経理の基本用語まとめ|仕訳から決算書・資金繰りまで具体例で解説

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経理の基本用語は、「記録の言葉」(仕訳・勘定科目・試算表)と「成績の言葉」(貸借対照表・損益計算書・粗利)の二系統で覚えると整理しやすくなります。まず仕訳・試算表・粗利・売掛金・買掛金を押さえると、税理士や銀行との会話がスムーズになります。

執筆:ジェイスタート会計事務所 編集部(札幌の公認会計士・税理士事務所)2026年10月時点の法令に基づき作成

この記事の結論

経理の用語は「記録の言葉」と「成績の言葉」、そしてお金の動きを表す「動かす言葉」に分けると、ひとつの取引が決算書と資金繰りにつながる流れで理解できます。

  • 用語は「記録の言葉」と「成績の言葉」の二系統で覚える
  • まずは仕訳・試算表・粗利・売掛金・買掛金の五つから
  • 利益と現金は一致しないため、資金繰りは別に管理する
  • 月次決算の習慣が、経営判断を速くする
記録の言葉
  • 仕訳
  • 勘定科目
  • 試算表
成績の言葉
  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 粗利
経理用語は二系統で覚える
目次

記録の言葉:仕訳・勘定科目・試算表

仕訳は取引を「借方/貸方」に分解して記録する最小単位、勘定科目はその分類ラベル、試算表は科目ごとの集計表です。例えば「商品を売って代金30万円は来月入金」なら、売掛金/売上という仕訳になります。

借方・貸方のルール

仕訳では、取引を左側の借方(かりかた)と右側の貸方(かしかた)に分けて書きます。どちらに書くかは、勘定科目のグループと、その科目が増えたか減ったかで決まります。

グループ増えたとき減ったとき主な勘定科目
資産借方貸方現金、預金、売掛金、商品、建物
負債貸方借方買掛金、未払金、借入金
純資産貸方借方資本金、繰越利益剰余金
収益貸方借方(取消しなど)売上、受取利息
費用借方貸方(取消しなど)仕入、給料、消耗品費
借方・貸方の基本ルール

総勘定元帳と補助科目

仕訳を勘定科目ごとに集めた帳簿が総勘定元帳です。売掛金を取引先ごと、預金を口座ごとに分けて管理したいときは、補助科目を使います。元帳の見方は「仕訳と総勘定元帳の基本」で詳しく紹介しています。

証憑(しょうひょう)

証憑は、請求書・領収書・納品書・契約書など、取引の事実を示す書類です。仕訳はこの証憑にもとづいて作ります。メールやインターネットで受け取った請求書・領収書などの電子取引データは、2024年1月1日以後、電子データのまま保存することが義務になっています。

成績の言葉:BS・PL・粗利・減価償却

貸借対照表(BS)は期末時点の財産一覧、損益計算書(PL)は1年の成績表、粗利は売上から原価を引いたもうけの源泉です。減価償却は設備の費用化ルールで、現金支出のない費用として資金繰り分析のカギになります。読み方は「損益計算書の読み方」「貸借対照表の読み方」で解説しています。

損益計算書の5つの利益

利益計算分かること
売上総利益(粗利)売上高−売上原価商品・サービスそのもののもうけ
営業利益売上総利益−販売費及び一般管理費本業で稼ぐ力
経常利益営業利益+営業外収益−営業外費用借入の利息なども含めた、ふだんの経営の成績
税引前当期純利益経常利益+特別利益−特別損失臨時の損益も含めた成績
当期純利益税引前当期純利益−法人税等最終的に会社に残るもうけ
損益計算書に出てくる段階ごとの利益

減価償却と、少額の資産の扱い

減価償却は、長く使う設備の取得費を、耐用年数にわたって少しずつ費用にする手続きです。例えば120万円のパソコン(耐用年数4年)を定額法で償却すると、毎年30万円ずつ費用になります。取得価額が小さい資産は、金額によって処理を選べます。

取得価額処理ポイント
10万円未満消耗品費などとして、その年に全額を経費にできる使用可能期間が1年未満のものも同様
20万円未満一括償却資産として、3年で均等に経費にすることもできる償却資産の申告の対象外
40万円未満少額減価償却資産の特例で全額を経費にできる(年300万円まで)青色申告の中小企業者等が対象。2026年4月1日以後の取得から(それまでは30万円未満)、2029年3月31日までの取得が対象。償却資産の申告の対象
少額の資産の処理(2026年10月時点)
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少額資産の処理方法を3択で比較するその年の経費にする・一括償却・少額減価償却資産の特例のどれが有利か、金額を入れて比べられます。計算する

動かす言葉:売掛・買掛・資金繰り・月次決算

売掛金(もらう権利)と買掛金(払う義務)の残高管理は資金繰りの起点です。そして月次決算(毎月の簡易決算)を回すことが、経営判断のスピードを左右します。公的な会計の指針は中小企業庁の会計ページにまとまっています。

