相続税の一気通貫シミュレーションの計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:シミュレーション
  • 根拠:相法11〜19の2
  • 入力6項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

相続税の計算は、非課税枠を引く、基礎控除を引く、税額を出す、配偶者の分を軽減する、と何段階もの手順があり、自分で最初から最後まで通して計算するのは大変です。この一気通貫シミュレーションは、財産総額と家族構成を入れるだけで、生命保険の非課税枠から配偶者の税額軽減まで一度に計算し、実際に納める相続税額の目安を示します。

この計算式を3行でいうと

  1. 財産総額・生命保険・債務・配偶者の有無・子の人数・配偶者の取得割合の6項目を入れると、納付税額まで一気に計算します。
  2. 生命保険金は「500万円×法定相続人の数」まで非課税。残りが基礎控除を超えた分に相続税がかかります。
  3. 小規模宅地の特例・2割加算・生前贈与加算は反映していません。より正確に試算したい場合は詳細版を使ってください。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

相続税の一気通貫シミュレーションSIM

相法11〜19の2結果コピーリンク

財産総額・家族構成を入れるだけで、生命保険の非課税→基礎控除→相続税の総額→配偶者の税額軽減→実際の納付税額まで一気に計算します(配偶者+子のモデル)。

課税価格 = 財産 − 保険非課税(500万×人数) − 債務葬式費用 → 基礎控除 → 法定相続分で総額 → 実際取得割合で按分 → 配偶者軽減
納付税額の合計 567.5万円
法定相続人3人
生命保険の非課税1,500万円
課税価格13,000万円
基礎控除4,800万円
課税遺産総額8,200万円
相続税の総額1,135万円
配偶者の税額軽減567.5万円
納付税額(配偶者)0万円
納付税額(子ら合計)567.5万円
実効税率(対財産総額)3.783%
小規模宅地特例・2割加算・未成年障害者控除・生前贈与加算は未反映(各計算機で個別試算を)。二次相続まで見ると配偶者取得を法定相続分より抑える方が有利な場合あり。
目次

こんなときに使います

  • 親などが亡くなり、相続税がどのくらいかかりそうか、まず全体像をつかみたいとき
  • 生命保険に入っている場合と入っていない場合で、納税額がどう変わるか比べたいとき
  • 配偶者がどれくらい財産を取得すれば、家族全体の納税額が抑えられるかを知りたいとき
  • 税理士に相談する前に、自分でおおまかな金額感をつかんでおきたいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
財産総額(保険金含む)預貯金・不動産・株式・生命保険金などをすべて合計した財産の総額です(万円単位)。通帳の残高、固定資産税の課税明細書、証券会社の残高報告書などを集計します。
うち生命保険金財産総額のうち、亡くなったことで支払われる生命保険金の金額です。保険会社からの支払通知書、保険証券で確認します。
債務・葬式費用住宅ローンなどの借入金と、通夜・告別式にかかった費用の合計です。金融機関の残高証明書、葬儀社の請求書・領収書で確認します。
配偶者あり1/なし0亡くなった方に配偶者がいる場合は1、いない場合は0を入れます。戸籍謄本で確認します。
子の人数法定相続人になる子の人数です。相続を放棄した子も人数に入れます。出生から死亡までの戸籍謄本をたどって確定します。
配偶者の実際取得割合相続財産のうち、配偶者が実際に取得する割合(%)です。遺産分割協議で決めます。遺産分割協議書、または検討中の分け方の案を入れます。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 課税価格を出す:財産総額から、生命保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)と、債務・葬式費用を差し引きます。
  2. 基礎控除を引いて相続税の総額を計算する:課税価格から基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を引き、残った金額を法定相続分どおりに分けたと仮定して、それぞれに税率を当てはめた合計が相続税の総額です。
  3. 実際の取得割合で按分し、配偶者の税額軽減を反映する:相続税の総額を、配偶者と子が実際に取得する割合で振り分けます。配偶者の取得分には税額軽減が適用されるため、配偶者の実際の納税額はその分減ります。

具体例で確かめる

例1 初期値どおり、財産総額1億5,000万円(うち保険金2,000万円)、債務500万円、配偶者と子2人のケース

生命保険の非課税枠 = 500万円 × 3人(配偶者+子2人) = 1,500万円 課税価格 = 15,000万円 -(2,000万円 - 1,500万円)- 500万円 = 14,000万円 基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円

課税価格14,000万円は基礎控除4,800万円を超えるため、超えた9,200万円をもとに相続税が計算されます

例2 配偶者の取得割合を変えるとどうなるか

配偶者の取得割合50% → 相続税の総額のうち半分が配偶者の取得分 配偶者の取得分には税額軽減が適用され、実際の納税額が圧縮される

配偶者の取得割合を上げるほど、一次相続だけで見た家族全体の納税額は小さくなります

例3 生命保険に入っていなかった場合との比較

保険金2,000万円がなければ、非課税枠1,500万円も使えず 課税価格 = 15,000万円 - 500万円 - 0円 = 14,500万円(保険ありの例より500万円多い)

生命保険は、非課税枠の分だけ相続税の対象になる財産を圧縮できます

ここを間違えやすい

1|配偶者の取得割合を増やせば増やすほど得とは限りません

配偶者の税額軽減で一次相続の税額は小さくなりますが、配偶者が亡くなったときの二次相続では、その財産をまとめて子が相続することになり、かえって重税化することがあります。二次相続まで見て判断してください。

2|小規模宅地等の特例は反映していません

自宅の土地は、要件を満たせば評価額が大きく下がる特例がありますが、このシミュレーションでは考慮していません。自宅を含む財産構成の場合は、内訳を入力できる詳細版で試算することをおすすめします。

3|孫や養子への遺贈には2割加算があります

このモデルは配偶者と子への相続を前提としています。孫や養子など、2割加算の対象になる人が財産を取得する場合は、税額がこのシミュレーションより高くなります。

4|生前贈与加算は含まれていません

亡くなる前の一定期間内に行われた贈与は、相続財産に加算して相続税を計算するルールがあります。生前贈与を行っていた場合は、加算額を財産総額に上乗せして試算してください。

よくある質問

配偶者の取得割合は何%にすればよいのですか。
一次相続だけを見れば取得割合を増やすほど有利ですが、二次相続まで含めると必ずしもそうとは限りません。両方を合わせて比較したい場合は、二次相続まで含めたシミュレーションを使うことをおすすめします。
財産総額には何を含めればよいですか。
預貯金・不動産・株式などの本来の相続財産に加えて、生命保険金や死亡退職金も含めた金額を入力します。このツールでは生命保険金の非課税枠を自動で計算するため、保険金の金額も別に入力する仕組みになっています。
子がすでに亡くなっていて孫がいる場合はどうなりますか。
孫が代襲相続人になる場合は、子の人数に含めて入力してください。ただし、代襲相続ではなく孫を養子にしている場合などは2割加算の対象になることがあり、この結果はより正確な詳細版で確認することをおすすめします。
この結果をそのまま申告書に使えますか。
使えません。あくまで概算の目安です。実際の申告では、財産の評価方法や各種特例の適用可否を個別に確認する必要があります。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 相続税法第11条〜第19条の2(相続税の計算、配偶者に対する相続税額の軽減)
  • 相続税法第12条(相続税の非課税財産)、第15条(遺産に係る基礎控除)
  • 国税庁タックスアンサー No.4152「相続税の計算」/No.4158「配偶者の税額の軽減」

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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