会計王 実務ガイド

ソリマチ 会計王(会計王 PRO・NPO法人スタイルを含む)を使う経理担当者・経営者・会計事務所職員向けに、実務で引っかかりやすいポイントを症状から引けるようにまとめたガイドです。次年度更新後に前期を直したときの再更新、銀行明細取込の重複、あとから変えられない初期設定、バリューサポートの要否で変わる機能、給料王・販売王との連携で起きる二重計上、2026年10月からのインボイス経過措置(70%)まで、原因と正しい操作を公式サポートへのリンクと画面画像つきで解説します。

ソリマチ 会計王 実務ガイド
会計王でつまずく所を、症状から引ける実務ガイド

会社データの作成、勘定科目と消費税の設定、伝票と出納帳の入力、MoneyLinkでの銀行明細取込、債権債務、固定資産、帳票、次年度更新、バックアップと移行まで。実務でよく使う機能のうち、多くの人が引っかかるポイントだけを「よくある症状→原因→正しい操作」で整理し、公式サポートの該当ページと画面を添えました。

12章
65件
つまずき項目
49点
画面画像(公式ヘルプより引用)
40本
ソリマチ サポート情報へのリンク

情報の基準日:2026年9月19日(ソリマチ サポート情報・法令)|作成・監修:ジェイスタート会計事務所(公認会計士・税理士事務所)|本ページはソリマチ株式会社の公式ページではありません

1項目=1つのつまずき

よくある症状原因正しい操作公式ヘルプ

見出しは「画面で起きていること」です。検索窓に症状の言葉(例:二重、差額、0円、反映されない)を入れると、該当する項目だけに絞り込めます。画面画像はクリックで拡大できます。

目印(タグ)

  • 頻出
  • 二重計上
  • 残高・金額ズレ
  • 制度改正
  • 取り消せない操作
  • 設定ミス
  • プラン・権限

「頻出」は多くの人が引っかかる所、「取り消せない操作」は実行前に確認が必要な所です。タグのボタンで絞り込めます。

まずはここから:引っかかる人が多い15項目(タイトルをクリックで該当箇所へ)
  1. 部門を削除しようとするとエラーになる(メッセージID:13208など)第2章
  2. 消費税率の変更など、入力済みの仕訳をまとめて直したい第3章
  3. 「取引摘要辞書」を全削除したら、登録内容が戻せない第3章
  4. 消費税の中間納付額を仕訳したら、二重計上になった、または申告書にうまく反映できない第2章
  5. 売掛金・買掛金の残高が、前年度末や請求書の金額と合わない第5章
  6. 減価償却費の端数処理方法を変えたのに、一部の資産に反映されない第7章
  7. 免税事業者等からの仕入れの控除割合、「経過」欄はまだ80%のままではないか第6章
  8. 2割特例は、いつの申告まで使えるか第6章
  9. 少額特例(1万円未満はインボイスなしでよい制度)は、いつまで、何が対象か第6章
  10. 少額減価償却資産の基準額は、30万円未満か40万円未満か第7章
  11. 平成19年3月31日以前取得の資産で、5年均等償却が始まらない第7章
  12. 簡易課税で複数の事業を営んでいるのに、想定と違う事業区分で消費税が計算される第2章
  13. 「得意先元帳」「仕入先元帳」の画面が見当たらない第5章
  14. 中間決算仕訳を入力したのに、試算表や元帳の翌月繰越残高に反映されない第9章
  15. 印刷やプレビュー時に「予期せぬエラーが発生しました。」「印刷準備に失敗しました。(CODE:-1)」と表示される第12章
PART 1
第1部 基本と初期設定

製品の違いと、あとから変えにくい最初の設定。

01

製品の全体像と画面

会計王には、標準の「会計王」のほか、ネットワーク対応の「会計王PRO」、NPO法人向けの「会計王NPO法人スタイル」などの種類があります。この章では、製品ごとの違いと、起動後に表示される「ダイレクトメニュー」を中心とした画面構成を扱います。最初にここを押さえておくと、この後の章で説明する設定や入力の操作で迷いにくくなります。

まず全体像

製品特徴決算書類
会計王(標準)中小企業・個人事業主向けです。MoneyLinkによる明細の自動取込や、複数の入力方式、仕訳博士などを備えています。決算書、消費税申告書(原則課税・簡易課税)、青色申告決算書、白色申告の収支内訳書
会計王PROネットワーク対応版です。データベースにMicrosoft SQL Serverを使い、複数のパソコン・複数の事業所で同時に使うことを想定しています。会計王(標準)と同じ書類に対応します。
会計王NPO法人スタイルNPO法人の新会計基準に対応した専用版です。「特定非営利活動促進法に関わる諸手続きの手引き」に準拠しています。活動計算書、財産目録、財務諸表注記など、NPO法人特有の書類を作成できます。

このほか、会計王介護事業所スタイルや医師向けのMA1など、業種特化版もあります。「農業簿記」「給料王」「販売王」「みんなの青色申告」は、会計王とは別の製品ラインです(後述)。

01-01会計王(標準)の「入力」まわりでどんな機能が使えるか分からない#

設定ミス

よくある症状

会計王を導入する前や使い始めたばかりのころ、日々の入力でどんな機能が使えるのかが、公式サイトの説明だけでは全体像としてつかみにくいことがあります。

原因

  • 銀行・信金・クレジットカード・電子マネーの明細を自動で取り込み、仕訳の作成まで行う「MoneyLink」を搭載しています。
  • 出納帳入力・元帳・エキスパート仕訳入力など、複数の入力方式が用意されています。
  • よく使う仕訳をあらかじめ登録できる「お決まり仕訳」、2,000件以上の仕訳事例を収録した「仕訳博士」、仕訳の承認機能もあります。

正しい操作

  1. 銀行やカードの明細を自動で取り込みたい場合は、MoneyLinkの設定から始めます。取込から仕訳になるまでの流れは第4章で扱います。
  2. 複数人で入力する場合は、出納帳入力・元帳・エキスパート仕訳入力などのうちどれを使うかを事業所内で決めておくと、後から見返しやすくなります。
  3. よく使う仕訳は「お決まり仕訳」に登録しておくと、入力の手間と入力ミスを減らせます。
MoneyLinkは、銀行やクレジットカードなどの明細を自動で取り込み、仕訳の作成まで行う機能です。具体的な操作は第4章で説明します。出典:ソリマチ サポート情報「Q.終了時の自動保存(バックアップ)先の設定を変更する場合」
仕訳博士では、2,000件以上収録された仕訳の事例を検索して参考にできます。迷いやすい勘定科目の選び方を確認したいときに使います。出典:ソリマチ サポート情報「Q.終了時の自動保存(バックアップ)先の設定を変更する場合」

01-02決算・申告のときにどんな書類を作れるのか分からない#

設定ミス

よくある症状

決算や確定申告の時期になってから、会計王でどこまでの書類が作れるのかが分からず、別のソフトや手作業が必要になるのではと不安になることがあります。

原因

  • 決算書は、表紙・貸借対照表・損益計算書・製造原価報告書・株主資本等変動計算書・注記表などから、必要な帳票を選んで印刷できます。
  • 消費税申告書は、原則課税・簡易課税のどちらにも対応しています。
  • 個人事業主向けには、青色申告決算書(一般用・不動産所得用)と、白色申告の収支内訳書の両方に対応しています。

正しい操作

  1. 法人の決算では、必要な帳票だけを選んで決算書を印刷できることを確認しておきます。
  2. 消費税の申告書は、事業所の課税区分(原則課税・簡易課税)に応じて作成します。課税区分などの初期設定は第2章で扱います。
  3. 個人事業主は、青色申告・白色申告のどちらでも会計王の中で決算書類を作成できます。
必要な帳票だけを選んで決算書を印刷できることを示す画面です。出典:ソリマチ サポート情報「Q.終了時の自動保存(バックアップ)先の設定を変更する場合」

01-03会計王と会計王PROのどちらを選べばよいか迷う#

頻出設定ミス

よくある症状

導入するときに「会計王」と「会計王PRO」のどちらにすればよいか、機能の一覧を見比べただけでは判断しにくいことがあります。

原因

  • 両者の主な違いは、複数のパソコン・複数の事業所で同時に使えるかどうかという点にあります。
  • 会計王PROはネットワーク対応版で、データベースにMicrosoft SQL Server(2016・2017・2019・2022)を使用します。

正しい操作

  1. 複数の拠点や複数の担当者が同時に同じ会計データへアクセスする必要があるかどうかで選びます。同時アクセスが必要な場合はPROを選びます。
  2. 会計王PROを検討する場合は、下の表で動作環境を確認します。
  3. 判断に迷う場合は、無料体験版(30日間)で操作感を確認してから決めます。
項目会計王PROの動作環境
対応OSWindows 11
CPU1GHz以上(推奨2GHz以上)のx86/x64プロセッサ
メモリ4GB以上
ディスプレイ解像度1024×768以上(推奨1280×800以上)
空き容量HDD/SSD 200MB以上(データ領域は別途必要)
必須ソフトMicrosoft .NET Framework 3.5 SP1・4.7.2以降

標準の会計王の動作環境は、この章の調査範囲では確認できていません。導入前に公式サイトの無料体験版のページなどで確認してください。

01-04NPO法人が標準の会計王を選んでしまい、決算書類が作れないと気づく#

頻出

よくある症状

NPO法人が標準の会計王を導入してしまい、決算の段階になって活動計算書や財産目録が作れないことに気づくことがあります。

原因

  • 活動計算書・財産目録・財務諸表注記の作成に対応しているのは「会計王NPO法人スタイル」だけです。
  • 標準の会計王には、NPO法人特有の勘定科目やこれらの書式があらかじめ用意されていません。

正しい操作

  1. NPO法人会計基準に沿った決算書類が必要な場合は、導入前に「会計王NPO法人スタイル」を選びます。
  2. すでに標準の会計王を使っている場合は、NPO法人スタイルへの切り替えが必要かどうかをサポート窓口に確認します。

01-05「農業簿記」「給料王」「販売王」は会計王シリーズの一部なのか分からない#

設定ミス

よくある症状

無料体験版の一覧に「農業簿記」「給料王」「販売王」「みんなの青色申告」が会計王と並んで案内されているため、会計王シリーズの製品だと思い込んでしまうことがあります。

原因

  • これらはソリマチの別の製品ラインであり、会計王シリーズそのものではありません。
  • 無料体験版の一覧には、会計王・会計王NPO法人スタイル・会計王PRO・MA1・みんなの青色申告・給料王・販売王・販売王 販売・仕入・在庫・農業簿記が、同じ一覧の中に案内されています。

正しい操作

  1. 給与計算が必要な場合は「給料王」、販売管理が必要な場合は「販売王」というように、目的に応じて別製品として検討します。
  2. 会計王とこれらの製品を連携させる場合の仕組みは第11章で扱います。

01-06ダイレクトメニューのどこに初期設定があるか分からない、前期や別の事業所のデータに切り替えられない#

頻出設定ミス

よくある症状

起動後に表示される「ダイレクトメニュー」に並ぶ「ファイル」「導入」「帳簿」「集計」「決算」「管理」「分析」のどこに何があるのか分からず、初期設定の入り口を探すのに時間がかかることがあります。前期や別の事業所のデータを開こうとしても、今開いているデータのままになってしまうこともあります。

原因

  • ダイレクトメニューは大分類ごとに機能がまとまっていて、事業所・消費税情報設定や勘定科目設定、部門設定などの初期設定は「導入」の中にあります。
  • 会計王は事業所・年度ごとに別々のデータとして保存する仕組みのため、開いているデータを切り替えるには明示的な操作が必要です。

正しい操作

  1. 初期設定の項目を探すときは、まず「導入」を確認します(下表)。
  2. 前期や別の事業所のデータを開きたいときは、「ファイル」→「データ選択」から目的のデータを選び直します。
大分類主な内容
導入事業所・消費税情報設定、勘定科目設定、部門設定、開始残高設定など、初期設定に関わる項目
帳簿伝票入力、出納帳入力、元帳など、日々の入力・確認
集計合計残高試算表、摘要別集計表、部門別実績集計表などの集計表
消費税消費税申告書の作成など
決算決算書や家事関連費計算表などの決算処理
管理/分析減価償却資産の登録や、経営分析など

01-07バリューサポートの契約の有無で何が変わるのか、公式サイトを見ても分からない#

プラン・権限

よくある症状

「バリューサポート」という言葉を公式サイトで見かけても、契約している場合としていない場合とで具体的に何が変わるのかが分かりにくいことがあります。

原因

  • バリューサポートは、ソリマチが提供する年間有料保守サービスです。
  • 契約の有無によって使える機能・サービスの範囲が変わりますが、その具体的な内容は、この章の調査範囲で確認できた公開ページの本文だけでは特定できませんでした(未確認)。

正しい操作

  1. 契約の有無で何が変わるかを具体的に知りたい場合は、公式サイトの「バリューサポート」の案内ページを確認します。
  2. ページの説明だけで判断できない場合は、ソリマチのサポート窓口に直接問い合わせて確認します。
  3. (ソリマチ 会計王の仕様として確認できたものではありませんが、実務では)導入検討時に、必要なサービスが契約の対象かどうかを事前に確認しておくと安心です。

注意

この項目は、公式サイトの本文を確認できなかったため、契約の有無による具体的な機能差を断定していません。最新の内容は、公式サイトかサポート窓口で必ず確認してください。

この章のチェックリスト

02

導入・初期設定

会社データを新規に作るときは、事業所・消費税情報、勘定科目、部門、開始残高などを最初に設定します。ここでの設定は日々の仕訳や決算書の土台になり、後から直すと過去の仕訳や書類に影響することがあります。他社の会計ソフトや紙の帳簿から移行する場合も、この章の設定が土台になります。この章では、設定の順序と、特につまずきやすいポイントを扱います。

まず全体像

いずれもダイレクトメニューの「導入」の中にある設定です。このうち、後から直すと影響が大きい点や、多くの人が引っかかる点をこの章で取り上げます。

02-01会社データを新規に作るとき、あとから直しにくい設定はあるか#

頻出設定ミス

よくある症状

会社データを作ってしばらくしてから、消費税の経理方式や課税区分を直したくなり、変更してよいものかどうか不安になることがあります。

原因

  • 消費税の経理方式(税込経理・税抜経理)は、期中の集計や消費税申告の計算に影響するため、事業所データを作成する時点で正しく設定しておく必要があります。
  • 「あとから変更できない設定」を網羅した一覧は、この章の調査範囲では公式ページに見つかりませんでした(未確認)。項目によって変更の可否や手順が異なると考えられます。

正しい操作

  1. 会社データを作る前に、消費税の経理方式(税込経理・税抜経理)と、消費税申告区分(原則課税・簡易課税)を確定させておきます。
  2. (ソリマチ 会計王の仕様として確認できたものではありませんが、実務では)会計期間の開始日や課税事業者の区分も、データ作成後の変更は影響が大きくなりやすいため、慎重に設定します。
  3. 作成後にどうしても設定を変更したい場合は、変更できるかどうかと手順を、ソリマチのサポート窓口に確認してから行います。

