経理・決算セルフチェック【令和8年度改正対応】自社でできる決算前の総点検

自社で経理をしている会社が、決算や税務調査の前に自分で点検するためのチェックリストです。令和8年(2026年)は10月・12月に実務が変わる項目が集中しています。去年と同じやり方をそのまま続けると誤りになるところを、時期が近い順にまとめました。全71項目、チェックはこのブラウザに保存されます。

このページの使い方

上から順に読む必要はありません。まず「1. 令和8年に変わること」だけ読んでください。ここに該当がなければ、去年と同じ処理で問題ない部分が大半です。

各セクションのチェックリストは、「はい」と言い切れる項目だけにチェックを入れてください。迷ったものは外しておくと、あとで税理士に相談すべき論点として残ります。チェックの状態はお使いのブラウザに保存されるので、途中でページを閉じても続きから再開できます(別の端末には引き継がれません)。

なお、ここに書いてあるのは一般的な取扱いです。個別の事情によって結論が変わる論点も多く含まれるため、金額の大きいものや判断に迷うものは、実行前に必ず専門家にご確認ください。

1. 令和8年に変わること(時期が近い順)

令和8年度税制改正を中心に、今期の経理・申告の実務が実際に変わる項目だけを、効き始める時期が早い順に並べています(一部は令和6・7年度改正で決まっていて、適用が今期から始まるものです)。

すでに適用開始 / 令和8年4月1日以後に取得した資産から
法人税少額減価償却資産の特例が「30万円未満」から「40万円未満」へ
中小企業者等が取得価額の全額を経費にできる上限が引き上げられました。「30万円で線を引く」という覚え方は今期から誤りです。常時使用する従業員数の要件は500人以下から400人以下に、適用期限は令和11年3月31日まで延長されています。年間合計300万円という限度は変わりません。
なお、令和8年3月31日以前に取得したものは従来どおり30万円未満です。3月決算などでは同じ期の中に旧基準と新基準が混在します。
すでに適用開始 / 令和8年4月1日以後に開始する事業年度から
法人税防衛特別法人税がスタート(令和7年度改正で創設)
基準法人税額から年500万円を控除した残額に4%が課されます。中小企業の多くは控除額の範囲内で税額が出ませんが、税額が0円でも申告義務があります。「税額が出ないから申告不要」と判断しないでください。
まもなく / 令和8年9月30日を含む課税期間まで
消費税インボイスの「2割特例」が終了
インボイス登録によって免税事業者から課税事業者になった方が使えた、納税額を売上税額の2割にできる特例が終わります。法人向けの延長はありません。個人事業主には令和9年分・令和10年分について「3割特例」が新設されました。
法人は次の課税期間から本則課税か簡易課税かを選び直すことになります。簡易課税を選ぶ場合は届出の期限にご注意ください(2割特例の適用を受けていた場合は、翌課税期間の確定申告期限までに提出すればよいという例外があります)。
まもなく / 令和8年10月1日以後の課税仕入れから
消費税免税事業者からの仕入れが「8割控除」から「7割控除」へ
インボイスを発行できない相手から仕入れた場合に控除できる割合が下がります。10月1日をまたぐ課税期間では、期の途中で割合が変わります。会計ソフトの設定と、10月以後に入力した仕訳の割合の両方を点検してください。
あわせて、同一の免税事業者からの課税仕入れが年間1億円(改正前は10億円)を超える部分は経過措置の対象外になります。この1億円への引下げは令和8年10月1日以後に開始する課税期間からで、控除割合の切替とは基準が違う点にご注意ください。
今年の年末 / 令和8年12月の年末調整から
所得税基礎控除の引上げが年末調整で精算される
基礎控除は本則62万円、合計所得金額489万円以下の方は42万円を加算して104万円になります。給与所得控除の最低保障額も74万円となり、あわせて給与収入178万円まで所得税がかからない計算です。扶養親族等の所得要件も58万円以下から62万円以下に緩和されました。
ポイントは反映のタイミングです。毎月の源泉徴収への反映は令和9年1月1日以後に支払う給与等からなので、12月までは従来どおりの金額を天引きし、12月の年末調整でまとめて精算することになります。その結果、年末調整の還付額が例年より大きくなる方が出ます。従業員から「計算が違うのでは」と聞かれる可能性があるので、事前に理由を説明できるようにしておくと安心です。
来年以降 / 令和9年分・令和10年分
消費税個人事業主の「3割特例」
インボイス登録または課税事業者選択届出書の提出により課税事業者となった個人事業主について、納付税額を売上税額の3割にできる特例です。法人は対象外です。
来年以降 / 令和9年分以後
所得税青色申告特別控除の引上げ
55万円が65万円に、65万円が75万円(優良な電子帳簿の要件を満たす場合)になります。適用にはe-Tax等の要件が加わります。なお、前々年の収入が1,000万円を超えていて簡易簿記の場合は、10万円控除の対象外となる見直しも入ります。
数値・期限を使う前に一次情報の確認を

国税庁のタックスアンサーは、改正後もしばらく旧内容のまま掲載されているページがあります。令和8年度改正の内容確認は、財務省が公表している「令和8年度税制改正の大綱」の本文が最も確実です。本ページ末尾に一次情報へのリンクをまとめています。

2. 毎月の記帳を点検する

月次の記帳でいちばん多い誤りは、入力漏れではなく同じ取引を2回計上してしまう「二重計上」です。金額が大きいものは税務調査で確実に指摘されます。まずここから点検してください。

