暦年課税の贈与税額の計算方法|自動計算ツール

  • カテゴリ:相続税・贈与税
  • 根拠:相法21の5・措法70の2の5
  • 入力2項目・その場で自動計算
  • 令和8年度の数値に対応

1年間(1月1日から12月31日まで)にもらった財産の合計額が110万円を超えると、超えた部分に贈与税がかかります。これを暦年課税といいます。税率は、誰から贈与を受けたかによって「一般税率」と「特例税率」の2種類に分かれており、特例税率のほうが税負担は軽くなります。

この計算式を3行でいうと

  1. 基礎控除後の金額に税率を掛けて控除額を引きます。父母や祖父母からの贈与で、もらう人が18歳以上なら有利な特例税率が使えます。
  2. 税率は10%から55%までの8段階で、一般税率と特例税率で区分の分かれ方が違います。
  3. 毎年110万円までの贈与なら贈与税はかからず、原則として申告も不要です。複数年に分けて贈与する対策の基本になる考え方です。

まずは計算してみる(自動計算ツール)

暦年課税の贈与税

相法21の5・措法70の2の5結果コピーリンク

1年間の贈与額から基礎控除110万円を引き、速算税率(一般/特例)を適用します。

贈与税 = (贈与額 − 110万) × 税率 − 控除額
贈与税額 48.5万円
基礎控除後(−110万)390万円
区分特例贈与(直系18歳以上)
贈与税額48.5万円
目次

こんなときに使います

  • 親や祖父母から現金や不動産の贈与を受け、贈与税がいくらになるか知りたいとき
  • 子や孫に生前贈与をする際に、毎年いくらまでなら税負担を抑えられるか計画したいとき
  • 兄弟や配偶者など、直系尊属以外の人から贈与を受けて税額を確認したいとき
  • 相続時精算課税と暦年課税のどちらが有利か比較する材料にしたいとき

入力する項目のかんたん解説

入力する項目どんな数字かどこを見ればよいか
その年の贈与額その年の1月1日から12月31日までに、その人が贈与によってもらった財産の合計額です。現金の額のほか、不動産や株式は贈与時点の評価額で合計します。
特例1/一般0特例税率を使えるかどうかの区分です。父母や祖父母などの直系尊属から、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上の子や孫が受け取る贈与なら「特例」に該当します。贈与者との続柄と、受贈者の年齢(贈与を受けた年の1月1日現在)で判定します。

一般税率の速算表

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%
300万円以下15%10万円
400万円以下20%25万円
600万円以下30%65万円
1,000万円以下40%125万円
1,500万円以下45%175万円
3,000万円以下50%250万円
3,000万円超55%400万円

特例税率の速算表(直系尊属から18歳以上への贈与)

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%
400万円以下15%10万円
600万円以下20%30万円
1,000万円以下30%90万円
1,500万円以下40%190万円
3,000万円以下45%265万円
4,500万円以下50%415万円
4,500万円超55%640万円

計算のしくみ(3ステップ)

  1. 基礎控除を引く:その年にもらった財産の合計額から、基礎控除110万円を差し引きます。
  2. 税率を選ぶ:直系尊属(父母・祖父母など)からの贈与で、もらった人がその年の1月1日時点で18歳以上なら特例税率、それ以外は一般税率を使います。
  3. 速算表に当てはめる:基礎控除後の金額に、あてはまる区分の税率を掛け、その区分の控除額を差し引きます。

具体例で確かめる

例1 祖父から20歳の孫へ500万円を贈与したケース(特例税率)

基礎控除後の課税価格 = 500万円 - 110万円 = 390万円 贈与税額 = 390万円 × 15% - 10万円

贈与税額は48.5万円

例2 同じ500万円を兄から贈与されたケース(一般税率)

基礎控除後の課税価格 = 500万円 - 110万円 = 390万円 贈与税額 = 390万円 × 20% - 25万円

贈与税額は53万円(同じ金額でも一般税率のほうが高くなる)

例3 祖父から23歳の孫へ2,000万円を贈与したケース(特例税率)

基礎控除後の課税価格 = 2,000万円 - 110万円 = 1,890万円 贈与税額 = 1,890万円 × 45% - 265万円

贈与税額は585.5万円

ここを間違えやすい

1|特例税率が使えるのは直系尊属からの贈与だけです

配偶者の父母(義理の父母)や、おじ・おばからの贈与には使えません。実の父母・祖父母・曽祖父母など、直系血族からの贈与に限られます。

2|年齢は「贈与を受けた年の1月1日」で判定します

誕生日が来る前でも、その年の1月1日時点で18歳に達していれば特例税率の対象になります。贈与を受けた実際の日の年齢ではない点に注意してください。

3|一般税率と特例税率が混ざる年は分けて計算します

同じ年に直系尊属と、それ以外の人の両方から贈与を受けた場合は、財産の種類ごとに按分して計算する必要があり、単純にどちらかの速算表へ当てはめるだけでは正しい税額になりません。

4|基礎控除110万円は「もらう人ごと」に1回だけです

複数の人から贈与を受けても、控除できるのはその年の合計で110万円までです。贈与してくれた人の数だけ110万円を引けるわけではありません。

よくある質問

毎年110万円以内の贈与なら申告は不要ですか。
基礎控除の範囲内であれば贈与税はかからず、原則として申告も不要です。ただし、定期贈与とみなされないよう、贈与のたびに契約書を残すなどの対応が望ましいとされています。
現金以外の贈与でも計算方法は同じですか。
不動産や株式などの贈与も対象になります。この場合は贈与時点の評価額(不動産なら相続税評価額など)を金額として合計し、同じ速算表で計算します。
相続時精算課税を選んだ贈与者からの贈与も合算しますか。
合算しません。相続時精算課税を選択した贈与者からの贈与は、その贈与者との間では暦年課税に戻れず、別の計算方法(相続時精算課税)で扱います。
贈与税の申告・納付が遅れるとどうなりますか。
申告や納付をしないと、延滞税や無申告加算税などが追加でかかることがあります。贈与税の申告と納付の期限は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。

根拠となる法令・出典

本ページは次の公的資料にもとづいて作成しています(最終確認:2026年8月)。

  • 相続税法第21条の5(贈与税の基礎控除)、第21条の7(贈与税の税額)
  • 租税特別措置法第70条の2の5(直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税の税率の特例)
  • 国税庁タックスアンサー No.4408「贈与税の計算と税率(暦年課税)」

税制は毎年改正されます。実際の申告にあたっては最新の条文・通達および税理士の確認をお願いします。

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