注意

この項目は、あとから変更できない設定の一覧を確認できていないため、断定的には書いていません。データ作成前に、経理方式や課税区分を中心に、入力する内容を見直してから登録してください。

設定項目データ作成前に確認したい理由
消費税の経理方式(税込経理・税抜経理)期中の集計や消費税申告の計算に影響します。
消費税申告区分(原則課税・簡易課税)事業内容に合わせて、データ作成時点で確定させておく項目です。簡易課税で事業が複数ある場合の注意点は本章の別項目で扱います。
部門の構成(階層なし・階層あり・グループ部門)あとから構成を大きく変えると、使わなくなった部門を削除する際の確認作業が増えます。

この表は、事実シートで確認できた範囲をもとに、データ作成前に確認しておきたい項目を整理したものです。項目ごとの正確な変更可否は、必ずソリマチのサポート窓口で確認してください。

02-02部門を削除しようとするとエラーになる(メッセージID:13208など)#

頻出取り消せない操作設定ミス

よくある症状

「導入」→「部門設定」で不要になった部門を削除しようとすると削除できず、メッセージID:13208などのエラーが表示されます。

原因

  • その部門が、開始残高設定・仕訳・お決まり仕訳登録・減価償却資産登録・手形登録のいずれかで使用中です。
  • グループ部門や下位部門との親子関係が残っています。

正しい操作

  1. エラーが表示されたら、まずその部門が開始残高設定・仕訳・お決まり仕訳登録・減価償却資産登録・手形登録のいずれかで使われていないかを確認します。
  2. 開始残高で使われている場合は、金額を「0:全事業所(共通)」など他の部門へ振り替えます。
  3. 仕訳・お決まり仕訳・減価償却資産・手形で使われている場合は、部門の指定を「指定なし(共通部門)」または「全事業所」に変更してから、あらためて削除します。
  4. グループ部門や下位部門がある場合は、下の階層の部門から順に削除します。

コツ

部門は「階層なし」「階層あり(最大10階層)」「グループ部門」の3種類から選んで登録します。階層ありやグループ部門で登録した部門は親子関係が残っていると削除できないため、削除する前に、対象の部門がどの構成で登録されているかを確認すると原因を特定しやすくなります。部門は、営業所ごと・部署ごとに金額を分けて集計したいときに使う設定です。

02-03個人事業データで勘定科目を追加しても、青色申告決算書に反映されない#

頻出設定ミス

よくある症状

個人事業データで新しい勘定科目を追加したのに、決算のときに青色申告決算書へその科目が反映されません。

原因

  • 「勘定科目設定」で仕訳用の科目を作っただけでは、「青色申告科目設定」側の申告科目とは紐付いていません。
  • 青色申告決算書に印刷されるのは、青色申告科目設定に登録されている申告科目だけです。

正しい操作

  1. 先に「導入」→「青色申告科目設定」を開き、製品側で決められたコード範囲内(例:一般用は126〜130など)で、青色申告決算書に印刷したい申告科目を作成します。
  2. 次に「導入」→「勘定科目設定」の該当タブ(例:「販管費」タブ)で「同一階層に挿入」を使い、仕訳で使う科目を新規作成します。
  3. 作成した仕訳用の科目と、手順1の申告科目を紐付けます。紐付けが分かりやすいように、科目コードの下2桁をそろえる運用が案内されています。
  4. 新しい科目がどの分類(資産の部・負債の部など)に属するか迷う場合は、税務署か顧問税理士に確認してから設定します。
Aの青色申告科目(決算書に印刷する科目)と、Bの勘定科目(仕訳に使う科目)は別のものであることを示す説明です。両方を紐付けて初めて、追加した科目が決算書に反映されます。出典:ソリマチ サポート情報「仕訳入力後に部門管理をやめる場合の方法」
個人事業データの勘定科目設定は、このように分類ごとのタブに分かれています。追加したい科目に近い分類のタブから操作します。出典:ソリマチ サポート情報「仕訳入力後に部門管理をやめる場合の方法」

02-04消費税の中間納付額を仕訳したら、二重計上になった、または申告書にうまく反映できない#

頻出残高・金額ズレ制度改正

よくある症状

消費税の中間納付額を仕訳したところ、消費税の計算に二重に含まれてしまう、または消費税申告書作成の画面にうまく反映できないことがあります。

原因

  • 中間納付の仕訳を「仮払消費税」科目で処理すると、中間納付額が消費税の計算に二重で含まれてしまいます。
  • 中間納付の仕訳は、本来「仮払税金」科目で処理したうえで、消費税申告書作成の画面で反映させる仕組みです。

正しい操作

  1. 中間納付の仕訳は、「仮払消費税」ではなく「仮払税金」科目で処理します。
  2. 「消費税」→「消費税申告書作成」を開き、「調整等」タブで中間納付税額として入力し、申告書に反映させます。
  3. すでに「仮払消費税」で仕訳してしまった場合は、正しい科目に修正してから申告書を作り直します。

注意

「仮払消費税」で処理したまま気づかずに申告書を作成すると、中間納付額が二重に計上され、消費税額がずれます。中間納付の仕訳をしたら、科目が「仮払税金」になっているかを確認してください。

中間納付の仕訳は「仮払消費税」ではなく「仮払税金」科目で処理します。科目を間違えると二重計上の原因になります。出典:ソリマチ サポート情報「仕訳入力後に部門管理をやめる場合の方法」

02-05簡易課税で複数の事業を営んでいるのに、想定と違う事業区分で消費税が計算される#

頻出制度改正設定ミス

よくある症状

簡易課税で2つ以上の事業を営んでいるのに、帳簿を集計すると、想定していた事業区分とは違う区分で消費税が計算されていることがあります。

原因

  • 「事業所・消費税情報設定」で設定した事業分類は、主要な分類として既定値に使われます。
  • 主要分類以外の事業に当たる取引は、帳簿入力画面の「事業」欄で取引ごとに事業分類を選び直さないと、既定の分類のまま計算されます。

正しい操作

  1. 「導入」→「事業所・消費税情報設定」で、主要な事業分類として何が設定されているかを確認します。
  2. 主要分類以外の事業に当たる取引は、帳簿入力画面の「事業」欄で、取引ごとに正しい事業分類を選択します。
  3. (ソリマチ 会計王の仕様として確認できたものではありませんが、実務では)都度指定を忘れやすいため、入力のたびに「事業」欄を確認する運用にしておくと安心です。
簡易課税で事業が複数ある場合、ここで主要な事業分類を設定します。個々の取引の分類は、帳簿入力画面の「事業」欄で別途指定します。出典:ソリマチ サポート情報「仕訳入力後に部門管理をやめる場合の方法」

02-06部門管理をやめたのに、既存の仕訳に部門の指定が残ったまま消えない#

残高・金額ズレ設定ミス

よくある症状

勘定科目の部門欄を「無」に変更して部門管理をやめたつもりが、すでに入力した仕訳には、以前の部門の指定が残ったままになっています。

原因

  • 勘定科目の部門欄を変更しても、すでに入力済みの仕訳の部門情報は自動では変わりません。
  • 部門情報を消すには、既存の仕訳側を別途、一括で置き換える操作が必要です。

正しい操作

  1. 勘定科目の部門欄を「無」に変更し、これ以降の仕訳で部門を使わないようにします。
  2. すでに入力済みの仕訳から部門情報をまとめて外したい場合は、「仕訳置換」機能で部門の条件を指定し、一括で置き換えます。仕訳置換の操作と、実行前に必ずバックアップを取る理由は第3章で説明します。
  3. 環境設定の「帳簿動作2」タブなど、部門管理に関わる設定もあわせて確認します。
部門管理をやめるときは、この「帳簿動作2」タブの設定もあわせて確認します。出典:ソリマチ サポート情報「仕訳入力後に部門管理をやめる場合の方法」

この章のチェックリスト

PART 2
第2部 日々の入力と取込

伝票・出納帳の入力、MoneyLinkでの取込、債権債務。

03

日常の入力(伝票・出納帳・仕訳置換)

会計王には、出納帳・元帳・振替伝票入力・エキスパート仕訳入力・らくらく仕訳入力など、複数の入力画面があります。この章では、画面ごとの向き不向きと、入力後によく起きるつまずきを症状から探せるようにまとめました。仕訳をまとめて直す「仕訳置換」と、よく使う仕訳を登録する「取引摘要辞書」の扱い方もあわせて説明します。どちらも便利な機能ですが、条件の指定や事前のバックアップを誤ると、入力し直すだけでは済まない影響が出ます。

まず全体像:入力方法の使い分け

入力画面は、仕訳の複雑さと、簿記への慣れ方で選びます。次の一覧を目安にしてください。

入力方法向いている場面注意点
出納帳現金や預金の入出金を、日付順に記録する勘定科目ごとに帳簿が分かれます
元帳勘定科目の残高や推移を見ながら入力・確認する科目を指定して開きます
振替伝票入力複合仕訳を含む、一般的な仕訳の入力借方・貸方が複数行になる仕訳に対応します
エキスパート仕訳入力一覧形式で仕訳をすばやく入力・確認する複合仕訳は金額欄が記号表示になることがあります(後述)
らくらく仕訳入力簿記に慣れていない場合の、1対1の仕訳入力質問に沿って入力する分、複合仕訳には向きません

「らくらく仕訳入力」は、取引日付の入力(決算・中間決算は専用の選択肢があります)から始まり、現金収入や売掛金回収など9種類の取引タイプを選び、絞り込み文字で取引を選択し、消費税の扱い(内税・外税・別途入力・税計算なし)を含めて金額を入力し、確認画面をはさんで登録する、という流れで仕訳を作ります。複合仕訳が必要な取引や、操作に慣れてきた場合は、振替伝票入力への切り替えを検討してください。

「らくらく仕訳入力」は、取引日付・取引の種類・取引の選択・金額入力の4つが1つの画面にまとまっています。質問に沿って順に選んでいくと仕訳ができあがります。出典:ソリマチ サポート情報「仕訳・入力|会計王|AI自動化で業務効率化を実現する中小企業向け会計ソフト|ソリマチ株式会社」

03-01振替伝票入力の複合仕訳が、エキスパート仕訳入力で見づらい記号表示になる#

頻出

よくある症状

「振替伝票入力」で作成した仕訳を「エキスパート仕訳入力」の画面で開くと、金額欄や消費税欄が「********」という記号の並びになり、正しい金額を確認できません。

原因

  • 「振替伝票入力」は、1つの仕訳の中に借方・貸方の行をいくつも作れる複合仕訳に対応しています。
  • 一方、「エキスパート仕訳入力」は一覧形式で1行ずつ金額を表示する画面のため、同一行の借方金額と貸方金額が異なる複合仕訳は、そのままの数値では表示できない仕様になっています。

正しい操作

  1. 複合仕訳の内容を確認したいときは、「エキスパート仕訳入力」ではなく「帳簿」から「仕訳日記帳」を開きます。
  2. 金額や科目を修正・削除したいときは、その仕訳を作成した「振替伝票入力」の画面から操作します。
  3. 「エキスパート仕訳入力」は、借方・貸方の金額が一致する単純な仕訳の入力・確認に向いた画面だと理解しておくと、表示の違いに戸惑いません。

NG:エキスパート仕訳入力で複合仕訳の中身を読み取ろうとする

  • 金額欄・消費税欄が記号の並びになり、正しい金額が読み取れない
  • 記号のまま取引先や上司に金額を伝えてしまう

OK:仕訳日記帳で複合仕訳の中身を確認する

  • 入力した金額や科目をそのまま確認できる
  • 修正が必要なときは、作成元の振替伝票入力から直す

03-02消費税率の変更など、入力済みの仕訳をまとめて直したい#

頻出取り消せない操作

よくある症状

消費税率が変わったときや部門運用をやめるときなど、すでに入力した仕訳をまとめて修正したい場面があります。「仕訳置換」の使い方が分からず、1件ずつ直すしかないと思い込んでいます。

原因

  • 会計王には、条件を指定した仕訳をまとめて書き換える「仕訳置換」という機能があります。伝票日付や税率などの条件を指定し、個別に確認しながら、または一括で置換を実行できます。
  • 「仕訳置換」は条件に合う仕訳を広い範囲で書き換えるため、条件の指定を誤ると、直したくなかった仕訳まで変わってしまいます。
  • 実行前にバックアップを取っていないと、誤った置換の結果を元に戻せません。
  • 似た機能に「仕訳検索」がありますが、こちらは条件に合う仕訳を探して表示するだけで、内容は書き換えません。内容そのものを書き換えたいときに使うのが「仕訳置換」です。

正しい操作

  1. 「ファイル」から「データバックアップ」を実行し、置換前の状態を保存します。
  2. 「ファイル」の「環境設定」の「帳簿設定」タブで、帳簿動作を一時的に切り替えます。
  3. 対象の帳簿画面(例:「振替伝票入力」)を開き、「検索・置換」から「仕訳置換」を選び、伝票日付や税率など置換したい条件を指定します。
  4. 「開始」で置換の対象になる仕訳を検索し、置換後の内容を選んで実行します。個別に確認しながら進めることもできます。
  5. 置換が終わったら、環境設定の帳簿動作を元に戻します。
  6. 税率変更や部門運用の見直しなど、仕訳置換を使う場面はそれほど頻繁ではありません。実行した条件と手順を控えておくと、次に必要になったときに迷いません。
「検索・置換」ボタンは、各帳簿入力画面の右上にあります。ここから「仕訳置換」を開きます。出典:ソリマチ サポート情報「仕訳・入力|会計王|AI自動化で業務効率化を実現する中小企業向け会計ソフト|ソリマチ株式会社」

注意

仕訳置換は多くの仕訳を一度に書き換える機能です。バックアップを取らずに実行すると、誤った結果を元に戻せません。実行前は必ずデータバックアップを取ってください。

「検索・置換」ボタンを開くと「仕訳検索」と「仕訳置換」が並んでいます。表示するだけの仕訳検索と違い、内容を書き換えたいときは「仕訳置換」を選びます。出典:ソリマチ サポート情報「仕訳・入力|会計王|AI自動化で業務効率化を実現する中小企業向け会計ソフト|ソリマチ株式会社」

03-03「取引摘要辞書」を全削除したら、登録内容が戻せない#

頻出取り消せない操作

よくある症状

摘要辞書の整理をしようとして「全削除」を実行したところ、登録していたコードと摘要がすべて消えてしまいました。

原因

  • 「導入」の「取引摘要辞書登録」にある「全削除」は、登録済みの内容をすべて消す機能で、実行を元に戻す機能はありません。
  • 誤って全削除を実行しても、会計王の中に取り消しの操作はありません。
  • すでに入力済みの仕訳そのものは消えませんが、コードで摘要や科目を呼び出す仕組みが使えなくなるため、以降の入力に影響します。

正しい操作

  1. 「全削除」を実行する前に、必ず「ファイル」から「データバックアップ」を行います。
  2. 誤って全削除してしまった場合は、直前に取得したバックアップから「データ復元」を行うほかに、内容を戻す方法はありません。
  3. 登録件数が多い場合は、まとめて削除するのではなく、不要なコードだけを個別に削除すると、誤操作のリスクを減らせます。

