経理の用語は「記録の言葉(仕訳・勘定科目・試算表)」と「成績の言葉(貸借対照表・損益計算書・粗利)」の二系統で覚えると整理しやすくなります。この十語を押さえておくと、顧問税理士との打ち合わせや銀行との面談がスムーズになる場合があります。本記事では実務で使う頻度の高い順に、それぞれを一言で解説します。
この記事は、こんな方に役立ちます
- 札幌・北海道で税理士をお探しの方
- 会計・税務・経営の相談先を探している方
- 自社に合うサポートを知りたい方
- 用語は「記録の言葉」と「成績の言葉」の二系統で覚える
- まずは仕訳・試算表・粗利・売掛買掛から
- 月次決算の習慣が経営判断を速くする
- 仕訳
- 勘定科目
- 試算表
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 粗利
記録の言葉:仕訳・勘定科目・試算表
仕訳は取引を「借方/貸方」に分解して記録する最小単位、勘定科目はその分類ラベル、試算表は科目ごとの集計表です。例えば「商品を売って代金30万円は来月入金」なら、売掛金/売上という仕訳になります。詳しくは「仕訳と総勘定元帳の基本」をご覧ください。
成績の言葉:BS・PL・粗利・減価償却
貸借対照表(BS)は期末時点の財産一覧、損益計算書(PL)は1年の成績表、粗利は売上から原価を引いたもうけの源泉です。減価償却は設備の費用化ルールで、現金支出のない費用として資金繰り分析のカギになります。読み方は「損益計算書の読み方」「貸借対照表の読み方」で解説しています。
動かす言葉:売掛・買掛・資金繰り・月次決算
売掛金(もらう権利)と買掛金(払う義務)の残高管理は資金繰りの起点です。そして月次決算(毎月の簡易決算)を回すことが、経営判断のスピードを左右します。公的な会計の指針は中小企業庁の会計ページにまとまっています。
弊事務所では用語に不慣れな新任担当者向けの社内マニュアル作成にClaudeを活用し、税理士が内容を最終確認する運用で、顧問先の経理引継ぎを支援しています。
用語クイック早見表(具体例つき)
打ち合わせ前の確認用に、本記事で出てくる用語を「ひとことの意味+具体例」でまとめました。
| 用語 | ひとことで言うと | 具体例 |
|---|---|---|
| 仕訳 | 取引を借方/貸方に分けた記録の最小単位 | 30万円を売り来月入金→「売掛金30万/売上30万」 |
| 勘定科目 | 取引につける分類ラベル | 現金・売掛金・売上・消耗品費 など |
| 試算表 | 勘定科目ごとの残高集計表 | 月末に借方と貸方の合計が一致するか確認 |
| 貸借対照表(BS) | 期末時点の財産一覧 | 資産=負債+純資産で必ず左右が一致 |
| 損益計算書(PL) | 1年間のもうけの成績表 | 売上−費用=利益 |
| 粗利(売上総利益) | 売上から原価を引いたもうけの源泉 | 売上1,000万−原価600万=粗利400万 |
| 減価償却 | 設備の取得費を耐用年数で費用化 | 120万円のPC(耐用4年)→年30万円ずつ費用化 |
| 売掛金 | 代金を後でもらう権利 | 月末締め翌月末払いの未回収分 |
| 買掛金 | 代金を後で払う義務 | 仕入れの未払分 |
| 資金繰り | 入金と出金のタイミング管理 | 利益が出ていても入金前に支払いが来ると資金不足 |
| 月次決算 | 毎月行う簡易決算 | 毎月の試算表で早期に手を打つ |
仕訳・試算表・粗利・売掛/買掛の五つを押さえておくと、税理士や銀行との会話がスムーズになる場合があります。
具体例|1つの取引が財務諸表に届くまで
用語は「流れ」で捉えると腑に落ちます。たとえば商品を10万円で掛け売りした場合、まず「借方:売掛金10万円/貸方:売上10万円」と仕訳し、勘定科目ごとに試算表へ集計されます。売上は損益計算書(PL)の一番上に、売掛金は貸借対照表(BS)の資産に並びます。そして後日入金されると売掛金が現金に変わり、資金繰りが動きます。ひとつの取引が「仕訳→試算表→PL・BS→資金繰り」とつながっていく——この地図が頭に入ると、用語がバラバラの暗記ではなく、会社のお金の動きとして見えてきます。
つまずきやすいポイント
- 利益と現金は一致しない/黒字でも売掛金の回収が遅れれば資金は不足します(いわゆる黒字倒産の芽)。
- 減価償却は現金が出ていかない費用/利益は減りますが、その分の現金は社内に残ります。
- 粗利と営業利益は別物/粗利(売上総利益)から販管費を引いたものが営業利益です。
- 売掛・買掛のズレに注意/入金より支払が先に来ると、利益が出ていても資金繰りは苦しくなります。
用語を「使える」ようにするコツ
用語は覚えるだけでは実務で活きません。毎月、試算表で前月比・前年同月比を眺める習慣をつけると、「なぜ粗利が落ちたのか」「どの科目が増えたのか」を自分の言葉で説明できるようになります。顧問税理士との打ち合わせでも、この十語を共通言語として使えると質問の精度が上がり、打ち手の相談がぐっとスムーズになります。まずは、月次の試算表を開く日を決めることから始めてみてください。
月次でまず見る3つの数字
用語を覚えたら、次は「毎月ここだけは見る」という数字を決めると、知識が実務に定着します。難しい分析は不要で、前月や前年同月と比べるだけでも十分に役立ちます。
- 粗利率/前月・前年同月と比べて上がったか下がったか
- 営業利益/本業できちんと稼げているか
- 現預金残高と資金繰り/この先2〜3か月の入金・支払の見通し
この3点を月次で追うだけでも、異常の早期発見と早めの手当てにつながります。数字は「眺める」よりも「比べる」ことで、はじめて意味が見えてきます。
まとめ
- 記録の言葉と成績の言葉の二系統で覚える
- まずは仕訳・試算表・粗利・売掛買掛から
- 月次決算の習慣が経営判断を速くする
経理担当者の育成や引継ぎは、弊事務所(ジェイスタート会計事務所)へお気軽にご相談ください。
ご相談前に整理しておくとスムーズなこと
- 業種・規模・法人/個人の別
- 現在の課題(税務・資金繰り・経営など)
- 希望する対応方法(訪問・オンライン)
- 依頼したい範囲(記帳・申告・顧問など)
- 決算月・申告の時期
関連ガイド
中小企業の経理・会計処理 完全ガイド【仕訳60パターン・勘定科目辞典・図解27点】
日々の記帳から決算・消費税・給与計算まで、経理実務の全体を1ページで確認できます(全304項目のページ内検索つき・令和8年度改正対応)。
※本記事は2026年6月時点の法令・情報に基づく一般的な解説であり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の適用にあたっては税理士等の専門家にご相談ください。
出典・参考情報(公的機関)
本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の税務判断・アドバイスを行うものではありません。税制・法令は改正される場合があります。実際の申告・手続の際は、上記の公的機関が公表する最新情報をご確認のうえ、税理士など専門家へご相談ください。
