マネーフォワード クラウド給与(およびクラウド年末調整・勤怠・社会保険)を使う担当者向けに、実務で引っかかりやすいポイントを症状から引けるようにまとめたガイドです。確定処理の取消で金額が変わる、健康保険料を手入力にすると支援金が狂う、通勤手当の駐車場代が課税になる、時給制の残業手当が1/5になる、勤怠が連携されない、住民税CSVの取込時期、年調過不足税額が反映されないなど、原因と正しい操作を公式サポートへのリンクと画面画像つきで解説します。
締め日グループ、勤怠の連携、通勤手当と残業の計算式、確定処理の取消、社会保険料と子ども・子育て支援金、住民税、年末調整、会計連携まで。給与計算で引っかかるポイントをここから引けます。
1項目=1つのつまずき
見出しは「画面で起きていること」です。検索窓に症状の言葉(例:二重、差額、0円、反映されない)を入れると、該当する項目だけに絞り込めます。画面画像はクリックで拡大できます。
目印(タグ)
- 頻出
- 二重計上
- 残高・金額ズレ
- 制度改正
- 取り消せない操作
- 設定ミス
- プラン・権限
「頻出」は多くの人が引っかかる所、「取り消せない操作」は実行前に確認が必要な所です。タグのボタンで絞り込めます。
- 確定処理を取り消して再確定したら、金額が変わった第6章
- 会社負担分の社会保険料と「定額減税(所得税)」が確定後に直せない第6章
- CSVで一部の項目だけ更新したら、他の項目が初期値に戻ってしまった第3章
- 健康保険料を「手入力」にしたら、介護保険料や子ども・子育て支援金の金額がおかしい第8章
- 2026年4月支給の給与で「子ども・子育て支援金」が意図せず控除された第8章
- 3月分の社会保険料が、想定と違う月の給与から控除される第2章
- 締め日グループを追加したが、不要になっても削除できない第2章
- 通勤手当の「駐車場代」が全額課税になる第5章
- 配偶者を扶養にしたのに、2026年分から源泉徴収税額に反映されない第3章
- 「扶養等の人数」が、登録した扶養家族の人数と合わない第3章
- 「所得税徴収高計算書」をそのまま税務署に提出しようとしてしまう第10章
- 2026年6月4日以前に確定した給与の通勤手当は、金額を再確認する第5章
- クラウド給与に年調過不足税額を取り込もうとしても、対象が出てこない・反映されない第11章
- 勤怠データが連携されない、または別の従業員の勤怠として取り込まれる第4章
- 時給制の残業手当が、想定の1/5程度しか出ない第5章
該当する項目がありません。言葉を短くするか、タグの選択を外してください。
製品の役割分担、事業所・給与規定・従業員の設定。
製品の位置づけとプラン
「マネーフォワード クラウド給与」が担当するのは、毎月の給与・賞与の計算と明細発行です。算定基礎届や労働保険の年度更新はクラウド社会保険、年末調整の申告書回収と年調計算はクラウド年末調整というように、関連する手続きは別製品に分かれ、それぞれと連携する構成になっています。製品どうしの役割分担が分からないままだと、必要な機能を探して時間を使ってしまいます。まず全体の位置づけと、利用料金・確定処理の数え方、権限の種類を押さえておくと、後の章で扱う設定や操作に迷いにくくなります。特に確定処理の対象人数の数え方と、契約プランごとの上限人数は、日々の運用に直結するため最初に確認しておきたい所です。
まず全体像:クラウド給与とまわりの製品
クラウド給与という名前の製品は、給与計算そのものに機能を絞っています。関連する手続きは、次のように別の製品が担当します。
| 製品 | 主な役割 | クラウド給与との関係 |
|---|---|---|
| クラウド給与 | 毎月の給与・賞与の計算と明細発行。 | この使い方ガイドの対象製品です。 |
| クラウド勤怠 | 出退勤の記録と勤怠データの集計。 | 「連携設定」の「勤怠管理」タブから連携し、勤怠データを給与計算に取り込みます。 |
| クラウド社会保険 | 算定基礎届・月額変更届の作成、労働保険の年度更新。 | 標準報酬月額をクラウド給与へ取り込めます。労働保険の設定は第2章、年度更新の考え方は第9章で扱います。 |
| クラウド年末調整 | 従業員からの申告書の回収と年末調整の計算。 | 年調過不足税額をクラウド給与の給与計算に取り込めます。 |
| クラウドマイナンバー | マイナンバーの収集・保管。 | クラウド給与の利用中に利用を開始すると、自動で連携されます。 |
この他に、クラウド経費・クラウド会計・確定申告・人事マスタとも連携できます。連携設定は、左メニューの「連携設定」から、対象サービスごとのタブで行います。使い方ガイドのカテゴリ自体も、「基本設定」「従業員情報の登録・管理」「連携設定」「支払業務」「給与・賞与計算」「帳票の管理」「社会保険料に関する手続き」など、この役割分担に沿って分かれているため、探しものをするときの手がかりになります。
01-01給与計算はできるのに、算定基礎届や年末調整の申告書回収ができない#
よくある症状
クラウド給与の画面をひととおり探しても、算定基礎届や月額変更届を作る機能や、年末調整の申告書を従業員から回収する機能が見当たりません。他の製品に切り替えるべきなのか、設定が足りないだけなのか判断がつきません。
原因
- クラウド給与が担当するのは、給与・賞与の計算と明細発行までです。
- 算定基礎届・月額変更届の作成や、労働保険の年度更新はクラウド社会保険が担当します。
- 年末調整の申告書回収と年調計算はクラウド年末調整が担当し、計算結果である年調過不足税額をクラウド給与に取り込んで使います。
- マイナンバーの収集・保管はクラウドマイナンバーが担当します。クラウド給与を利用中に利用を開始すると自動で連携され、「連携設定」>「マイナンバー」画面に「連携済み」と表示されます。
正しい操作
- 算定基礎届・月額変更届・労働保険の年度更新を作りたいときは、クラウド社会保険を利用します。
- 年末調整の申告書回収や年調計算を行いたいときは、クラウド年末調整を利用します。
- 各製品との連携は、左メニューの「連携設定」から、「勤怠管理」「年末調整」「マイナンバー」などのタブごとに設定します。連携済みかどうかは、各タブの表示で確認できます。
01-02先月と今月で、確定処理の対象人数(従量課金の数え方)が違う#
よくある症状
従業員の人数を増やしていないのに、月によって従量課金の対象人数が変わります。なぜ人数が増減するのか分かりません。
原因
- Web契約の従量課金は、その月に確定処理の対象となった従業員数で数えます。5名までの確定処理は基本料金の範囲内で、6名目以降から確定した人数に応じて加算されます。
- 同一の従業員は、同じ月内に何回確定処理をしても通算1名です。確定処理を取り消して再確定しても、加算はされません。
- 支給額と控除額がどちらも0円の従業員は対象外ですが、控除だけが発生する従業員は対象になります。休職などで給与の支給がなくても、社会保険料などの控除だけが発生していれば、その月の対象人数に含まれます。
- 賞与を支給した人数は、この従量課金の対象人数には含まれません。対象になるのは、あくまで月々の給与計算の対象人数です。
- 確定処理日から数えて支給日が30日以上前の月は、加算の対象外になります。
正しい操作
- 請求対象人数が想定と違うときは、その月に確定処理をした従業員の一覧を確認します。
- 休職者・退職予定者など、支給額が少ない従業員についても、控除だけが発生していないかを個別に確認します。
- 給与計算をやり直すために確定処理を取り消して再確定しても、同一の従業員であれば人数は増えないことを踏まえて確認します。
- 契約から1か月間の無料トライアル期間中は、何名を確定しても従量課金は発生しません。
01-03「スモールビジネスプラン」「ひとり法人プラン」で、給与を確定できない従業員がいる#
よくある症状
従業員が増えたタイミングで、給与計算の確定処理をしようとすると先へ進めなくなりました。エラーの意味が分からず、どのプランに切り替えればよいのかも分かりません。
原因
- 「スモールビジネスプラン」は3名まで、「ひとり法人プラン」は1名までしか確定処理ができないプランです。
- 人数の上限を超えると、それ以上の従業員を確定処理できません。上限は契約プランごとに固定されており、一時的な追加払いなどで超過分だけを確定する仕組みはありません。
正しい操作
- 契約中のプランで確定処理できる人数の上限を確認します。
- 4名以上を確定処理したい場合は、「ビジネスプラン」への切り替えを検討します。
コツ
マネーフォワード クラウドの仕様ではありませんが、実務では、採用予定が決まった時点で上限人数との差を確認し、確定処理の直前になって切り替えが必要と気付くことのないようにしておくと安心です。
01-04従業員のマイナンバーを登録したのに、画面のどこにも表示されない#
よくある症状
「従業員情報」の画面をひととおり見ても、登録したはずのマイナンバーがどこにも表示されません。入力自体が失敗しているのではと不安になります。
原因
- 仕様です。マイナンバーはクラウド給与の画面上には表示されません。
- マイナンバーが表示されるのは、帳票を出力したPDFの印刷画面だけです。
- PDFへの印字には、クラウドマイナンバー側の「マイナンバー管理者」権限が必要です。権限がない場合は、印字自体ができません。
正しい操作
- 「帳票一覧」から対象の帳票(例:退職者の源泉徴収票)を選び、印刷画面を開きます。
- 印刷画面の「マイナンバー出力」で「はい」を選ぶと、印刷用のPDFにマイナンバーが表示されます。
- 印字が選べない場合は、クラウドマイナンバー側で自分に「マイナンバー管理者」権限が割り当てられているかを確認します。
コツ
「帳票一覧」はクラウド給与の左メニューから開けます。マイナンバーの印字が必要な帳票は限られているため、目的の帳票がどれかを先に確認してから操作すると迷いません。
01-05従業員を招待したら、見える画面や操作できる範囲が想定と違った#
よくある症状
招待した従業員に、給与担当者と同じ画面が見えてしまいました。逆に、権限を与えたはずの担当者から、必要な設定画面が見えないと言われることもあります。
原因
- 権限は大きく「全権管理者向けパターン」「給与担当者」「従業員」の3種類に分かれます。「全権管理者向けパターン」はあらかじめ用意された固定のパターンで、編集・削除はできません。
- 「給与担当者」権限には、業務ごとに閲覧・編集の範囲を設定できる「権限パターン」を割り当てられます。「従業員」権限には権限パターンを割り当てられません。
- 権限パターンは、給与計算・賞与計算・社会保険事務・年末調整・従業員情報・基本設定・支払業務といった業務ごとに、閲覧不可・閲覧可・編集可を設定する仕組みです。新しく作ったパターンは、初期値ではすべて「閲覧不可」になっています。
- 各使い方ガイドが対象とするのは、原則として「給与担当者」権限で利用しているお客さまです。
正しい操作
- 招待するときは、メールアドレスと合わせて権限を指定します。CSVで一括招待する場合は、「権限」の列を「給与担当者」に変更すると給与担当者として招待できます。
- 給与担当者が見られる範囲を業務ごとに制限したいときは、権限パターンを作成して割り当てます。新しく作ったパターンは初期値がすべて「閲覧不可」であるため、必要な業務だけを「閲覧可」または「編集可」に変更します。
- 例えば、従業員情報の登録だけを任せたい担当者には、従業員情報を「編集可」にする一方で、給与計算や支払業務は「閲覧不可」のままにするなど、業務の範囲に合わせて組み合わせます。
コツ
権限パターンの追加・割当・削除の具体的な手順は第14章で説明します。ここでは、権限が3種類に分かれていること、新しいパターンは何も見えない状態から始まることを押さえておいてください。
01-06使っている勤怠システムが、クラウド給与と連携できるか分からない#
よくある症状
自社ですでに使っている勤怠システムが、クラウド給与とそのままつながるのかどうかが分かりません。乗り換えが必要なのか、今のまま連携できるのかを事前に確認したいところです。
原因
- 連携の方法には2つの水準があります。APIで直接データを取り込める「API連携対応」のサービスと、CSVファイルを介して取り込む「CSV連携対応」のサービスです。