03-04毎回同じ取引を最初から入力していて時間がかかる#

頻出

よくある症状

「事務用品費」や「振込手数料」など、よく使う仕訳をそのたびに科目から選んで入力しており、時間がかかっています。

原因

  • 会計王には、よく使う仕訳をコードと摘要で登録しておける「取引摘要辞書登録」があります。登録していないと、毎回同じ手順で科目を選ぶ必要があります。
  • 担当者によって同じ取引の摘要の書き方や科目の選び方がばらばらになりやすく、あとから摘要で検索・集計するときに揃わなくなることもあります。

正しい操作

  1. 「導入」から「取引摘要辞書登録」を開き、コード(最大4桁)と摘要(全角15文字まで)、借方・貸方の科目を登録します。
  2. 伝票の入力画面で摘要欄にコードを入力すると、登録した摘要と科目が自動で表示されます。
  3. コードは取引の内容ごとに規則を決めて採番すると、あとから探しやすくなります。たとえば経費の科目ごとにコードの帯を分けておくと、目的のコードを覚えやすくなります。
  4. 複数の担当者で入力する場合は、よく使う仕訳をあらかじめ登録し、コードの一覧を共有しておくと、摘要や科目の表記が揃います。
摘要欄にここでコードを入力すると、登録しておいた摘要と科目が自動で表示され、入力の手間が減ります。出典:ソリマチ サポート情報「仕訳・入力|会計王|AI自動化で業務効率化を実現する中小企業向け会計ソフト|ソリマチ株式会社」
「取引摘要辞書登録」画面の「新規摘要」ボタンです。ここからコードと摘要、借方・貸方の科目を登録します。出典:ソリマチ サポート情報「仕訳・入力|会計王|AI自動化で業務効率化を実現する中小企業向け会計ソフト|ソリマチ株式会社」

03-05伝票番号が思った順番で並ばない#

設定ミス

よくある症状

伝票を入力するたびに振られる伝票番号が、想定していた順番と違う並びになります。

原因

  • 伝票番号の付番方法には「手入力」「年通し自動採番」「月通し自動採番」「伝票番号なし」があり、採番ルールも「最大値プラス1」か「前伝票プラス1」かを選べます。
  • 「最大値プラス1」は、それまでに使われた一番大きい番号の次を振るルールです。「前伝票プラス1」は、直前に登録した伝票の番号を基準にします。過去の日付にさかのぼって伝票を追加すると、このルールの違いで番号の並びが崩れることがあります。
  • この設定を確認せずに使っていると、意図しない順番で番号が付きます。

正しい操作

  1. 「各帳簿メニューで画面や入力時の細かい設定を行う」画面を開き、対象の帳簿の伝票番号の設定を確認します。
  2. 付番方法(手入力・年通し自動採番・月通し自動採番・伝票番号なし)と、採番ルール(最大値プラス1・前伝票プラス1)を、運用に合わせて選び直します。
  3. 帳簿ごとに設定できるため、伝票・出納帳など複数の帳簿を使っている場合は、それぞれの設定を確認します。
付番方法内容
手入力番号を都度自分で入力します
年通し自動採番年度を通して連番を振ります
月通し自動採番月ごとに連番をリセットして振ります
伝票番号なし番号を付けません

日常の入力は、画面の使い分けと、実行すると元に戻せない操作(全削除・仕訳置換の一括実行)を区別しておくことが安全に使うコツです。月に一度は、下のチェックリストで運用を見直してください。

この章のチェックリスト

04

銀行明細・カードの取込(MoneyLink)

MoneyLinkは、会計王で銀行・信用金庫・クレジットカード・電子マネーの明細を自動で取り込み、仕訳に変換する機能です。取込の重複防止や取消しなど、個別の操作方法を説明する公式ページは、本ガイドの執筆時点(2026年9月19日)ではqa.sorimachi.co.jpに見当たりませんでした。この章では、公式ページで確認できる範囲の流れと、二重計上を防ぐための考え方を整理します。自動化できる範囲とできない範囲を最初に区別しておくと、入力漏れにも気づきやすくなります。

まず全体像:MoneyLinkで自動化できる範囲

MoneyLinkは、銀行・信用金庫・クレジットカード・電子マネーなど複数の金融機関の明細をまとめて取り込み、仕訳の作成まで自動で行う機能です。ただし、現金で支払った経費など、明細として出てこない取引は対象外です。

区分内容
自動で取り込める銀行、信用金庫、クレジットカード、電子マネーの明細
自動化の対象外現金で支払った経費など、明細として出てこない取引(簡易振替伝票入力で個別に入力します)
MoneyLinkの「明細取込」画面です。取り込んだ銀行・カード明細に対して、相手科目や金額の候補が自動で表示されます。実際の画面表示はバージョンによって異なる場合があります。出典:ソリマチ サポート情報「仕訳・入力|会計王NPO法人スタイル|NPO法人新会計基準対応の専用会計ソフト」

製品ページには「MoneyLink(マネーリンク)」のほかに、「Web明細管理 MoneyLink」という関連サービス名も案内されています。呼び方が違っても指している仕組みは同じであるため、サポートに問い合わせるときは、どの画面や機能について確認したいのかを具体的に伝えると話が早く進みます。

詳しい操作の確認先

MoneyLinkの個別の操作方法や、契約プランによる利用範囲の違いは、会員サイト(member.sorimachi.co.jp)やサポート窓口で確認できます。本ガイドは、公式サポートページ(qa.sorimachi.co.jp)と製品ページ(www.sorimachi.co.jp)で確認できた範囲の内容を掲載しています。会計王26固有の仕様変更点についても、本ガイドの執筆時点では個別には確認できていません。

04-01現金で払った経費が、MoneyLinkの明細に出てこない#

設定ミス

よくある症状

MoneyLinkを使い始めたので、現金で支払った経費も自動で仕訳になると思っていましたが、いつまでたっても明細の一覧に出てきません。

原因

  • MoneyLinkが自動で取り込めるのは、銀行・信用金庫・クレジットカード・電子マネーの明細だけです。現金の受け渡しは、そもそも取込の対象になっていません。
  • 会計王の公式ページでも、自動化できない現金取引などは、別途「簡易振替伝票入力」で手入力する運用として案内されています。

正しい操作

  1. 現金で支払った経費や受け取った現金は、MoneyLinkの取込を待たず、「簡易振替伝票入力」などの通常の入力画面から入力します。
  2. 電子マネーで支払った場合は、その電子マネーがMoneyLinkの取込対象になっているかを確認します。対象であれば、現金と違って自動で取り込まれます。対応している金融機関やサービスの一覧は、契約状況によって確認できる範囲が変わるため、会員サイトまたはサポート窓口で確認します。
  3. どの支払い方法を自動取込に任せ、どれを手入力にするかを、事業所内であらかじめ決めておくと、入力漏れに気づきやすくなります。

04-02明細を二重に取り込んでしまった、二重計上が心配#

頻出二重計上残高・金額ズレ

よくある症状

同じ期間の明細を続けて取り込んだあとで、同じ入出金の仕訳が2件できていないか不安になります。銀行の残高と会計王の残高が合わないこともあります。

原因

  • MoneyLinkの重複取込を防ぐ具体的な操作方法や、重複を検知したときの画面表示は、本ガイドの執筆時点で公式サポートページに見当たりませんでした。
  • 会計王の仕様ではありませんが、明細の自動取込では、同じ期間を重ねて取り込むと同じ取引が二重に登録されることがある、というのは銀行連携機能全般に共通する注意点です。
  • 同じ入出金の仕訳が2件登録されると、その口座の勘定科目の残高が、実際の通帳やネットバンキングの残高より多く、または少なく計算されてしまいます。

正しい操作

  1. 取込の前に、前回どこまでの期間を取り込んだかを確認し、期間が重ならないようにします。
  2. 取込後は、「集計」から「合計残高試算表」を開き、口座ごとの残高が通帳やネットバンキングの残高と合っているか確認します。
  3. 合わない場合は、「帳簿」から「元帳」で該当の口座科目を開き、同じ日付・金額・摘要の仕訳が2件登録されていないか確認します。
  4. 重複が見つかった場合は、片方の仕訳を削除します。削除する前に「ファイル」から「データバックアップ」を行います。
  5. 取込の頻度を決めておく(たとえば毎週月曜日に前週分だけ取り込む、など)と、取込範囲があいまいになりにくく、重複にも気づきやすくなります。

NG:取込のたびに前回の範囲を確認しない

  • 同じ期間の明細を重ねて取り込んでしまう
  • 同じ入出金の仕訳が2件登録される
  • 銀行残高と会計王の残高が合わなくなる

OK:前回どこまで取り込んだかを毎回確認する

  • 期間が重ならないように取込範囲を指定する
  • 取込後に合計残高試算表で残高を確認する
  • ずれていたら元帳で1件ずつ照合する

注意

MoneyLink固有の重複防止機能や、重複を解消する専用の操作方法は、本ガイドでは確認できていません。操作前に公式サポートまたはサポート窓口にご確認ください。

04-03取り込んだ明細から、誤った仕訳が登録されてしまった#

頻出取り消せない操作

よくある症状

MoneyLinkの取込で作成された仕訳の科目や金額が間違っていた、あるいは取り込まなくてよい明細まで仕訳として登録されてしまいました。

原因

  • MoneyLinkの画面上で取込そのものを取り消す専用の操作を説明する公式ページは、本ガイドの執筆時点で見当たりませんでした。
  • 取込によってできた仕訳は、通常の仕訳と同じデータとして会計王に保存されます。
  • 取込によって作られた仕訳と、手入力した仕訳とを画面上で見分ける専用の表示があるかどうかも、本ガイドでは確認できていません。日付・金額・摘要を手がかりに探すことになります。

正しい操作

  1. 誤って登録された仕訳は、「振替伝票入力」などの通常の入力画面からその仕訳を検索し、科目や金額を修正します。
  2. 不要な仕訳は、同じ画面から削除します。まとまった件数を一度に削除する前には、「ファイル」から「データバックアップ」を必ず行います。
  3. 取込の設定そのものを見直したい場合や、取込元のデータを削除したい場合の操作は、会員サイトのMoneyLink専用のサポート情報、またはサポート窓口でご確認ください。
  4. 修正・削除のあとは、「集計」から「合計残高試算表」を開き、口座の残高が通帳やネットバンキングの残高と合っているかをあわせて確認します。
  5. 同じ間違いを繰り返さないために、何が原因で誤った仕訳になったのか(例:似た名称の科目を自動で選んでしまった、など)を記録しておくと、次回の取込確認がしやすくなります。

注意

仕訳の削除は元に戻せない操作です。件数が多いときほど、削除前のバックアップを忘れないようにしてください。

04-04MoneyLinkの詳しい操作方法や利用範囲が、製品ページだけでは分からない#

設定ミス

よくある症状

MoneyLinkでできることの概要は製品ページに書かれていますが、実際の設定画面の操作方法や、契約しているプランでどこまで使えるのかが分かりません。

原因

  • MoneyLinkの詳しい操作方法は、会員サイト(member.sorimachi.co.jp)のFAQに掲載されていますが、閲覧・利用できる範囲は契約しているサポートの内容によって変わる可能性があります。
  • 本ガイドが参照している公式サポートページ(qa.sorimachi.co.jp)は、契約状況にかかわらず公開されている内容にとどまります。

正しい操作

  1. 契約しているサポート(バリューサポートなど)の内容を確認します。
  2. 会員サイトにログインできる場合は、MoneyLinkのFAQ一覧で操作方法を確認します。
  3. ログインできない場合や、該当する案内が見当たらない場合は、サポート窓口に直接問い合わせます。
確認したいこと確認できる場所
契約しているサポートの種類・範囲契約時の書面、またはサポート窓口
MoneyLinkの詳しい設定・操作方法会員サイト(member.sorimachi.co.jp)のFAQ
公開されている基本的な機能の説明製品ページ・サポート情報(www.sorimachi.co.jp、qa.sorimachi.co.jp)

本ガイドで参照している内容は、契約状況にかかわらず公開されている範囲にとどまります。個別の設定画面の操作手順が必要な場合は、上の表を目安に確認先を選んでください。

MoneyLinkは便利な機能ですが、重複や取込の取消しなど、契約状況によって確認できる範囲が変わる部分もあります。月に一度は、下のチェックリストで残高と設定を確認してください。

この章のチェックリスト

05

取引先・債権債務(売掛金・買掛金)

会計王には、取引先ごとの請求や入金を管理する専用の画面はなく、売掛金・買掛金は通常の仕訳に補助科目や摘要を組み合わせて管理します。この章では、残高が合わないときの確認順序と、取引先ごとの金額を確認する方法を中心に説明します。振込手数料や一部入金があったときの処理方法もあわせて扱います。

まず全体像:残高が合わないときは、この3段階の順番で確認する

売掛金・買掛金の残高が合わないとき、いきなり元帳をさかのぼって1件ずつ確認すると時間がかかります。次の順番で確認すると、期首のズレか期中のズレかを効率よく切り分けられます。

NG:いきなり元帳をさかのぼって確認する

  • 該当科目の仕訳を、期首から1件ずつ目で追うことになる
  • 件数が多いと時間がかかり、見落としも起きやすい
  • 期首のズレが原因だった場合、元帳をいくら見ても見つからない

OK:開始残高から順番に絞り込む

  • まず開始残高が前年度末の残高と合っているか確認する
  • 合っていれば、ズレの原因は期中の仕訳にあると分かる
  • 元帳では対象の月だけを確認すればよくなる

05-01売掛金・買掛金の残高が、前年度末や請求書の金額と合わない#

頻出残高・金額ズレ

よくある症状

「合計残高試算表」で確認した売掛金や買掛金の残高が、前年度末の帳簿や、取引先からの請求書と合いません。

原因

  • 開始残高(期首残高)が、前年度末の残高と一致していないことがあります。
  • 期中に入力した仕訳に、金額や科目の誤りが含まれていることがあります。
  • 買掛金は貸方、売掛金は借方が本来の残高の向きです。開始残高の入力欄を間違えると、貸借が逆転した金額のまま残ってしまいます。

正しい操作

  1. STEP A 開始残高を確認する

    「導入」から「開始残高設定」を開きます。買掛金は「貸方開始残高」、売掛金は「借方開始残高」が、前年度末の残高と一致しているか確認します。「貸借差額」(借方合計と貸方合計の差)が0円になっているかもあわせて確認します。一致していない場合は、この画面で金額を修正します。

  2. STEP B 合計残高試算表で集計を確認する

    「集計」から「合計残高試算表」を「全期間」で開きます。補助科目を使っている場合は「補助同時表示」にチェックを入れ、集計金額を確認します。

  3. STEP C 元帳で期中の仕訳を照合する

    それでも合わない場合は、「帳簿」から「元帳」を開き、科目を「買掛金」または「売掛金」に指定します。月タブで対象期間を選び、期中の仕訳を1件ずつ確認・修正します。たとえば本来10,000円のはずの入金が9,000円で入力されていた、といった1件の入力ミスが、月をまたいで積み重なると、残高のズレとして表面化します。原因になっている仕訳を直したら、もう一度「合計残高試算表」で全体の残高が合っているかを確認します。

