相続税の詳細シミュレーションの計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:シミュレーション
  • 根拠:相法11〜19・措法69の4
  • 入力14項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

相続税は、財産の種類によって評価のしかたや使える特例が違います。自宅の土地には小規模宅地等の特例があり、生命保険金と死亡退職金にはそれぞれ別枠の非課税があります。この詳細シミュレーションは、財産を内訳ごとに入力することで、こうした特例をまとめて反映し、配偶者と子それぞれの納付税額まで計算します。

この計算式を3行でいうと

  1. 現預金・自宅の土地建物・有価証券・保険金・退職金など、財産の内訳を14項目に分けて入力します。
  2. 自宅は小規模宅地の特例(330m2まで80%減額)、保険金と退職金はそれぞれ非課税枠を反映して計算します。
  3. 生前贈与加算や孫養子への2割加算にも対応し、配偶者と子それぞれの実際の納付税額を試算できます。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

相続税の詳細シミュレーション(財産内訳・各人別)SIM

相法11〜19・措法69の4結果コピーリンク

財産を内訳ごとに入力すると、小規模宅地の特例(自宅330㎡・80%減)・生命保険と死亡退職金それぞれの非課税枠・生前贈与加算・孫養子の2割加算まで反映して、配偶者と子の納付税額を個別に計算します。

課税価格 = Σ財産(小規模宅地減額後) − 保険非課税 − 退職金非課税 − 債務 + 生前贈与加算 → 基礎控除 → 総額 → 実際按分 → 配偶者軽減・2割加算
納付税額の合計 360万円
財産合計(小規模宅地減額後)13,600万円
小規模宅地の減額6,400万円
保険/退職金の非課税1,500万円 / 1,000万円
課税価格(生前加算込)10,600万円
基礎控除(3人)4,800万円
課税遺産総額5,800万円
相続税の総額720万円
配偶者の税額軽減360万円
2割加算0万円
納付(配偶者/子ら)0万円 / 360万円
実効税率(対財産)2.647%
小規模宅地は特定居住用330㎡以内80%減を仮定(限度超過分は土地評価の計算機で)。障害者・未成年控除、相次相続控除は各計算機で加減算を。
目次

こんなときに使います

  • 自宅の土地があり、小規模宅地等の特例を使った場合の相続税額を知りたいとき
  • 生命保険金だけでなく死亡退職金もある場合に、両方の非課税枠を反映して試算したいとき
  • 孫を養子にしている、または孫に遺贈する予定があり、2割加算まで含めて金額を確認したいとき
  • 生前贈与を行っていて、相続財産への加算額も含めた正確な試算をしたいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
現預金亡くなった時点での預貯金・現金の残高です。通帳の残高、金融機関発行の残高証明書。
自宅土地(小規模宅地の特例 適用前)自宅の敷地を、特例を使う前の評価額で入力します。路線価または倍率方式で計算した評価額。固定資産税評価証明書も参考になります。
小規模宅地の特例 適用1/0要件を満たして特例を使う場合は1、使わない場合は0を入れます。同居の親族が自宅を相続するなど、要件に当てはまるかどうかで判断します。
自宅建物・その他不動産自宅の建物と、自宅以外の土地・建物の評価額の合計です。固定資産税評価証明書に記載の評価額を合計します。
有価証券・自社株上場株式・投資信託・自社の非上場株式などの評価額の合計です。証券会社の残高報告書、非上場株式は別の評価用の計算機で算定します。
生命保険金亡くなったことで支払われる生命保険金の合計額です。保険会社からの支払通知書。
死亡退職金会社などから支給される死亡退職金の合計額です。会社からの支給決定通知書。
その他財産自動車・貴金属・家財など、ここまでに含まれない財産の合計です。財産目録を作成して集計します。
債務・葬式費用借入金などの債務と、通夜・告別式の費用の合計です。残高証明書、葬儀社の請求書・領収書。
生前贈与加算額亡くなる前の一定期間内に受けた贈与のうち、相続財産に加算する金額です。贈与税の申告書、贈与契約書などから集計します。
配偶者あり1/なし0配偶者がいる場合は1、いない場合は0を入れます。戸籍謄本。
子の人数法定相続人になる子の人数です。放棄した子も含めます。出生から死亡までの戸籍謄本。
うち2割加算対象(孫養子等)子のうち、孫養子など2割加算の対象になる人数です。養子縁組の有無、代襲相続かどうかで判断します。
配偶者の取得割合相続財産のうち、配偶者が実際に取得する割合(%)です。遺産分割協議書、または検討中の分け方の案。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 財産ごとに評価・非課税枠を反映する:自宅土地は小規模宅地の特例(適用する場合、特定居住用330m2以内の部分を80%減額)で評価を下げ、生命保険金と死亡退職金はそれぞれ非課税枠を差し引きます。
  2. 課税価格を合計し、生前贈与加算額を足す:財産ごとの金額を合計し、債務・葬式費用を引き、生前贈与加算額を足し戻して課税価格を出します。
  3. 基礎控除を引いて按分し、配偶者軽減・2割加算を反映する:基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を引いて相続税の総額を出し、配偶者と子の実際の取得割合で按分します。配偶者の取得分は税額軽減の対象、孫養子等の取得分は2割加算の対象として、それぞれ調整します。

