会社法監査が必要になる会社:資本金5億円・負債200億円基準

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増資や借入の拡大をきっかけに、「自社もそろそろ会社法監査の対象になるのではないか」と気になり始める経営者は少なくありません。会計監査は上場企業だけのものと思われがちですが、非上場の会社でも一定の基準を超えると法律上の義務になります。

結論からいえば、会社法監査の対象になる基準は「資本金5億円以上」または「負債総額200億円以上」のいずれかに該当するかどうかです。この記事では、基準の正確な意味と判定のタイミング、該当した場合に必要になる体制、そして監査人をいつ誰に頼むべきかまでを整理します。

目次

会社法監査の対象基準は「大会社」に当たるかどうか

会社法は、資本金5億円以上または負債総額200億円以上の株式会社を「大会社」と定めています。大会社になると、会計監査人(公認会計士または監査法人のことです)を置き、計算書類の監査を受けることが義務付けられます。これがいわゆる会社法監査です。上場しているかどうかは関係なく、基準を満たせば同族経営の非上場会社でも対象になります。

重要なのは、二つの基準が「いずれか一方」で判定される点です。資本金が1億円でも負債総額が200億円を超えていれば大会社に該当しますし、ほぼ無借金の経営でも資本金が5億円以上なら対象です。資本金の基準は意識していたものの、負債総額の基準を見落としていたというケースは珍しくありません。

判定のタイミングは「直近の確定した貸借対照表」

大会社かどうかは、最終事業年度に係る貸借対照表、つまり直近の定時株主総会で承認または報告された貸借対照表の計上額で判定します。期中に一時的な借入で負債が200億円を超えても、その瞬間に大会社になるわけではなく、決算日時点の数値が株主総会を経て確定した段階で判定される仕組みです。

例えば、資本金3,000万円の不動産会社が物件取得を重ね、決算日の負債総額が205億円になったとします。この貸借対照表が定時株主総会で確定すると大会社に該当し、会計監査人の設置義務が生じます。増資の場面では、5億円「以上」が基準である点に注意が必要です。資本金をちょうど5億円にすれば該当し、4億9,000万円台にとどめれば該当しません。資本政策の検討では、この基準を意識するかどうかで監査義務の有無が分かれます。

大会社になると何が必要になるか

まず、株主総会で会計監査人を選任し、監査契約を締結します。会計監査人になれるのは公認会計士か監査法人に限られ、税理士のみの資格では就任できません。加えて、機関設計の見直しが必要になる場合があり、公開会社である大会社には監査役会の設置も求められます。内部統制システムの基本方針を取締役会で決めることも大会社の義務です。

実務面で負担が大きいのは、監査に耐える決算体制づくりです。税務申告を主な目的とした決算では、減価償却や引当金、在庫評価の処理が税法基準に寄りがちですが、監査では会計基準への準拠が求められます。実地棚卸の立会いや取引先への残高確認など、これまで経験のなかった手続きも加わり、監査報酬という新たなコストも発生します。

いつ・誰に頼むか——準備は1年以上前から

会計監査は、該当する年度になってから慌てて受けられるものではありません。初年度の監査では期首残高の妥当性まで確かめる必要があるため、監査法人は契約前に予備調査(ショートレビューと呼ばれる事前診断です)を行うのが一般的です。大会社入りが視野に入ったら、1年以上前から監査法人の選定と社内体制の整備を始めるのが現実的なスケジュールです。

依頼先は目的によって変わります。将来の上場まで考えるなら上場会社の監査実績が豊富な監査法人、会社法監査のみであれば中小監査法人や個人の公認会計士事務所も選択肢です。どこまでの体制整備が必要か判断がつかない段階では、公認会計士が在籍する会計事務所に決算体制の現状診断から相談する方法もあります。

まとめ

  • 会社法監査の対象は資本金5億円以上または負債総額200億円以上の「大会社」
  • 判定は直近の定時株主総会で確定した貸借対照表の計上額で行う
  • 該当すると会計監査人の選任、機関設計の見直し、決算体制の整備が必要
  • 初年度監査には予備調査があるため、準備は1年以上前から始める

監査対応の体制整備は、早く動くほど選択肢が広がります。札幌で会社法監査への対応や決算体制の強化をお考えの方は、ジェイスタート会計事務所の料金プランをご確認のうえ、お問い合わせからお気軽にご相談ください。

※本記事は2026年6月時点の法令・情報に基づく一般的な解説であり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の適用にあたっては税理士等の専門家にご相談ください。

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