期をまたぐとき

翌期の開始残高は、当期の次年度更新(繰越)によって作られます。次年度更新のあとで当期の仕訳を修正した場合の扱いは、次年度更新を扱う章であわせてご確認ください。

この画面で買掛金の残高が前年度末の金額と一致しているかを確認します。売掛金も同様の画面で確認できます。出典:ソリマチ サポート情報「残高が合わない場合はこちらをご覧ください【売掛金/買掛金】」
元帳の該当月を開き、ズレの原因になっている仕訳を1件ずつ確認・修正する画面です。修正後は合計残高試算表で全体の残高を再確認します。出典:ソリマチ サポート情報「残高が合わない場合はこちらをご覧ください【売掛金/買掛金】」

05-02「得意先元帳」「仕入先元帳」の画面が見当たらない#

頻出設定ミス

よくある症状

取引先ごとの売上・仕入をまとめて確認したいのに、「得意先元帳」「仕入先元帳」のような専用の画面が見当たりません。

原因

  • 会計王の標準版には、取引先別の専用の元帳画面はありません。
  • 取引先ごとの金額は、勘定科目に作った「補助科目」を使って管理する設計です。

正しい操作

  1. 「導入」から「勘定科目設定」を開き、売上高や仕入高、売掛金や買掛金など、取引先別に管理したい科目の下に、取引先ごとの補助科目を作成します。たとえば「売掛金」の下に、取引先ごとに「得意先A」「得意先B」のような補助科目を作る形です。売上高・仕入高の側にも同じように補助科目を作れば、取引先別の売上・仕入金額も追えます。
  2. 仕訳を入力するときに、借方補助・貸方補助の欄で該当する取引先の補助科目を指定します。借方・貸方のどちらの欄に補助科目を指定するかは、その仕訳でその科目が借方に来るか貸方に来るかによって変わります。
  3. 「集計」から「合計残高試算表」を開き、「補助同時表示」にチェックを入れると、勘定科目全体の金額に加えて、補助科目ごとの内訳が並んで表示され、取引先ごとの残高をひと目で確認できます。

注意

補助科目は、取引を入力する時点で指定しておく必要があります。補助科目を使わずに入力した過去の仕訳を、あとからまとめて取引先別に割り振るのは手間がかかります。新しい取引先ができたら、最初の仕訳から補助科目を使うようにしてください。

同じ相手が得意先にも仕入先にもなるとき

補助科目は勘定科目ごとに作る仕組みです。同じ取引先が売上先と仕入先の両方にあたる場合は、「売掛金」側と「買掛金」側のそれぞれに、同じ名前の補助科目を作っておくと、あとで探しやすくなります。

「集計」の「合計残高試算表」を開いた画面です。売掛金の下に取引先ごとの補助科目(A商会、B商店など)の残高が並び、取引先別の金額をひと目で確認できます。出典:ソリマチ サポート情報「残高が合わない場合はこちらをご覧ください【売掛金/買掛金】」

05-03取引先ごとの金額を「摘要別集計表」で確認したい#

設定ミス

よくある症状

補助科目を設定していない取引先について、摘要に入力した取引先名を手がかりに、金額をまとめて確認したいです。

原因

  • 補助科目を作成していなくても、仕訳の摘要欄に取引先名を入力しておけば、「摘要別集計表」で集計できます。
  • 摘要の入力が取引先ごとに揺れている(表記が統一されていない)と、正しく集計できません。たとえば同じ取引先を「得意先A」「A社」「株式会社A」のように違う書き方で入力していると、別々の取引先として扱われ、金額が分かれてしまいます。

正しい操作

  1. 「集計」から「摘要別集計表」を開きます。
  2. 帳票タイトル、日付範囲、勘定科目、摘要の条件を設定します。帳票タイトルは、あとで見返すときに分かるよう、取引先名や期間が分かる名前にしておくと便利です。
  3. 摘要欄に登録した取引先名で、金額が集計されます。たとえば摘要欄に「得意先A 掛売上」のように取引先名を含めて入力しておくと、「得意先A」を条件に指定して集計できます。
方法事前の準備向いている場面
補助科目勘定科目の下に、取引先ごとの補助科目を作成する主要な取引先の残高を、合計残高試算表などで継続的に確認したい場合
摘要別集計表摘要欄に取引先名を統一した表記で入力する補助科目を作っていない取引先の金額を、あとから集計したい場合

どちらの方法も、事前に取引先が分かるように入力しておくことが前提です。件数の多い主要な取引先は補助科目、それ以外は摘要への入力で対応する、という使い分けもできます。途中で方法を変えると、変更前と変更後で集計の対象が変わる点にも注意してください。

05-04銀行振込で払った金額が、請求額と合わない(振込手数料・一部入金)#

残高・金額ズレ

よくある症状

買掛金を銀行振込で支払ったところ、口座から実際に引き落とされた金額が、請求書の金額と一致しません。振込手数料が差し引かれた場合や、請求額の一部だけを支払った場合に起こります。

原因

  • 振込手数料が発生すると、口座から出ていく金額は「請求金額プラス手数料」となり、買掛金の帳簿上の金額とは一致しません。振込手数料を先方が負担する契約になっている場合は、逆に「請求金額マイナス手数料」で出ていくこともあります。
  • 振込手数料の仕訳方法や、一部入金(分割払い)のときの処理方法を説明する会計王の公式ページは、本ガイドの執筆時点で見当たりませんでした。

正しい操作

  1. 会計王の仕様として案内されている操作ではありませんが、実務では振込手数料分を複合仕訳で処理するのが一般的です。買掛金の金額はそのままに、差額を「支払手数料」などの科目で計上する複合仕訳を、振替伝票入力で作成します。
  2. 請求額の一部だけを支払った場合は、実際に支払った金額だけを買掛金の減少として処理し、残額はそのまま買掛金に残します。たとえば請求額30,000円のうち20,000円だけを振り込んだ場合は、仕訳の金額を20,000円にとどめ、残りの10,000円は買掛金として残します。請求額の全額を消し込んでしまうと、取引先ごとの残高がずれます。
  3. 処理をしたあとは、合計残高試算表や元帳で、金額が実際の請求書と合っているか確認します。
借方貸方場面
買掛金 10,000円
支払手数料 300円
普通預金 10,300円請求額10,000円の支払いで、振込手数料300円が差し引かれた場合
買掛金 20,000円普通預金 20,000円請求額30,000円のうち20,000円だけを支払った場合(残り10,000円は買掛金に残る)

どちらも会計王の仕様ではなく、実務でよく使われる処理方法の例です。勘定科目や金額は事業所の運用に合わせて選んでください。振込手数料を先方負担とする契約の場合は、差額の向きが逆になります。

取引先ごとの残高は、入力の時点で補助科目や摘要をどれだけ揃えておくかで、あとの確認のしやすさが大きく変わります。月に一度は、下のチェックリストで運用を見直してください。

この章のチェックリスト

PART 3
第3部 税務・資産

消費税とインボイス、固定資産と減価償却。

06

消費税・インボイス

会計王の消費税まわりは、インボイス制度に対応した帳簿入力画面の「経過」欄、簡易課税の事業分類、中間納付の処理でつまずきが集中します。2023年10月のインボイス制度開始にあわせて設けられた時限的な措置は、2026年に複数の期限が重なります。この章では、まず期限のある措置を整理したうえで、日々の入力でよくあるつまずきを扱います。

まず全体像:期限のある3つの措置を整理する

インボイス制度にあわせて設けられた時限的な措置のうち、次の3つは対象や期限が異なるため混同しやすいです。自社がどれに当てはまるかを、まずここで確認してください。

措置主な対象期限
2割特例免税事業者からインボイス発行事業者になった小規模事業者2026年9月30日(令和8年9月30日)を含む課税期間まで
少額特例基準期間の課税売上高1億円以下、または特定期間の課税売上高5,000万円以下の事業者2029年9月30日(令和11年9月30日)まで
インボイス経過措置免税事業者等からの課税仕入れがある、すべてのインボイス発行事業者2026年10月1日(令和8年10月1日)から控除割合が変わる

出典:国税庁「2割特例の概要」「少額特例の概要」「令和8年度税制改正特集」。3つとも会計王の設定ではなく、消費税の制度そのものの期限です。

06-01免税事業者等からの仕入れの控除割合、「経過」欄はまだ80%のままではないか#

頻出制度改正

よくある症状

帳簿入力画面の「経過」欄で、免税事業者等からの課税仕入れに「控除80%」を選び続けています。インボイス制度が始まった2023年当時の案内のままでよいか、不安になっています。

原因

  • 令和8年度税制改正により、2026年10月1日(令和8年10月1日)以後に開始する課税期間から、経過措置の控除割合のスケジュールが変わりました。
  • ソリマチの案内(インボイス導入ガイドブック)は2023年公開時点のもので、2023年10月から2026年9月までを80%、2026年10月以降を50%とする、改正前のスケジュールを前提に書かれています。

正しい操作

  1. 自社の課税期間の開始日を確認します。2026年10月1日(令和8年10月1日)以後に開始する課税期間から、下の表の新しい割合が適用されます。
  2. 帳簿入力画面の「経過」欄の選択肢に、70%や30%といった新しい割合が表示されるかを確認します。表示されない場合は、オンラインアップデートが未適用の可能性があるため、ソリマチの公式の案内を確認します。
  3. 「取引摘要辞書登録」に経過措置用の摘要を登録している場合は、摘要に紐づく控除割合が新しいスケジュールに合っているかもあわせて見直します。
課税仕入れを行った期間控除割合
2023年10月1日(令和5年10月1日)〜2026年9月30日(令和8年9月30日)80%
2026年10月1日(令和8年10月1日)〜2028年9月30日(令和10年9月30日)70%(改正前は50%の予定でした)
2028年10月1日(令和10年10月1日)〜2030年9月30日(令和12年9月30日)50%
2030年10月1日(令和12年10月1日)〜2031年9月30日(令和13年9月30日)30%
2031年10月1日(令和13年10月1日)以降0%(控除なし)

出典:国税庁「令和8年度税制改正特集」

制度・法令

適用上限も変わりました。一のインボイス発行事業者以外の者からの課税仕入れの合計額(税込)が、年または事業年度で1億円を超える場合、その超えた部分には経過措置を使えません(改正前は10億円)。会計王がこの新しい割合区分や上限に、リリース時点で対応しているかどうかは、本ガイドの執筆時点で確認できていません。必ず公式の案内とオンラインアップデートの適用状況を確認してください。

06-022割特例は、いつの申告まで使えるか#

頻出制度改正

よくある症状

免税事業者からインボイス発行事業者になった際、消費税額を売上税額の2割に抑えられる2割特例を使ってきましたが、いつまで使えるのか分からなくなっています。

原因

  • 2割特例が使えるのは、2023年10月1日(令和5年10月1日)から2026年9月30日(令和8年9月30日)までの日の属する各課税期間までです。
  • 個人事業者は2026年分(令和8年分)の申告が、2割特例を使える最後の申告になります。法人は決算期によって最後の申告時期が変わります(3月決算の法人であれば2026年3月期〔令和8年3月期〕の申告が最後です)。
  • 基準期間の課税売上高が1,000万円を超える事業者、資本金1,000万円以上の新設法人、調整対象固定資産や高額特定資産を取得した事業者、課税期間を1か月または3か月に短縮している場合などは、そもそも2割特例の対象になりません。

正しい操作

  1. 自社の課税期間を確認し、2026年9月30日(令和8年9月30日)を含む課税期間が、2割特例を使える最後の期間になっていないかを確認します。
  2. 上記の対象外の要件に当てはまらないかを、申告前に確認します。
  3. 2割特例が終わったあとの課税期間からは、簡易課税または原則課税(一般課税)で計算することになります。簡易課税を選ぶ場合は事前に届出書の提出が必要になるため、早めにどちらで計算するかを検討します。

コツ

2割特例が終わったあとに簡易課税へ切り替える場合、事業分類の設定が必要になります。複数の事業がある場合の設定方法はこの章の別項目で扱います。

06-03少額特例(1万円未満はインボイスなしでよい制度)は、いつまで、何が対象か#

頻出制度改正

よくある症状

税込1万円未満の経費なら、インボイスの保存がなくても仕入税額控除ができると聞きましたが、自社が対象になるか、いつまで使えるかが分かりません。

原因

  • 少額特例は、基準期間の課税売上高が1億円以下、または特定期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者が対象です。
  • 適用期間は2023年10月1日(令和5年10月1日)から2029年9月30日(令和11年9月30日)までです。
  • 対象かどうかの判定は「1回の取引の合計額」単位で行います。同時に複数の商品を購入して合計額が1万円以上になる場合は、その取引全体が対象外になります。

正しい操作

  1. 自社が対象要件(基準期間または特定期間の課税売上高)に当てはまるかを確認します。
  2. 対象の取引でも、判定は税込1万円未満を1回の取引単位で行うことを徹底します。たとえば5,000円の商品と7,000円の商品を同時に購入した場合、合計12,000円になり対象外です。まとめ買いでインボイスの保存が必要になる場合があることを、入力担当者に周知します。
  3. 2029年9月30日(令和11年9月30日)で少額特例が終了したあとは、少額の取引でもインボイスの保存が必要になります。終了時期をあらかじめ社内で共有しておきます。

注意

少額特例は「1回あたりの取引」で判定します。月額でまとめて考えたり、複数の領収書を合算して判定したりすると、対象かどうかを誤ります。

06-04期中にインボイス発行事業者(課税事業者)になったが、消費税の設定が分からない#

頻出制度改正設定ミス

よくある症状

期中に免税事業者を卒業してインボイス発行事業者になりました。会計王の消費税の設定をどう変えればよいか分かりません。

原因

  • 消費税の設定は、事業所データを作成した時点の情報のままになっています。課税事業者になったタイミングで、申告方式と計算対象期間を設定し直す必要があります。
  • 簡易課税を選ぶ場合は、事前に届出書の提出が必要です。

正しい操作

  1. STEP1 申告方式を選択する

    「導入」から「事業所・消費税情報設定」を開き、「消費税情報」タブで申告方式(簡易課税または原則課税〔個別対応〕)を選択します。簡易課税を選ぶ場合は、事前に届出書を提出しているかを確認します。

  2. STEP2 計算対象期間の開始日を設定する

    同じ画面の「消費税計算対象期間設定」で「消費税の計算対象となる開始日を設定する」にチェックを入れ、課税事業者になった開始日を入力します。

  3. STEP3 経理方式を確認する

    経理方式を「税込経理」に変更します。

  4. STEP4 設定内容を確認する

    設定した開始日より前の仕訳は、消費税申告書に集計されません。開始日が正しいかを、あらためて確認します。

注意

計算対象期間の開始日を間違えると、集計されるはずの仕訳が申告書に反映されません。課税事業者になった正確な日付を、届出内容と照らし合わせてから入力してください。

「消費税情報」タブで申告方式を選ぶ画面です。簡易課税を選ぶ場合は、事前に届出書を提出しているかをあわせて確認してください。出典:ソリマチ サポート情報「Q.家事関連費計算表 仕訳転送時エラー」
課税事業者になった開始日を入力する画面です。ここで設定した日より前の仕訳は、消費税申告書に集計されません。出典:ソリマチ サポート情報「Q.家事関連費計算表 仕訳転送時エラー」

