、配偶者の取得分には税額軽減を適用して、一次相続で実際に納める税額を出します。
- 二次相続の税額も計算し、合計する:配偶者の固有財産に、一次相続で配偶者が取得した分を足したものを、二次相続の課税価格とみなして子だけで相続した場合の税額を計算します。一次と二次の税額を合計し、11パターンの中でいちばん小さい割合を最適点として表示します。
具体例で確かめる
例1 初期値どおり、一次相続の課税価格2億円、配偶者の固有財産5,000万円、子2人のケース
配偶者の取得割合0% → 一次相続の税額は最大、二次相続の財産は固有財産5,000万円のみ 配偶者の取得割合100% → 一次相続の税額は税額軽減でゼロに近づくが、二次相続の財産は2億円超に増える
両極端はどちらも合計では不利になりやすく、間のどこかに合計が最小になる割合があります
例2 配偶者の固有財産が少ない場合との違い
配偶者の固有財産が5,000万円ではなく1,000万円だった場合 二次相続の財産は「配偶者固有財産+一次の取得分」なので、同じ取得割合でも二次相続の課税価格は小さくなる
配偶者の固有財産が少ないケースほど、一次相続で配偶者に多く取得させても二次相続への影響が小さくなります
例3 子の人数による違い
子2人 → 二次相続でも基礎控除は3,000万円+600万円×2人=4,200万円 子が1人しかいない場合 → 二次相続の基礎控除は3,000万円+600万円×1人=3,600万円
二次相続では配偶者という相続人がいなくなる分、基礎控除も少なくなりやすい点に注意が必要です
ここを間違えやすい
1|「配偶者にできるだけ多く」が正解とは限りません
配偶者の税額軽減は強力な制度ですが、使いすぎると二次相続でその財産がまとめて子に移り、結果として一次+二次の合計税額が増えることがあります。目先の一次相続の税額だけで判断しないことが大切です。
2|配偶者の固有財産の変化までは追いきれません
配偶者が一次相続後に財産を使ったり、逆に運用で増やしたりすると、実際の二次相続の財産額は変わります。このシミュレーションは、一次相続時点の固有財産が変わらないという前提の概算です。
3|小規模宅地の特例が使えるかどうかで結果は変わります
自宅の土地について、一次相続と二次相続のどちらで小規模宅地の特例を使うかによって、有利な配偶者取得割合は変わります。このシミュレーションでは反映していないため、自宅がある場合は個別に検討してください。
4|10%刻みの概算です
実際の最適な取得割合は、10%刻みの間にあることもあります。このシミュレーションで大まかな傾向をつかんだうえで、税理士とより細かい割合を検討することをおすすめします。
よくある質問
- 二次相続とはどの相続のことですか。
- 夫婦のどちらかが亡くなる一次相続に続いて、残されたもう一方の配偶者が亡くなったときの相続を二次相続といいます。二次相続では配偶者の税額軽減が使えないため、税負担が重くなりやすい傾向があります。
- 配偶者の取得割合を減らすと、配偶者の生活資金は大丈夫ですか。
- 税額だけで割合を決めると、配偶者の老後の生活資金が不足するおそれがあります。このシミュレーションはあくまで税額の目安であり、実際の遺産分割では生活資金や住まいの確保も含めて検討する必要があります。
- 収益物件を子に直接相続させる対策とは違うのですか。
- 異なる対策です。賃貸収入を生む不動産をあらかじめ子が相続する形にしておくと、二次相続までの間に配偶者の財産が収益で増えるのを防げますが、この計算機ではその効果までは反映していません。
- 結果はどのくらい正確ですか。
- 10%刻みの概算であり、小規模宅地の特例や生前贈与などは反映していません。方向性をつかむための目安としてお使いいただき、実際の分割方法は税理士に相談することをおすすめします。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 相続税法第19条の2(配偶者に対する相続税額の軽減)、第15条(遺産に係る基礎控除)
- 国税庁タックスアンサー No.4158「配偶者の税額の軽減」/No.4152「相続税の計算」
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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