未払金・前払費用・仮払金・預り金

月次決算や決算では、お金の出入りとは別に「いつの費用・収益か」で計上する考え方(発生主義)が基本になります。そのために使うのが次の科目です。

用語ひとことで言うと具体例
未払金・未払費用まだ払っていないが、すでに発生している支払翌月に引き落とされるカードの利用分、当月分を翌月に支払う給与
前払費用先に払ったが、まだサービスを受けていない分1年分を前払いした保険料のうち、翌期の分
仮払金・仮受金内容や金額が確定するまでの一時的な置き場所出張の仮払い、内容が分からない入金
預り金他人のために一時的に預かっているお金給与から差し引いた源泉所得税や社会保険料
発生主義で使う主な科目

仮払金・仮受金は、決算までに中身を確定させる

仮払金や仮受金が決算書に残ったままだと、何に使ったお金なのかが分からず、金融機関から説明を求められやすくなります。月末ごとに精算し、正しい勘定科目に振り替えておきます。

用語クイック早見表(具体例つき)

打ち合わせ前の確認用に、この記事で出てくる用語を「ひとことの意味+具体例」でまとめました。

用語ひとことで言うと具体例
仕訳取引を借方/貸方に分けた記録の最小単位30万円を売り来月入金→「売掛金30万/売上30万」
勘定科目取引につける分類ラベル現金・売掛金・売上・消耗品費 など
試算表勘定科目ごとの残高集計表月末に借方と貸方の合計が一致するか確認
貸借対照表(BS)期末時点の財産一覧資産=負債+純資産で、左右の合計が一致する
損益計算書(PL)1年間のもうけの成績表売上−費用=利益
粗利(売上総利益)売上から原価を引いたもうけの源泉売上1,000万−原価600万=粗利400万
減価償却設備の取得費を耐用年数で費用化120万円のPC(耐用4年)→年30万円ずつ費用化
売掛金代金を後でもらう権利月末締め翌月末払いの未回収分
買掛金代金を後で払う義務仕入れの未払分
資金繰り入金と出金のタイミング管理利益が出ていても入金前に支払いが来ると資金不足
月次決算毎月行う簡易決算毎月の試算表で早期に手を打つ
経理の基本用語の早見表

仕訳・試算表・粗利・売掛/買掛の五つを押さえておくと、税理士や銀行との会話がスムーズになる場合があります。

税金・手続きでよく出る用語

用語ひとことで言うと期限・ポイント
源泉徴収給与や報酬を払う側が、所得税を差し引いて納める仕組み原則は支払った月の翌月10日までに納付。給与の支払を受ける人が常時10人未満なら、承認を受けて納期の特例で年2回にできる(1〜6月分は7月10日、7〜12月分は翌年1月20日)
年末調整1年間の給与にかかる所得税を12月に精算する手続き令和8年分は、基礎控除などの改正を12月の年末調整で反映する
法定調書・給与支払報告書支払った給与や報酬などを、税務署や市区町村に報告する書類令和8年分は2027年2月1日(月)まで
償却資産申告事業用の設備(償却資産)を市区町村に申告する手続き毎年1月31日まで(休日の場合は翌開庁日)
均等割法人住民税のうち、利益に関係なくかかる部分赤字でもかかる。札幌市内で資本金等1,000万円以下・従業者50人以下の法人は、北海道2万円+札幌市5万円で年7万円
税込経理・税抜経理消費税を売上や経費に含めて記帳するか、分けて記帳するか免税事業者は税込経理。課税事業者はどちらも選べる
インボイス(適格請求書)登録番号などが書かれた、仕入税額控除に必要な請求書免税事業者からの仕入れは、2026年10月1日〜2028年9月30日は70%を控除できる経過措置
経理でよく出る税金・手続きの用語(2026年10月時点)

札幌の会社・個人事業主が書類を出すときの注意

札幌市内の5つの税務署は、2026年7月10日から内部の事務を札幌業務センターに集約しています。申告書や届出書を郵送するときは、〒060-8510 札幌市中央区大通西10丁目 札幌第2合同庁舎の札幌業務センター宛てに送ります。e-Taxでの提出や窓口への持参は、従来どおり所轄の税務署です。

償却資産の申告先は、資産がある市区町村です。償却資産の固定資産税は、課税標準額の合計が免税点未満ならかかりません。免税点は令和8年度分までは150万円で、令和9年度分(2027年1月1日が賦課期日)から180万円に引き上げられます。