06-05消費税の中間納付を仕訳したら、税額がずれた#

頻出二重計上残高・金額ズレ制度改正

よくある症状

消費税の中間納付額を仕訳したところ、消費税申告書作成で計算される納税額が、想定より多くなりました。

原因

  • 中間納付額を「仮払消費税」科目で仕訳すると、消費税本体の計算に紛れ込み、二重計上になります。
  • 中間納付額は「仮払税金」科目で処理したうえで、「消費税申告書作成」の「調整等」タブで反映させる仕組みです。

NG:「仮払消費税」で仕訳する

  • 中間納付額が消費税本体の計算に紛れ込む
  • 申告書の納税額が想定よりずれる

OK:「仮払税金」で仕訳し「調整等」タブで反映する

  • 消費税本体の計算とは切り離される
  • 中間納付額として正しく差し引かれる

正しい操作

  1. 中間納付の仕訳は「仮払税金」科目で処理します。
  2. 「消費税」から「消費税申告書作成」を開き、「調整等」タブで中間納付税額として入力します。
  3. すでに「仮払消費税」で仕訳してしまった場合は、科目を「仮払税金」に訂正してから、申告書を作り直します。
申告方式が原則課税(個別対応など)の場合の中間納付の画面です。「調整等」タブの中間納付税額欄に入力します。出典:ソリマチ サポート情報「Q.家事関連費計算表 仕訳転送時エラー」
申告方式が簡易課税の場合の中間納付の画面です。原則課税とは画面の項目が異なるため、自社の申告方式に合う画面で確認してください。出典:ソリマチ サポート情報「Q.家事関連費計算表 仕訳転送時エラー」

初期設定を確認したいとき

会社データ作成時点の消費税の設定と、中間納付の基本的な処理方法は第2章の該当項目でも説明しています。この項目では、実際に中間納付を仕訳するときの画面の違いを中心に扱いました。

06-06簡易課税で複数の事業があるのに、消費税集計が想定と違う事業区分になる#

頻出制度改正設定ミス

よくある症状

簡易課税で2つ以上の事業を営んでいるのに、消費税集計表を見ると、想定と違うみなし仕入率の事業区分で計算されていることがあります。

原因

  • 「事業所・消費税情報設定」で設定した事業分類は、既定値として使われる主要な分類です。
  • 主要分類以外の事業にあたる取引は、帳簿入力画面の「事業」欄で取引ごとに選び直さないと、既定の分類のまま計算されます。

正しい操作

  1. 主要な事業分類として何が設定されているかを、「導入」から「事業所・消費税情報設定」で確認します。設定の手順自体は第2章の該当項目で説明しています。
  2. 主要分類以外の事業にあたる取引を入力するときは、都度、帳簿入力画面の「事業」欄で正しい事業分類を選択します。
  3. 入力し終えた仕訳は、消費税集計表で事業分類ごとの金額を確認し、想定した区分で集計されているかを確かめます。

注意

「事業」欄の都度指定は忘れやすい操作です。入力のたびに欄を確認する運用にしておかないと、みなし仕入率が有利な区分に寄って計算され、納税額の計算を誤ります。

06-07消費税率や「経過」欄を間違えて入力した仕訳を、あとでまとめて直したい#

頻出取り消せない操作設定ミス

よくある症状

入力し終えてから、消費税率や「経過」欄の指定を間違えていたことに気づきました。件数が多く、1件ずつ直すのは大変です。

原因

  • 会計王には、条件を指定した仕訳をまとめて書き換える「仕訳置換」という機能があります。
  • 2019年10月の消費税率10%改定のときは、旧税率8%のまま入力してしまった仕訳を一括で10%に修正する手順が公式に案内されています。同じ考え方は、消費税率や「経過」欄の指定ミスの修正にも応用できます。

正しい操作

  1. 修正したい仕訳の条件(伝票日付の範囲、対象の税率や「経過」欄の値など)を整理します。
  2. 仕訳置換を実行する前に、必ずデータのバックアップを取ります。詳しい操作と注意点は第3章の該当項目で説明しています。
  3. 対象の帳簿画面から「検索・置換」を開き、「仕訳置換」で条件を指定して置換します。
  4. 置換後は、消費税集計表で金額が正しく反映されているかを確認します。

注意

仕訳置換は条件に合う仕訳を広い範囲で書き換える機能です。条件の指定を誤ると、直したくなかった仕訳まで変わってしまいます。バックアップを取らずに実行しないでください。

06-08家事関連費計算表から仕訳を転送しようとするとエラーになる#

設定ミス

よくある症状

個人事業のデータで「決算」から「家事関連費計算表」を開き、按分した金額を仕訳として転送しようとすると、エラーになって処理が進みません。

原因

  • 家事関連費計算表の仕訳転送は、消費税計算対象期間の設定日が月度の初日であることを前提にした仕組みです。
  • 消費税計算対象期間の設定日が月の初日以外になっていると、按分計算の結果を自動で仕訳に転送できません。

正しい操作

  1. 「導入」から「事業所・消費税情報設定」を開き、経理方式(税込経理になっているか)と、消費税計算対象期間の設定日を確認します。
  2. 設定日が月の初日以外で自動転送ができない場合は、家事関連費計算表の内容を手控えします。
  3. 消費税集計表の数値をもとに按分額を手計算し、「簡易振替伝票入力」で手動で仕訳します。

注意

この制約は、消費税計算対象期間の設定日が月度の初日以外になっている場合に起きます。期中に課税事業者になった場合など、設定日を月の途中にしている事業所は特に注意してください。

家事関連費計算表の仕訳転送でエラーが表示された例です。消費税計算対象期間の設定日が月の初日以外になっていないかを確認します。出典:ソリマチ サポート情報「Q.家事関連費計算表 仕訳転送時エラー」
計算対象期間の開始日が月の初日になっていない設定例です。この状態だと、家事関連費計算表からの仕訳の自動転送でエラーが起きます。出典:ソリマチ サポート情報「Q.家事関連費計算表 仕訳転送時エラー」

この章のチェックリスト

07

固定資産・減価償却

固定資産では、少額減価償却資産の基準額が2026年4月1日(令和8年4月1日)から変わったこと、古い資産の5年均等償却の設定、端数処理を変えたときの反映漏れが、よくあるつまずきです。この章ではこの3点を中心に扱います。一括償却資産、除却・売却、償却資産申告(固定資産税)の会計王での具体的な操作手順は、本ガイドの執筆時点で公式ページを確認できなかったため、この章では扱いません。該当する処理を行う場合は、ソリマチのサポート窓口または最新の公式案内を確認してください。

まず全体像:固定資産を登録するときに確認する3点

固定資産の登録でつまずく原因の多くは、取得日によって基準や設定が変わる項目を、以前と同じ感覚で登録してしまうことです。新しく資産を登録するときも、古い資産を見直すときも、次の3点を先に確認すると、あとから金額のズレに気づいて登録をやり直す手間を減らせます。

CHECK1は新しく資産を取得したとき、CHECK2とCHECK3は既存の資産を見直すときに特に確認したい点です。それぞれの詳しい症状と操作は、このあとの項目で説明します。

07-01少額減価償却資産の基準額は、30万円未満か40万円未満か#

頻出制度改正

よくある症状

中小企業者等が使える少額減価償却資産の特例について、基準額が「取得価額30万円未満」と書かれた資料と「取得価額40万円未満」と書かれた資料があり、どちらが正しいのか迷います。

原因

  • 少額減価償却資産の特例は、本来なら耐用年数にわたって少しずつ費用にする固定資産を、取得した年に取得価額の全額を損金算入(費用処理)できる特例です。基準額を超えると、この特例は使えず、通常の減価償却(複数年に分けて費用にする処理)になります。
  • この特例の基準額は、資産の取得日によって異なります。
  • 令和8年度税制改正により、2026年4月1日(令和8年4月1日)以後に取得する資産から基準額が引き上げられ、あわせて適用期限も3年延長されました。

正しい操作

  1. 固定資産の取得日を確認し、下の表でどちらの基準額に当てはまるかを確認します。
  2. 自社が対象法人の条件(常時使用従業員数)に当てはまるかを確認します。
  3. 基準額以下でも、年間合計限度額300万円を超える部分には特例を使えません。年間の取得金額の合計もあわせて確認します。
  4. 「管理」から「減価償却資産登録」で登録する際は、取得日と取得価額の両方から、少額減価償却資産として処理してよいかを判断します。
取得日基準額年間合計限度額対象法人(常時使用従業員数)
〜2026年3月31日(令和8年3月31日)取得価額30万円未満300万円500人以下(特定法人は300人以下)
2026年4月1日(令和8年4月1日)〜取得価額40万円未満300万円400人超の法人を除外

出典:国税庁No.5408「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」「令和8年度法人税関係法令の改正の概要」

制度・法令

会計王が取得日に応じて基準額を自動判定するかどうかは、本ガイドの執筆時点で確認できていません。登録する際は、取得日と取得価額の両方を自分で確認してください。

07-02平成19年3月31日以前取得の資産で、5年均等償却が始まらない#

頻出制度改正設定ミス

よくある症状

2007年3月31日(平成19年3月31日)以前に取得した「償却済み」の資産なのに、5年間で1円(備忘価額)まで均等償却されるはずの処理が始まりません。

原因

  • 5年均等償却が始まる条件は、「限度残存額」が「割合5%」、または「金額(取得価額の5%、円未満切り捨て)」に設定されていることです。
  • 「限度残存額」が「円未満切り上げ」で設定されていると、5年均等償却は始まりません。

正しい操作

  1. 「管理」から「減価償却資産登録」を開き、対象の資産をダブルクリックします。
  2. 「限度残存額」の設定を確認します。「割合」なら5%になっているか、「金額」なら円未満切り捨てで正しい金額になっているかを確認します。
  3. 「5年均等償却」にチェックが入っているかを確認し、普通償却額の計算式を確認します。
  4. 必要に応じて、「詳細」タブで期首帳簿価額を修正します。
対象資産の登録画面で、この「5年均等償却」にチェックが入っているかを確認します。出典:ソリマチ サポート情報「Q.減価償却費の円未満の端数処理方法を変更する方法」
「割合」で設定した場合の計算式の例です。5%になっているかをここで確認します。出典:ソリマチ サポート情報「Q.減価償却費の円未満の端数処理方法を変更する方法」

コツ

限度残存額は「割合」と「金額」のどちらでも5年均等償却を始められますが、「金額」で設定する場合は円未満を切り捨てた金額を入力する必要があります。切り上げてしまうと条件を満たさず、均等償却が始まりません。

07-03データをコンバートしたら「5年均等償却」のメッセージが出た#

制度改正設定ミス

よくある症状

旧バージョンからデータをコンバートしたあと、初回起動時や次年度更新のあとに、5年均等償却に関するメッセージが表示されました。対応が必要かどうか分かりません。

原因

  • このメッセージは、平成19年3月31日以前取得の「償却済み」資産(旧定率法または旧定額法で1円まで償却済みの資産)を、5年間で均等償却する制度に対応するために表示されます。
  • 法人データはこのメッセージのあと、対象資産が一括で自動設定されます。個人データは強制的に5年均等償却の対応になります。

正しい操作

  1. 法人データでメッセージが表示された場合は、案内に従って一括設定を進めます。
  2. 個人データは自動的に5年均等償却の対応になるため、この時点での追加の操作は必要ありません。
  3. 一括設定のあと、「管理」から「減価償却資産登録」で対象資産の限度残存額の設定が正しく反映されているかを確認します。確認方法はこの章の前の項目で説明したとおりです。
法人データの場合、初回起動時にこのようなメッセージが表示され、対象資産が一括で自動設定されます。出典:ソリマチ サポート情報「Q.減価償却費の円未満の端数処理方法を変更する方法」
個人データの場合のメッセージです。法人データとは案内文が異なり、個人データは強制的に対応となります。出典:ソリマチ サポート情報「Q.減価償却費の円未満の端数処理方法を変更する方法」

07-04減価償却費の端数処理方法を変えたのに、一部の資産に反映されない#

頻出残高・金額ズレ設定ミス

よくある症状

減価償却費の円未満の端数処理方法(切り上げ・切り捨てなど)を変更したのに、登録済みの一部の固定資産だけ、古い端数処理のままの金額で計算され続けます。

原因

  • 変更前から登録されていた資産は、端数処理方法を変更しても自動では新しい方法で再計算されない仕様です。
  • 「期末残高繰越処理」を実行しても、変更前に追加した固定資産には反映されないケースがあります。

正しい操作

  1. STEP1 端数処理方法を変更する

    「管理」から「減価償却資産登録」を開き、機能ボタンから端数処理方法を変更します。

  2. STEP2 期末残高繰越処理を実行する

    「導入」から「期末残高繰越処理」を開き、「減価償却資産情報を繰り越す」にチェックを入れて実行します。

  3. STEP3 再計算結果を確認する

    「管理」から「減価償却資産登録」で、各資産の再計算後の金額を確認します。

  4. STEP4 反映されない資産があれば耐用年数で再計算させる

    STEP3でも反映されない資産(端数処理変更前に追加した資産など)は、対象資産の耐用年数を一旦別の値に変更していったん確定し、そのあと元の耐用年数に戻します。この操作で端数が強制的に再計算されます。

端数処理方法は、この機能ボタンから変更します。変更後はSTEP2の期末残高繰越処理へ進みます。出典:ソリマチ サポート情報「Q.減価償却費の円未満の端数処理方法を変更する方法」
期末残高繰越処理でも反映されない資産は、この耐用年数の変更操作で端数を再計算させます。出典:ソリマチ サポート情報「Q.減価償却費の円未満の端数処理方法を変更する方法」

コツ

耐用年数の変更で再計算させる方法は、公式に案内されている回避策です。正式な再計算の流れはSTEP1からSTEP3であり、STEP4はそれでも反映されない資産に対する最後の手段だと理解しておいてください。

この章のチェックリスト

PART 4
第4部 帳票・決算・更新

集計と帳票、決算書、次年度更新。

08

集計・帳票(試算表・推移表・PDF出力)

会計王には、合計残高試算表や元帳、月次残高推移表、貸借損益構成図など、経営状況を数字で確認するための集計・分析機能が数多く用意されています。この章では、これらの帳票の集計期間の考え方や見方、「思ったとおりの数字にならない」ときのよくある原因と、帳票を印刷やPDFで出力する方法を中心に扱います。月次の試算表を顧問先に共有する経理担当者や会計事務所の職員にとっても、日常的に使う内容です。

まず全体像:集計と分析、それぞれの帳票の役割

「集計」のメニューには勘定科目ごとの残高を確認する帳票が、「分析」のメニューには期間の推移や構成を確認する帳票が並んでいます。日々の仕訳を入力したあとは、次の順番で数字を確認していく流れになります。

メニュー確認できることくわしくは
合計残高試算表(集計)勘定科目ごとの繰越・借方・貸方・残高・構成比この章の1
元帳(帳簿)勘定科目ごとの個別の仕訳この章の2
月次残高推移表(分析)月別の残高・発生額の推移とグラフこの章の3・4
貸借損益構成図(分析)貸借対照表・損益計算書の構成を年次または月次のグラフで確認この章の5
摘要別集計表(集計)摘要に入力したキーワード単位の金額集計第5章の該当項目
電子帳票(PDF)出力各集計画面の帳票をPDF形式で出力この章の6

