- カテゴリ:法人税
- 根拠:法令48の2
- 入力4項目・その場で自動計算
- 令和8年度の数値に対応
定率法は、減価償却の代表的な方法のもう一つで、期首帳簿価額に一定の償却率を掛けて計算します。定額法と違い、購入した初期の年ほど償却額が大きく、年数が経つにつれて少しずつ減っていくのが特徴です。ただし償却額がある基準(償却保証額)を下回った年からは、計算方法が「改定償却」という毎年同額の方式に切り替わります。この計算機では、その切り替えのタイミングと金額を試算できます。
この計算式を3行でいうと
- 定率法の償却費は「期首帳簿価額×定率法償却率」で計算し、初期の年ほど金額が大きくなります。
- 調整前償却額が「取得価額×保証率」の償却保証額を下回った年からは、改定償却(毎年同額)に切り替わります。
- 改定償却に切り替わったら一定額を耐用年数の終わりまで計上し、最終年は備忘価額1円を残します。
まずは計算してみる(自動計算ツール)
減価償却(定率法・200%)
法令48の2★結果コピーリンク期首帳簿価額に定率法償却率を掛けます。調整前償却額が償却保証額を下回る年からは改定償却(毎年同額)に切替わります。
| 調整前償却額(期首簿価×償却率) | ¥1,000,000 |
| 償却保証額(取得価額×保証率) | ¥327,600 |
| 判定 | 通常償却 |
| 当期償却費 | ¥1,000,000 |
こんなときに使います
- 会社で機械や器具備品などを購入し、定率法で今年の減価償却費を計算したいとき
- 何年目から改定償却(毎年同額の計算)に切り替わるのか、切り替えのタイミングを確かめたいとき
- 定額法との違いを理解し、初期の年にどれだけ多く経費化できるかを比べたいとき
- 耐用年数の最終年に、帳簿価額をどう処理すればよいか確認したいとき
入力する項目のかんたん解説
| 入力する項目 | どんな数字か | どこを見ればよいか |
|---|---|---|
| 期首帳簿価額 | その事業年度が始まった時点での、その資産の帳簿価額です。購入した初年度は取得価額と同じ金額になります。 | 固定資産台帳の期首残高、前期末の減価償却明細で確認します。 |
| 定率法償却率 | 耐用年数に応じて定められた、定率法(200%定率法)用の償却率です。同じ耐用年数の定額法償却率のちょうど2倍に設定されています。 | 国税庁が公表している「減価償却資産の償却率表」の定率法の欄で確認します。 |
| 取得価額 | 資産を購入したときにかかった金額の合計です。期首帳簿価額とは別に、償却保証額を計算するために必要です。 | 購入時の請求書・領収書、固定資産台帳で確認します。 |
| 保証率 | 定率法の償却額が改定償却に切り替わるかどうかを判定するための基準率です。耐用年数ごとに定められています。 | 償却率表の保証率の欄で、耐用年数ごとに確認します。 |
計算のしくみ(3ステップ)
- 調整前償却額を計算する:期首帳簿価額×定率法償却率で、その年の通常の定率法による償却額(調整前償却額)を求めます。
- 償却保証額と比較する:取得価額×保証率で償却保証額を計算し、調整前償却額と比べます。調整前償却額が償却保証額以上であれば、そのまま定率法で計算します。
- 改定償却に切り替える:調整前償却額が償却保証額を下回った年からは、その年の期首帳簿価額(改定取得価額)に改定償却率を掛けた一定額を、耐用年数が終わるまで毎年計上します。最終年は帳簿価額を1円(備忘価額)残して締めくくります。
具体例で確かめる
例1 1年目(取得価額・期首帳簿価額ともに500万円、償却率0.200、保証率0.06552)のケース
償却保証額 = 5,000,000円 × 0.06552 = 327,600円 調整前償却額 = 5,000,000円 × 0.200 = 1,000,000円(327,600円以上なのでこのまま採用)
1年目の償却費は1,000,000円。期末帳簿価額は4,000,000円
例2 同じ資産の7年目(期首帳簿価額が1,310,720円まで下がったケース)
調整前償却額 = 1,310,720円 × 0.200 = 262,144円 償却保証額327,600円を下回ったため、改定償却に切り替え 改定償却費 = 1,310,720円(改定取得価額)× 0.250(耐用年数10年の場合の改定償却率)= 327,680円
7年目以降は毎年327,680円ずつ計上する(耐用年数が終わるまで固定額)
例3 同じ資産の耐用年数10年目(最終年、期首帳簿価額が327,680円のケース)
通常なら327,680円を計上するところ、帳簿価額をゼロにはできないため 償却費 = 327,680円 - 1円(備忘価額)
最終年の償却費は327,679円。帳簿価額は1円を残して終了する
ここを間違えやすい
1|改定償却率・保証率は耐用年数ごとに異なります
例2で使った改定償却率0.250は、耐用年数10年の場合の値です。耐用年数が変われば、償却率・改定償却率・保証率の組み合わせも変わるため、必ず対象資産の耐用年数に対応する行を償却率表で確認してください。
2|期首帳簿価額と取得価額を混同しないようにします
毎年の調整前償却額の計算には期首帳簿価額(年々減っていく金額)を使いますが、償却保証額の判定には常に取得価額(購入時のまま変わらない金額)を使います。どちらを使うかで結果が大きく変わるので注意してください。
3|改定償却に切り替わったら、定率法の計算には戻りません
一度改定償却が始まると、その後は帳簿価額がどう変化しても定率法の計算には戻らず、改定取得価額×改定償却率で計算した一定額を、耐用年数が終わるまで計上し続けます。
4|期の途中で取得した資産は月数按分が必要です
定額法と同じく、事業年度の途中で使用を開始した資産は、年間の償却限度額をそのまま計上できません。使用した月数で按分して計算します。
よくある質問
- 定額法とどちらが早く経費にできますか。
- 定率法は、購入した初期の年ほど多くの金額を償却でき、年数が経つにつれて償却額が減っていきます。早い段階で多く経費化したい場合に選ばれることがあります。
- 200%定率法の「200%」とはどういう意味ですか。
- 定率法償却率が、同じ耐用年数の定額法償却率のちょうど2倍(200%)に設定されていることを表す呼び方です。
- 建物にも定率法を使えますか。
- 使えません。建物・建物附属設備・構築物などは、原則として定額法のみが認められています。定率法を選べるのは、機械装置や器具備品など一部の資産です。
- 改定償却に切り替わったかどうかは、毎年判定し直す必要がありますか。
- その必要はありません。一度改定償却に切り替わったあとは、改定取得価額×改定償却率で計算した一定額を、耐用年数の終わりまでそのまま計上し続けます。
根拠となる法令・出典
本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。
- 法人税法施行令第48条の2(減価償却資産の償却限度額等)
- 国税庁タックスアンサー No.2106「定額法と定率法による減価償却(平成19年4月1日以後に取得する場合)」
- 国税庁「減価償却資産の償却率表」
税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。
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