なぜ二重計上が起きるのか

会計データに仕訳が入る経路は、いまや複数あります。同じ支払いが違う経路から2回入ってくる——これが原因のほぼすべてです。

仕訳が入ってくる4つの経路 ── 赤い線が重なると二重計上口座・カードの自動連携預金/クレジットカードCSV・明細の取込連携できない口座・レジレシートのスキャン取込領収書・レシート手入力現金出納帳・請求書・伝票会計データ同じ取引が2回入る= 二重計上重なりやすい6つのパターン1. カードで払った経費を、レシートからも手入力2. 現金で払ったつもりの支出が、実はカード払い3. 口座間の振替を、出金側と入金側の両方で計上4. 車両の取得(本体・付随費用・下取りの資料が複数)5. 社会保険料 6. 定期預金・定期積金の記帳漏れ確実に見つける方法会計ソフトに自動チェック機能はありません。仕訳をエクスポートし、日付と金額でソートして同額の行が隣り合うようにして目で追います。いちばんの予防策 ── 自動で入ってくるものは、手で入力しない。どの取引がどの経路で入るのかを最初に決めておけば、重複はほとんど起きません。
レシートの日付と引落日が数日ずれることがあるため、完全一致だけを探しても見つかりません。前後数日の同額もあわせて確認してください。
記帳を始める前に

資料が半分しかない状態で入力を始めない——これだけで手戻りが大きく減ります。あとから出てきた資料を追加入力した結果、二重計上になるケースが非常に多いためです。足りない資料があるなら、入力より先に集めてください。

毎月のチェックリスト
  • 通帳・カード明細・領収書・請求書・現金出納帳・給与関係の資料が、対象月分そろっている
  • メールで受け取った添付資料を、所定のフォルダに保存したメール本文に置いたままにしない
  • 前月分の記帳が終わっている(中途半端なまま次の月に進んでいない)
  • 口座・カードの自動連携がエラーで止まっていないか確認した1か月止まったまま気づかない、が最も多い
  • 自動連携で入ってくる取引を、手入力していない
  • 口座間の振替を、片側だけ登録している(両方を費用・収益にしていない)
  • レシートをスキャンした場合、スキャン件数と取込件数が一致している
  • CSVを取り込んだ場合、どの期間まで取り込んだかを記録している
  • 取込後、貸借対照表と損益計算書の両方に反映されているか確認した片側だけ動いているのは科目の当て方が誤っているサイン
  • 仕訳をエクスポートし、日付・金額でソートして二重計上を確認した
  • 科目が決まらず仮に置いた仕訳(未確定の勘定)を残していない
  • クレジットカードが複数枚ある場合、引き落とし口座ごとに補助科目を分けている

3. 残高を点検する

損益は多少ずれても翌期に直せますが、貸借対照表に残った「説明できない残高」は決算・申告・税務調査まで残り続けます。月次の締めで残高を見る習慣をつけると、決算が驚くほど軽くなります。

まず「マイナス残高」を探す

現金・売掛金・買掛金・預り金がマイナスになっている場合、それは必ず何かの誤りです。残高推移表を開いて月ごとの動きを見ると、マイナスと「不自然な段差」がすぐ見つかります。段差は計上漏れか二重計上のサインです。

科目ごとの点検ポイント
科目点検すること
現金現金出納帳のとおりに入力されているか。残高がマイナスになっていないか。実際の手許現金と帳簿が大きく食い違っている場合は、社長個人との貸し借り(役員貸付金・役員借入金)として整理するか、決算で調整するかを決めます。放置がいちばん良くありません。
預金通帳・残高証明と一致しているか。定期預金・定期積金の口座が会計データに入っているか(普通預金だけ見て終わらせない)。
売掛金マイナス残高がないか。残高が残ったままの取引先について、現金売上だったのか・取消なのか・金額訂正なのかを確認。毎月発生している取引先で、その月だけ抜けているのは要確認です。主要な取引先(上位5件程度)は補助科目を作っておくと決算が楽になります。
買掛金・未払金マイナス残高がないか。クレジットカードの未払は他の未払金と科目を分けると、引き落としの消し込みができて残高が合いやすくなります。
前払費用・前払金期をまたぐ費用で金額が大きいものを拾えているか。手付金など多額の前渡しは、費用ではなく資産で残す判断が必要です。
預り金給与から預かった源泉所得税と、士業・外注への報酬から預かった源泉所得税を分けて管理できているか。分けていないと、納付のときに区分が分からなくなります。納付後に残高がゼロに近づくかを毎回確認してください。
借入金返済予定表と残高が一致しているか。元本と利息の按分が正しいか。
役員貸付金・役員借入金社長個人の立替えや、法人カードの私的利用がここに整理されているか。金額が膨らんでいると、金融機関の評価にも影響します。原則は固定負債の「役員借入金」、少額・一時的なものは短期借入金として整理します。
残高のチェックリスト
  • 残高推移表を開いて、マイナス残高と不自然な段差を確認した
  • 預金残高が通帳・残高証明と一致している
  • 定期預金・定期積金を含め、すべての口座が会計データに入っている
  • 現金残高がマイナスになっていない
  • 売掛金:残ったままの取引先の理由を説明できる
  • 売掛金:毎月ある取引先で抜けている月がない
  • 買掛金・未払金がマイナスになっていない
  • クレジットカードの未払を、他の未払金と分けている
  • 預り金を「給与」と「報酬」に分けて管理している
  • 借入金残高が返済予定表と一致している
  • 役員貸付金・役員借入金の中身を説明できる