このほか、「集計」には「日計表」「日次合計元帳」「摘要損益集計表」「部門別実績集計表」「予算実績管理表」が、「分析」には「連続5期経営分析」「損益分岐点分析」「比較財務諸表」「過去決算内容登録」があります。目的に合わせて選んでください。

「集計」から開ける帳票の一例(摘要別集計表)です。摘要ごとに現金・普通預金・売掛金・売上高などの金額が集計されます。出典:ソリマチ サポート情報「Q.帳票をPDFファイル形式で出力する方法」
「分析」から開ける帳票の一例(連続5期経営分析)です。複数期間の数字を並べて比較できます。出典:ソリマチ サポート情報「Q.帳票をPDFファイル形式で出力する方法」

08-01合計残高試算表の「繰越」「構成比」の意味が分からない・内訳が出てこない#

頻出設定ミス

よくある症状

「合計残高試算表」を開いたものの、「繰越」「構成比」など欄の意味が分からず、数字をどう読めばいいか迷います。取引先や部門ごとに補助科目を設定しているのに、内訳が一覧に出てこないこともあります。

原因

  • 「繰越」「借方」「貸方」「残高」「構成比」の各欄は、それぞれ意味が決まっています。意味を知らないまま見ると、繰越残高と当期の発生額を取り違えることがあります。
  • 補助科目ごとの内訳は、「補助同時表示」にチェックを入れないと表示されない仕様です。

正しい操作

  1. 「集計」から「合計残高試算表」を開き、確認したい集計期間を指定します。
  2. 下の一覧を参考に、各欄の意味を確認しながら数字を読みます。
  3. 取引先や部門ごとの補助科目を設定している場合は、「補助同時表示」にチェックを入れます。勘定科目の合計に加えて、補助科目ごとの内訳が並んで表示されます。
繰越
その期間の期首時点の残高です。
借方・貸方
その期間中に発生した、借方・貸方それぞれの金額の合計です。
残高
繰越に借方・貸方を加減した、期末時点の残高です。
構成比
その科目が、貸借対照表や損益計算書の中でどのくらいの割合を占めるかを示す数字です。
合計残高試算表などの集計画面には、入力した仕訳の内容がリアルタイムに反映されます。日々の入力を終えたら、この画面で数字を確認します。出典:ソリマチ サポート情報「Q.帳票をPDFファイル形式で出力する方法」

元帳とあわせて確認する

合計残高試算表の数字のもとになっている個別の仕訳を確認したいときは、「帳簿」の「元帳」で科目を指定して確認します。元帳の絞り込み方はこの章の次の項目で、売掛金・買掛金の残高照合での使い方は第5章の該当項目で説明しています。

08-02元帳を開くと仕訳が多すぎて、見たい月の内容を探しにくい#

設定ミス

よくある症状

「元帳」を開くと、指定した科目のすべての期間の仕訳がまとめて表示され、確認したい月の仕訳を探すのに時間がかかります。

原因

  • 元帳は、勘定科目と期間(月タブ)を指定して絞り込む仕様です。期間の指定を「全期間」のままにしていると、件数の多い科目では目的の仕訳を見つけにくくなります。

正しい操作

  1. 「帳簿」から「元帳」を開きます。
  2. 確認したい勘定科目を指定します。現金や普通預金など、件数の多い科目ほど絞り込みの効果が大きくなります。
  3. 月タブで対象の月を選びます。特定の月だけを確認したいときは該当月のタブを、期首からの状況をまとめて確認したいときは「全期間」を選びます。

元帳は、合計残高試算表の数字のもとになっている個別の仕訳を1件ずつ確認する画面です。売掛金・買掛金の残高照合で元帳を使う具体的な流れは、第5章の該当項目で説明しています。

08-03月次残高推移表で、貸借対照表の「累計計算」が見当たらない・効かない#

頻出設定ミス

よくある症状

「月次残高推移表」で貸借対照表を選ぶと、「累計計算」のチェックボックスが見当たらない、またはチェックを入れても表示が変わりません。損益計算書のときは切り替えられるのに、貸借対照表だけ動きが違うため、不具合ではないかと不安になります。

原因

  • 「累計計算」の切替に対応しているのは、損益計算書・製造原価報告書だけです。
  • 貸借対照表はストック情報(残高そのもの)を表すため、累計計算の切替自体が仕様上ありません。

正しい操作

  1. 貸借対照表の残高は、もともとその時点までの累計の残高を表しています。「単月」と「累計」を切り替える必要がない仕様だと理解します。
  2. 単月の増減を知りたい場合は、月次残高推移表で隣り合う月の残高を見比べます。
  3. 中間決算の設定をしている場合は、「中間決算」列が追加で表示されます。中間決算仕訳そのものの入力方法や注意点は、第9章の該当項目で説明しています。
貸借対照表を選んでいるときの金額は期末時点の残高(累計)、損益計算書を選んでいるときの金額は指定した期間の発生額です。同じ画面でも意味が違う点に注意します。出典:ソリマチ サポート情報「Q.帳票をPDFファイル形式で出力する方法」

08-04月次残高推移表は数字が並ぶだけで、増減の動きが分かりにくい#

設定ミス

よくある症状

月次残高推移表を開いても、月ごとの数字が表で並ぶだけで、主要な科目がどう増減しているのか、ぱっと見て分かりません。

原因

  • 月次残高推移表には、選んだ科目を自動でグラフ化する機能がありますが、初期表示では数字の一覧しか見えていないことがあります。

正しい操作

  1. 「分析」から「月次残高推移表」を開きます。
  2. グラフにしたい科目にチェックを入れます。選べる科目は最大10科目です。
  3. チェックした科目の月別の推移が、自動でグラフとして表示されます。

補助科目を設定している場合は、「補助同時表示」「補助明細」のボタンから、科目の内訳もあわせて確認できます。

グラフにしたい科目には、この画面でチェックを入れます。出典:ソリマチ サポート情報「Q.帳票をPDFファイル形式で出力する方法」
チェックした科目の推移が、このように自動でグラフになります。数字の一覧だけでは気づきにくい増減を確認できます。出典:ソリマチ サポート情報「Q.帳票をPDFファイル形式で出力する方法」

08-05貸借損益構成図の過年度の数値が0円のまま表示される#

頻出設定ミス

よくある症状

「貸借損益構成図」で過去の年度を見ると、グラフの数値が0円のまま表示されます。

原因

  • 会計王を導入する前の年度の実績データは、自動では登録されません。

正しい操作

  1. 「分析」から「過去決算内容登録」を開きます。
  2. 導入前の年度の実績を、科目別・月別に手入力します。登録できるのは、導入前年度以前4年度分までです。
  3. 登録後にあらためて「貸借損益構成図」を開くと、過年度の数値が反映されます。

貸借損益構成図で見られること

貸借対照表・損益計算書・製造原価の数値を、5年間の年次推移、または月次推移のグラフで確認できます。

08-06帳票をPDFで出力したい・PDFにパスワードを付けたい#

頻出

よくある症状

作成した帳票を、紙ではなくPDFファイルで保存したい、またはメールで送るPDFにパスワードを付けて保護したいです。紙に印刷するボタンとの違いも分かりにくく感じます。

原因

  • 各集計画面の「印刷」ボタンからは、紙への印刷とPDF出力の両方を選べる仕様です。PDFにする場合は「電子帳票(PDF)」を選びます。
  • 出力先やパスワードなどのセキュリティ設定も、この「電子帳票(PDF)」の画面でまとめて行います。

正しい操作

  1. STEP1 電子帳票(PDF)出力を開く

    合計残高試算表などの集計画面で、「印刷」から「電子帳票(PDF)」ボタンを選びます。

  2. STEP2 出力先を指定する

    保存するフォルダとファイル名を指定します。ソリマチ安心データバンクへの保存を選ぶこともできます。

  3. STEP3 出力後の動作を選ぶ

    出力したPDFを開く、メールで送信する、フォルダを開く、何もしないのいずれかを選びます。

  4. STEP4 セキュリティを設定する

    パスワードを付ける場合は、英数字と記号を組み合わせた20文字以内のパスワードを設定します。目次代わりの「しおり」を付けることもできます。

パスワードを付けるとき

取引先や顧問先にメールでPDFを送る場合は、パスワードを本文とは別の手段で伝えると安全です。

この章のチェックリスト

09

決算・年次更新(決算仕訳・電子申告・次年度更新)

この章では、決算仕訳・中間決算仕訳の入力方法、決算書や消費税申告書の作成、電子申告、そして次年度更新(期末残高繰越処理)までの流れを扱います。年に一度しか行わない操作が多く、仕様を知らないまま進めると、試算表の数字や次年度のデータに影響することがあります。自社で決算まで行う経営者・経理担当者はもちろん、複数の顧問先のデータを扱う会計事務所の職員にとっても、年に一度は必ず通る作業です。

まず全体像:決算から次年度更新までの流れ

決算の作業は、仕訳の入力から次年度更新まで、おおむね次の順番で進みます。

09-01中間決算仕訳を入力したのに、試算表や元帳の翌月繰越残高に反映されない#

頻出

よくある症状

中間決算仕訳を入力したのに、「合計残高試算表」や「元帳」を見ると、翌月の繰越残高に反映されていません。入力ミスや不具合ではないかと心配になります。

原因

  • 中間決算仕訳(日付欄「14」または取引欄「0中間決算取引」)は、通常の月次の仕訳とは別に扱われる仕様です。
  • 「合計残高試算表」や「元帳」の翌月繰越残高には、中間決算仕訳の金額が含まれません。

正しい操作

  1. 入力した仕訳が、日付欄「14」または取引欄「0中間決算取引」になっているか確認します。中間決算仕訳は、この形式で入力する仕様です。
  2. 「合計残高試算表」や「元帳」の翌月繰越残高に金額が反映されていなくても、仕様どおりの動作です。入力ミスや不具合と誤解しないようにします。
  3. 決算仕訳と中間決算仕訳は、入力欄も繰越残高への含め方も異なります。下の一覧であわせて確認しておきます。
決算仕訳
日付欄に「13」、または取引欄に「9決算取引」を指定して入力します。
中間決算仕訳
日付欄に「14」、または取引欄に「0中間決算取引」を指定して入力します。「合計残高試算表」「元帳」の翌月繰越残高には含まれません。

月次残高推移表との関係

中間決算の設定をしていると、月次残高推移表に「中間決算」列が追加で表示されます。あわせて第8章の該当項目もご確認ください。

09-02中間決算仕訳を入力しようとしても、日付欄や取引欄で選べない#

設定ミス

よくある症状

中間決算仕訳を入力しようとしても、日付欄や取引欄に「14」や「0中間決算取引」の選択肢がそもそも出てきません。

原因

  • 中間決算を行うには、事前に「中間決算をする」設定を有効にする必要があります。この設定をしていないと、中間決算仕訳を入力する選択肢自体が表示されません。
  • 「中間決算をする」の設定は、法人データのみが対象です。

正しい操作

  1. 「導入」から「事業所・消費税情報設定」を開きます。
  2. 「その他」タブの「運用方法」欄で、「中間決算をする」にチェックを入れます。
  3. 設定後、あらためて仕訳入力画面を開き、日付欄「14」または取引欄「0中間決算取引」を指定します。

決算仕訳(日付欄「13」または取引欄「9決算取引」)は、この設定がなくても入力できます。選べないのは中間決算仕訳だけです。

09-03決算のときに、どの書式を選べば必要な決算書・申告書がそろうか分からない#

設定ミス

よくある症状

決算のときに、貸借対照表や損益計算書のほかにどんな書式を印刷すればよいのか、消費税申告書まで会計王だけで作れるのかが分かりません。

原因

  • 決算書は、表紙・貸借対照表・損益計算書・製造原価報告書・株主資本等変動計算書・注記表など、複数の書式から必要なものを選んで印刷する仕様です。
  • 消費税申告書は、原則課税・簡易課税のどちらの方式にも対応しています。

正しい操作

  1. 「決算」のメニューから、決算書の印刷画面を開きます。
  2. 自社の規模や形態に必要な書式(貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書、株主資本等変動計算書、注記表など)を選びます。
  3. 消費税の申告が必要な場合は、消費税申告書の作成画面で、自社が採用している方式(原則課税または簡易課税)を選んで作成します。
必要な書式を選んで決算書を印刷できることを紹介しているイメージです。出典:ソリマチ サポート情報「Q.他の事業所や年度のデータを選択する方法」
原則課税・簡易課税のどちらの方式でも、消費税申告書を作成できることを示す画面です。自社の方式に合わせて選びます。出典:ソリマチ サポート情報「Q.終了時の自動保存(バックアップ)先の設定を変更する場合」

09-04個人事業者ですが、青色申告決算書や白色申告の収支内訳書は会計王で作れるか#

設定ミス

よくある症状

個人事業者ですが、青色申告決算書や、白色申告の収支内訳書を会計王で作れるかどうかが分かりません。

原因

  • 会計王は、青色申告決算書(一般用・不動産所得用)と、白色申告の収支内訳書の両方に対応しています。

正しい操作

  1. 「決算」のメニューから、青色申告決算書(または収支内訳書)の作成画面を開きます。
  2. 事業の内容に合わせて、一般用または不動産所得用の書式を選びます。
  3. 白色申告の場合は、収支内訳書を選んで作成します。
一般用・不動産所得用の青色申告決算書と、白色申告の収支内訳書のどちらにも対応していることを示す画面です。出典:ソリマチ サポート情報「Q.終了時の自動保存(バックアップ)先の設定を変更する場合」
白色申告の収支内訳書(一般用)の出力例です。売上金額や経費の内訳が、あらかじめ決められた様式の項目ごとに印字されます。出典:ソリマチ サポート情報「Q.終了時の自動保存(バックアップ)先の設定を変更する場合」

09-05「みんなの電子申告」で、ID・パスワード方式のまま電子申告を完結できない#

頻出

よくある症状

「みんなの電子申告」を使おうとしましたが、ID・パスワード方式では電子申告まで完結できませんでした。

原因

  • 「みんなの電子申告」機能で電子申告まで完結できるのは、マイナンバーカード方式(ICカードリーダライタを使う方式)だけです。
  • ID・パスワード方式の場合、会計王側の対応は、青色申告決算書や確定申告書の作成・印刷までです。この仕様は、会計王22以降などで確認されています。

正しい操作

  1. マイナンバーカードとICカードリーダライタを用意できる場合は、「みんなの電子申告」機能でそのまま電子申告まで進められます。
  2. ID・パスワード方式で申告する場合は、会計王で決算書・確定申告書を作成・印刷したうえで、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にあらためて内容を入力し、電子申告を行います。
  3. どちらの方式を使うかは、マイナンバーカードとICカードリーダライタの準備状況にあわせて、決算の前に決めておきます。

