ClaudeとGeminiの始め方で迷う経営者は、Google中心ならGemini、文書・資料中心ならClaudeと最初の1本を決め、90日かけて「経営者が試す→型を作る→ルールを決めて社内に広げる」の順で進めると定着しやすくなります。入力しない情報と、人が確認するルールは最初に決めます。
この記事の結論
最初の1本は自社の仕事環境との相性で決め、90日かけて段階的に広げるのが現実的です。効果が出やすいのは文書の下書き・議事録・下調べなどの地味な業務で、金額や税率が関わる経理・税務での使い方は、人の確認を前提に設計します。
- 最初の1本は、Google Workspace中心ならGemini、契約書・提案書など文書や長い資料が中心ならClaude。Microsoft 365中心ならCopilotも候補
- 90日で「経営者が毎日触る→効果が出た業務の手順を固定→ルールを文書化してチームに展開」の順に進める
- 入力しない情報・学習設定・人の確認の3つのルールを、社内に広げる前に決める
- 金額・税率・期限はAIが古い情報で答えることがあるため、国税庁などの一次情報で裏取りする
- 料金は2026年6月時点で1人あたり月20ドル前後が中心。最新の料金は各社の公式サイトで確認する
最初の1本はどう選ぶか
「AIが便利らしいのは分かるが、経営者として何から触ればいいのか分からない」という悩みは珍しくありません。ClaudeとGeminiはどちらも優秀で、どちらを選んでも大きな失敗にはなりにくいのが実情です。決め手は、自社の仕事環境との相性です。

| 自社の仕事環境 | 第一候補 | 理由 |
|---|---|---|
| GmailやスプレッドシートなどGoogle Workspaceが中心 | Gemini | 普段使っているGoogleのサービスと組み合わせて使いやすい |
| 契約書・提案書・長い資料を読む、書く場面が多い | Claude | 長い文書の読み込みや、文章の下書き・要約の場面で候補になる |
| WordやExcelなどMicrosoft 365が中心 | Copilotも検討 | Microsoftの業務ソフトと同じ環境で使える |
3つのサービスの違いはClaude・Gemini・Copilotの比較と導入手順、経理・税務での向き不向きは経理・税務でのClaudeとGeminiの使い分けで詳しく整理しています。いずれも無料で試せるので、まず2週間、毎日5分でも触ってみることをおすすめします。
迷ったときに確認したい4つのこと
- 社内のメール・カレンダー・ファイル共有は、GoogleとMicrosoftのどちらか
- AIに一番任せたい仕事は、メール・文書の下書きか、長い資料の要約か、表の整理か
- 社内で何人が使う予定か、管理者が利用状況を確認できる必要があるか
- 取引先とのやり取りで使うファイルの形式(PDF・Word・スプレッドシートなど)
社内導入の90日ロードマップ
AIの導入でつまずきやすいのは、「全社員で使うように」と号令だけかけて終わるパターンです。経営者が試し、型を作り、ルールを決めてから広げる、という段階を踏むと現場に定着しやすくなります。

| 期間 | やること | ゴール |
|---|---|---|
| 0〜30日 | 経営者自身が毎日触る。メールの下書き・文書の要約・壁打ちの相談 | 自社の業務との相性を、体感で判断できる |
| 31〜60日 | 効果が出た業務を1つ選び、手順(プロンプト)を固定する | 誰がやっても同じ品質で回る「型」ができる |
| 61〜90日 | 機密情報のルールを文書化し、有料プランでチームに展開する | 担当者2〜3人が日常の業務で使っている状態 |
最初の30日を経営者自身がやることに意味があります。トップが使えない道具は現場にも定着しにくく、逆にトップが体感を持っていれば、有料化や対象業務の拡大といった投資の判断が速くなります。
60日目までに決めておくこと
チームに広げる前に、次の4点を決めておくと展開がスムーズです。
- AIを使う業務(最初は1〜2業務に絞る)
- 入力しない情報の一覧
- 有料プランの席数と、利用状況を管理する担当者
- 効果の測り方(例:1件あたりの作成時間、月の作業時間)
北海道の経営でAIが効く場面
効果が出やすいのは、派手な自動化より、地味な文章・整理の業務です。最初は次のような場面から試すと、成果を実感しやすくなります。
| 場面 | AIに任せること | 効果 |
|---|---|---|
| 取引先への文書 | 見積送付状・案内文・お詫び文の下書き | 下書きにかかる時間が減り、文面の質がそろう |
| 会議・打ち合わせ | メモからの議事録化、決定事項の整理 | 記録が残り、言った言わないが減る |
| 補助金・制度の下調べ | 公募要領の要約、自社に関係する条件の抽出 | 読む時間を短縮(申請の判断と要件の確認は、公募要領の原文と専門家で) |
| 採用 | 求人票の文案、面接の質問の設計 | 人手不足への対応の初動が速くなる |
