弥生会計 デスクトップ版と弥生会計 Nextを使う経理担当者・経営者・会計事務所職員向けの実務ガイドです。両製品の選び分けと移行の可否、二重計上が起きる型、2026年の制度変更(インボイス経過措置70%、2割特例の終了、少額減価償却資産40万円)、繰越とバックアップのチェックリストをまとめ、製品別ページへ案内します。
デスクトップ版(弥生会計 26・やよいの青色申告 26)とクラウドの弥生会計 Nextについて、実務でよく使う機能のうち多くの人が引っかかるポイントを「よくある症状→原因→正しい操作」で整理しました。どちらを選ぶか、二重計上をどう防ぐか、2026年の制度変更はこのページに、個別の操作は各製品ページにあります。
取込から繰越までのデータの流れ
弥生会計は、デスクトップ版でもNextでも、明細や証憑をどこで受け取り、どう仕訳にして、帳簿と決算につなげるかという流れを同じ考え方で理解できます。まず全体の流れをつかんでおくと、二重計上や繰越でつまずいたときに、どこを確認すればよいか見つけやすくなります。
デスクトップ版は「スマート取引取込」、Nextは「明細ボックス」が取込の入口です。どちらも確定(登録)の操作をするまでは弥生会計の仕訳にならず、確定後に帳簿へ反映され、決算整理を経て翌年度へ繰り越されます。
取込の窓口
呼び名は違っても、確定するまで仕訳にならない点は共通です(デスクトップ 第5章/Next 第3章)。
仕訳と帳簿
確定した明細は仕訳になり帳簿に反映されますが、複合仕訳の入力方法など画面の操作は製品ごとに異なります(デスクトップ 第4章/Next 第4章)。
決算と繰越
決算整理仕訳を入れて決算書を作成したら、翌年度へ繰り越します。繰越後に前年度を直したときの反映方法は、製品ごとに手順が異なります(デスクトップ 第3章/Next 第7章)。
デスクトップとNextの選び分け
デスクトップ版とNextは名前が似ていますが、契約の単位や対応機能が異なる別製品です。すでにどちらかを使っている場合は下の表で機能差を確認し、これから選ぶ場合や乗り換えを検討している場合は、移行できるデータの範囲もあわせて確認してください。
| 比較する項目 | デスクトップ版 | Next | 該当章 |
|---|---|---|---|
| 対象(個人・法人) | 個人(やよいの青色申告等)と法人の両方に対応します | 法人データが前提です(価格ページの表記も法人向けです) | デスクトップ 01/Next 01 |
| 事業所データの単位 | 1本のソフトで複数事業所を切り替えられます | 原則1事業所につき1契約です | Next 01 |
| 部門別の管理・集計 | プロフェッショナル以上のグレードで対応します(スタンダードは非対応) | 対応します(公式の機能比較表ではNext専用として案内されています) | デスクトップ 10 |
| 帳票の出力形式 | Excel・PDF等に対応します | CSV・PDFが中心です(Excel出力はありません) | Next 01 |
| 決算添付書類・電子申告 | 勘定科目内訳書等やe-Tax・XBRL書き出しに対応します(プロフェッショナル以上) | 対応範囲は限定的です(達人シリーズ等の外部ソフトとの連携が前提です) | デスクトップ 11/Next 07 |
| データの移行 | Nextからの移行を受け入れられます。範囲は仕訳データと期首残高データのみで、法人データに限られます | デスクトップ版/弥生会計オンラインからの移行を受け入れられます | Next 09/Next 09 |
注意
弥生の公式な機能比較表では、部門管理をNext専用の機能として案内しています。ただしデスクトップ版でも、弥生会計26プロフェッショナル以上のグレードには部門別の管理・集計機能があります。比較表だけを見て、デスクトップにはない機能と判断しないよう注意してください(デスクトップ 第10章)。
デスクトップとNextの間でデータを移行できますが、範囲は仕訳データと期首残高データに限られます。Nextから戻せるのは法人データのみで、個人事業主のデータ(やよいの青色申告等)は勘定科目体系が異なるため移行できません(Next 第9章)。
二重計上が起きる型
二重計上の多くは、同じお金の動きを2つの入口から仕訳にしてしまうことで起きます。デスクトップ版とNextのどちらでも、取込と手入力、連携製品からの仕訳と手入力が重なったときに起きやすいパターンは共通しています。
| 起きやすい場面 | なぜ二重になるか | どう防ぐか | 該当章 |
|---|---|---|---|
| 取込と手入力 | 取込の反映を待たずに先に手で仕訳を入力し、後から明細も登録してしまいます | 先に手入力した分の明細は「登録しない」(デスクトップ)または「対象外」(Next)にします | デスクトップ 05/Next 04 |
| 弥生給与との連携と手入力 | 給与の仕訳を連携しているのに、銀行の振込明細からも給与を経費として登録してしまいます | 振込明細は預り金・未払金の決済として登録します | デスクトップ 09/デスクトップ 16 |
| 弥生販売の仕訳転送と手入力 | 仕訳転送ボタンで自動連携されているのに、同じ売上・仕入を個別にも入力してしまいます | 転送済みの仕訳の有無を先に確認してから入力します | デスクトップ 16 |
| Misocaの請求書データ | Misocaの請求書を仕訳として取り込んだのに、入金明細からも売上として登録してしまいます | 入金明細は売掛金の消込として登録します | デスクトップ 16 |
| 仕訳データの再インポート | 一度取り込んだ仕訳データを、バックアップを取らずにもう一度インポートしてしまいます(警告は出ません) | インポート前に必ずバックアップを取り、同じデータを二重に取り込みません | デスクトップ 16 |
運用のポイント
取込や連携で仕訳ができる取引は、その入口だけで処理を完結させます。同じ取引を別の入口からも入力しないというルールを徹底すると、二重計上の多くは防げます。