- API連携対応には、クラウド勤怠、クラウド勤怠Plus、KING OF TIME、ジョブカン勤怠管理、Touch On Time、レコル、勤革時、HRMOS勤怠(旧IEYASU)などがあります。
- CSV連携対応には、ジョブカン、CLOUZA、スマレジ TIME CARD、クロジカスケジュール管理、タブレット タイムレコーダーなどがあります。
- このほかにも、セコムあんしん勤怠管理サービス KING OF TIME Edition(API連携対応)、ちゃっかり勤太くん、保育士バンク!コネクト、クロノスPerformance、勤怠ドライバー、ラクロー(いずれもCSV連携対応)など、対応するサービスは幅広くあります。
- 対応状況はサービスによって異なり、最新の一覧はクラウド給与のFAQで確認できます。
正しい操作
- まず自社が使っている勤怠システムの名前を確認します。
- 対応状況の一覧で、API連携対応かCSV連携対応かを確認します。どちらにも当てはまらない場合は、乗り換えや手入力での運用を検討します。
- 連携する場合は、左メニューの「連携設定」の「勤怠管理」タブから設定します。連携後の取り込みでつまずきやすい点(従業員番号の不一致や、時間の単位の違いなど)は第4章で扱います。
コツ
マネーフォワード クラウドの仕様ではありませんが、実務では、勤怠システムを新しく選ぶ段階であれば、API連携対応のサービスを選んでおくと、CSVの手動アップロードの手間を減らせます。
この章のチェックリスト
事業所・給与規定の設定
クラウド給与で会社単位の情報を設定する画面は、「基本設定」にまとまっています。締め日グループや社会保険料率など、一度決めるとあとから直しにくい設定も多いため、最初にどこで何を設定するのかを把握し、変更したときにいつから反映されるのかを確認しておくことが大切です。この章では、設定を間違えやすい所と、変更が反映されるタイミングを中心に説明します。
まず全体像:事業所の設定はどこで行うか
| 設定画面 | 主な内容 |
|---|---|
| 全般 | 締め日グループ、支払口座、休職・休業種別、従業員の並び順、集計区分設定(部門・職種)、源泉徴収税額の計算方法、所轄税務署の情報など。 |
| 事業所 | 事業所の追加・削除。 |
| 社会保険設定 | 健康保険・厚生年金保険・厚生年金基金の種類と保険料率。 |
| 労働保険設定 | 労災保険・雇用保険の業種とメリット制。 |
| 住民税 | 指定番号の登録。 |
| 年度 | 休日設定、独自休日設定、所定労働時間、月別日数表。 |
これらはすべて画面右上の事業者名から「基本設定」を開き、左側のメニューで切り替えます。対象ユーザーは原則として「給与担当者」権限です。「全般」画面では、このほかに源泉徴収税額の計算方法を「税額表(月額表)を使用する」「電算機計算の特例を使用する」から選べます。また、休職・休業する従業員が出たときのために「休職・休業種別」をあらかじめ登録しておくと(登録上限50件)、対象期間の健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・子ども子育て支援金などを従業員負担分・会社負担分ともに0円で計算する「社会保険料の免除」を、種別ごとに設定できます。
NG:締め日グループを部署や支店ごとに安易に増やす
- あとから統合したくなっても削除できません
- 給与計算・CSVインポート・勤怠データの取り込み・帳票の作成が、グループの数だけ必要になります
OK:締め日・支給日が実際に違う単位だけ分ける
- 同じ締め日・支給日ならまとめて1つのグループで運用します
- 使わなくなったグループは、削除ではなく「有効」のチェックを外して残します
02-01締め日グループを追加したが、不要になっても削除できない#
よくある症状
試しに締め日グループを追加して「更新する」をクリックしたところ、あとから消したくなってもゴミ箱アイコンが表示されず、削除する方法が見つかりません。
原因
- 締め日グループは、「更新する」をクリックした時点でゴミ箱アイコンが非表示になり、削除できない仕様です。
- 締め日グループを分けると、給与計算・給与データのCSVインポート・勤怠データの取り込み・支給控除一覧表などの帳票作成を、締め日グループごとに個別に行う必要があります。分けるほど毎月の作業が増えます。
- 締め日グループの設定項目は、名称・締め日・支給日・銀行休業日の場合の扱い・社会保険料徴収方法・最終給与の翌月に退職者を表示するかどうか・有効の可否からなります。追加のたびにこれらすべてを決める必要があります。
正しい操作
- 締め日グループを追加する前に、本当に締め日・支給日を分ける必要があるかを検討します。
- 使わなくなった締め日グループは削除できないため、「有効」のチェックを外して運用します。
- 追加は「基本設定」>「全般」>「締め日グループ」の「編集」から行います。
02-02締め日グループの「銀行休業日の場合」で「翌営業日」が選べない#
よくある症状
締め日グループの設定で、支給日が銀行休業日にあたった場合の扱いを「翌営業日」にしようとしても、選択肢に出てきません。他の設定項目は選べるのに、なぜここだけ選べないのか分かりません。
原因
- 「支給日」が「当月末日」「翌月末日」「翌々月末日」のいずれかの場合、銀行休業日にあたると変更後の支給日が翌月以降にずれてしまいます。
- このため、月末を支給日にしている締め日グループでは「翌営業日」を選択できない仕様になっています。選べる扱いは「前営業日」と「手動で変更」に限られます。
- 支給日は「5日」「10日」「15日」「20日」「25日」「末日」のいずれかから選ぶ仕組みで、末日以外を選んでいれば制限は受けません。
正しい操作
- 支給日が月末指定のときは、「前営業日」か「手動で変更」を選びます。
- 月末以外の日付(5日・10日・15日・20日・25日)を支給日にしている締め日グループでは、「翌営業日」を選べます。
- 支給日の設定自体を見直す場合は、既存の支給月への影響(次項)もあわせて確認します。
02-03基本設定で締め日・支給日を変えても、給与計算画面が変わらない#
よくある症状
「基本設定」の「全般」で締め日・支給日を変更したのに、「給与計算」画面を開くと以前の日付のままになっています。何度設定し直しても反映されません。
原因
- 締め日・支給日の変更は、変更後に新しく作成する支給月にしか反映されません。
- すでに作成済みの支給月には、自動では反映されない仕様です。公開日も同様に、支給月ごとの個別対応が必要です。
正しい操作
- 作成済みの支給月の締め日・支給日を直したいときは、「給与計算」画面の「メニュー」から「締め日/支給日/公開日の変更」を選びます。
- 対象の支給月がすでに確定済みの場合は、先に確定処理を取り消してから変更します。
- 今後作成する支給月から正しい締め日・支給日にしたい場合は、基本設定側の変更だけで反映されることを確認します。
02-04健康保険の保険料率が自動で入らない、または古いまま変わらない#
よくある症状
健康保険の保険料を計算しても、料率が反映されていない、または以前の料率のまま変わりません。算定基礎届に印字される番号が違うという指摘を受けることもあります。
原因
- 協会けんぽ(「協会管掌事業所」)を選んで保存すると、保険料率は自動で設定されます。
- 健保組合(「組合管掌事業所」)を選んだ場合は、保険料率を自分で直接入力する必要があります。適用開始月が異なる複数の料率は「保険料率を追加」から登録できます。
- 国保組合(「国民健康保険組合」)を選んだ場合は、従業員ごとに固定額を入力します。
- 厚生年金基金の掛金率は自動更新に対応していません。基金から料率変更の通知があったときは、手動で変更する必要があります。
- 健康保険設定の「事業所整理記号」が反映する帳票はありません。月額算定基礎届などに印字されるのは、「厚生年金保険設定」側で設定した事業所整理番号です。混同しやすいので注意します。
正しい操作
- 「基本設定」>「社会保険設定」で、自社が「協会管掌事業所」「組合管掌事業所」「国民健康保険組合」のどれに当たるかを確認します。
- 協会けんぽ以外は、保険料率・掛金率が自動更新されないことを前提に、通知が届くたびに手動で見直します。
- 算定基礎届などの帳票に印字される番号を確認したいときは、健康保険設定ではなく厚生年金保険設定側の事業所整理番号を見ます。
| 健康保険の種類 | 保険料率の決まり方 |
|---|---|
| 協会管掌事業所 | 選択して保存すると自動で設定されます。 |
| 組合管掌事業所 | 直接入力します。適用開始月ごとに複数登録できます。 |
| 国民健康保険組合 | 従業員ごとに固定額を入力します。 |
02-053月分の社会保険料が、想定と違う月の給与から控除される#
よくある症状
標準報酬月額の改定後、新しい保険料がいつの給与から反映されるのかが分からず、控除額が想定とずれます。前年と同じ感覚で処理すると、新旧の料率が混ざってしまうこともあります。
原因
- 新しい料率がどの月の給与に反映されるかは、「社会保険料徴収方法」(当月徴収/翌月徴収)と締め日・支給日の組み合わせによって変わります。例えば「末日締め当月25日支給」と「末日締め翌月25日支給」では、同じ3月でも新旧どちらの料率が適用されるかが異なります。
- 組合管掌事業所の場合は、給与計算を行う時点で登録されている料率で自動的に計算されます。
- 「社会保険料徴収方法」の設定を変更すると、まだ確定していない給与計算に影響します。すでに確定した給与計算を取り消すと、保険料は変更後の徴収方法で計算し直されます。
正しい操作
- 3月支給の給与・賞与を計算する前に、新しい保険料率を設定しておきます。組合管掌事業所は特に、計算時点の登録料率がそのまま使われるため注意します。
- 徴収方法(当月徴収/翌月徴収)と締め日・支給日の組み合わせで、どの月の給与に新料率が反映されるかを事前に確認します。
- 徴収方法自体を変更する場合は、未確定の給与計算に影響することを踏まえてから操作します。
02-06事業所を削除したら、社会保険の設定がすべて消えて復元できなかった#
よくある症状
使わなくなった事業所を削除したところ、社会保険設定・労働保険設定などの情報がすべて消えてしまい、元に戻せません。
原因
- 所属している従業員がいる事業所は削除できません。
- 所属従業員がいない事業所を削除すると、社会保険設定・労働保険設定などのデータがすべて削除され、復元はできない仕様です。
正しい操作
- 事業所を削除する前に、所属している従業員がいないかを確認します。
- 従業員がいる場合は、先に別の事業所へ移動させてから削除します。
- 設定を残しておきたいときは、削除以外の方法(「有効」のチェックを外すなど、他の設定項目にならった運用)を検討します。
注意
事業所と同様に、作成済みの部門を削除・改称した場合も、作成済みの一部帳票に影響することがあります。帳票に反映させたくない場合は、既存の部門を直すのではなく新規に部門を追加する運用を検討します。
02-07住民税の指定番号が登録できない、所得税徴収高計算書に必要な情報が反映されない#
よくある症状
「住民税」画面で指定番号を編集しようとしても登録できません。指定番号CSVをアップロードしてもエラーになることがあります。また、所得税徴収高計算書や法定調書合計表に、所轄税務署や税務署番号の情報が反映されないこともあります。
原因
- 住民税の指定番号を登録するには、先に従業員側(「従業員情報」>「一般情報」>「住民税」)で「納付先市区町村」を設定しておく必要があります。
- 指定番号CSVの【市区町村ID(編集不可)】【市区町村(編集不可)】の列は変更できません。変更してよいのは【指定番号】の列だけです。
- 「全般」画面の「所轄税務署の情報」は、帳票ごとに反映先が異なります。「所轄税務署」は「所得税徴収高計算書」と「所得税徴収高計算書(納期の特例)」に、「署番号」はクラウド年末調整の法定調書合計表・給与支払報告書総括表に、「税務署番号」はこれら4帳票すべてに反映します。
正しい操作
- 指定番号が登録できないときは、まず対象の従業員に「納付先市区町村」が設定されているかを確認します。
- CSVで取り込むときは、編集不可の列を変更せずに、指定番号の列だけを編集します。
- 帳票に税務署の情報が出ないときは、「所轄税務署」「署番号」「税務署番号」のどの項目が、どの帳票に対応するのかを確認したうえで、「全般」画面で入力し直します。