| 経理の下準備 | 請求書の情報の整理、月次資料の説明文の案 | 締め作業の負担を軽減(仕訳の確定は人が確認) |
冬の移動と距離の制約がある北海道では
冬季の移動が制約になる北海道では、「会わずに済む業務の質を上げる」効果も無視できません。文書とオンライン会議の質が上がると、札幌市外や道外との取引でも対応力が変わってくることがあります。
観光・農業・建設など季節で繁閑がある業種は、閑散期に案内文のテンプレートや業務マニュアルをAIで整えておくと、繁忙期の負担を減らせます。
始める前に決める3つのルール
便利さの一方で、ルールなしの展開は事故のもとです。社内に広げる前に、最低限次の3つを決めておきます。
ルール1:入力しない情報を決める
| 区分 | 例 | 扱い |
|---|---|---|
| 入力しない | マイナンバー、口座番号、パスワード、個人名入りの給与データ、従業員の健康情報、取引先から秘密として預かった情報 | どの業務でも入力しない |
| 置き換えれば使える | 取引先とのやり取りの文面、社内の議事録 | 個人名・会社名・金額を伏せてから使う |
| そのまま使ってよい | 公表されている制度の情報、自社の公開済みの案内文、一般的な業務の手順 | 出力は人が確認する |
マイナンバーは、法律で利用できる場面が限られた情報です。従業員の健康診断の結果などは、個人情報保護法の「要配慮個人情報」にあたり、特に慎重な扱いが求められます。取引先と秘密保持契約を結んでいる場合は、契約上AIに入力してよいかも確認します。
ルール2:学習設定を確認する
入力した内容がAIの学習に使われるかどうかは、サービスやプラン、設定によって扱いが異なります。業務で使う前に利用規約と設定画面を確認し、学習に使われない設定やプランを選びます。規約や設定は改定されることがあるため、導入時だけでなく定期的に見直しましょう。
ルール3:人の確認を必須にする
AIの出力をそのまま社外に出さないことを原則にします。とくに金額・税率・期限は、AIがもっともらしく間違えることがある点に注意してください。社外に出す文書は、作成した担当者と承認者の2段階で確認する運用にすると安心です。
ここまで(ツール選び・90日の試行・基本ルール)は自社だけで進められます。経理や税務の業務フローに本格的に組み込む段階、つまり数字の正確性に責任が生じる領域からは、専門家と設計するのが安全です。
経理・税務に使うときの手順と、一次情報での裏取り
経理・税務でAIを使うときは、「AIに下書きや整理を任せ、人が一次情報で確かめて確定する」流れを先に決めておきます。
- 任せる作業を決める請求書の情報の整理、月次資料の説明文の案、公募要領の要約など、最終判断を伴わない作業から始めます。
- 入力するデータを整える個人名や口座番号などを消し、必要な項目だけを渡します。マイナンバーは入力しません。
- 出力を一次情報で確かめる税率・控除額・期限は、国税庁のタックスアンサーや自治体の公式ページで確認します。
- 帳簿への登録は人が行う仕訳の確定、申告書の数字、支払いの承認は、担当者が確認してから行います。
- 元のデータを保存するメールやネットで受け取った請求書・領収書は、AIで整理した後も元のファイルを電子取引のデータとして保存します(2024年1月1日以後は義務)。
特に注意したいのは、制度が最近変わった項目です。AIは、改正前の古い情報をもとに答えることがあります。
| 項目 | 2026年10月時点の正しい扱い |
|---|---|
| 免税事業者からの仕入れの経過措置 | 2026年10月1日〜2028年9月30日は仕入税額相当額の70%を控除(それまでは80%。50%になるのは2028年10月1日から) |
| 北海道の最低賃金 | 2026年10月1日から時給1,131円(その前は1,075円) |
| 少額減価償却資産の特例 | 2026年4月1日以後の取得は40万円未満が対象(それまでは30万円未満) |
| 所得税の基礎控除(令和8年分) | 合計所得金額に応じて104万円・67万円・62万円などの段階制 |
| 社会保険のいわゆる106万円の壁 | 月8.8万円の賃金要件は、2026年10月1日に撤廃済み |
AIが答えた数字は、出典と基準日をあわせて確認するのが基本です。経理の具体的な使い方は、Claude Cowork 経理活用ガイドで手順ごとに紹介しています。
経理・税務の流れにAIを組み込む段階では、数字を確認する仕組みづくりが欠かせません。自社の業務に合う進め方を、初回無料で確認できます。
無料で相談する最初の30日でやる「毎日5分」メニュー
経営者の最初の30日は、難しいことをやる必要はありません。週ごとにテーマを決めて、毎日5分だけ触ります。
| 週 | テーマ | やること |
|---|---|---|
| 1週目 | 要約 | 長いメールや資料を貼り付けて「3行でまとめて」と頼む |