2026年の制度変更と、記帳で確認すること
2026年は、消費税と所得税の両方で記帳に影響する変更があります。基準日は2026年9月19日です。制度の詳細と最新の適用時期は、必ず国税庁等の一次情報でご確認ください。
| いつから | 変わること | 弥生会計で確認すること |
|---|---|---|
| 2026年10月1日(令和8年10月1日)から | 免税事業者等からの仕入れに係る経過措置の控除割合が70%に、適用上限も1億円に変わります | 税区分の設定と、自動仕訳ルールの固定値を見直します(デスクトップ 07/Next 06) |
| 2026年9月30日(令和8年9月30日)を含む課税期間まで | 2割特例が終了します | 次の課税期間の課税方式(本則課税・簡易課税)を検討します(デスクトップ 07/Next 06) |
| 2027年分(令和9年分)と2028年分(令和10年分)の申告 | 個人事業者限定の3割特例が新設されます。法人は対象外です | 対象になるか(個人事業者、基準期間の課税売上高1,000万円以下)を確認します(デスクトップ 07) |
| 2026年4月1日(令和8年4月1日)以後の取得分から | 少額減価償却資産の特例が40万円未満に広がります。対象法人の従業員数要件は400人以下となり、400人を超える法人は対象外です | 固定資産台帳の登録区分と取得日を確認します(デスクトップ 08/Next 07) |
| 2026年12月1日(令和8年12月1日)施行 | 令和8年分の年末調整から、基礎控除や給与所得控除などの取り扱いが変わります | 弥生給与側の対応状況を確認し、記帳側は預り金等の仕訳金額の変化に注意します(デスクトップ 09) |
出典(国税庁):インボイス制度(令和8年度税制改正)/2割特例の概要/令和8年度税制改正特集(3割特例)/令和8年度 主な中小企業税制の見直し/令和8年分の年末調整
毎月・毎年のチェックリスト
つまずきの多くは、月次でここを見ていれば決算や繰越の前に気付けます。チェックした内容はブラウザに保存されます。
毎月チェックリスト
年次更新の前後チェックリスト
よくある質問
繰越をやり直したい
繰越後に前年度のデータだけを直しても、当年度(繰越後データ)にはそのまま反映されません。前年度データを修正したら、次年度更新をやり直します(デスクトップ 第3章)。繰越処理そのものを取り消したい場合、繰り越した年度だけを削除することはできないため、繰越処理前の自動バックアップから復元します(デスクトップ 第3章)。
コンバートしたら旧バージョンで開けない
最新バージョンにコンバート(変換)したデータは、データ形式が変わるため、コンバート前の旧製品では開けなくなります。旧データを扱う可能性がある場合は、コンバート前のデータを別に保存しておきます(デスクトップ 第13章)。
ライセンス認証が通らない
新しいパソコンでライセンス認証をすると「ご購入のライセンスはすべて使用されています。」と表示されることがあります。1台のパソコンに1ライセンスが対応する仕組みのため、まず旧パソコン側で認証を解除します。旧パソコンが使えない場合は、マイポータルからのWeb解除で対応します(デスクトップ 第13章)。
弥生ドライブが使用中で開けない
他のユーザーが使用中の場合や、前回終了時にアップロードが完了する前にソフトを終了した場合に、使用中の表示が出ます。ロックの解除は、必ず最後に使用したパソコンで行います(デスクトップ 第14章)。
Windows 10で使えない
Windows 10は公式サポートが終了しており、弥生会計26シリーズの対応OSはWindows 11のみです。Windows 10のパソコンには新しいバージョンをインストールできません(デスクトップ 第13章)。
取込が二重になる
明細の取込と手入力を両方行ったときや、連携製品からの仕訳と手入力が重なったときに起こります。取込側で処理済みの分は手入力せず、先に手入力した分の明細は「登録しない」(デスクトップ)または「対象外」(Next)にします(デスクトップ 第5章/Next 第4章)。
Nextに移行すべきか
弥生販売と連携した在庫・仕入管理やExcel出力、複数事業所データの一本管理を使っているなら、デスクトップ版の継続が向きます。請求書発行・経費精算・証憑管理をまとめてクラウドで使いたい場合や、複数の担当者が別の場所から同時に入力したい場合はNextが向きます(Next 第1章)。
Nextから弥生会計デスクトップにデータを戻せるか
対応していますが、戻せるのは仕訳データと期首残高データのみで、法人データに限られます。個人事業主のデータ(やよいの青色申告等)は勘定科目体系が異なるため移行できません(Next 第9章)。
公式サポートの入口
困ったときにまず開く、公式のページをまとめました。画面の仕様は変わることがあるため、操作の前に公式の記載をご確認ください。
制度の一次情報
このページについて(情報の基準日・出典・免責)
- 内容は2026年9月19日時点の公式サポート情報と法令に基づきます。画面・仕様・プランは変更されることがあるため、操作の前にリンク先の公式ページで最新の内容を確認してください。
- 本ページは、ジェイスタート会計事務所が独自に作成した解説です。弥生株式会社の公式ページではなく、同社の監修・承認を受けたものではありません。
- 画面画像は、各画像の下に記載した公式サポートのページから、解説に必要な範囲で引用しています(画像の加工はしていません)。画像と記事の著作権は弥生株式会社に帰属します。
- 「弥生」「弥生会計」「やよいの青色申告」「弥生会計 Next」「スマート取引取込」「弥生ドライブ」は、弥生株式会社の商標または登録商標です。
- 税務・社会保険の個別の判断は、顧問の税理士・社会保険労務士または当事務所にご相談ください。
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