4. 決算前に点検する

法人の申告期限は、決算日(事業年度終了の日)の翌日から2か月以内です。逆算すると、決算月の翌々月に入った時点で残り時間はほとんどありません。取引先に確認が必要なことは、決算月の翌々月までに洗い出しておく——これが決算をスムーズに終わらせる最大のコツです。

決算日を起点にした逆算
時期やること
決算日期末までの記帳を締める。棚卸を実施する。
+1か月決算日の翌日から1か月分の通帳を確認する。決算日をまたいだ入出金を見れば、期末時点の未収・未払がかなり推定できます。
+2か月(前半)未払金・売掛金・前払費用などを一覧にして確認。資料がなくて分からないものを、この時点で取引先に確認する。
+2か月(後半)決算書・申告書の作成、確認、申告・納付。
期をまたぐ費用・収益(経過勘定)の詰め方

資料が手元にないときは、次の順で埋めていきます。いきなり取引先に「教えてください」と聞くより、こちらで推定した金額を示して「これで合っていますか」と確認したほうが、返事が早く精度も上がります。

  1. 決算日の翌日から1か月の通帳を見る——決算日をまたいだ入出金から、期末の債権債務が推定できます。
  2. 入金・支払のサイクルから推定する——毎月同じ日・同じ金額なら期末の未収・未払も読めます。
  3. 推定額を示して取引先に確認する——ここまでやってから聞きます。
  4. 金額の大きいものから優先する——全部を完璧にする時間はありません。利益や税額に影響する順です。
決算整理でよく落ちる項目
項目取扱いと注意
士業・外注への未払報酬最も漏れやすい項目のひとつです。決算月の作業に対する報酬が翌月請求になっている場合、未払計上が必要です。
ユニットバス・システムキッチン修繕費ではなく資産計上です。原状回復か、価値を高めたかで結論が変わります。
土地に関する費用土地と建物の按分、造成費の扱いなど。あとから直すのが最も面倒な論点なので、処理前に確認してください。
保険料契約書に必ず手がかりがあります。前払部分・積立部分の有無を、あいまいなまま処理しない。
受取利息の源泉所得税会計上は受取利息の入金額のままにしておくのが簡便です。ただし所得税額控除を受ける場合は、申告書側で加算(損金不算入)と別表への記載が必要になります。
中間納付した消費税税抜経理の場合、仮払金など追跡できる科目でそろえておくと期末の集計で埋もれません。
経営セーフティ共済(倒産防止共済)掛金を支払っている場合、申告書に明細の添付が必要です。記載漏れで損金算入が認められないケースがあります。
棚卸資産実地棚卸を行い、評価方法が届出どおりか確認。仕掛品・貯蔵品の計上漏れに注意。
決算前のチェックリスト
  • 決算日の翌日から1か月分の通帳を確認した
  • 未払金・売掛金・前払費用の一覧を作った
  • 取引先に確認が必要なものを、決算月の翌々月までに洗い出した
  • 士業・外注への未払報酬を計上した
  • 資産計上すべき工事・設備を修繕費にしていない
  • 保険料を契約書で確認して按分した
  • 経営セーフティ共済の掛金がある場合、申告書の明細を用意した
  • 実地棚卸を行い、仕掛品・貯蔵品も計上した
  • 科目が決まらないまま残っている仕訳がない
  • 決算時にもう一度、二重計上を確認した連携カードと現金の手入力が重なりやすい時期です

5. 消費税・インボイスを点検する

令和8年は消費税がいちばん動く年です。まず自社がどの課税方式かを確認してください。方式によって、必要な記帳の精度が10倍変わります。

課税方式どういう事業者か記帳に必要な精度
免税事業者基準期間の課税売上高が1,000万円以下など消費税の集計は不要。ただし課税事業者になるタイミングを見落とさないこと。
本則課税売上規模が大きい/設備投資が多い最も高い精度が必要。課税・非課税・不課税の区分、インボイスの有無、経過措置の割合まで1件ずつ判断します。
簡易課税基準期間の課税売上高5,000万円以下で届出済み売上側の事業区分が命。仕入側の区分は納税額に影響しません。
2割特例インボイス登録で免税事業者から課税事業者になった事業者
令和8年9月30日を含む課税期間で終了
納税額は売上税額の2割。仕入側の精度は納税額に影響しません。特例終了後は本則か簡易かを選び直します。
免税事業者から仕入れたときの控除割合
課税仕入れの時期控除できる割合備考
〜令和8年9月30日80%現在の取扱い
令和8年10月1日〜70%まもなく切替。期の途中で変わるので、10月以後の仕訳を点検
令和10年10月1日〜50%
令和12年10月1日〜令和13年9月30日30%最終期限が令和13年9月30日まで2年延長されました
令和13年10月1日〜控除なし
年間1億円の上限に注意

同一の免税事業者からの課税仕入れの合計額が年間1億円(改正前10億円)を超える場合、その超える部分は経過措置の対象外になります。この1億円への引下げは令和8年10月1日以後に開始する課税期間からで、控除割合の切替(令和8年10月1日以後の課税仕入れ)とは基準が違います。

