役員社宅の賃貸料相当額(小規模)の計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:法人税
  • 根拠:所基通36-41
  • 入力3項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

役員に社宅を貸すとき、会社が受け取る家賃が安すぎると、その差額は役員への給与とみなされて課税されます。ただし床面積が小規模住宅の基準(木造132㎡以下、木造以外99㎡以下)に収まる場合は、実際の家賃相場ではなく、固定資産税の課税標準額をもとにした簡易な式で最低ラインの家賃(賃貸料相当額)を求められます。この計算機では、その賃貸料相当額を試算できます。

この計算式を3行でいうと

  1. 小規模住宅(木造132㎡以下・木造以外99㎡以下)なら、固定資産税の課税標準額をもとに賃貸料相当額を計算できます。
  2. 式は「家屋の課税標準額×0.2%+12円×(床面積÷3.3㎡)+敷地の課税標準額×0.22%」の月額です。
  3. 実際に受け取る家賃がこれを下回ると、差額は役員への給与として課税されます。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

役員社宅(賃貸料相当額・小規模)

所基通36-41結果コピーリンク

小規模住宅(木造132㎡・木造以外99㎡以下)の役員社宅で、会社が受け取るべき最低家賃(賃貸料相当額)。これを下回ると差額が給与課税されます。

月額 = 家屋の課税標準額×0.2% + 12円×(床面積/3.3㎡) + 敷地の課税標準額×0.22%
賃貸料相当額(月額) ¥17,240
①家屋×0.2%¥6,000
②12円×床面積/3.3㎡¥240
③敷地×0.22%¥11,000
合計(月額)¥17,240
年額¥206,880
使用人は上記。小規模外・豪華社宅は別計算。
目次

こんなときに使います

  • 会社が役員に社宅を貸すことになり、最低いくらの家賃を受け取ればよいか確認したいとき
  • 役員社宅の家賃を低めに設定しても給与課税されないか、契約前にチェックしたいとき
  • 賃貸物件を借り上げて役員社宅にする前に、税務上の最低ラインを知りたいとき
  • 固定資産税の課税標準額をもとに、正確な賃貸料相当額を計算したいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
家屋の固定資産税課税標準額建物部分の固定資産税評価額のベースになる金額です。市場の売買価格や家賃相場とは別の数字です。固定資産税の課税明細書、または建物の所有者・貸主への確認で把握できます。
床面積貸与する住宅の延べ床面積です。小規模住宅の基準(木造132㎡以下・木造以外99㎡以下)に該当するかを確認する数字でもあります。賃貸借契約書や建物の登記簿謄本に記載されています。
敷地の固定資産税課税標準額建物が建っている土地部分の固定資産税評価額のベースになる金額です。固定資産税の課税明細書の土地の欄で確認します。

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 小規模住宅にあたるか確認する:床面積が、木造なら132㎡以下、木造以外(鉄骨・鉄筋コンクリートなど)なら99㎡以下であることを確認します。
  2. 3つの要素をそれぞれ計算する:家屋の課税標準額×0.2%、12円×(床面積÷3.3㎡)、敷地の課税標準額×0.22%を、それぞれ求めます。
  3. 3つを合計する:3つの金額を合計した額が、1か月分の賃貸料相当額(会社が最低限受け取るべき家賃)です。

小規模住宅にあたるかどうかの目安

建物の構造床面積の基準この計算式が使えるか
木造132㎡以下使える
木造以外(鉄骨・鉄筋コンクリートなど)99㎡以下使える
上記の面積を超える住宅使えない(別の計算方法や豪華社宅にあたるかの判定が必要)

具体例で確かめる

例1 家屋300万円・床面積66㎡・敷地500万円のケース

3,000,000円 × 0.2% = 6,000円 12円 ×(66㎡ ÷ 3.3㎡) = 240円 5,000,000円 × 0.22% = 11,000円

合計17,240円が1か月分の賃貸料相当額

例2 家屋100万円・床面積33㎡・敷地200万円の小さめの住宅のケース

1,000,000円 × 0.2% = 2,000円 12円 ×(33㎡ ÷ 3.3㎡) = 120円 2,000,000円 × 0.22% = 4,400円

合計6,520円が1か月分の賃貸料相当額

例3 家屋800万円・床面積99㎡(木造以外の上限ぎりぎり)・敷地1,200万円のケース

8,000,000円 × 0.2% = 16,000円 12円 ×(99㎡ ÷ 3.3㎡) = 360円 12,000,000円 × 0.22% = 26,400円

合計42,760円が1か月分の賃貸料相当額

ここを間違えやすい

1|受け取る家賃がこの金額を下回ると給与課税されます

会社が役員から実際に受け取る家賃が、計算した賃貸料相当額より低いと、その差額は役員への給与とみなされます。無償で貸した場合は、賃貸料相当額の全額が給与として扱われます。

2|小規模住宅の基準を超えると計算方法が変わります

床面積が基準を超える住宅は、この簡易な式ではなく、実勢の家賃相場をもとにした計算に切り替わります。同じ社宅でも面積によって扱いが大きく変わる点に注意してください。

3|課税標準額は市場の家賃相場よりかなり低いのが一般的です

固定資産税の課税標準額は、実際の売買価格や家賃相場より低く評価されていることが多く、この式で求めた賃貸料相当額は、周辺の家賃相場よりも小さい金額になるのが一般的です。

4|使用人に貸す場合も基本の式は同じですが、取り扱いが異なることがあります

使用人(従業員)に貸す住宅についても、賃貸料相当額の考え方はおおむね同じです。ただし、給与課税を避けるためにどの程度の家賃を徴収すべきかは役員の場合と異なることがあるため、個別に確認してください。

よくある質問

会社が家賃を全く受け取らず、無償で貸してもよいですか。
無償で貸すと、賃貸料相当額の全額が役員への給与として課税されます。給与課税を避けるには、少なくとも賃貸料相当額以上を役員から受け取る必要があります。
賃貸物件を借り上げて役員に貸す場合も同じ式ですか。
借り上げ社宅でも、小規模住宅の基準に該当すれば同じ考え方で賃貸料相当額を計算できます。ただし課税標準額は建物の所有者(貸主)側の数値を使うため、実務上は貸主への確認が必要です。
固定資産税の課税標準額がわからないときはどうすればよいですか。
固定資産税の課税明細書に記載されています。貸主や不動産会社に確認するほか、市区町村の窓口で名寄帳を確認する方法もあります。
豪華社宅とはどんな住宅ですか。
床面積や設備の水準が一般的な住宅を大きく超えるなど、社会通念上豪華と認められる住宅を指すとされています。該当する場合、この小規模住宅向けの簡易な式は使えません。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 所得税基本通達36-41(小規模な住宅の範囲)、36-40(役員に貸与した住宅等に係る通常の賃貸料の額の計算)
  • 国税庁タックスアンサー No.2600「役員に社宅などを貸したとき」

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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