| 2週目 | 下書き | 返信メールや案内文を「丁寧な調子で下書きして」と頼み、自分で手直しして送る |
| 3週目 | 壁打ち | 「新しい設備投資を迷っている。判断に必要な観点を10個挙げて」のように、考えの整理相手に使う |
| 4週目 | 振り返り | どの仕事で時間が浮いたかをメモし、社内に広げる1業務を決める |
具体例:そのまま使える指示文(プロンプト)
- 議事録:「以下は打ち合わせのメモです。決定事項、宿題(担当と期限)、次回確認事項の3つに整理してください」
- 案内文:「取引先向けに、夏季休業のお知らせを丁寧な文面で200字程度で作成してください。期間は8月13日から16日です」
- 経理の下準備:「以下の請求書の文面から、日付・品目・税抜金額・消費税額・登録番号の有無を表にしてください(取引先名は伏せています)」
コツは、出力の形式(項目・字数・調子)を指定することです。固有名詞や金額を含む内容を入力する場合は、前の章の入力のルールを先に確認してください。指示文の例は、2026年6月時点の各サービスの一般的な使い方に基づいています。
導入コストの全体像:90日でいくらかかるか
90日ロードマップに必要な直接のコストは、最初の30日が無料版で0円、31日目以降に有料版へ切り替えて1席あたり月20ドル前後(2026年6月時点の料金水準)、61日目以降のチーム展開で2〜3席分です。料金はプランや契約期間、為替で変わるため、最新の金額は各社の公式サイトで確認してください。
計算例:90日の直接コストの目安
例えば、31〜60日目は経営者の1席、61〜90日目は3席に広げ、1席あたり月20ドルとした場合です。
- 31〜60日目:20ドル×1席で20ドル
- 61〜90日目:20ドル×3席で60ドル
- 合計:80ドル
円での金額はカードの請求時の為替レートで決まります。仮に1ドル150円で換算すると12,000円で、3か月の総額は1〜2万円台に収まる水準です。
これに対して得られるのは、文書・整理業務の時間短縮です。経営者と担当者の作業が月に数時間ずつ減るだけでも、時給に換算すると利用料を上回ることがあります。大事なのは、90日の終わりに「どの業務で何時間浮いたか」を一度振り返ることです。数字で見えれば、継続・拡大の判断がしやすくなります。
AIの利用料の経理処理
AIサービスの利用料は、支払手数料や通信費など、会社で決めた勘定科目で毎月継続して処理します。海外のサービスの場合は、請求書に消費税が含まれているか、提供事業者がインボイスの登録をしているかによって、仕入税額控除の扱いが変わります。請求書の記載を確認して処理しましょう。
よくある質問
英語が苦手でも使えますか?
問題ありません。ClaudeもGeminiも日本語での指示・回答に対応しており、画面の主な操作も日本語化されています。普段話すとおりの日本語で指示するのが、むしろ品質の高い使い方です。
パソコンが苦手でも始められますか?
始められます。ClaudeもGeminiも、チャット画面に日本語で話しかけるだけで使えます。スマートフォンのアプリから音声入力で試すのも一つの方法です。
費用はどれくらい見ておけばよいですか?
無料版から始められます。有料版は2026年6月時点で1人あたり月20ドル前後が中心で、まず経営者と担当者の2席から始めると費用を抑えられます。最新の料金は各社の公式サイトで確認してください。
社員が勝手に使って情報漏えいしないか心配です
禁止するより、ルールを作って公式に許可するほうが安全です。個人のアカウントで隠れて使われる状態が、最も管理しにくいためです。入力しない情報と、会社として使うサービス・プランを決めて周知しましょう。
導入の相談はどう進めればよいですか?
業種・従業員数・使っているツール(GoogleかMicrosoftか)・困っている業務をお知らせください。当事務所は税務顧問とあわせて、AIの社内導入や経理への組み込みのご相談に対応しており、状況を伺ったうえで90日の進め方の形でご提案します。
まとめ
ClaudeとGeminiの始め方は、自社の仕事環境に合う1本を選び、90日かけて「経営者が試す→型を作る→ルールを決めて展開する」の順に進めるのが近道です。効果が出やすいのは文書の下書き・議事録・下調べなどの地味な業務で、入力しない情報・学習設定・人の確認の3つのルールを先に決めます。経理・税務への本格的な組み込みは、数字を確認する仕組みとあわせて設計しましょう。
札幌の公認会計士・税理士事務所
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- その場でご契約を迫ることはありません
対応:法人の決算・税務顧問/個人事業主の確定申告/相続・贈与・事業承継/融資・資金繰り
出典・参考(公的機関)
本記事は2026年10月時点の法令等に基づく一般的な解説です。個別の状況により取扱いが異なる場合がありますので、実際の申告・手続きは税理士等の専門家にご相談ください。
更新履歴:2026年10月 全面改訂