1万円未満なら領収書の保存だけでよい「少額特例」
要件を満たせば、税込1万円未満の仕入れはインボイスの保存が不要
  • 対象期間:令和5年10月1日〜令和11年9月30日までに行う課税仕入れ
  • 対象者:課税方式が本則課税で、かつ、基準期間の課税売上高が1億円以下、または特定期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者(特定期間=個人は前年1〜6月、法人は前事業年度開始の日以後6か月)
  • 判定単位:1回の取引の合計額で判定します。5,000円の商品と7,000円の商品を同時に買った場合(合計12,000円)は対象外です
  • 相手が免税事業者でも適用できます
課税・非課税・不課税でよく間違えるもの

「非課税」と「不課税(対象外)」は別物です。非課税は法律で限定列挙されており、それ以外で対価性がないものは不課税になります。区分を誤ると、課税売上割合を通じて仕入税額控除にも影響します。

取引区分補足
事務所の家賃課税事業用建物の賃借料は課税です。
土地の地代非課税ただし貸付期間が1か月未満の場合は課税。
社宅の家賃原則:家賃=非課税
駐車場=課税
例外あり:駐車場代を別途もらわず、1戸につき1台分以上のスペースが自動車の保有にかかわらず割り当てられている場合は、駐車場部分も含めて全体が非課税。
住宅の家賃収入非課税売上非課税売上があると、本則課税では按分計算が必要になります。見落とし厳禁。
駐車場を借りる課税仕入施設の利用に伴うものは課税。
海外での支出(旅費等)不課税(対象外)国外で行われた取引は不課税。なお国際線の運賃・国際輸送は輸出免税で別区分です(いずれも仕入税額控除の対象にはなりません)。
補助金・助成金不課税(対象外)受け取っても課税売上にはなりません。
クレジットカードのキャッシュバック不課税(対象外)雑収入で課税にしないこと。
香典・見舞金不課税(対象外)対価性がありません。
各種団体の入会金・年会費不課税が原則会費が「非課税」になることはありません。明確な対価性がある場合(施設利用・情報提供など)は課税仕入。団体によって扱いが違うので性質を確認します。
給与不課税新しく給与系の科目を作ったとき、初期設定の「課税」のまま使ってしまう事故が起きがちです。
軽油引取税不課税勘定科目は租税公課。軽油代の本体は課税仕入です。
消費税のチェックリスト
  • 自社の課税方式(免税・本則・簡易・2割特例)を把握している
  • 2割特例が終わる場合、次の課税期間の方式を検討した
  • 簡易課税を選ぶ場合、届出の期限を確認した
  • 令和8年10月をまたぐ課税期間で、控除割合(8割/7割)を分けて処理した
  • 同一の免税事業者からの仕入れが年間1億円を超える先がないか確認した
  • 取引先がインボイス発行事業者かを、公表サイトで確認できる状態にしている
  • 少額特例の要件(本則課税+売上基準)を満たすか判定した
  • 期中に追加した勘定科目の課税区分をすべて確認した
  • 非課税売上(住宅の家賃など)の有無を確認した
  • 消費税集計表を出して、区分ごとの金額に違和感がないか見た

6. 給与・源泉・年末調整を点検する

この分野は期限が動きません。記帳は多少後ろ倒しにできますが、源泉所得税の納付期限と法定調書の提出期限は動かせません。7月と1月は、ほかの作業より優先してください。

源泉所得税の納期の特例
項目内容
要件給与の支給人員が常時10人未満で、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出していること。
納付期限1〜6月分 → 7月10日/7〜12月分 → 翌年1月20日。土日祝の場合は休日明けです。
対象給与・退職手当から源泉徴収したものと、税理士・弁護士・司法書士など一定の報酬から源泉徴収したものに限られます。これ以外は毎月10日納付です(原稿料・デザイン料など)。
人数が増えたら常時10人以上になった場合は「要件に該当しなくなったことの届出書」の提出が必要です。
納付前の必須確認

納付額を計算したら、預り金(源泉所得税)の残高が、納付後にほぼゼロになるかを必ず確認してください。ここが合わないまま納付すると、ズレが翌期以降ずっと残ります。給与分と報酬分を分けて管理していれば、この確認は一瞬で終わります。

給与か外注かの判定
支払代行サービス経由でも「給与」になることがあります

スポットワークの仲介・支払代行サービスを通じて人に働いてもらった場合、サービス会社に払っているから外注費、という判断は誤りです。実態が雇用であれば給与として扱い、明細をもらって源泉徴収まで行う必要があります。
給与にすべきものを外注費にすると、源泉徴収漏れ・社会保険の未加入・消費税の仕入税額控除の誤りが同時に発生します。影響範囲が広いので、迷ったら確認してください。

  • 雑給か外注か:指揮命令の有無、時間の拘束、材料・用具を誰が負担するかなどで判断します。金額の大小では決まりません。
  • 行政書士への支払い:源泉徴収の対象外です。他の士業と同じ扱いにしないでください。
  • 個人事業主への外注:インボイス発行事業者かどうかで、消費税の控除割合が変わります。
令和8年分年末調整で変わること
項目改正後
基礎控除本則62万円。合計所得金額489万円以下の方は42万円を加算して104万円(令和8年分・9年分)。489万円超655万円以下は5万円加算で67万円。
給与所得控除最低保障額が74万円に。基礎控除と合わせて、給与収入178万円まで所得税がかからない計算になります。
扶養親族等の所得要件58万円以下 → 62万円以下。勤労学生は85万円以下 → 89万円以下。
適用と反映令和8年分以後の所得税について適用され、令和8年12月の年末調整で精算します。毎月の源泉徴収への反映は令和9年1月1日以後に支払う給与等からなので、12月までの天引きは従来どおりです。
従業員から質問が来るかもしれません