02-08労働保険の料率やメリット制が反映されない#
よくある症状
労災保険料・雇用保険料を計算しても、想定した料率になりません。メリット制を適用しているはずなのに反映されていないこともあります。
原因
- 「労災保険料率用業種」「雇用保険料率用業種」を選択すると、保険料率は自動で反映されます。
- メリット制を使っている場合は、「メリット制(/1,000)」を「適用あり」にしたうえで、料率を自分で入力する必要があります。
- 「労働保険設定」には、このほかに「労働保険番号」「具体的な業務又は作業の内容」「管轄」「事業所番号」といった、年度更新などで使う項目もあわせて登録します。
正しい操作
- 「基本設定」>「労働保険設定」で、労災保険・雇用保険それぞれの業種が正しく選ばれているかを確認します。
- メリット制を適用している場合は、「適用あり」にチェックが入っているか、料率が入力されているかを確認します。
- 労働保険番号や事業所番号など、年度更新に必要な項目もあわせて登録しておきます。年度更新自体の進め方は第9章で扱います。
この章のチェックリスト
従業員の登録
従業員1人分の情報は、扶養家族の状況から振込先口座まで、複数のタブに分かれて登録します。この中でも扶養情報と所得税に関する項目は、2026年(令和8年)分から判定のしかたが一部変わり、CSVによる一括登録・更新は運用を誤ると他の項目まで書き換えてしまいます。この章では、登録・更新のときに特に間違えやすい所を説明します。
まず全体像:「従業員情報」の4つのタブ
従業員1人分の情報は、「従業員情報」画面の4つのタブに分かれています。どのタブに何があるかを先に押さえておくと、探す手間が減ります。従業員を1人だけ追加するときは「従業員の追加/更新」から「1名追加」を選び、必要な情報を入力して保存します。個別の項目をあとから直すときは、従業員名をクリックして該当タブを開き、該当ブロックの「編集」から入力し、「更新する」で確定します。
| タブ | 主な内容 |
|---|---|
| 一般情報 | 基本情報、在籍情報、業務情報、住民税、所得税、扶養情報。 |
| 給与情報 | 支給項目、通勤手当、駐車場等料金支給条件、控除項目、社会保険料、健康保険 / 厚生年金保険、労災保険 / 雇用保険、住民税納付額。 |
| 支払情報 | 振込先の口座情報、給与・賞与それぞれの固定額・残額の支払い方法。 |
| 連携情報 | クラウドマイナンバーの提供状況、他サービスの連携状況、勤怠連携状況。 |
コツ
「業務情報」ブロックの「契約種別」で「役員」を選択した従業員は、労働保険の対象外として扱われます。役員を登録するときは、この設定を忘れないようにします。
NG:配偶者の「扶養区分」だけを見て2026年分も判定する
- 「扶養区分」は、2026年1月1日(令和8年1月1日)以降の給与・賞与では扶養等の人数判定に使われません
OK:「源泉控除対象区分」「同一生計配偶者区分」「配偶者の合計所得金額」で判定する
- 2026年分以降は、この3項目の設定内容を確認します
03-01配偶者を扶養にしたのに、2026年分から源泉徴収税額に反映されない#
よくある症状
「扶養情報」で配偶者を扶養に入れているのに、2026年分の給与・賞与になってから、源泉徴収税額に反映されていないようです。
原因
- 2026年1月1日(令和8年1月1日)以降の給与・賞与からは、配偶者の「扶養区分」は扶養等の人数判定に使用されない仕様に変わりました。
- 配偶者に関する税額への反映は、「扶養区分」ではなく「源泉控除対象区分」「同一生計配偶者区分」「配偶者の合計所得金額」の設定で判定されます。
- 扶養家族を「+扶養追加」で登録するときは、生年月日を入力すると、年齢に応じた扶養人数の判定材料として使われます。配偶者以外の家族も、生年月日を正しく入力しておく必要があります。
正しい操作
- 配偶者の「扶養区分」ではなく、「源泉控除対象区分」「同一生計配偶者区分」「配偶者の合計所得金額」の3項目を見直します。
- 2025年(令和7年)以前からの設定をそのまま使っている場合は、この3項目が従業員ごとに正しく入力されているかを確認します。
- 扶養家族を追加・修正するときは、生年月日も含めて入力に誤りがないかを確認します。
03-02「扶養等の人数」が、登録した扶養家族の人数と合わない#
よくある症状
「従業員情報」に登録した扶養家族の人数と、給与計算に使われる「扶養等の人数」が一致しません。何人分登録しても、想定した人数どおりに反映されないことがあります。
原因
- 「扶養等の人数」は、源泉徴収税額の算定に使う人数であり、単純な登録人数とは考え方が異なります。
- 「扶養区分」「同一生計配偶者区分」は、合計所得金額が要件以下のときに「対象」と判定されます。要件は令和7年分が58万円(令和6年分以前は48万円)、令和8年分以後は62万円です(給与収入だけなら136万円)。所得要件を満たしていない家族は、登録していても扶養等の人数には数えません。
正しい操作
- 扶養等の人数がずれているときは、各家族の「同居区分」「源泉控除対象区分」「扶養区分」「同一生計配偶者区分」「障害者区分」「健保扶養区分」の設定を1件ずつ確認します。
- 所得要件は、その年分の基準(令和8年分以後は合計所得金額62万円以下)で、従業員から聞き取った金額をもとに判定します。
制度
令和8年度税制改正では、扶養親族等の合計所得金額の要件が58万円から62万円に引き上げられ、配偶者特別控除額なども改正されます(令和8年12月1日施行・令和8年分以後の所得税に適用)。クラウド給与での具体的な反映内容は、公式のお知らせで確認してください。年末調整における令和8年分の改正への対応は第11章で扱います。
03-03乙欄・丙欄の従業員で、所得税が計算されない#
よくある症状
税額表区分を「乙」または「丙」にしている従業員の所得税が、0円のまま計算されません。
原因
- 「乙欄」で、従たる給与についての扶養控除等の(異動)申告を提出している場合の計算には対応していません。
- 「丙欄」を選んでいる場合は、日額表による自動計算に対応していないため、所得税は0円になります。賞与も税額表区分が「丙」であれば同様です。
- 「所得税」ブロックには、税額表区分(甲/乙/丙)のほかに、寡婦区分・ひとり親区分・障害者区分・勤労学生区分・未成年者区分・災害者区分・外国人区分・居住者区分もあります。これらの設定が誤っていても、税額が想定と変わります。
正しい操作
- 乙欄・丙欄に該当する従業員の所得税は、システムの外で計算してから、給与計算の画面で金額を直接入力します。
- 税額表区分は、「所得税」ブロックの「編集」から確認・変更します。あわせて、寡婦区分や障害者区分など他の区分も入力に誤りがないか確認します。
03-04介護保険料や子ども・子育て支援金が正しく計算されない#
よくある症状
40歳以上の従業員の介護保険料や、子ども・子育て支援金の金額が、想定と違う金額になります。
原因
- 健康保険料を「手入力で設定」にしているのに、介護保険料や子ども・子育て支援金は「保険料額表を使用する」のままになっていると、正しく連動計算できません。
正しい操作
- 健康保険料を手入力にする従業員は、介護保険料・子ども・子育て支援金も合わせて「手入力で設定」に変更します。
- 手入力にする場合は、あらかじめ手元で計算した金額を入力します。
03-0575歳以上・65歳以上になっても、社会保険料が引かれ続ける#
よくある症状
従業員が75歳(介護保険料は65歳)を過ぎても、社会保険料の控除が止まりません。賞与では固定額の保険料が反映されないこともあります。
原因
- 「社会保険料」を「手入力で設定する」にしている場合、対象年齢に達しても自動では停止しません。
- 固定金額(手入力)の設定は、賞与計算の画面には反映されない仕様です。
- 同じ月に社会保険の資格を取得して喪失する「同月得喪」には対応していません。該当する従業員は、保険料を手入力で設定する必要があります。
正しい操作
- 手入力で設定している保険料は、対象年齢に達したタイミングで、金額を自分で「0」に変更します。
- 賞与の保険料は、給与とは別に固定額の設定が必要かどうかをあわせて確認します。
- 同月得喪に該当する従業員がいる場合は、標準報酬月額の自動計算ではなく手入力で保険料を設定します。
03-06CSVで一部の項目だけ更新したら、他の項目が初期値に戻ってしまった#
よくある症状
従業員情報の一部だけを直すつもりでCSVをアップロードしたら、直していないはずの項目まで変わっていました。通勤手当の設定でエラーになることもあります。
原因
- 登録済みの項目を空欄のままアップロードすると、その項目は初期値で上書きされる場合があります。
- 例えば、締め日グループは一番上のグループ、所属事業所は「本社」、税額表区分は「甲」、居住者区分は「居住者」、従業員区分は「常用」、同一生計配偶者区分は「対象」という初期値に戻ります。
- 「支給条件(通勤手当)」を「出勤日数に応じて支給」にしているのに、「使用勤怠項目(通勤手当)」が空欄や使用不可の項目になっていると、エラーになります。
正しい操作
- 一部の項目だけを更新したいときは、対象の項目だけを編集し、それ以外の列は登録済みの値をそのまま残してアップロードします。
- A列の「Version」と「識別子」の列は変更せずにそのままアップロードします。タイトル行も変更・削除しません。
- 通勤手当を出勤日数に応じて支給する設定にしている場合は、使用勤怠項目が正しく設定されているかもあわせて確認します。
注意
「CSVの中に存在しない従業員(家族/通勤経路)が指定されています。」というエラーが出たときは、最新のCSVをダウンロードし、識別子を変更せずにインポートし直します。「現在利用できないVersionです。」というエラーも同様に、最新のCSVを取り直すことで解決します。
03-07退職した従業員を削除できない、同じ従業員番号で登録し直せない#
よくある症状
退職した従業員を削除しようとしたら削除できませんでした。また、一度退職した従業員が再入社することになり、前と同じ従業員番号で登録し直そうとしたらエラーになりました。
原因
- 給与計算・賞与計算・年末調整を確定している従業員は削除できません。削除すると関連情報がすべて消え、復旧できず、「メンバーの追加・管理」からも削除されるため、慎重な扱いが必要です。
- 再入社の場合は、従業員情報を新しく追加する運用になっており、退職前と同じ従業員番号はそのままでは使えません。
- 退職年月日を後から変更・削除しても、健康保険 / 厚生年金保険や労災保険 / 雇用保険の「資格喪失日」は自動では直りません。
正しい操作
- 確定済みの給与計算・賞与計算・年末調整がある従業員は削除できないことを前提に、削除ではなくログイン権限の失効で対応します。「メンバーの追加・管理」のゴミ箱マークから削除するか、「変更」から「ログイン権限失効日」を指定します。この操作では従業員情報や給与計算データは消えません。
- 再入社の従業員は、旧レコードの従業員番号に「old_」などを付けて区別してから、新しい従業員情報を追加します。
- 退職日を訂正した場合は、資格喪失日を個別に修正します。
03-08従業員を招待したのにログインできない、または入力の途中で消えた#
よくある症状
メンバーとして招待したはずの従業員から、ログインできないと連絡がありました。招待の入力中に画面を閉じたら、入力していた内容も消えていました。入社時に何を準備すればよいかで迷うこともあります。
原因
- 招待は、画面右上の事業者名から「メンバーの追加・管理」を開き、メールアドレスと権限を入力して「一括追加」をクリックするまで確定しません。
- 「一括追加」をクリックする前に画面を閉じると、入力したデータは削除されます。
- 入社時に従業員へ依頼する書類には、基礎年金番号が分かるもの、雇用保険被保険者番号が分かるもの、マイナンバーが分かるもの、扶養控除申告書、住民税の金額が分かるもの、給与の支払先口座情報があります。これらがそろっていないと、登録作業自体が止まりやすくなります。
正しい操作
- 招待画面は、入力を終えて「一括追加」をクリックするまで閉じないようにします。
- 招待後は、従業員に招待メールのURLからログインし、パスワードを設定してもらいます。書面で給与明細をやりとりする場合は、招待自体が不要です。
