結論から言うと、賃貸物件の入居者のために行う除雪・排雪の費用は、不動産所得の必要経費にできます。北海道では冬の除排雪は避けて通れず、金額も小さくありません。本記事では、札幌・北海道で賃貸経営をするオーナーに向けて、除排雪費用が経費になる理由、自宅と兼用の場合の按分、ロードヒーティングのように「経費」と「資産」で扱いが分かれるケースを、税理士の視点で整理します。ポイントは、その支出が「賃貸収入を得るために必要か」と「修繕か、価値を高める設備か」の2つです。
1. 賃貸のための除排雪費は必要経費になる
不動産所得の必要経費は、賃貸収入を得るために直接かかった費用です(国税庁タックスアンサー)。入居者が安全に出入りするための駐車場・通路の除雪費や、敷地外へ雪を運ぶ排雪費は、これに当てはまります。
- 除雪業者へ支払う委託料。
- 排雪(ダンプでの運搬・受入れ)にかかる費用。
- 除雪機の燃料代や、規模に応じた消耗品費。
たとえば、アパートの駐車場の排雪に冬の間で15万円を支払った場合、その全額が不動産所得の必要経費になります。契約書・請求書・領収書を保存しておきましょう。
2. 自宅と兼用の物件は「家事按分」が必要
1階が自宅、2階が賃貸といった併用住宅では、除排雪費のうち賃貸部分にあたる金額だけが経費になります。これを家事按分といいます。
按分の基準は、面積や駐車区画数など合理的な割合を使います。たとえば敷地の駐車スペースが入居者用4台・自宅用2台なら、6分の4を経費とする、といった考え方です。基準は毎年同じものを使い、根拠をメモに残しておくと安心です。
3. ロードヒーティングは「経費」か「資産」かに注意
毎年の除排雪は経費ですが、ロードヒーティングを新たに設置する工事は、建物附属設備という「資産」になります。この場合は支払った年に全額を経費にはできず、減価償却で数年に分けて費用にします。
- 毎年の除雪委託料・排雪費 → その年の必要経費。
- ロードヒーティングの新設・能力増強 → 資本的支出(資産計上し減価償却)。
- 既存設備の故障の修理 → 原則として修繕費(その年の経費)。
「価値を高める・使える期間を延ばす」支出は資本的支出、「元の状態に戻す」支出は修繕費、という区別が基本です。判断に迷う工事は、見積書の内容をもとに事前に確認しておくと、後の申告がスムーズです。
まとめ
- 賃貸のための除雪・排雪費は不動産所得の必要経費。請求書・領収書を保存する。
- 自宅と兼用の物件は、面積や区画数で家事按分する。
- ロードヒーティングの新設は資本的支出(減価償却)。毎年の除排雪や故障修理は経費。
北海道の賃貸経営の経理は当事務所へ
ジェイスタート会計事務所は、札幌・北海道の不動産オーナーの確定申告・記帳を数多くサポートしています。除排雪費の按分や、修繕費と資本的支出の区別など、北海道特有の論点もご相談ください。ご相談はお問い合わせフォームから、料金は料金・契約・業務フローのページをご覧ください。
※本記事は2026年6月時点の法令・情報に基づく一般的な解説であり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の適用にあたっては税理士等の専門家にご相談ください。