毎月は従来どおり天引きし、12月にまとめて精算する形になるため、年末調整の還付額が例年より大きくなる方が出ます。「計算が間違っているのでは」と聞かれたときに説明できるよう、理由を共有しておくと安心です。

このほか、食事の非課税枠(月3,500円→7,500円)や深夜勤務者の夜食代(300円→650円)、マイカー通勤の非課税限度額(片道65km以上の区分が新設され、駐車場料金相当額の加算も)にも見直しが入っています。食事関係は適用開始時期を国税庁の通達で確認してから運用を変えてください(開始前に枠を広げると源泉徴収漏れになります)。

年末調整でよくある誤り
誤り何が起きるか/防ぎ方
普通徴収と特別徴収の区分誤り普通徴収にすべき人を特別徴収にすると、会社に住民税の請求が行きます。退職予定者・他社で特別徴収されている人を事前に洗い出します。
退職者の退職日の記載漏れ年末調整をしなくてよい人を年末調整してしまいます。年内退職者のリストを先に確認。
配偶者控除欄のチェック漏れ控除が漏れます。申告書の記載と、実際の配偶者の所得を突き合わせます。
前職給与の記載漏れ中途入社の方は前職の源泉徴収票の回収を必ず確認。年税額が過少になります。
賞与月の源泉所得税の集計漏れ賃金台帳と給与明細を突き合わせます。賞与月が漏れやすい。
保険料控除の区分誤り一般・介護医療・個人年金の区分は、控除証明書の表示どおりに転記します。推測しない。
住民税の異動届の対応漏れ誰が出すのかが決まっておらず、結局どちらも出していない、というパターン。担当を明示的に決めます。
給与・源泉のチェックリスト
  • 納期の特例の対象が「給与・退職手当・一定の士業報酬」に限られることを理解している
  • 7月10日・1月20日の納付をカレンダーに登録した
  • 納付後に預り金の残高がほぼゼロになることを確認した
  • 士業・個人への報酬の源泉徴収漏れがない(個人名・屋号あての支払いも確認)
  • 支払代行サービス経由の支払いについて、給与か外注かを確認した
  • 年末調整:年内退職者のリストを確認した
  • 年末調整:普通徴収/特別徴収の区分を確認した
  • 年末調整:中途入社者の前職源泉徴収票を回収した
  • 年末調整:保険料控除の区分を証明書どおりに転記した
  • 令和8年分の改正(基礎控除・給与所得控除・扶養要件)を反映した
  • 1月31日の法定調書合計表・給与支払報告書の準備をしている

7. 固定資産・償却資産を点検する

いくらから資産計上するかの線引きが、令和8年度税制改正で変わりました。「30万円で線を引く」という覚え方のままだと、今期から誤ります。

取得価額による処理の判断(中小企業者等・令和8年4月1日以後に取得したもの)資産を取得した取得価額はいくらか?10万円未満→ 全額を経費に(消耗品費など)償却資産の申告対象にもなりません10万円以上20万円未満→ 一括償却資産(3年均等)または全額を経費に20万円以上40万円未満→ 特例で全額を経費にまたは固定資産に計上40万円以上 → 固定資産に計上し、耐用年数にわたって減価償却中小企業経営強化税制・投資促進税制の対象になる可能性があるため、大きな設備投資は事前にご相談ください。一括償却資産を選ぶ理由3年均等償却を選ぶと、その資産は償却資産の申告対象になりません。→ 償却資産税を抑えられるその代わり、費用化は3年に分かれます。40万円未満の特例を使うときの注意・年間合計 300万円 が限度・中小企業者等(資本金1億円以下等)/従業員400人以下・この特例で経費にしたものは償却資産の申告対象節税額と償却資産税を見比べて判断します。
「40万円未満なら全部経費」ではありません。年間300万円の枠と、償却資産税がかかることの2点をセットで考えます。なお令和8年3月31日以前に取得したものは、従来どおり30万円未満が基準です。
償却資産の申告
項目内容
提出期限毎年1月31日(休日の場合は翌開庁日)。法定調書・給与支払報告書と同じ日に集中します。
対象賦課期日である1月1日現在に所有している、土地・家屋以外の事業用資産(機械、器具備品、構築物など)。
提出先資産が所在する市町村(東京23区は都税事務所)。複数の市町村に資産がある場合はそれぞれに提出します。
免税点課税標準額の合計が150万円未満なら課税されません。ただし申告自体は必要です。「税額が出ないから出さなくてよい」は誤りです。
対象外になるもの一括償却資産(10万円以上20万円未満で3年均等償却を選んだもの)、10万円未満で経費にしたもの、自動車税・軽自動車税の対象となる車両など。
除却した資産が台帳に残っていませんか

使わなくなった資産を固定資産台帳から落としていないと、毎年ずっと償却資産税がかかり続けます。12月のうちに、その年の取得と除却を洗い出しておくと1月が楽になります。

固定資産のチェックリスト
  • 少額資産の基準が40万円未満に変わったことを把握している(令和8年4月1日以後取得)
  • 同じ期に旧基準(30万円)と新基準(40万円)が混在しうることを理解している
  • 特例の年間300万円の枠を超えていない
  • 一括償却資産が償却資産の申告対象外であることを理解している
  • 特例で経費にしたものは償却資産の申告対象になることを理解している
  • 車両の取得を二重に計上していない(本体・付随費用・税金・保険を分けて処理)
  • 固定資産台帳と会計データの帳簿価額が一致している
  • 除却した資産を台帳から落とした
  • 1月31日までに償却資産の申告を提出した(免税点未満でも提出)