- 入社時に依頼する書類を事前にリスト化しておき、そろってから従業員情報の登録に着手すると、入力のやり直しを減らせます。
この章のチェックリスト
勤怠、手当と控除、給与計算と明細、賞与。
勤怠
クラウド給与の給与計算は、勤怠データが正しく取り込まれていることが前提になります。マネーフォワード クラウド勤怠(または他社の勤怠サービス)と連携する場合は、従業員番号の一致、時間の単位(10進数・60進数)の統一、勤怠項目のチェック状況をそろえておく必要があります。これらが1か所でもずれると、勤怠データが反映されないだけでなく、気づかないまま給与計算を進めてしまうこともあります。この章では、給与計算の前段階で起きやすい、勤怠データの連携や取込みのつまずきを扱います。
まず全体像:クラウド勤怠と連携してから勤怠データを取り込むまで
マネーフォワード クラウド勤怠と連携する場合は、次の順番で設定します。途中の対応関係が崩れると、勤怠データが連携されない原因になります。
前提条件
勤怠データを正しく取り込むには、クラウド給与とクラウド勤怠の「締め日」が一致している必要があります。
04-01勤怠データが連携されない、または別の従業員の勤怠として取り込まれる#
よくある症状
マネーフォワード クラウド勤怠と連携しているのに、「給与計算」画面の勤怠項目に反映されません。あるいは、意図していない別の従業員の勤怠として取り込まれています。
原因
- クラウド給与とクラウド勤怠の従業員番号が一致していないと連携できず、別の従業員として連携される可能性があります。
- 「従業員情報」画面の対象従業員が、クラウド勤怠とまだ紐づけられていません(一覧の「勤怠」列にチェックが表示されません)。
- クラウド給与とクラウド勤怠の締め日が一致していない場合も、データが正しく取り込まれません。
正しい操作
- 連携を行う前に、クラウド給与とクラウド勤怠で従業員番号を一致させておきます。
- 「従業員情報」>「従業員の追加/更新▼」>「マネーフォワード クラウド勤怠の従業員と紐づける」を開き、対象の従業員を紐づけます。
- 紐づけ後は、従業員一覧の「勤怠」列にチェックが表示されていることを確認します。
- 締め日が一致しているかを、両サービスの設定画面で確認します。
実務のヒント
マネーフォワード クラウドの仕様ではありませんが、従業員番号は勤怠・給与・会計など複数のクラウドサービスをまたいで使う共通のキーになりやすい項目です。入社時に決めた番号をそのまま各サービスで使い回す運用にしておくと、連携ミスに気づきやすくなります。
04-02一部の勤怠項目だけクラウド給与に反映されない#
よくある症状
クラウド勤怠との連携自体はできていて黄色い矢印も出ているのに、特定の勤怠項目(休日出勤時間や深夜勤務時間など)だけ「給与計算」画面に反映されません。
原因
- 「基本設定」>「勤怠項目」画面でチェックが入っている勤怠項目だけが連携の対象です。チェックのない項目は、クラウド勤怠側にデータがあってもクラウド給与側には取り込まれません。
正しい操作
- 「基本設定」>「勤怠項目」を開き、反映されていない項目にチェックが入っているかを確認します。
- チェックが入っていない場合はチェックを付けて保存し、あらためて「給与計算」画面から勤怠データをインポートします。
04-03勤怠の時間数が合わない(10進数と60進数)#
よくある症状
クラウド勤怠から取り込んだ時間や、CSVで入力した時間が、想定していた数字になりません。「7.5」のつもりで入力した時間が「7:30」として扱われなかったり、その逆が起きたりします。
原因
- クラウド勤怠は時間を60進数(時間:分)で出力します。クラウド給与側の勤怠項目の単位が10進数(0.0時間)のまま設定されていると、値がずれます。
- API連携時は10進数から60進数への変換マッピング表で自動変換されますが、勤怠項目の単位設定自体を取り違えていると、変換後も期待した数字になりません。
正しい操作
- 「基本設定」>「勤怠項目」画面で、対象項目の時間の単位が「0.0時間」(10進数)か「000時間00分」(60進数)かを確認します。
- クラウド勤怠側の出力形式に合わせて、クラウド給与側の単位を変更します。
- CSVで入力する場合は、単位に合わせて【10.1】(10進数)または【10:10】(60進数、半角コロン区切り)のように書式をそろえます。
| 10進数(0.0時間) | 60進数(000時間00分) |
|---|---|
| 0.01 | 0:01 |
| 0.5 | 0:30 |
| 0.99 | 0:59 |
勤怠API連携では、この対応表にもとづいて10進数から60進数へ自動変換されます。CSVで手入力する場合は、対象項目の単位に合わせて書式を選んでください。
04-04デフォルトの勤怠項目名を変更したら、他社勤怠サービスのCSVが取り込めなくなった#
よくある症状
「勤怠項目」画面の「メニュー」から「デフォルト勤怠項目名を更新する」を実行したところ、それまで使えていたJOBCAN・CLOUZA・ちゃっかり勤太くん・シュキーンなどのCSVが、そのままでは取り込めなくなりました。
原因
- 「デフォルト勤怠項目名を更新する」は、実行すると元に戻せない操作です。実行後は勤怠項目名がクラウド勤怠側の表記に更新され、それまでのCSVのタイトル行と一致しなくなります。
- デフォルトの勤怠項目自体の名称は、個別に変更することができない仕様です。
- 確定処理を取り消した後にバックアップのCSVを戻す場合も、確定時点と現在の勤怠項目名が一致していないと、そのままでは取り込めません。
正しい操作
- すでに更新してしまった場合は、CSVのタイトル行(1行目)を、現在のクラウド給与側の勤怠項目名に修正してから取り込みます。
- デフォルトの名称を変えず独自の勤怠項目名を使いたい場合は、新しい勤怠項目を作成します(本章の別項目を参照)。
- 確定を取り消した後にCSVを戻す場合は、取消前と現在で勤怠項目名が変わっていないかを先に確認します。
注意
「デフォルト勤怠項目名を更新する」は不可逆な操作です。他社の勤怠サービスからCSVで取り込む運用をしている場合は、実行前に影響範囲を確認してください。
04-05CSVで勤怠を取り込んだのに、値が反映されない#
よくある症状
「支給/控除/勤怠CSVインポート」で勤怠項目を取り込んだのに、「給与計算」画面の値が変わりません。あるいは、取り込むはずのCSVが文字化けして開けません。
原因
- 勤怠項目の値は、「勤怠項目設定」で設定した単位と一致させる必要があります。単位が「0.0時間」の項目に60進数の表記を入れる、あるいはその逆だと反映されません。
- ダウンロードしたCSVの形式(文字コード)が使用環境と合っていないと、開いたときに文字化けします。
正しい操作
- 「給与計算」>「メニュー」>「支給/控除/勤怠CSVインポート」を開き、「サンプルCSV」タブで対象項目の単位を確認してからダウンロードします。
- 単位が「0.0時間」の項目は【10.1】のように小数で、「000時間00分」の項目は【10:10】のように半角コロンで入力します。
- 「ファイルを選択」でCSVを指定し、「更新する」で取り込みます。取り込んだ項目に黄色い矢印が表示されれば反映されています。
- 文字化けする場合は、「サンプルCSV」タブでダウンロード形式を変えて取得し直します。
04-06午前休・午後休を取得した日の出勤日数・有給取得日数が、想定と違う数え方になる#
よくある症状
クラウド社会保険を利用している場合に、時給制・日給制の従業員の出勤日数や有給休暇取得日数が、想定していた日数と違う形で連携されています。
原因
- クラウド勤怠では、午前休・午後休を取得した日を「出勤日数1日・有給休暇取得日数0.5日」として数え、その数字がそのままクラウド給与に取り込まれます。
- 時給制・日給制の従業員は支払基礎日数の影響を受けやすく、この数え方のままだと想定と異なる日数になることがあります。
- クラウド給与で確定した出勤日数・有給取得日数は、クラウド社会保険にも連携され、随時改定などの支払基礎日数の算出に参照されます。
正しい操作
- 時給制・日給制の従業員に午前休・午後休がある月は、連携された出勤日数・有給取得日数を確認します。
- 実態と異なる場合は、クラウド社会保険の画面で適切な日数に修正します。
あわせて確認
社会保険の随時改定・定時決定への影響は、社会保険の章もあわせて確認してください。
04-07使いたい勤怠項目が一覧にない(独自の勤怠項目を追加したい)#
よくある症状
「勤怠項目設定」の一覧に、給与計算で使いたい勤怠項目(事業所独自の手当対象時間など)が見当たりません。
原因
- クラウド給与が用意しているデフォルトの勤怠項目だけでは、事業所ごとに異なる独自の項目に対応できない場合があります。
- デフォルトの勤怠項目は名称を個別に変更できない仕様のため、既存の項目名を流用することもできません。
正しい操作
- 「基本設定」>「勤怠項目設定」画面を開き、「追加」をクリックします。
- 勤怠項目のカテゴリを選択します。
- 勤怠項目名を入力します。
- 時間の単位(10進数「0.0時間」または60進数「000時間00分」)をプルダウンから選択し、保存します。
この章のチェックリスト
手当・控除の設定
支給項目・控除項目の設定は、初期設定のまま使うと「計算されない」「金額が違う」というつまずきにつながりやすい所です。通勤手当の非課税判定、時給制の残業手当の割増率、カスタム計算式の制約など、公式サポートで繰り返し注意喚起されているポイントを中心にまとめました。2026年の通勤手当の制度改正は支給日・確定日によって対応状況が変わるため、該当する従業員がいないか確認してください。
まず全体像:支給項目の計算式は4つの要素でできている
支給項目の計算式は、「計算の基礎」「何で割るか」「割増率」「支給対象の勤怠項目」という4つの要素の組み合わせで決まります。どれか1つの部品が空欄や未設定だと、その支給項目は正しく計算されません。
| 計算式の要素 | 主な選択肢 |
|---|---|
| 計算の基礎 | 毎月手入力/従業員情報で設定/割増基礎/前月の割増基礎/控除基礎/前月の控除基礎/カスタム計算式 |
| 何で割るか | 1/1日の所定労働時間/所定労働時間(当月・前月・月平均)/所定労働日数(当月・前月・月平均) |
| 割増率 | 手入力する数値(例:時給の残業手当は初期値「0.25」) |
| 支給対象の勤怠項目 | 残業時間・所定内出勤時間など、「給与計算」画面の勤怠項目の値 |
計算式は「計算の基礎÷何で割るか×割増率×支給対象の勤怠項目」という構成です。この章のつまずきの多くは、このどれか1つの設定ミスが原因になっています。
05-01通勤手当の「駐車場代」が全額課税になる#
よくある症状
車通勤の従業員に、距離に応じた通勤手当と駐車場代をあわせて支給しているのに、駐車場代の部分が非課税にならず、全額課税として計算されます。
原因
- 駐車場等料金の課税・非課税額は、「駐車場等料金支給条件」が登録されている通勤手段の片道の通勤距離を合算して算出する仕様です。
- 片道の合計距離が2キロメートル以上であっても、駐車場等料金支給条件が未登録の通勤手段が1つでもあると、駐車場等料金が課税対象になることがあります。
- 2026年4月20日に国税庁が公表したQ&Aでは、非課税限度額を「距離比例による非課税限度額」と「駐車場等の料金相当額(1か月あたり上限5,000円)」の合算で判定する考え方が示されています。
正しい操作
- 駐車場等を利用しているすべての通勤手段について、「通勤手当」の編集画面で「駐車場等料金支給条件」を登録します。
- 登録後、片道の通勤距離と非課税限度額の表示が正しく反映されているかを確認します。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 片道の通勤距離(4キロメートル)の非課税限度額 | 4,200円 |
| 通勤距離分の支給額 | 3,000円 |
| 駐車場代の支給額 | 6,000円 |
| 支給額の合計 | 9,000円 |
| 非課税限度額の合計(距離比例4,200円+駐車場等5,000円) | 9,200円 |
| 課税対象額 | 0円(全額非課税) |
国税庁のQ&Aで示された具体例です。支給額の合計(9,000円)が非課税限度額の合計(9,200円)以下のため、全額が非課税になります。距離比例分と駐車場等相当分を合算して判定する点がポイントです。