具体例で確かめる

例1 初期値どおりの財産構成(現預金5,000万円・自宅土地8,000万円など)のケース

自宅土地 = 8,000万円 ×(1 - 80%) = 1,600万円(小規模宅地の特例適用後) 財産合計 = 5,000万円 + 1,600万円 + 1,000万円 + 3,000万円 + 2,000万円 + 1,000万円 = 13,600万円

自宅土地の評価が8,000万円から1,600万円に下がることで、課税価格全体が6,400万円圧縮されます

例2 生命保険金と死亡退職金、それぞれの非課税枠を確認するケース

法定相続人は配偶者+子2人=3人 保険金の非課税枠と退職金の非課税枠は、それぞれ別枠として計算されます

保険金と退職金の両方がある場合、非課税枠も両方使えるため、財産の圧縮効果が大きくなります

例3 孫を養子にして2割加算対象が1人いるケース

2割加算対象の人数 = 1人 その人が取得した財産に対応する相続税額に、2割を上乗せして計算する

孫養子への財産移転は基礎控除の人数には有利な一方、その人の相続税額自体は2割重くなります

ここを間違えやすい

1|小規模宅地の特例には同居や取得後の要件があります

特例を使うには、誰がその土地を相続するか、亡くなった方とどのように同居していたかなどの要件を満たす必要があります。単に自宅の土地というだけでは自動的に適用されるわけではありません。

2|限度面積を超える部分は減額されません

自宅の敷地が330m2を超える場合、超えた部分は特例の対象外です。このツールでは限度面積以内であることを前提にしているため、広い敷地の場合は超過分を除いて入力するなどの調整が必要です。

3|非上場の自社株は評価がむずかしい財産です

有価証券・自社株の欄に非上場株式を含める場合、上場株式のように市場価格で評価できません。類似業種比準価額や純資産価額など専門的な評価方法が必要になるため、別の計算機や税理士への相談をおすすめします。

4|未成年者控除・障害者控除・相次相続控除は含まれていません

相続人の中に未成年者や障害者がいる場合、相次相続控除の対象になる場合は、このシミュレーションの結果からさらに税額が減ることがあります。該当する場合は個別の計算機であわせて確認してください。

よくある質問

小規模宅地の特例はどんなときに使えますか。
亡くなった方が住んでいた自宅の敷地を、配偶者や同居していた親族などが取得する場合に使えることが多い特例です。取得者ごとに細かな要件があるため、個別の判断が必要です。
生命保険金と死亡退職金の非課税枠は合算されますか。
合算されません。生命保険金には「500万円×法定相続人の数」、死亡退職金にも同じく「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が、それぞれ別に用意されています。
生前贈与加算額はどうやって調べればよいですか。
亡くなる前の一定期間内に行った贈与の金額を、過去の贈与税の申告書や贈与契約書、通帳の記録などから集計します。加算の対象期間や金額の計算方法は個別に確認することをおすすめします。
この計算結果は実際の申告にそのまま使えますか。
目安としてお使いください。実際の申告では、財産ごとの正式な評価、特例の適用要件の充足、遺産分割の内容などを個別に確認したうえで申告書を作成する必要があります。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 相続税法第11条〜第19条の2、租税特別措置法第69条の4(小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例)
  • 相続税法第12条(相続税の非課税財産)、第18条(相続税額の加算)
  • 国税庁タックスアンサー No.4124「相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例」/No.4155「相続税額の2割加算」

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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