8. 申告書で落ちやすい項目

自社で申告書を作成している場合はもちろん、税理士に依頼している場合でも、会計データ側の情報が伝わっていないと落ちてしまう項目があります。次の項目に心当たりがあれば、決算の打合せのときに伝えてください。

項目落ちる理由と確認方法
中間納付した法人税・地方法人税会計上は仮払税金や未払法人税等の中に埋もれます。納付書の控えを決算資料に必ず含めてください。
株主構成の変更・議決権数会計データには出てきません。期中に株主が変わった場合は必ず申告してください。
前期に納めた事業税前期末に未払計上した事業税は、実際に納付した期の損金になります。ここが漏れると税額が過大になります。
延滞税・加算税租税公課に混ざっていることがあります。これらは損金になりませんので、内訳を分けておきます。
経営セーフティ共済(倒産防止共済)の掛金申告書に明細を添付しないと損金算入が認められません。掛金を払っているのに毎年落ちている、というケースがあります。
役員からの借入金法人事業概況説明書では「個人借入金」という名称になり、会計ソフトの集計では自動的に出てきません。残高を確認して手で記入する必要があります。
交際費期末資本金1億円以下の法人は、交際費等の額(1人当たり1万円以下の飲食費で書類保存の要件を満たすものを除く)が年800万円以下なら損金不算入額は生じません。「飲食費が800万円」ではない点に注意してください。
防衛特別法人税令和8年4月1日以後に開始する事業年度から。税額が0円でも申告義務があります。
税込経理か税抜経理か

会計ソフトと、減価償却や申告書を作るソフトで税込/税抜の設定が食い違うと、取得価額や損益が丸ごとずれます。複数のソフトを使っている場合は、必ず設定をそろえてください。

申告前のチェックリスト
  • 中間納付の控えを決算資料に含めた
  • 期中の株主構成の変更を申告した
  • 租税公課の内訳から、延滞税・加算税を分けた
  • 経営セーフティ共済の掛金を伝えた(明細の添付が必要)
  • 役員からの借入金の残高を伝えた
  • 交際費の集計で、1人1万円以下の飲食費を区分している
  • 防衛特別法人税の申告が必要な事業年度かを確認した
  • 使っているソフト間で税込/税抜の設定がそろっている

9. 会計ソフトの設定で見落としやすいところ

製品によって画面は違いますが、つまずくポイントはどのソフトでもほぼ同じです。「入力したのに反映されない」「数字が合わない」の原因は、たいていこの中にあります。

場面見落としやすいこと
口座・カードの自動連携自動更新が有効になっているか。連携サービス側の「取得設定」を開かないと明細が入ってこないことがあります。「明細が来ない」と思ったら、まずここを確認。
取得できる期間自動で取得できるのはおおむね直近1〜3か月です。それより前の期間は、明細をダウンロードして取り込むか手入力になります。数か月分をまとめて処理するときに必ずぶつかります。
「対象外」にした明細仕訳にしない扱いにすると画面から消え、そのままでは戻せません。連携先の管理画面から「対象外を解除」する操作が必要です。
連携で入る取引の初期科目金融機関は普通預金、クレジットカードは未払金が初期値です。設定を変えても、すでに登録済みの仕訳には反映されません。まとめて直す機能を使います。
金額だけを書き換える複合仕訳を帳簿画面で金額だけ直すと、相手科目(特に預金)まで一緒に動きます。必ず振替伝票の形で修正してください。
CSVの取込ファイルはxlsではなくCSVで保存。編集したあと元に戻ってしまうことがあるため「値」で貼り付けます。カンマだけの行が混ざる場合は、セルの書式設定で桁区切りを外してから取り込みます。
年度の切り替え会計期間の外は入力できません。「入力したのに見当たらない」ときは処理年度を確認。会社データを新規に作るときの事業年度の日付は、間違えると探すのに苦労するので二度確認を。
翌期への更新ができないよくある原因は4つ。①中間的な科目の残高が0でない ②科目が未確定の仕訳が残っている ③貸借バランスが一致していない ④確認用の付箋が付いた仕訳がある。いずれも決算作業を最後まで終わらせれば解消します。
不要な科目の削除翌期へ更新すると前年度にあって本年度にない科目は自動的に復活します。不要な科目の削除は、決算がすべて終わってから行うのが正解です。
消費税の設定課税方式・経過措置・少額特例の設定は期首に済ませるのが原則。期の途中で設定を変えても、それ以前に入力した取引は自動判定されません。
ID・パスワードの管理

会計ソフトや金融機関のログイン情報を、業務メモや共有ファイルに直接書き込まないでください。共有範囲が違うため、想定外の相手に見えてしまいます。パスワード管理の仕組みを決めて、そこに集約してください。