制度・対応時期
この合算ルールへのクラウド給与の対応は2026年6月上旬にリリースされました。2026年6月4日以前に確定した給与の通勤手当については、次の項目もあわせて確認してください。
05-022026年6月4日以前に確定した給与の通勤手当は、金額を再確認する#
よくある症状
駐車場代を含む通勤手当を支給している従業員について、2026年に入ってから確定した給与の金額が、国税庁の新しいQ&Aの考え方と合っているか不安です。
原因
- 駐車場等の料金相当額を非課税限度額に合算するロジックへのクラウド給与の対応リリースは2026年6月上旬でした(当初は2026年5月中旬を予定していましたが延期されました)。
- そのため、2026年6月4日以前に確定処理を行った給与計算は、通勤手当(特に駐車場代を含むもの)の金額が正確でない可能性があります。
正しい操作
- 2026年6月4日以前に確定した給与で、駐車場代を含む通勤手当を支給している従業員がいないか確認します。
- 該当する場合は、次月以降の給与での調整、または年末調整での精算を検討します。
- 支給日が2026年4月以降で、まだ確定していない給与計算については、確定前に金額を見直します。
05-03時給制の残業手当が、想定の1/5程度しか出ない#
よくある症状
時給制の従業員の残業手当を計算したところ、本来支払うべき金額の1/5程度しか計算されません。
原因
- 「基本設定」>「支給項目」>「時給」タブにある「残業手当」の初期の計算式は「時給÷1×0.25×残業時間」です。
- この式は時給の0.25倍(25%)にあたる割増分だけを計算する式です。「基本給」側で乗じている勤怠項目は所定内出勤時間(残業時間を含みません)のため、残業時間分の本体給与はこの式に含まれません。
- 結果として時給の25%相当の金額しか残業手当として計算されず、本来の125%(1.25倍)に対して見た目には1/5程度の金額になります。
正しい操作
- 「基本設定」>「支給項目」>「時給」タブで「残業手当」の計算式を開きます。
- 割増率を「0.25」から「1.25」に変更し、保存します。
- 変更後、1人分の給与計算で試算し、時給×1.25×残業時間に近い金額になっているかを検算します。
05-04支給項目の金額が0円のまま自動計算されない#
よくある症状
「給与計算」画面で、特定の支給項目の金額が0円のまま計算されません。
原因
- 支給項目の金額は、計算式に使われている部品(時給・日給、従業員情報の金額、割増基礎・控除基礎、勤怠項目)のいずれかが空欄だと計算されません。
- 固定残業手当(みなし)を使っている場合は、「業務情報」の「固定残業時間(みなし)」が未入力または0時間だと、対応する支給項目が給与計算画面に表示されません。
正しい操作
- 「基本設定」>「支給項目」で、計算式が想定どおりに組まれているかを確認します。
- 計算式に時給1・時給2・日給1・日給2が含まれる場合は、「従業員情報」>「給与情報」に単価が入っているか確認します。
- 「従業員情報で設定」を使っている場合は、対象の金額が入力されているか確認します。
- 「割増基礎」「控除基礎」を使っている場合は、「表示切替」で「支給控除一覧表形式」に切り替えて合計額を確認し、詳細設定でどの支給項目にチェックが入っているかを見直します。
- 勤怠項目を使っている場合は、「給与計算」画面にその勤怠項目の値が入っているかを確認します。
05-05支給項目を時給制と月給制の両方に出したいが、一方にしか表示されない#
よくある症状
月給制の従業員向けに追加した支給項目が、時給制や日給制の従業員の給与計算には表示されません。
原因
- 支給項目は「月給」「時給」「日給」「賞与」という給与区分ごとの設定です。複数の給与区分に同じ内容の手当を出したい場合でも、区分ごとに項目を追加登録する必要があります。
正しい操作
- 「基本設定」>「支給項目」を開き、支給したい給与区分のタブに切り替えます。
- 「追加」から、同じ名称の支給項目をその区分にも登録します。区分によって時給・日給を基準にするなど、計算の基礎を区分に合わせて選び直します。
05-06控除項目を従業員ごと、または給与と賞与で別の内容にしたい#
よくある症状
社員旅行の積立金のように、従業員によって金額が異なる控除を設定したいのに、全員一律の内容になってしまいます。給与と賞与で扱いを分けることもできません。
原因
- 控除項目は、全従業員の給与・賞与に同じ項目が適用される仕様です。給与区分ごとに分けて設定することはできません。
- 控除項目には、支給項目のような任意のカスタム計算式も設定できません。
正しい操作
- 従業員ごとに金額を変えたい場合は、計算方法を「毎月手入力」または「従業員情報で設定」にし、従業員情報側の金額欄で個別に金額を入力します。
- 給与と賞与で扱いを分けたい場合は、対象外にしたい方の計算結果を都度0円に修正するなど、運用でカバーします。
実務のヒント
マネーフォワード クラウドの仕様ではありませんが、金額が従業員ごとに異なる控除は、計算方法を「毎月手入力」にしたうえで、確定前の「前月比較」で金額の入れ忘れがないかを確認する運用にすると、抜け漏れに気づきやすくなります。
05-07カスタム計算式が選べない、保存できない、または一部の従業員だけ計算されない#
よくある症状
支給項目のカスタム計算式を設定しようとしても、使いたい項目が「計算の基礎」に選べなかったり、保存できなかったりします。設定できても、一部の従業員だけ金額が計算されません。
原因
- 「詳細設定」で「割増基礎」にチェックを入れている項目は、「計算の基礎」に割増基礎系の項目を選べません(控除基礎も同様です)。
- 計算式に使用している勤怠項目は削除・無効化できません。従業員情報画面の項目も計算式には使用できません。
- 勤怠項目の単位が「000時間00分」(60進数)の場合は分単位、それ以外(10進数)は時間単位で計算式に反映されます。60進数と10進数が混在する式では、「×60」「÷60」で単位をそろえないと桁がずれます。
- 固定残業手当(みなし)を計算式に含める場合、月給制の全従業員の固定残業時間を「0」以外に設定しておく必要があります。0のままの従業員がいると、その従業員では計算されません。
- 「AI提案」機能は1事業者あたり月間70回までが上限です。ChatGPT APIの利用制限により、一時的に使えない時間帯が発生する場合もあります。
正しい操作
- 計算式に使う項目が割増基礎・控除基礎の設定と重複していないか、詳細設定で確認します。
- 60進数と10進数の勤怠項目が混在する場合は、単位をそろえる係数(×60/÷60)を式に入れます。
- 固定残業手当を含む計算式を使う前に、対象者全員の固定残業時間が0以外になっているかを確認します。
- 「AI提案」で作成した計算式は、必ず実際の数値で正しく計算されるかを確認してから使用します。
05-08日割り計算控除が0円のまま、または想定した金額にならない#
よくある症状
入社月・退職月の従業員に「日割り計算控除」を設定したのに、控除額が0円のまま、または想定と違う金額になります。
原因
- 入社年月日が支給対象期間の開始日と一致している場合や、退職年月日が支給対象期間の終了日と一致している場合は、日割り計算の対象外になる仕様です。
- 日割り計算基礎に役員報酬を含めるケースや、支給対象期間の途中で時給・日給を変更するケースにも対応していません。
- 所定出勤日数・不在籍日数は、「基本設定」>「年度」画面の休日設定・独自休日設定から自動計算される値です。手入力やCSVインポートはできず、他の支給項目やカスタム計算式にも使用できません。
正しい操作
- 対象の従業員が、対象外パターン(入社日・退職日が支給対象期間の端と一致、役員報酬を含む、期中の時給・日給変更)に当てはまらないか確認します。
- 対象外パターンに該当する場合は、日割り計算に頼らず、該当する支給項目・控除項目を手入力で調整します。
- 「日割り計算を設定」の「対象者の条件」と「控除額 計算式」(出勤日数計算/不在籍日数計算)の設定内容を確認します。
この章のチェックリスト
給与計算と明細
「給与計算」画面の確定処理には、確定後の扱いにいくつかの制約があります。取消して再確定すると金額が現在の従業員情報で再計算される、会社負担分の社会保険料は確定後に直せない、明細の通知が届かないなど、確定処理の前後で起きやすいつまずきをこの章でまとめます。支給項目そのものが0円のまま計算されない場合は、第5章の該当項目を確認してください。
まず全体像:給与計算から明細発行までの流れ
クラウド給与の毎月の作業は、次の順番で進みます。確定処理より後の工程は直せる範囲に制約があるため、確定前の確認が重要です。
確定すると次月分が自動作成される
最新の給与計算を確定すると、次月の給与計算が自動的に作成されます。支給年月日の右側に「✓」が表示されていれば確定済みです。なお「確認済」のチェックは事業者内の管理用の印で、給与計算の内容や確定処理そのものには影響しません。
06-01確定処理を取り消して再確定したら、金額が変わった#
よくある症状
給与計算の内容を直すために「メニュー」>「給与の確定を取消」をしてから再度確定したところ、以前と金額が変わってしまいました。
原因
- 確定処理の時点で自動計算されていた支給項目・控除項目は、取消後に再確定すると、確定時点ではなく「現在の従業員情報」をもとに再計算されます。
- 確定後に従業員の給与テーブルや家族構成などの情報を変更していると、取消時点ではなく現在の情報で計算し直されます。
- 手入力・インポートで登録した数値(自動計算されない項目)は、取消後も保持されます。
- 前回確定以降に追加した支給項目・控除項目は、確定前にダウンロードしていたCSVには含まれていません。
正しい操作
- 確定を取り消す前に、「支給/控除/勤怠CSVダウンロード」と「支給控除一覧表」を必ずダウンロードしてバックアップします。
- 2024年8月1日以降に確定した給与計算であれば、取消をしなくても「給与を修正する」機能で直せる場合があります(詳しくは次の項目を参照してください)。
- 取消後にバックアップのCSVを戻す場合は、前回確定後に追加した項目が含まれているかを確認し、含まれていなければ画面上で手動修正します。
従量課金への影響
確定処理を行うと、その従業員は従量課金の対象人数にカウントされます。ただし、支給日から30日以上経過した月の再確定は課金対象になりません。取消・再確定を繰り返す場合は、この点もあわせて確認してください。
確定を取り消してから直す
- 自動計算項目は現在の従業員情報で再計算される
- 前回確定後に追加した項目はバックアップCSVに含まれない
- 取消前のバックアップがないと、確定時点の内容を復元できない
「給与を修正する」で直す
- 対象は2024年8月1日以降に確定した給与計算のみ
- 確定時点の情報のまま、対象の項目だけを修正できる
- 会社負担分の社会保険料や「定額減税(所得税)」は対象外
06-02確定後の給与計算に「給与を修正する」のメニューが出ない#
よくある症状
確定済みの給与計算を直そうとしたのに、「メニュー」に「給与を修正する」が表示されません。
原因
- 「給与を修正する」機能は、2024年8月1日以降に確定処理した給与計算だけが対象です。それより前(2024年7月31日以前)に確定した分は、この機能を使えない仕様です。
正しい操作
- 対象の給与計算の確定日を確認します。
- 2024年7月31日以前に確定した給与計算を直す場合は、「給与の確定を取消」で取り消してから直します(前項の注意点を参照してください)。
06-03会社負担分の社会保険料と「定額減税(所得税)」が確定後に直せない#
よくある症状
「給与を修正する」で内容を直そうとしたのに、会社負担分の社会保険料や、控除項目の「定額減税(所得税)」の欄が修正できません。
原因
- 確定処理時点の従業員情報は変更できない仕様のため、その情報をもとに計算される会社負担分の社会保険料は、「給与を修正する」機能の対象外です。
- 控除項目の「定額減税(所得税)」も同様に、確定後の修正機能では直せません。
正しい操作
- これらの金額を直す必要がある場合は、「給与の確定を取消」で取り消します。
- 従業員情報を正しい内容に直したうえで、再度確定処理を行います。