09-06次年度のデータを作りたいが、次年度更新(期末残高繰越処理)で何をすればいいか分からない#

頻出

よくある症状

次年度のデータを作りたいのですが、次年度更新(期末残高繰越処理)で何をすればいいか分かりません。

原因

  • 次年度更新は、「導入」の「期末残高繰越処理」で行う仕様です。
  • この処理には、減価償却資産情報など、繰り越す内容を選ぶチェック項目があります。

正しい操作

  1. 当期の入力がすべて終わっていることを確認します。
  2. 「導入」から「期末残高繰越処理」を開きます。
  3. 「減価償却資産情報を繰り越す」など、繰り越す内容のチェック項目を確認し、実行します。減価償却費の端数処理方法を変更した内容を反映させたい場合も、この処理を経由します。具体的な操作は第7章の該当項目で説明しています。

実務でのおすすめ

会計王の仕様として明記されているわけではありませんが、実務では、次年度更新の前に必ずバックアップを取っておくと安心です。万一、繰り越す内容の選択を誤った場合でも、対応しやすくなります。

「導入」の「期末残高繰越処理」画面です。「減価償却資産情報を繰り越す」「手形情報を繰り越す」など、繰り越す内容をチェックしてから実行します。出典:ソリマチ サポート情報「Q.減価償却費の円未満の端数処理方法を変更する方法」

09-07次年度更新のあとで前期の仕訳を修正したら、次年度側にどう反映すればいいか#

頻出取り消せない操作

よくある症状

次年度更新をしたあとに、前期(更新前の年度)の仕訳の誤りに気づきました。前期のデータを開いて直したのですが、修正した内容を次年度側にどう反映すればいいか分かりません。

原因

  • 他の年度のデータを開くには、「ファイル」の「データ選択」で切り替える仕様です。
  • 前期を修正した内容を、次年度更新後の当期側にどう反映するかについては、本ガイドの執筆時点で会計王の公式な案内を確認できませんでした。

正しい操作

  1. STEP1 前期のデータに切り替える

    「ファイル」から「データ選択」を開き、同じ事業所の前期データを紙のアイコンをクリックして選び、「OK」で切り替えます。切り替え中のデータは、紙アイコンに赤枠が付き、選択できない状態で表示されます。

  2. STEP2 前期データ側で仕訳を修正する

    切り替えた前期データで、該当する仕訳を修正します。

  3. STEP3 当期側への反映方法を確認する

    修正した内容を当期(次年度)側に反映させる会計王固有の手順は、本ガイドの執筆時点で確認できていません。一般的な会計ソフトでは「期末残高繰越処理」を再実行して期首残高に反映させる運用が多く見られますが、これは会計王の仕様としてではなく、一般的な会計ソフトの運用として紹介するものです。実行前に必ずバックアップを取り、当期側で入力済みの仕訳が保持されるかなど、ソリマチのサポート窓口や公式サイトの最新の案内をご確認ください。

複数の事業所を管理している場合

顧問先など他の事業所のデータへの切替も、同じ「データ選択」画面から、フォルダの「+」を展開して行います。会計事務所で複数の顧問先を担当している場合は、切り替え先を間違えないよう、事業所名をよく確認してから仕訳を修正してください。

この章のチェックリスト

PART 5
第5部 運用管理

バックアップと移行、連携製品、エラー。

10

データ管理・移行(バックアップ・データ復元)

会計王のデータは、日々のバックアップと、いざというときのデータ復元があってはじめて安全に運用できます。この章では、バックアップファイルの正しい開き方、保存先を決めるときの考え方、5シリーズ以前からのデータ移行、移行後に古い製品を誤って使ってしまったときの対処までを扱います。データ復元は現在のデータを過去の内容に戻す操作のため、実行前に確認しておきたい点もあわせて説明します。

まず全体像:日々の保存から、いざというときの復元まで

会計王のデータ管理は、大きく「日々のバックアップ」と「必要になったときの復元」の2段階で考えます。

この章の項目の多くは、このSTEP1からSTEP3のどこでつまずくかという視点で並べています。

10-01バックアップファイルをダブルクリックしても開けない#

頻出

よくある症状

保存したバックアップファイルの中身を確認しようとダブルクリックすると、「このファイルを開けません。」と表示され、開けません。ファイルが壊れたのではないかと不安になります。

原因

  • 会計王のバックアップファイルは、複数のファイルを1つにまとめた専用の保存形式です。ExcelやWordの文書のように、ダブルクリックしてそのまま中身を開く仕組みにはなっていません。
  • このメッセージが表示されたこと自体は、ファイルが壊れているという意味ではありません。

正しい操作

  1. 表示されたメッセージは、[キャンセル]または[Esc]キーで閉じます。
  2. バックアップの中身を確認したいときは、会計王を起動してから「ファイル」の「データ復元」を選びます。複数の事業所・年度データをまとめてバックアップしたファイルであれば「一括データ復元」を使います。
  3. データ復元を実行する前に、対象のファイル名や作成日時を確認し、いま開こうとしているデータで間違いないかを確かめます。
バックアップファイルをダブルクリックすると、このように開くプログラムの選択を求められることがあります。ファイルは壊れていません。[キャンセル]で閉じ、中身は「データ復元」から確認します。出典:ソリマチ サポート情報「新製品へデータ移行した後に、誤って旧製品へ仕訳を入力してしまった場合の対処方法」

10-02自動バックアップを設定していたのに、パソコンの故障でデータごと失われた#

頻出設定ミス

よくある症状

終了時の自動バックアップを設定していたはずなのに、パソコンのハードディスクが故障したとき、バックアップファイルも一緒に読み出せなくなってしまいました。

原因

  • 自動保存の保存先を、パソコン内蔵のハードディスク(データ本体と同じドライブ)だけに設定していました。
  • ハードディスクそのものが故障すると、データ本体と同じ場所にあるバックアップも一緒に読み出せなくなります。

正しい操作

  1. ダイレクトメニューの「ファイル」から「環境設定」を開き、「システム」タブで「終了時にデータを保存する」にチェックが入っているかを確認します。
  2. 保存方法(手動/自動)と、過去何日分を保存するかを設定します。
  3. 保存先は、パソコン内蔵のハードディスクだけでなく、USBメモリなどの外部メディア、または「ソリマチ安心データバンク」というクラウドの保存先もあわせて指定します。

注意

パソコン本体と同じ場所にしかバックアップがない状態は、パソコンの故障や盗難のときにデータをまとめて失うおそれがあります。保存先は、パソコン本体とは別の場所にも必ず用意してください。

クラウドの保存先について

「ソリマチ安心データバンク」を利用できる範囲は、契約しているサポート内容によって変わる場合があります。第1章のバリューサポートについての項目もあわせてご確認ください。

10-03「データバックアップ」と「一括データバックアップ」の違いが分からず、対象データを間違えそうで不安#

頻出取り消せない操作

よくある症状

「ファイル」メニューに「データバックアップ」と「一括データバックアップ」の両方があり、どちらを使えばよいか迷います。複数の事業所や年度のデータを扱っているときは、バックアップ・復元の対象を取り違えていないかも心配です。

原因

  • 「データバックアップ」「データ復元」は、現在開いている1つのデータを対象にする機能です。
  • 「一括データバックアップ」「一括データ復元」は、複数の事業所・年度のデータをまとめて対象にする機能です。
  • 事業所や年度のデータを複数管理していると、いまどのデータを開いているか、バックアップ・復元の対象がどれかを見誤りやすくなります。

正しい操作

  1. いま開いている1つのデータだけを保存・復元したいときは「データバックアップ」「データ復元」を使います。
  2. 複数の事業所や年度のデータをまとめて保存・復元したいときは「一括データバックアップ」「一括データ復元」を使います。
  3. 「ファイル」から「データ選択」を開くと、いまどの事業所・年度のデータを開いているかを確認できます。バックアップ・復元の前に、対象のデータ名を確認する習慣をつけてください。
  4. データ復元を実行すると、選んだバックアップを取った時点の内容にデータが戻ります。復元より後に入力した仕訳は残らないため、実行前に本当に復元してよい対象かを確認します。
機能対象になるデータ
データバックアップ/データ復元現在開いている1つの事業所・年度データ
一括データバックアップ/一括データ復元複数の事業所・年度データをまとめたもの

どちらも、対象がどのデータかを確認してから実行することが大切です。特にデータ復元は、対象を取り違えると、必要な仕訳まで古い内容に戻ってしまいます。

バックアップの対象データを選ぶ画面です。実行前に、いま開いているデータ名や年度が正しいかをここで確認します。出典:ソリマチ サポート情報「新製品へデータ移行した後に、誤って旧製品へ仕訳を入力してしまった場合の対処方法」

10-045シリーズ以前の古いデータを最新シリーズに移そうとすると、2件目以降がうまく変換できない#

頻出設定ミス

よくある症状

5シリーズ以前の古い会計王で作ったデータを、データコンバーターで最新シリーズに移そうとしています。1件目は変換できたのに、続けてもう1件変換しようとすると、うまく処理されません。

原因

  • データコンバーターは、旧製品のデータを最新シリーズの形式に変換する専用のツールです。
  • 追加でデータを変換する場合、変換対象のリストがリセットされないと、正しく処理されないことがあります。

正しい操作

  1. STEP1 データコンバーターを準備する

    最新シリーズのインストールCDなどから、データコンバーターをインストールします。フォルダ名は製品によって「AccConvert」「AcpConvert」「AcnConvert」など異なります。

  2. STEP2 コンバートを実行する

    データコンバーターを起動し、「一括で処理する」を選びます。旧製品のインストールフォルダと、変換したデータの作成先フォルダを指定してコンバートを実行します。

  3. STEP3 最新シリーズに取り込む

    最新シリーズを起動してオンラインアップデートを行ったあと、コンバート元の旧製品名(例:会計王10)を選び、データを取り込みます。

  4. STEP4 追加のデータを変換するとき

    続けて別のデータを追加でコンバートする場合は、DropDataList.exeを実行してリストをリセットしてから、あらためてコンバートを行います。

データコンバーターによる移行作業の流れをまとめた図です。準備からデータの取り込みまでの手順を、作業前に一通り確認できます。出典:ソリマチ サポート情報「新製品へデータ移行した後に、誤って旧製品へ仕訳を入力してしまった場合の対処方法」

注意

インストールおよびコンバートの最中は、パソコンの電源を切らないでください。コンバートする旧製品は、あらかじめ終了させておく必要があります。

10-05新しい製品に移行したのに、誤って古い製品に仕訳を入力してしまった#

頻出設定ミス

よくある症状

新しい会計王に移行してしばらく経ってから、パソコンに残っていた古い製品のアイコンを誤って起動し、気づかないまま何件か仕訳を入力してしまいました。

原因

  • データ移行後も、古い製品のデスクトップアイコンやインストールがパソコンに残っていました。
  • 見た目が似ているため、どちらを起動したかに気づかないまま入力を続けてしまうことがあります。

正しい操作

  1. 新しい製品にすでに仕訳を入力しているかどうかで、対処方法が変わります。
  2. 新しい製品にすでに仕訳がある場合は、古い製品側で「簡易振替伝票入力」から該当の仕訳を確認し、「仕訳データ出力」で出力します。新しい製品側では「仕訳データ受入」でその仕訳データを取り込みます。
  3. 新しい製品にまだ仕訳を1件も入力していない場合は、古い製品で「データバックアップ」を作成し、新しい製品側で「データ復元」(新規データを作成して復元する)を行い、会計データ全体を移行し直すほうが簡単です。
  4. 作業が終わったら、古い製品のデスクトップアイコンを削除し、誤って再度起動しないようにします。
旧製品側で「仕訳データ出力」を行う画面です。新しい製品にすでに仕訳がある場合は、該当の仕訳だけをここで出力します。出典:ソリマチ サポート情報「新製品へデータ移行した後に、誤って旧製品へ仕訳を入力してしまった場合の対処方法」
新しい製品側で「仕訳データ受入」を行う画面です。旧製品から出力したデータをここで取り込みます。出典:ソリマチ サポート情報「新製品へデータ移行した後に、誤って旧製品へ仕訳を入力してしまった場合の対処方法」

件数が少ないとき

誤って入力した仕訳が2〜3件程度であれば、出力・受入の操作をせず、新しい製品側に同じ内容を手入力し直す方法でも対応できます。

他社の会計ソフトからの移行、年度版のアップグレードについて

他社の会計ソフトから会計王への移行方法や、5シリーズより新しい年度版どうしのアップグレード(たとえば直近の年度の会計王から最新シリーズへの切り替え)に固有の操作については、本ガイドの執筆時点で確認できる公開ページが見当たりませんでした。移行やアップグレードを検討する場合は、ソリマチのサポート窓口に事前に相談することをおすすめします。ライセンスの登録や追加についても、購入時の案内またはサポート窓口で確認してください。

この章のチェックリスト

11

連携製品(給料王・販売王・達人シリーズ)

会計王は、給料王や販売王などソリマチの他の製品や、外部の専門ソフトと組み合わせて使われることがあります。この章では、公式に案内されている連携先の範囲と、連携と手入力を併用するときに二重計上を防ぐ考え方、クラウドサービスとの関係を扱います。給料王・販売王から会計王への仕訳連携そのものの詳しい設定手順は、本ガイドの執筆時点(2026年9月19日)で確認できる公式ページが見当たらなかったため、確認できた範囲にとどめて説明します。

まず全体像:公式に案内されている連携先

ソリマチの公式サイト「ソリューションのご案内」で確認できる、王シリーズと外部製品・サービスの連携先は次のとおりです。連携先ごとに対象製品が異なるため、自分が使いたい連携がどの製品向けかを、まずここで確認してください。

連携先対象製品主な内容
達人シリーズ(NTTデータ)会計王・会計王PRO・給料王(年調・法定調書のみ)法人税・消費税・所得税・相続税などの税務申告、年末調整、法定調書
レッツ原価管理Go!(株式会社レッツ)会計王建設業向けの原価管理
タイムパック(アマノ株式会社)給料王勤怠管理
PSD労働社会保険(株式会社パシフィックシステム)給料王社会保険の手続き支援
ウェブフリコム販売王・給料王振込代行サービス

会計王と直接組み合わせて使われている製品は、給料王・販売王のほか、上の表の外部サービスです。同じ「王シリーズ」でも、給料王と販売王は会計王とは別売りの製品である点にも注意してください。「連携」という言葉が指す範囲は連携先ごとに異なり、税務申告書の作成に使うデータの受け渡しなのか、仕訳そのものの連携なのかも連携先によって違います。導入前にどちらを期待しているかを整理しておくと、公式ページやサポート窓口への確認もスムーズになります。

11-01給料王・販売王のデータが会計王にどう連携されるのか、具体的な設定方法が分からない#

頻出設定ミス

よくある症状

給料王で給与を計算した内容や、販売王で入力した売上が、会計王に仕訳として自動で反映されると思っていたものの、具体的にどう設定すればよいのか、公式ページを見ても分かりません。