10. 年間カレンダー

期限には、暦で決まっているもの(すべての会社に共通)と、決算月で決まるもの(会社ごと)の2種類があります。まず暦のほうを頭に入れてください。

暦で決まるもの
時期やることポイント
1月10日/20日源泉所得税の納付納期の特例を受けていれば7〜12月分を1月20日まで。受けていなければ12月分を1月10日まで。
1月31日法定調書合計表・給与支払報告書・償却資産の申告3つが同じ日に集中します。年末調整が終わっていないと連鎖的に遅れます。
2月〜3月15日個人の確定申告所得税は3月15日、個人の消費税は3月31日と期限が違います。
5月末自動車税など納付書の扱いについて問い合わせが増える時期です。
7月10日源泉所得税の納付(納期の特例)1〜6月分。6月末までの給与・報酬の処理を先に片付けます。
7月労働保険の年度更新、社会保険の算定基礎届給与データの整理がここでも効きます。
11月〜12月年末調整の準備・実施令和8年12月の年末調整から基礎控除等の改正が反映されます。
決算月で決まるもの
起点やること備考
決算日の翌日から1か月通帳の確認決算日をまたいだ入出金から、期末の未収・未払を拾います。
決算月の翌々月未払金・売掛金・前払費用などの洗い出しここで確認事項を出しておかないと、申告期限に間に合いません。
決算日の翌日から2か月以内法人税・消費税の申告と納付法人税は申告期限の延長特例を受けている場合を除きます。消費税の期限延長は法人税とは別に届出が必要で、法人税だけ延長していても消費税は2か月以内です。
新年度の開始時会計データの繰越・期首残高・消費税設定・口座連携の確認ここを飛ばすと1年を通して数字がずれます。

11. よくある誤りワースト20

自社で経理をしている会社に多い誤りを、影響の大きい順に並べました。心当たりのあるものが3つ以上あれば、決算前に一度専門家の目を入れることをおすすめします。

#よくある誤り起きること
1カード払いの経費を、レシートからも手入力二重計上。金額が大きいと税務調査で必ず指摘されます。
2口座間の振替を、両方とも損益に計上売上や経費が実態より膨らみます。
3新しく作った勘定科目の課税区分が初期設定のまま給与系の科目が「課税」になっているなど。消費税額が直接ずれます。
4定期預金・定期積金の口座を会計データに入れていない貸借対照表が実態と合わなくなります。
5現金残高がマイナスのまま放置ありえない残高なので、調査で真っ先に見られます。
6社長の立替え・私的利用を整理していない役員貸付金が膨らみ、金融機関の評価にも影響します。
7士業・外注への未払報酬の計上漏れ利益が過大になり、税金を余計に払います。
8期をまたぐ費用(前払・未払)を拾っていない同上。特に金額の大きいものは影響大。
9源泉徴収が必要な支払いを見落とす個人・屋号あての支払いに多い。あとから追徴されます。
10給与にすべきものを外注費にしている源泉徴収漏れ・社会保険・消費税の3つが同時に問題になります。
11資産計上すべき工事・設備を修繕費にしているその期の利益が過少になり、否認されると加算税の対象に。
12除却した資産が固定資産台帳に残ったまま償却資産税を毎年払い続けることになります。
13車両の取得を二重に計上本体・付随費用・下取り・ローンで資料が複数あるため起きやすい。
14住宅の家賃収入があるのに非課税売上として区分していない本則課税では按分計算が必要になり、控除額が変わります。
15補助金・キャッシュバックを課税売上にしているいずれも不課税です。
16年末調整で前職の源泉徴収票を回収していない年税額が過少になり、あとで精算が必要になります。
17普通徴収と特別徴収の区分誤り会社に住民税の請求が届きます。
18経営セーフティ共済の明細を申告書に添付していない掛金を払っているのに損金算入が認められません。
19科目が決まらない仕訳を仮のまま放置翌期への更新ができず、決算作業が止まります。
20令和8年10月以後も控除割合を8割のままにしている今年いちばん起きやすい誤りです。10月以後は7割です。

12. 用語ミニ辞典

会計事務所とのやり取りで出てくる言葉のうち、意味が分からないと話が進まないものだけを集めました。

用語意味
経過勘定期をまたぐ費用・収益を、正しい期に振り分けるための調整。未払費用・前払費用・未収収益・前受収益の4つが基本形です。
基準期間/特定期間消費税の納税義務や特例の判定に使う期間。基準期間=個人はその年の前々年、法人はその事業年度の前々事業年度。特定期間=個人は前年1〜6月、法人は前事業年度開始の日以後6か月。
本則課税/簡易課税本則課税は「預かった消費税−支払った消費税」で計算する原則的な方法。簡易課税は売上の業種区分から一定割合で仕入れを見なす簡便法で、基準期間の課税売上高5,000万円以下+事前の届出が必要です。
2割特例インボイス登録で免税事業者から課税事業者になった方が、納税額を売上税額の2割にできる特例。令和8年9月30日を含む課税期間で終了します。
3割特例令和8年度改正で新設。インボイス登録または課税事業者選択届出書の提出により課税事業者となった個人事業主の令和9年分・令和10年分について、納税額を売上税額の3割にできる特例。法人は対象外です。
少額特例税込1万円未満の仕入れについて、インボイスの保存がなくても帳簿の保存だけで仕入税額控除ができる経過措置。令和11年9月30日まで。一定規模以下の事業者に限られます。
経過措置(免税事業者からの仕入れ)インボイスを発行できない相手からの仕入れでも、一定割合を控除できる措置。令和8年10月1日から8割→7割に下がります。
課税・非課税・不課税消費税の区分。非課税は法律で限定列挙されたもの(土地の譲渡・貸付け、住宅の家賃など)。それ以外で対価性がないもの(補助金、香典など)は不課税(対象外)です。両者は課税売上割合の計算で扱いが違います。
一括償却資産取得価額10万円以上20万円未満の資産を、3年間で均等に費用にする処理。償却資産の申告対象になりません。
少額減価償却資産の特例中小企業者等が一定額未満の資産を取得時に全額費用にできる特例。令和8年4月1日以後の取得分から40万円未満(従来30万円未満)、年間300万円が限度。償却資産の申告対象になります。
免税点(償却資産)課税標準額の合計が150万円未満なら償却資産税がかからない基準。課税されなくても申告は必要です。
納期の特例源泉所得税を年2回(7月10日・翌年1月20日)にまとめて納付できる制度。給与の支給人員が常時10人未満であることが要件で、対象は給与・退職手当と一定の士業報酬に限られます。
法定調書支払いの内容を税務署に報告する書類の総称。給与・報酬・不動産の使用料などが対象で、1月31日までに提出します。
勘定科目内訳明細書申告書に添付する、科目ごとの内訳を記載した書類。売掛金や買掛金の相手先などを記載します。
法人事業概況説明書申告書に添付する、事業の概況を記載した書類。役員からの借入金は「個人借入金」という名称で、会計ソフトの集計には出てこないため手で記入します。
防衛特別法人税令和8年4月1日以後に開始する事業年度から課される税。基準法人税額から年500万円を控除した残額に4%。税額が0円でも申告義務があります。