- 取消前のバックアップ(本章の該当項目を参照してください)を必ず取っておきます。
| 確定後の状態 | 「給与を修正する」で直せるか |
|---|---|
| 手入力・インポートで登録した金額 | 直せる |
| 計算式で自動計算される支給項目・控除項目 | 対象時期であれば直せる |
| 会社負担分の社会保険料 | 直せない(取消が必要) |
| 控除項目「定額減税(所得税)」 | 直せない(取消が必要) |
06-04確定処理を修正したら、実際の振込額と給与明細の金額が合わなくなった#
よくある症状
振込手続きが終わったあとに給与計算の内容を修正したところ、実際に振り込んだ金額と給与明細の金額が一致しなくなりました。
原因
- 「給与を修正する」で内容を直すと、確定処理時点の情報は復元できません。振込手続き完了後に修正すると、実際の支給額と明細の金額がずれる可能性があります。
正しい操作
- 振込手続きが完了した後の金額修正は避け、修正が必要な場合は振込前に対応します。
- やむを得ず振込後に修正する場合は、事前に帳票(支給/控除/勤怠CSV、支給控除一覧表)をバックアップしておくと、差異の原因を確認しやすくなります。
実務のヒント
マネーフォワード クラウドの仕様ではありませんが、実際の振込額との差額が生じた場合は、次回以降の給与でどう調整するかを事前に社内で決めておくと、従業員への説明に迷いません。
06-05給与明細を公開したのに、従業員にメール通知が届かない、または遅い#
よくある症状
「明細設定」で通知を設定しているのに、従業員にメール通知が届きません。あるいは、届くまでに時間がかかります。
原因
- 通知を受け取るには、事前に「メンバーの追加・管理」で従業員のメールアドレスを登録し、従業員自身がマネーフォワードIDのパスワードを設定している必要があります。
- 通知日当日の午前9時までに、通知日(給与明細通知日・賞与明細通知日)を指定している必要があります。
- メールは通知日の午前9時頃から順次送信されるため、受信まで数時間かかる場合があります。
- 公開日を設定していない場合、支給日が翌日の確定済み明細もメール通知の対象になります(例:12月15日に送信すると、12月16日支給分も通知されます)。
正しい操作
- 「基本設定」>「明細設定」>「通知」で、通知日の設定内容(通知なし/支給日/公開日)を確認します。
- 従業員のメールアドレス登録状況と、マネーフォワードIDのパスワード設定状況を確認します。
- 通知日当日の午前9時より前に設定を済ませておきます。
- 翌日支給分を対象に含めたくない場合は、公開日をあらかじめ設定しておきます。
06-06CSVインポートで、支給・控除項目の一部が消えた、または古い値のまま残った#
よくある症状
「支給/控除/勤怠CSVインポート」で更新したのに、一部の項目が空欄になったり、逆に更新前の値のまま残っていたりします。
原因
- 項目を空欄にしたままインポートすると、そのデータは上書きされず、画面の値がそのまま残ります。
- 「備考」欄だけは例外で、空欄でインポートすると内容が削除されます。
- ダウンロード時と取込時で文字コードの形式が合っていないと、開いたときに文字化けします。
正しい操作
- 値を変えたくない項目は空欄のままにせず、既存の値を残した状態でインポートします(「備考」欄は例外なので特に注意します)。
- 「備考」欄を意図せず消してしまわないよう、インポート前にCSVの内容を確認します。
- 文字化けする場合は、「サンプルCSV」タブでダウンロード形式を変えて取得し直します。
06-07「支給控除一覧表形式」に切り替えると印刷できない#
よくある症状
「表示切替」で「支給控除一覧表形式」に切り替えて内容を確認していたところ、その状態のまま印刷しようとしてもできません。
原因
- 支給控除一覧表形式で表示した給与情報は印刷できない仕様です。賞与の「支給控除一覧表形式」も同様です。
正しい操作
- 印刷やPDF出力をする場合は、表示を通常のレイアウトに戻します。
- 給与明細そのものを印刷・PDF出力したい場合は、「帳票一覧」の給与明細機能を使います。
06-08給与明細の「備考」欄が途中で切れる、スマートフォンで明細を印刷できない#
よくある症状
「備考」欄にまとまった内容を書いたのに、給与明細には一部しか表示されません。また、スマートフォンから給与明細を印刷しようとしてもできません。
原因
- 「備考」は最大1,000字まで入力できますが、給与明細には改行・折り返しを含めて最大50行までしか表示されない仕様です。行数によっては、明細が2枚に分かれます。
- 給与明細はスマートフォンでは出力できません。用紙サイズもA4縦固定で、変更できません。
正しい操作
- 「備考」は、50行以内に収まるよう簡潔にまとめます。長い内容は、別の方法(社内通知など)で伝えます。
- 明細の印刷やPDF出力は、PCモードに切り替えるか、PCからログインして行います。
この章のチェックリスト
賞与
「賞与計算」は毎月の給与計算とは別の画面で行います。確定すると賞与明細や賞与支払届などの帳票がまとめて自動作成されて便利な一方、作成後に直せない設定があったり、前月の給与の状況によって所得税の計算方法が変わったりと、毎月の給与計算にはないつまずきがあります。この章では、賞与計算特有の設定・計算の分岐・確定後の流れを中心にまとめます。
まず全体像
07-01賞与計算を作成した後で、支給対象期間や対象者の設定を間違えたことに気づいた#
よくある症状
賞与計算を作成してから、支給対象期間や支給対象者の設定を間違えていたことに気づきました。編集画面を探しても、その項目を直す方法が見つかりません。
原因
- 賞与計算の「支給対象期間」「支給対象者設定1」「支給対象者設定2」は、作成後には変更できない項目です。
- 「メニュー」の「賞与計算の情報を変更」で直せるのは、これら以外の一部の項目に限られます。
正しい操作
- 「メニュー」の「賞与計算の情報を変更」を開き、直したい項目がそこに含まれているかを確認します。
- 「支給対象期間」「支給対象者設定1」「支給対象者設定2」を直したい場合は、その賞与計算をいったん削除し、正しい設定で新しい賞与計算を作り直します。
- 削除すると、その賞与計算の設定・対象従業員リスト・自動計算結果・賞与明細がすべて削除され、元に戻せません。作り直す前に、入力済みの金額が分かる状態にしてから削除します。
07-02賞与の所得税が想定と違う金額で計算される#
よくある症状
賞与明細の所得税額が、自分で見積もっていた金額と違います。何を基準に計算されているのか分かりません。
原因
- 賞与の所得税は、前月に給与の支払いがあるかどうか、賞与の金額が前月の給与額の10倍を超えるかどうかによって、計算方法が「通常」「前月に給与の支払いがない場合」「前月の給与額の10倍を超える場合」の3つに分かれます。
- 「通常」の場合は、前月の給与から社会保険料等を差し引いた金額(社保控除後合計)をもとに税率が決まります。この社保控除後合計の金額を取り違えていると、想定と違う税率が適用されます。
正しい操作
- 「帳票一覧」の「支給控除一覧表」で、前月分の「社保控除後合計」の金額を確認します。
- 「賞与計算」画面を「支給控除一覧表形式」の表示に切り替えても、同じ「社保控除後合計」を確認できます。
- 「メニュー」の「賞与計算の情報を変更」で「支給対象期間」を確認し、参照している前月がずれていないかを確認します。
07-03前月の給与が未確定のまま賞与計算をしたら、所得税が想定と違う計算になった#
よくある症状
前月分の給与計算をまだ確定していない状態で賞与計算をしたところ、所得税の金額が想定と違いました。
原因
- 前月の給与計算の確定処理を行っていないと、賞与の所得税は「前月に給与の支払いがない場合」として計算されます。実際には前月に給与を支払っていても、クラウド給与上で確定処理をしていなければこの扱いになります。
- 「前月に給与の支払いがない場合」の税率は、「通常」の場合とは異なる基準で決まるため、金額の見え方が大きく変わることがあります。
正しい操作
- 賞与計算をする前に、前月分の給与計算がすでに確定しているかを「給与計算」画面で確認します。
- 未確定であれば、先に前月分の給与計算を確定してから賞与計算を行います。月次の作業順序を、給与計算の確定を先に済ませてから賞与計算に進む流れに統一しておくと防げます。
- すでに賞与計算をして所得税を計算してしまった場合は、前月分を確定した後にあらためて賞与の所得税を確認します。
07-04丙欄の従業員の賞与の所得税が0円のまま計算される#
よくある症状
「税額表区分」が「丙」の従業員の賞与明細で、所得税が0円のまま計算されています。
原因
- 「税額表区分」が「丙」の従業員は、賞与の所得税の自動計算に対応していません。
正しい操作
- 対象の従業員の「税額表区分」が「丙」になっていないかを、従業員情報の設定で確認します。
- 該当する場合は、国税庁が公表している賞与に対する源泉徴収の算出方法を確認したうえで所得税額を計算し、賞与計算の所得税欄に手入力で反映します。
- 「丙」の対象者は毎回自動計算に頼らず、確定前に金額を確認する運用にしておきます。
コツ
マネーフォワード クラウドの仕様ではありませんが、税法上「丙欄」は日雇い労働者向けの区分です。該当する従業員が少ない事業所では見落としやすいため、賞与計算の対象者に該当者がいないかを事前に洗い出しておくと安心です。
07-05賞与の社会保険料が、ある回から急に少なくなった、または頭打ちにならない#
よくある症状
複数回に分けて賞与を支給している従業員で、ある回から健康保険料や厚生年金保険料が急に少なくなりました。逆に、上限があるはずなのに全額に保険料がかかっているように見えることもあります。
原因
- 賞与の社会保険料には、標準賞与額(賞与額から1,000円未満を切り捨てた額)の上限があります。健康保険は年間累計額573万円(毎年4月1日から翌年3月31日までの累計)、厚生年金保険は同じ月に支給した賞与の合計額1ヶ月あたり150万円が上限です。
- 上限を超えた部分には保険料がかかりません。健康保険と厚生年金保険で上限の考え方(年間累計か、月ごとか)が違う点が、想定とのずれにつながります。
正しい操作
- 年間の賞与支給額の累計(健康保険)と、同じ月に支給した賞与の合計額(厚生年金保険)をそれぞれ確認します。
- 上限を超えている場合は、超えた部分に保険料がかかっていないことを確認します。誤りではなく、上限による自動計算の結果です。
| 保険 | 標準賞与額の上限 | 算定の単位 |
|---|---|---|
| 健康保険 | 573万円 | 年間累計額(毎年4月1日から翌年3月31日まで) |
| 厚生年金保険 | 150万円 | 同じ月に支給した賞与の合計額(1ヶ月あたり) |
例:年2回、各回250万円の賞与を支給する場合、健康保険は各回250万円に料率をかけて計算しますが、厚生年金保険は1ヶ月あたりの上限150万円に料率をかけて計算するため、差額の100万円分は厚生年金保険料の対象になりません。
注意
厚生年金基金を導入している事業所は、算定基礎届・月額変更届・賞与支払届の作成、賞与計算画面での自動計算のいずれにも対応していません。該当する場合は、この章で説明する自動計算に頼らず、基金の指示にもとづいて別途対応します。
07-0675歳や65歳に到達した従業員、社会保険料を固定金額にしている従業員の賞与で、保険料が想定と違う#
よくある症状
75歳や65歳に到達した従業員、または社会保険料を固定金額(手入力)で設定している従業員の賞与で、保険料が想定と違う金額になります。
原因
- 手入力で設定した社会保険料は、従業員が75歳や65歳に到達して保険料の対象年齢から外れても、自動的には停止されません。停止するには金額を0円に修正する操作が必要です。
- 従業員情報の「社会保険料」を固定金額で設定する機能は、毎月の給与計算向けの設定です。賞与計算の画面には反映されない仕様です。
正しい操作
- 手入力で社会保険料を設定している従業員が、75歳や65歳への到達などで保険料の対象年齢から外れていないかを確認します。対象外になった場合は金額を0円に修正します。
- 固定金額を設定している従業員の賞与計算では、自動計算結果をそのまま使わず金額を個別に確認し、想定と違う場合は賞与計算の画面上で手入力に直します。