原因

  • 会計王・給料王・販売王は、それぞれ別売りの製品として販売されています。
  • 公式の「ソリューションのご案内」ページで具体的な連携方法が説明されているのは、主に達人シリーズなど外部の専門ソフトとの連携です。給料王・販売王から会計王への仕訳連携そのものの操作手順を説明する公式ページは、本ガイドの調査範囲では見当たりませんでした(未確認)。
  • 会計王には、外部で作成したデータを仕訳として取り込む「仕訳データ出力」「仕訳データ受入」という機能があります。ただしこれは、新旧の製品間でデータを移行する用途として公式に案内されているものであり、給料王・販売王との連携に使われているかどうかは確認できていません。
  • 製品によって連携の仕組みが異なる可能性があるため、給料王・販売王のバージョンや契約状況によって、案内される連携方法が変わることも考えられます。

正しい操作

  1. 給料王・販売王をお使いで、会計王への仕訳連携を設定したい場合は、それぞれの製品のマニュアル、または会員サイト(member.sorimachi.co.jp)で該当のFAQを確認します。
  2. 公開ページの説明だけで分からない場合は、ソリマチのサポート窓口に、使用中の製品名とやりたいこと(例:給料王の給与仕訳を会計王に反映したい)を具体的に伝えて確認します。
  3. 契約しているサポート(バリューサポートなど)の内容によって、確認できる案内の範囲が変わることがあります。契約状況もあわせて確認してください。

注意

この項目は、会計王固有の連携手順を確認できていないため、具体的な設定操作は説明していません。連携を前提に運用を組む前に、必ず公式の案内で仕組みを確認してください。問い合わせの際は、会計王・給料王・販売王のうちどの製品とどの製品を連携させたいのかを、具体的に伝えるとスムーズです。

11-02「達人シリーズ」と連携すれば、給料王のデータをすべて税務申告に使えると思っていた#

頻出設定ミス

よくある症状

達人シリーズとの連携を使えば、給料王で管理している給与関連のデータをまるごと税務申告に使えると思っていたところ、実際には一部の書類にしか使えませんでした。

原因

  • 公式の「ソリューションのご案内」ページによると、達人シリーズとの連携対象製品は会計王・会計王PRO・給料王です。
  • このうち給料王については、連携できる範囲が「年調・法定調書」の作成に限られています。

正しい操作

  1. 達人シリーズで作りたい書類が何か(法人税・消費税の申告書なのか、年末調整・法定調書なのか)を先に確認します。
  2. 給料王のデータを達人シリーズで使いたい場合は、対象が年末調整・法定調書に限られることを踏まえ、それ以外の給与関連の集計は会計王や給料王側の機能で行います。
  3. 連携の詳しい設定方法や対応バージョンは、達人シリーズを提供するNTTデータ、またはソリマチのサポート窓口に確認します。

11-03連携と手入力を両方使っていると、同じ取引を二重に計上してしまわないか不安#

頻出二重計上

よくある症状

給料王・販売王からのデータと、会計王への手入力の両方がある状態で運用していると、同じ取引を二重に仕訳してしまわないか心配になります。

原因

  • 会計王固有の二重計上防止の仕組みや運用方法は、本ガイドの調査範囲では公式ページに見当たりませんでした(未確認)。
  • ソリマチ 会計王の仕様ではありませんが、連携と手入力を併用する仕組み全般に共通する注意点として、連携で取り込み済みのデータを気づかずもう一度手入力してしまう、あるいは連携する期間と手入力する期間が重なってしまう、といったことが二重計上の典型的な原因になります。

正しい操作

  1. ソリマチ 会計王の仕様ではありませんが、実務では、連携で取り込んだ仕訳と手入力した仕訳を、摘要への記載などで区別できるようにしておきます。
  2. 連携する期間と、手入力で対応する期間が重ならないように、あらかじめ担当者間で決めておきます。
  3. 月次で「集計」から「合計残高試算表」を開き、関連する科目の金額が想定と大きくずれていないかを確認します。
  4. 会計王固有の防止機能や設定があるかどうかは、ソリマチのサポート窓口に確認してください。運用のルールは口頭だけでなく、簡単な手順書として残しておくと、担当者が変わっても引き継ぎやすくなります。

NG:連携済みかどうかを確認せずに入力する

  • 給料王・販売王のデータと、手入力した内容の区別がつかない
  • 同じ期間を連携と手入力の両方でカバーしてしまう
  • 試算表を見て初めて金額のずれに気づく

OK:区別と期間の分担を決めておく

  • 連携で取り込んだ仕訳と手入力の仕訳を摘要などで区別する
  • 連携する期間と手入力する期間を担当者間で分担する
  • 月次で合計残高試算表を確認する習慣にする

注意

上の対処方法は、他の連携型ソフト全般に共通する一般的な考え方であり、会計王固有の機能を説明したものではありません。会計王ならではの確認方法があるかどうかは、サポート窓口にお問い合わせください。

11-04会計王とクラウドサービスの関係が分かりにくい#

設定ミス

よくある症状

「クラウド」という言葉を見かけて、会計王のデータが自動でクラウドに保存されたり、ブラウザからも使えたりすると思っていましたが、実際の動作がよく分かりません。

原因

  • 会計王は、パソコンにインストールして使うデスクトップ型のソフトウェアです。
  • バックアップの保存先の1つとして「ソリマチ安心データバンク」というクラウドサービスを選べますが、これはバックアップの保存先の選択肢であり、会計王そのものがブラウザで使えるクラウド会計ソフトになるわけではありません。

正しい操作

  1. 日々の入力・集計は、これまでどおりパソコンにインストールした会計王で行います。
  2. バックアップの保存先として「ソリマチ安心データバンク」を使いたい場合は、「ファイル」から「環境設定」の「システム」タブで設定します。詳しい操作は第10章のバックアップの項目を確認してください。
  3. 電子契約サービス「agree」など、他のクラウドサービスと会計王との直接連携については、本ガイドの執筆時点で確認できる公式情報が見当たりませんでした(未確認)。連携を前提にした運用を検討する場合は、事前にソリマチのサポート窓口に確認してください。
達人シリーズ以外の連携先について、もう少し詳しく

「レッツ原価管理Go!」(株式会社レッツ)は、建設業向けの原価管理に特化したツールで、会計王と連動します。「タイムパック」(アマノ株式会社)は勤怠管理システムで、給料王と連動します。「PSD労働社会保険」(株式会社パシフィックシステム)は社会保険の手続きを支援するサービスで、給料王と連動します。振込代行サービス「ウェブフリコム」は、販売王・給料王と連動します。

これらはいずれも会計王・給料王・販売王とは別会社が提供するサービスです。詳しい連携方法や利用条件は、それぞれの提供元、またはソリマチのサポート窓口に確認してください。自社の業種や、すでに使っている勤怠・原価管理の仕組みと重なっていないかを先に整理すると、どの連携先を検討すべきかが絞り込みやすくなります。

この章のチェックリスト

12

エラー・トラブル(インストール・印刷・ネットワーク)

この章では、会計王のインストール時や印刷時によく表示されるエラーメッセージと、その対処方法を扱います。あわせて、会計王PROのようにネットワークで複数人が同時に使う環境で起こりやすい注意点も整理します。エラーメッセージが表示されたときは、まず表示された文言を正確に確認することが、正しい対処への近道です。同じような表示でも、インストール中に出るものと、日々の操作中や印刷時に出るものとでは原因の探し方が変わるため、この章でもその順序で項目を並べています。

まず全体像:エラーが出たときの確認の順番

エラーメッセージが表示されたら、まず次の順番で確認します。

12-01インストール中に「シリアル番号は不正です。」と表示される#

頻出設定ミス

よくある症状

会計王をインストールする途中、シリアル番号を入力すると「シリアル番号は不正です。」と表示され、インストールが先に進みません。

原因

  • シリアル番号を全角の英数字で入力しています。
  • シリアル番号の入力そのものを間違えています。

正しい操作

  1. 表示されたメッセージで[OK]、続けて[キャンセル]を選び、いったんインストールを中止します。
  2. パソコンを再起動します。
  3. インストールをやり直し、シリアル番号は半角の英数字で「4桁-4桁-5桁-3桁」の形式で入力し直します。
このエラーが出たら、まず[OK][キャンセル]の順で閉じてパソコンを再起動します。再入力は次の画面で行います。出典:ソリマチ サポート情報「Q.部門を削除する方法」
シリアル番号を入力し直す画面です。日本語入力をオフにしてから、半角英数字で入力し直してください。出典:ソリマチ サポート情報「Q.部門を削除する方法」

コツ

シリアル番号の入力欄は、日本語入力がオンのままだと全角になりやすい箇所です。入力する前に、日本語入力をオフにしてから半角で入力してください。製品パッケージやダウンロード時のメールに記載されたシリアル番号を、コピーして貼り付ける場合も、書式が全角になっていないかをあらためて確認すると安心です。

12-02インストール中に「前回のセットアップ、または他のアプリケーション処理が完了していない可能性があります」と表示される#

頻出設定ミス

よくある症状

CD-ROMなどからインストールを始めると、「前回のセットアップ、または他のアプリケーション処理が完了していない可能性があります」というメッセージが表示され、インストールが進みません。

原因

  • 別の関連製品をインストールした際のプログラム更新処理が、完了していない可能性があります。

正しい操作

  1. メッセージで[はい]を選びます。CD-ROMが取り出されるので、パソコンを再起動します。
  2. 再起動後、あらためてインストールをやり直します。
  3. 再起動してインストールをやり直しても同じメッセージが表示される場合は、[いいえ]を選べば、そのままインストールを続行できます。
この画面が表示されたら、まず[はい]を選んで再起動し、インストールをやり直します。出典:ソリマチ サポート情報「Q.部門を削除する方法」
[はい]を選ぶとCD-ROMが取り出されます。取り出されたら、パソコンを再起動してください。出典:ソリマチ サポート情報「Q.部門を削除する方法」

12-03印刷やプレビュー時に「予期せぬエラーが発生しました。」「印刷準備に失敗しました。(CODE:-1)」と表示される#

頻出設定ミス

よくある症状

帳票を印刷、またはプレビューしようとすると、「予期せぬエラーが発生しました。」または「印刷準備に失敗しました。(CODE:-1)」と表示され、印刷できません。

原因

  • 会計王の印刷機能が使っている「Crystal Reports 2008 Runtime」という部品が、正しく動作していません。
  • この部品がインストールされていない場合や、何らかの理由で壊れている場合に起こります。

正しい操作

  1. STEP1 データをバックアップする

    作業を始める前に、「ファイル」から「一括データバックアップ」を行い、外部メディアに保存しておきます。

  2. STEP2 インストール状況を確認する

    コントロールパネルで、「Crystal Reports 2008 Runtime」がインストールされているかを確認します。

  3. STEP3 再インストールする

    見当たらない場合や動作がおかしい場合は、製品CDまたはダウンロードデータの中の「Maintenance」フォルダから「CRRuntime」フォルダを開き、「CRRuntime_12_0_mlb.msi」を実行してインストールします。

  4. STEP4 動作を確認する

    インストール後、あらためて印刷またはプレビューを行い、正常に表示されるかを確認します。

注意

Crystal Reports 2008 Runtimeは古い印刷用の部品です。会計王のバージョンによっては、これより新しい印刷の仕組みに置き換わっている可能性がありますが、本ガイドの執筆時点では会計王26固有の状況は確認できていません(未確認)。表示される画面や手順名が異なる場合は、サポート窓口に確認してください。

12-04会計王PROで「データベースに接続できません」「排他制御(他のユーザーが使用中)」といったメッセージが出る#

設定ミス

よくある症状

会計王PROを複数のパソコンで使っていると、「データベースに接続できません」「排他制御(他のユーザーが使用中)」といった、ネットワーク特有のメッセージが表示されることがあります。

原因

  • 会計王PROは、データベースにMicrosoft SQL Serverを使用し、複数のパソコンから同じデータへ同時にアクセスする運用を想定した製品です。通常の会計王(ネットワーク非対応版)にはない仕組みです。
  • 会計王PRO固有のエラーメッセージの文言や対処方法は、本ガイドの調査範囲では公式ページに見当たりませんでした(未確認)。

正しい操作

  1. 会計王PROの仕様として確認できたものではありませんが、SQL Serverを使うシステム一般の対応として、データベースの役割を持つサーバー役のパソコンで、SQL Serverのサービスが起動しているかを確認します。
  2. サーバー役のパソコンの電源が入っているか、LANでほかのパソコンと正しく接続できているかを確認します。
  3. 「排他制御」に関するメッセージは、同じデータをほかの利用者がすでに開いて編集中のときに表示されることがあります。ほかの利用者の作業状況を確認します。
  4. 解決しない場合は、表示されたメッセージの文言を正確に控えて、ソリマチのサポート窓口に確認します。

注意

この項目は、会計王PRO固有のエラーメッセージへの対処方法を公式ページで確認できていないため、一般的なデータベース接続の考え方をもとに整理しています。実際のメッセージ文言に応じた正確な対処は、必ずサポート窓口で確認してください。問い合わせの際は、表示されたメッセージの文言に加えて、何台のパソコンで使っているか、いつから発生しているかも伝えると回答が早くなります。

12-05会計王PROを複数のパソコンで同時に使い始めるとき、何に注意すればよいか#

設定ミスプラン・権限

よくある症状

これから会計王PROを事務所内の複数のパソコンから同時に使い始めようとしていますが、何に気をつければよいか分かりません。

原因

  • 会計王PROは、複数のパソコン・複数の事業所での同時運用を想定したネットワーク対応版です。通常の会計王(ネットワーク非対応)とは前提が異なります。
  • 動作環境として、Windows 11対応、CPU・メモリ・ディスプレイ解像度などの条件が案内されています。

正しい操作

  1. データベースの役割を持つサーバー役のパソコンを決め、他のパソコンから利用する時間帯は起動・接続した状態を保ちます。
  2. 会計王PROの仕様として確認できたものではありませんが、実務では、サーバー役のパソコンを終業時にシャットダウンする運用にしている場合、他の利用者が作業中でないかを確認してから行います。
  3. 同じデータを複数人が同時に開いて編集しようとすると、排他制御によって一方が操作できないことがあります。作業を分担するか、時間帯をずらします。
  4. 導入前に、利用するすべてのパソコンが動作環境(Windows 11対応、メモリ4GB以上など)を満たしているかを確認します。

エラーメッセージの早見表

この章で扱ったメッセージを、原因と対処の要点だけまとめました。表示された文言に近いものを探してください。

メッセージ(画面の表示)主な原因対処の要点
「シリアル番号は不正です。」シリアル番号の全角入力、入力ミス再起動後、半角英数字で入力し直す
「前回のセットアップ、または他のアプリケーション処理が完了していない可能性があります」他の関連製品のインストール処理が未完了再起動して再インストール。再発時は[いいえ]で続行してよい
「予期せぬエラーが発生しました。」「印刷準備に失敗しました。(CODE:-1)」Crystal Reports 2008 Runtimeの不具合バックアップ後、CRRuntime_12_0_mlb.msiを再インストール
「データベースに接続できません」「排他制御(他のユーザーが使用中)」会計王PROのネットワーク環境に関する問題(会計王PRO固有の対処は未確認)サーバー役のパソコンの起動・接続状況を確認し、解決しなければサポート窓口に相談する

表内のメッセージは、これまでに公式ページで確認できた表記です。実際の画面の表示とわずかに異なる場合は、表示された文言をそのままサポート窓口に伝えてください。

この章のチェックリスト

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