13. よくあるご質問

Q. 全部にチェックが付きませんでした。まずどこから手をつけるべきですか。

A. 「1. 令和8年に変わること」と「11. よくある誤りワースト20」の上位から着手してください。特に、令和8年10月以後の控除割合(7割)と、12月の年末調整は期限が動かせません。逆に、補助科目の整理などは決算までに間に合えば大丈夫です。

Q. 2割特例が終わったら、税負担はどれくらい増えますか。

A. 業種と経費の中身によって大きく変わります。仕入れや外注が多い業種であれば本則課税のほうが有利になることもありますし、人件費中心の業種では簡易課税が有利になることが多いです。実際の数字で試算しないと判断できないため、直近1年の売上と課税仕入れの実績をもとに比較することをおすすめします。

Q. インボイスを発行できない取引先とは、取引をやめたほうがよいのでしょうか。

A. そう単純ではありません。控除できない分のコストと、その取引先から仕入れることの価値を比べて判断することになります。また、一方的に取引条件を不利に変更することは独占禁止法・下請法上の問題になり得ます。取引条件を見直す場合は、事前によくご相談ください。

Q. 税額が0円でも申告が必要、というのはどういうことですか。

A. 防衛特別法人税は、中小企業の多くで控除額(年500万円)の範囲内に収まり税額が発生しません。しかし税額が0円であっても申告書の提出義務があります。「納める税金がないから出さなくてよい」という扱いにはなりません。償却資産の申告も同様で、免税点未満でも申告は必要です。

Q. 年末調整の還付額が去年より大きくなるのはなぜですか。

A. 令和8年分の基礎控除等の引上げが、毎月の源泉徴収には反映されず、12月の年末調整でまとめて精算されるためです。毎月は従来どおりの金額を天引きしているので、その差額が年末にまとめて戻ります。計算誤りではありません。

Q. 少額減価償却資産の40万円は、いつ買ったものから使えますか。

A. 令和8年4月1日以後に取得したものからです。令和8年3月31日以前に取得したものは従来どおり30万円未満が基準になります。決算月によっては、同じ事業年度の中に両方が混在します。

Q. 二重計上を効率よく見つける方法はありますか。

A. 仕訳データをエクスポートして、日付と金額でソートするのがいちばん確実です。同額の行が隣り合うので目で追えます。レシートの日付と引落日が数日ずれることがあるため、完全一致だけでなく前後数日も見てください。会計ソフトに自動チェック機能はありません。

Q. 自社でどこまでやって、どこから依頼するのが効率的ですか。

A. 一般的には、日々の入力は自社、判断が必要なところと決算・申告は専門家という分け方が最も費用対効果が高くなります。特に、資産計上か経費か・給与か外注か・課税区分といった「間違えるとあとから直すのが大変な判断」は、処理する前にご相談ください。入力し直すコストのほうが高くつきます。

14. 出典・免責事項

本ページは、以下の一次情報に基づいて作成しています(令和8年8月時点)。

免責事項/本ページは、令和8年(2026年)8月時点で公表されている法令・通達・公的資料に基づく一般的な情報提供であり、個別の税務判断・税務相談に代わるものではありません。税制は毎年改正され、政省令・通達により細部が変更されます。特に令和8年度税制改正に係る項目は、施行日・経過措置・適用対象が細かく定められているため、実行前に必ず最新の一次情報をご確認いただくか、税理士にご相談ください。記載内容には万全を期していますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。本ページの情報を用いて行った判断・行為により生じたいかなる損害についても、当事務所は責任を負いかねます。
また、本ページの構成・下書きの作成にあたっては生成AI(Claude)を利用し、掲載する数値・期限・取扱いについては公認会計士・税理士が一次情報と照合したうえで公開しています。
記載年月:令和8年8月/作成・監修:ジェイスタート会計事務所(公認会計士・税理士 菊地宏隆)

チェックが付かなかった項目、一緒に片付けます

71項目のうち、実際に手を打つべきなのは会社ごとに5〜15項目です。決算月・課税方式・業種・従業員数から優先順位をつけてご提案します。
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