07-07賞与計算を削除したら、関連する帳票まで消えてしまった#
よくある症状
作り直すために賞与計算を削除したところ、賞与明細だけでなく、支給控除一覧表(賞与)や賃金台帳など、ほかの帳票にも影響が出ました。
原因
- 賞与計算を削除すると、その賞与計算の設定・対象従業員リスト・自動計算結果・賞与明細がすべて削除されます。支給控除一覧表や賃金台帳など、その賞与計算の数字を参照している帳票にも影響します。
- 削除は取り消せません。
正しい操作
- 削除する前に、支給控除一覧表(賞与)など必要な帳票を出力し、金額を控えておきます。
- すでに公開・配布した賞与明細がある場合は、削除の前に従業員への説明方法もあわせて確認します。
07-08賞与計算を確定した後、「賞与支払届」をどこで確認すればよいか分からない#
よくある症状
賞与計算を確定した後、年金事務所や健康保険組合に提出する「賞与支払届」を、どの画面で確認・出力すればよいか分かりません。
原因
- 賞与計算を「この賞与計算を確定」で確定すると、「賞与明細」「支給控除一覧表(賞与)」「賞与支払届」がまとめて自動作成されます。
- 確定後は「振込業務」から賞与振込のFBデータを出力でき、「賞与振込一覧表」で内容を確認できます。
正しい操作
- 賞与計算を確定した後、「帳票一覧」を開き、「賞与支払届」を選んで出力します。
- あわせて「賞与明細」を従業員に公開し、必要に応じて「振込業務」から賞与振込のFBデータを作成します。
- 「賞与振込一覧表」で振込内容に誤りがないかを最終確認します。
コツ
賞与明細のメール通知は、通知日当日の午前9時までに通知日を指定しないと送信されません。公開が遅れて通知が届かない場合は、通知日の設定がこの時刻を過ぎていないかを確認します。
この章のチェックリスト
社会保険、労働保険、所得税・住民税。
社会保険
健康保険・介護保険・厚生年金保険は、保険料率の改定や、定時決定・随時改定による標準報酬月額の変更など、年に何度も設定を見直すタイミングがあります。2026年4月(令和8年4月)からは「子ども・子育て支援金」も社会保険料に加わり、健康保険料の設定方法によっては連動する項目が正しく計算されないことがあります。この章では、保険料の設定・改定の反映、クラウド社会保険との連携でつまずきやすい所をまとめます。
まず全体像
08-01健康保険料を「手入力」にしたら、介護保険料や子ども・子育て支援金の金額がおかしい#
よくある症状
健康保険料を「手入力で設定」にしている事業所で、従業員の給与明細を見ると、介護保険料や「子ども・子育て支援金」の金額が0円になっていたり、想定と違う金額になっていたりします。
原因
- 健康保険料を「手入力で設定」にすると、本来は連動して自動計算されるはずの介護保険料・子ども・子育て支援金が正しく計算されません。
- 「子ども・子育て支援金」の初期設定は「保険料額表を使用する」のままです。健康保険料だけを手入力に変更し、支援金の設定を変え忘れているケースが多くみられます。
正しい操作
- 健康保険料を手入力にしている事業所・従業員は、介護保険料と子ども・子育て支援金の設定もあわせて確認します。
- 健康保険料が手入力の場合は、介護保険料・子ども・子育て支援金も両方「手入力で設定」に変更し、それぞれ金額を計算して入力します。
コツ
子ども・子育て支援金の導入にあわせて介護保険料の計算方法(合算額から差し引く順序)が変わりました。端数処理の関係で、従来の計算と比べて1円だけ差が出ることがありますが、納付総額には影響しません。
08-022026年4月支給の給与で「子ども・子育て支援金」が意図せず控除された#
よくある症状
社会保険料徴収方法を「翌月徴収」に設定しているのに、2026年4月(令和8年4月)支給の給与から子ども・子育て支援金の従業員負担分が控除されています。
原因
- 次の3つのいずれかに当てはまると、翌月徴収の設定でも2026年4月支給分から控除されることがあります。(a)健康保険料が「手入力で設定」、かつ子ども・子育て支援金が「保険料額表を使用する」のまま。(b)子ども・子育て支援金が「手入力で設定」になっている。(c)組合管掌の事業所で、子ども・子育て支援金の保険料率を2026年3月以前の適用開始月で設定している。
正しい操作
- (a)(b)に該当する場合は、「給与計算」画面で対象従業員の子ども・子育て支援金を0円に修正します。
- (c)に該当する場合は、2026年4月分の新しい料率を追加登録し、2026年3月以前の適用開始月に設定していた料率を0.0%に修正します。
| パターン | 状態 | 正しい操作 |
|---|---|---|
| a | 健康保険料「手入力で設定」/支援金「保険料額表を使用する」のまま | 「給与計算」画面で支援金を0円に修正 |
| b | 支援金が「手入力で設定」になっている | 「給与計算」画面で支援金を0円に修正 |
| c | 組合管掌事業所で支援金の料率を2026年3月以前の適用開始月で設定 | 2026年4月分の料率を追加登録し、旧料率を0.0%に修正 |
協会管掌事業所の子ども・子育て支援金の料率は、2026年4月1日以降に「社会保険設定」画面を開くと従業員負担・事業主負担ともに1.15(標準報酬月額×1.15/1,000)と表示されます。
注意
この機能のリリース前に確定処理をした給与・賞与には、子ども・子育て支援金が反映されていません。反映させるには確定処理を取り消してから再度確定する必要があります。確定処理の取消は現在の従業員情報をもとに再計算されるため、取消前に支給・控除・勤怠CSVのダウンロードなどでバックアップを取っておきます(取消の注意点は第6章を参照してください)。
08-03保険料率を変更したはずなのに、給与計算の金額が変わらない#
よくある症状
健康保険料率が改定されたはずなのに、給与計算の金額が変わりません。または、想定していたのと違う支給月の給与から新しい料率が適用されています。
原因
- 協会けんぽ(協会管掌事業所)の健康保険料率と、雇用保険料率は自動更新されます。一方、健保組合(組合管掌事業所)や国民健康保険組合の保険料率は自動更新されないため、事業所ごとに手動で更新する必要があります。
- 「社会保険料徴収方法」の設定(当月徴収/翌月徴収)によって、新しい料率がどの支給月の給与から適用されるかが変わります。
正しい操作
- 組合管掌の事業所は、「基本設定」の「社会保険設定」で「健康保険」の「編集」を開き、新しい料率を登録します。
- 新しい料率を反映させたい支給月の給与計算を確定する前に、料率が更新済みであることを確認します。
- 「社会保険料徴収方法」の設定を変更する場合は、未確定の給与計算に影響するため、変更前にどの支給月から反映されるかを確認します。
08-04定時決定・随時改定をしたのに、クラウド給与の標準報酬月額に反映されない#
よくある症状
クラウド社会保険で算定基礎届や月額変更届の手続きをしたのに、クラウド給与の給与計算には新しい標準報酬月額が反映されません。随時改定の手続きをしようとすると「●月度の給与計算がまだ確定されていません。」と表示されることもあります。
原因
- クラウド社会保険とクラウド給与は別々のサービスです。クラウド社会保険で従業員情報を変更しても、クラウド給与には自動的に反映されません。
- 定時決定(算定基礎届)は4月から6月までの3ヶ月分の給与計算を確定してから、クラウド社会保険で計算します。随時改定(月額変更届)も、対象月の給与計算を確定してから計算します。対象月の給与計算が未確定だと、随時改定は計算できずにメッセージが表示されます。
正しい操作
- メッセージが表示された場合は、対象月の給与計算がクラウド給与側ですでに確定しているかを確認します。
- 「従業員情報」の「給与情報」で「健康保険 / 厚生年金保険」の「編集」を開き、適用開始月と標準報酬月額を手動で更新します。
- 対象者が多い場合は、「従業員の追加/更新」の「マネーフォワード クラウド社会保険から標準報酬月額をインポート」を使うと、一括で反映できます。
08-05昇給したのに、随時改定の対象にならないと判定される#
よくある症状
従業員を昇給させたのに、クラウド社会保険の随時改定で「対象外」と判定されます。
原因
- 随時改定には3つの要件があり、すべてを満たさないと対象になりません。(1)昇給・降給などで固定的賃金に変動があった。(2)変動月から3ヶ月間の報酬(非固定的賃金を含む)の平均月額にあたる標準報酬月額と、従前の標準報酬月額との間に2等級以上の差がある。(3)3ヶ月とも支払基礎日数が17日(特定適用事業所の短時間労働者は11日)以上ある。
- さらに、固定的賃金の変動方向と、報酬平均額の変動方向が一致している必要があります。方向が逆の場合は対象になりません。
正しい操作
- 「随時改定手続き一覧」の判定結果で、3つの要件のうちどこを満たしていないかを確認します。
- 支払基礎日数の不足が原因になっている場合は、対象の3ヶ月に欠勤や休職がなかったかを確認します。
- 要件を満たさない場合、その時点では随時改定の対象になりません。次回の定時決定で標準報酬月額が見直されます。
08-06算定基礎届の平均額に、4月から6月のうち一部の月しか反映されない#
よくある症状
定時決定の「報酬月額」画面で、4月・5月・6月のうち特定の月だけ、金額が「総計」「平均額」の欄に含まれていません。
原因
- 給与計算の基礎日数(支払基礎日数)が、一般の従業員は17日未満、「短時間就労者(パートタイマー)」は15日未満、「短時間労働者」は11日未満の月は、集計対象から外れる仕組みです。
- 時給制・日給制の従業員は、クラウド勤怠の午前休・午後休の日数カウントの仕様がそのままクラウド給与・クラウド社会保険に連携されるため、想定より基礎日数が少なく計算されることがあります。
正しい操作
- 基礎日数が想定と違う場合は、原因が欠勤・休職なのか、勤怠の日数カウント仕様によるものなのかを確認します。
- 時給制・日給制の従業員で日数カウントの仕様が原因の場合は、クラウド社会保険側の「報酬月額」画面で日数を修正します。
08-07電子申請した手続きを取り下げたい、算定基礎届総括表を出力したい、同月得喪の保険料を設定したい#
よくある症状
3つの困りごとです。電子申請済みの手続きを「取り下げ」ようとするとグレーアウトして操作できません。算定基礎届の総括表を出力しようとしても見当たりません。同じ月に資格取得と喪失があった従業員の保険料が、自動計算と合いません。
原因
- 電子申請が完了した手続きは、削除できない仕様です。
- 算定基礎届総括表は、2021年4月1日以降は作成されなくなりました。それより前に作成済みのものは確認だけできます。
- 同じ月に資格取得と喪失がある「同月得喪」のケースは、保険料の自動計算に対応していません。
正しい操作
- 電子申請は取り下げができない前提で、申請前に内容をよく確認してから実行します。
- 総括表が必要な場合は、2021年4月1日より前に作成済みのものは確認できますが、それ以外は別途作成する必要があります。
- 同月得喪に該当する従業員は、自動計算に頼らず、「社会保険料」欄を手入力で設定します。
コツ
電子申請は、申請届出名にチェックを付けて「添付ファイルの追加」を行い、「電子申請」から申請者(「事業者」の「電子申請設定」で登録した登録名)を選び、必要に応じて電子証明書のパスワード(PIN)を入力して「申請する」を押す流れです。取り下げができない前提で、この画面に進む前に内容を確認します。
この章のチェックリスト
労働保険
労働保険(労災保険・雇用保険)は、事業所の業種ごとに決まる保険料率と、従業員ごとの資格取得・喪失の情報をもとに計算します。毎年6月から7月にかけて行う「年度更新」では、クラウド社会保険の賃金集計表に人数や金額が正しく反映されないことがあります。この章では、料率設定の基本と、年度更新でつまずきやすい所をまとめます。
まず全体像
| 設定項目 | 登録する場所 | 影響する範囲 |
|---|---|---|
| 労働保険番号・具体的な業務又は作業の内容・管轄・事業所番号 | 「労働保険設定」(事業所単位) | クラウド社会保険での手続き。給与計算の金額には影響しません |
| 労災保険料率用業種・雇用保険料率用業種 | 「労働保険設定」(事業所単位) | 給与計算の労災保険料・雇用保険料の料率 |