具体例|1つの取引が財務諸表に届くまで

用語は「流れ」で捉えると腑に落ちます。例えば、商品を10万円で掛け売りした場合の流れは次のとおりです。

  1. 仕訳する「借方:売掛金10万円/貸方:売上10万円」と記録します。
  2. 元帳と試算表に集計する売掛金と売上の勘定科目ごとに集計され、試算表に残高が載ります。
  3. 決算書に並ぶ売上は損益計算書(PL)の一番上に、売掛金は貸借対照表(BS)の資産に並びます。
  4. 入金で資金繰りが動く後日入金されると「借方:預金10万円/貸方:売掛金10万円」となり、売掛金が預金に変わります。

ひとつの取引が「仕訳→試算表→PL・BS→資金繰り」とつながっていく。この地図が頭に入ると、用語がバラバラの暗記ではなく、会社のお金の動きとして見えてきます。

つまずきやすいポイント

つまずきなぜ起こるか防ぎ方
利益と現金は一致しない黒字でも売掛金の回収が遅れれば資金は不足する(いわゆる黒字倒産の芽)売掛金の回収予定を資金繰り表に入れる
減価償却は現金が出ていかない費用利益は減るが、その分の現金は社内に残る設備を買ったときの支出と、毎年の償却費を分けて考える
粗利と営業利益は別物粗利(売上総利益)から販管費を引いたものが営業利益粗利率と販管費の両方を毎月見る
売掛・買掛のズレ入金より支払が先に来ると、利益が出ていても資金繰りは苦しくなる回収と支払の条件(締め日・支払日)を一覧にする
仮勘定や経理方式の混在仮払金が残ったまま、税込と税抜の記帳が科目によってばらばら月末に仮勘定を精算し、経理方式を統一する
つまずきやすい点と防ぎ方

用語を「使える」ようにするコツ

用語は覚えるだけでは実務で活きません。毎月、試算表で前月比・前年同月比を眺める習慣をつけると、「なぜ粗利が落ちたのか」「どの科目が増えたのか」を自分の言葉で説明できるようになります。

顧問税理士との打ち合わせでも、これらの用語を共通言語として使えると質問の精度が上がり、打ち手の相談がぐっとスムーズになります。まずは、月次の試算表を開く日を決めることから始めてみてください。経理の流れ全体は中小企業の経理・会計処理 完全ガイド、自社の弱いところは経理・決算セルフチェックで確認できます。

経理担当者の育成や引継ぎ、月次決算の仕組みづくりは、会社の規模や会計ソフトによって進め方が変わります。初回無料でご相談いただけます。

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月次でまず見る3つの数字

用語を覚えたら、次は「毎月ここだけは見る」という数字を決めると、知識が実務に定着します。難しい分析は不要で、前月や前年同月と比べるだけでも十分に役立ちます。

  • 粗利率:前月・前年同月と比べて上がったか下がったか
  • 営業利益:本業できちんと稼げているか
  • 現預金残高と資金繰り:この先2〜3か月の入金・支払の見通し

この3点を月次で追うだけでも、異常の早期発見と早めの手当てにつながります。数字は「眺める」よりも「比べる」ことで、はじめて意味が見えてきます。

よくある質問

経理と会計は何が違いますか?

一般に、会計は会社のお金の動きを記録・集計して報告する仕組み全体を指します。経理は、その実務(日々の記帳、請求・支払の管理、決算の準備など)を担う仕事を指して使われることが多い言葉です。「記録する仕事」と「その結果を報告・分析する仕組み」と捉えると分かりやすくなります。

勘定科目は自由に決めてもいいですか?

科目名は会社の実情に合わせて決められます。ただし、一度決めた科目は毎期同じ使い方を続けることが大切です。科目の使い方が年によって変わると、前年との比較や、金融機関・税務署への説明が難しくなります。

税込経理と税抜経理は、どちらを選べばいいですか?

免税事業者は税込経理になります。課税事業者はどちらも選べますが、税抜経理のほうが消費税の影響を除いた利益が分かり、月次の損益を比べやすくなります。少額の資産を経費にできるかどうかの金額の判定も、税抜経理なら税抜の金額で行います。

月次決算は、どこまでやればいいですか?

最初は、売上・仕入・経費をその月のうちに計上し、預金残高を通帳と合わせるところまでで十分です。慣れてきたら、減価償却費や賞与を月割りで計上し、在庫を月末に確認すると、毎月の利益が決算に近い精度になります。

まとめ

経理の用語は「記録の言葉」と「成績の言葉」の二系統で覚え、ひとつの取引が仕訳から試算表、決算書、資金繰りへとつながる流れで捉えると理解が進みます。まずは仕訳・試算表・粗利・売掛金・買掛金から押さえ、月次決算で数字を比べる習慣をつけましょう。

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出典・参考(公的機関)

本記事は2026年10月時点の法令等に基づく一般的な解説です。個別の状況により取扱いが異なる場合がありますので、実際の申告・手続きは税理士等の専門家にご相談ください。

更新履歴:2026年10月 全面改訂(2026年10月時点の制度に更新)

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