| 契約種別 | 「業務情報」(従業員単位) | 労働保険の対象/対象外の判定 |
| 従業員区分 | 「労災保険/雇用保険」(従業員単位) | クラウド社会保険と連携した年度更新の集計区分 |
| 資格取得日・離職等年月日 | 「労災保険/雇用保険」(従業員単位) | 雇用保険料を自動計算するかどうか |
似た名前の設定が事業所単位・従業員単位の両方にあるため、目的に応じてどの項目を見るべきかをこの表で確認できます。
09-01「労働保険設定」で労働保険番号や業種を登録したのに、給与計算の金額が変わらない#
よくある症状
事業所の「労働保険設定」で労働保険番号や「具体的な業務又は作業の内容」を登録したのに、給与計算の労災保険料・雇用保険料の金額が変わりません。
原因
- 「労働保険番号」「具体的な業務又は作業の内容」「管轄」「事業所番号」は、クラウド社会保険に連携される情報です。クラウド給与の保険料計算には使われません。
- 保険料の金額を決めるのは、別に設定する「労災保険料率用業種」「雇用保険料率用業種」です。
- 従業員ごとの設定にも似た項目があります。「従業員情報」の「給与情報」にある「労災保険/雇用保険」の「従業員区分」は、クラウド社会保険と連携して年度更新を行う場合に使う分類で、「資格取得日」は雇用保険料の自動計算に使う日付です。いずれも「業務情報」の「契約種別」とは別の項目です。
正しい操作
- 保険料の金額を確認・変更したいときは、「労災保険料率用業種」「雇用保険料率用業種」の設定を確認します。
- 労働保険番号などの行政手続き用の情報は、クラウド社会保険で手続きをする際に使われる情報として、別途正しく登録しておきます。
- クラウド社会保険と連携して年度更新を行う事業所は、従業員ごとの「従業員区分」もあわせて設定します。
09-02労災保険料率・雇用保険料率をどこで設定すればよいか分からない#
よくある症状
事業所を新しく登録したときや、業種を変更したときに、労災保険料率・雇用保険料率をどこで設定すればよいか分かりません。
原因
- 労災保険料率・雇用保険料率は、それぞれ「労災保険料率用業種」「雇用保険料率用業種」の選択にもとづいて決まります。業種を選んでいないと、料率が反映されません。
正しい操作
- 「基本設定」の「労働保険設定」で「労災保険情報」の「編集」を開き、「労災保険料率用業種」を選んで更新します。
- 「雇用保険情報」も同様に「雇用保険料率用業種」を選んで保存します。
- それぞれ保存後に、「労災保険料率」「雇用保険料率」の欄に料率が反映されていることを確認します。
コツ
雇用保険料率は「雇用保険料率用業種」の設定にもとづいて自動更新されるため、料率が改定されても、業種を選び直す操作は必要ありません。労災保険料率も選んだ業種に応じて反映される値です。
09-03雇用保険料が計算されない、0円のまま#
よくある症状
従業員の給与明細で、雇用保険料が0円のまま計算されます。
原因
- 従業員情報の「資格取得日」が未設定になっています。
- または、「離職等年月日」が設定されており、退職者として扱われています。
正しい操作
- 「従業員情報」の「給与情報」で「労災保険/雇用保険」の「編集」を開き、「資格取得日」が設定されているかを確認します。
- 未設定の場合は資格取得日を設定します。設定すると雇用保険料の自動計算が可能になります。
- 退職者でないのに「離職等年月日」が入力されている場合は、誤入力なので削除します。
09-04役員の給与から労働保険・雇用保険が引かれない、あるいは引かせたい#
よくある症状
役員の給与から労災保険料・雇用保険料が控除されません。逆に、雇用保険に加入している役員を、年度更新の対象者数に含めたいのに含まれません。
原因
- 「業務情報」の「契約種別」が「役員」になっていると、労働保険の対象外として扱われます。
- 雇用保険に加入している役員(使用人兼務役員)を、年度更新の「役員で雇用保険の資格のある人」に集計するには、契約種別を「使用人兼務役員」にする必要があります。
正しい操作
- 対象者の「業務情報」で「契約種別」を確認します。
- 労働保険の対象にする場合は、「役員」以外の契約種別に変更します。
- 雇用保険に加入している役員は、契約種別を「使用人兼務役員」にします。
09-05年度更新の「賃金集計表」に、対象者数や賃金が正しく出ない#
よくある症状
クラウド社会保険の「年度更新」で「賃金集計表」を開いても、対象者数や賃金の金額が0のままだったり、一部の従業員が反映されていなかったりします。
原因
- 「賃金集計表」の集計区分は「常時使用労働者数(労災保険対象者数)」「雇用保険被保険者数」「役員で労働者扱いの人」「臨時労働者」「役員で雇用保険の資格のある人」に分かれています。従業員の設定次第で、どの区分に集計されるかが変わります。
- 人数・金額が出ない主な原因は4つです。(1)給与計算の確定後に契約種別を変更した場合、賃金集計表には自動反映されません。(2)対象の従業員が「従業員一覧」に登録されていません。(3)手続きに含める事業所の選択から、その従業員の所属事業所が漏れています。(4)賞与の集計月の設定(支給日基準か、支給対象期間の最終日基準か)が想定と違います。
- 年度更新機能は一元適用事業かつ継続事業にのみ対応しています。二元適用事業・特別加入者・船員保険は自動判定できません。
正しい操作
- 上の4つの原因を順に確認します。契約種別を変更した従業員は、賃金集計表側で金額を手動編集します。
- 二元適用事業・特別加入者・船員保険に該当する従業員がいる場合は、自動判定に頼らず手動で編集します。
制度・スケジュール
年度更新は保険年度(4月1日から翌年3月31日まで)ごとに、新年度の概算保険料の納付と前年度の確定保険料の精算をあわせて行う手続きです。手続き期間は毎年6月1日から7月10日までで、令和8年度(2026年度)分は2026年6月1日(月)から7月10日(金)まででした。2026年6月5日には新しい様式への対応(メリット制の「確定」「概算」料率を個別に登録できるようになったこと、対象期間の月数を1から12の間で選べるようになったこと、充当意思や納付方法の選択肢の変更など)が行われています。この対応より前に令和8年度分の手続きを作成していた場合は、対応後にあらためて手続きを新規に追加する必要がありました。なお、クラウド社会保険の画面上で労働保険料そのものを納付することはできません。
09-06メリット制の料率が、給与計算に反映されない#
よくある症状
労災保険のメリット制(メリット料率)を適用しているのに、給与計算の労災保険料にメリット制後の料率が反映されません。
原因
- メリット制の料率は、クラウド社会保険の「事業所」画面で設定する項目です。クラウド給与の「メリット制(/1,000)」欄から連携されるのは「概算」の料率だけで、「確定」の料率は連携されません。
- 「概算」と「確定」は年度更新で扱う保険料の性質が異なるため、片方だけ更新して安心してしまうと、もう片方が古い料率のまま残ります。
正しい操作
- メリット制の「確定」の料率は、クラウド社会保険の「事業所」画面で直接設定します。
- クラウド給与側の「メリット制(/1,000)」欄は、概算保険料の計算に使う値として扱い、確定の料率と混同しないようにします。
この章のチェックリスト
所得税・住民税
クラウド給与は、毎月の給与計算で所得税を自動計算し、住民税は登録した金額のとおりに控除します。つまずきやすいのは、「帳票がそのまま提出書類にはならない」ことと、「住民税の設定は毎年・従業員ごとに更新が必要」なことです。この章では、所得税徴収高計算書の扱い方と、住民税の年次更新でつまずきやすい所をまとめます。
まず全体像
10-01「所得税徴収高計算書」をそのまま税務署に提出しようとしてしまう#
よくある症状
「帳票一覧」から出力した「所得税徴収高計算書」を、そのまま税務署の窓口へ持参したり郵送したりしようとして、受け付けてもらえません。「税理士等の報酬」の欄も空白のままです。
原因
- クラウド給与が出力する「所得税徴収高計算書」は、内容を確認するための帳票であり、そのまま提出できる様式ではありません。
- 「税理士等の報酬」の欄は、クラウド給与からは金額を出力できません。
正しい操作
- 先に「基本設定」>「全般」の「所轄税務署の情報」で「所轄税務署」「署番号」「税務署番号」が正しく登録されているかを確認します。転記の際に参照する基本情報のため、事業者情報が変わったときは早めに更新しておきます。
- 「帳票一覧」から「所得税徴収高計算書」(納期の特例を適用している場合は「所得税徴収高計算書(納特)」)を出力し、内容を確認します。
- 税務署の窓口や国税庁から入手した複写式の専用用紙に、出力した内容を転記します。
- 税理士等へ報酬を支払っている場合は、転記の際にその欄へ金額を追記します。
制度・スケジュール
国税庁が窓口で配付する「所得税徴収高計算書(納付書)」の様式は、2026年9月24日(令和8年9月24日、木曜日)から変更される予定です。これにあわせてクラウド給与側でも「所得税徴収高計算書」「所得税徴収高計算書(納期の特例用)」の様式変更が予定されています(2026年9月3日公開のお知らせの時点では未リリース)。また、令和9年(2027年)1月1日以後に生じる所得については、所得税額の1パーセント相当の防衛特別所得税が新設され、復興特別所得税率は1.1パーセントに引き下げられたうえで課税期間が10年間延長される予定です。クラウド給与側の対応方法は、本シート作成時点(2026年9月19日)では案内されていないため、公式サポートの案内を確認してください。
10-02「所得税徴収高計算書」の人員・支給額や、年末調整の過不足税額が想定と合わない#
よくある症状
「所得税徴収高計算書」を出力すると、「人員」や「支給額」の数字が想定と違います。「所得税徴収高計算書(納特)」を確認すると、年末調整で確定したはずの過不足税額の一部が反映されていません。
原因
- 「人員」と「支給額」は、次の表の条件で自動集計されます。想定と違う場合は、対象の従業員がどの区分に当てはまるかをこの表で確認します。
- 「所得税徴収高計算書(納特)」に反映される年調過不足税額は、本年12月から翌年1月に確定した分だけです。2月に確定した、または取り込んだ年調過不足税額は反映されません。
| 区分 | 「人員」に数える条件 |
|---|---|
| 俸給・給料等 | 税額表区分が「丙」以外、かつ支給額が1円以上 |
| 賞与 | 役員でない、かつ支給額が1円以上 |
| 日雇労務者の賃金 | 税額表区分が「丙」、かつ支給額が1円以上 |
| 役員賞与 | 役員である、かつ支給額が1円以上 |
「支給額」には「支給控除一覧表」「支給控除一覧表(賞与)」の「課税支給合計」が反映されます。課税支給合計がマイナスになる従業員がいる場合、その金額は合計に加算されません。
正しい操作
- 人員・支給額が想定と違うときは、上の表で対象の従業員がどの区分に当てはまるかを確認します。
- 年末調整の過不足税額のうち2月に確定・取り込んだ分は計算書に反映されないため、専用用紙へ転記する際に別途補記します。年調過不足税額の取り込み条件は「年末調整」の章で説明しています。
10-03住民税の「納付先市区町村」を変更しても、給与やFBデータに反映されない#
よくある症状
従業員情報の「納付先市区町村」を変更したのに、確定済みの給与計算画面の表示が変わりません。また、住民税のFBデータを出力すると、一部の従業員が出力対象に含まれていません。
原因
- 「納付先市区町村」を変更しても、変更前にすでに確定した給与計算には反映されません。反映されるのは、変更後に新しく計算する給与からです。
- 「従業員情報」>「一般情報」>「住民税」には、「給与支払報告書提出先市区町村」「納付先市区町村名」「宛名番号」「受給者番号」という似た項目が並んでいます。住民税のFBデータを作成する場合、このうち「納付先市区町村名」が設定されていない従業員は、出力の対象になりません。
正しい操作
- 確定済みの給与に反映させたい場合は、対象の給与計算で「メニュー」>「給与の確定を取消」を行ってから、内容を確認して再度確定します。
- 住民税のFBデータに従業員が出ないときは、「従業員情報」>「一般情報」>「住民税」で「納付先市区町村名」が入力されているかを、対象の従業員ごとに確認します。
10-04住民税の「指定番号」をどこで登録・更新すればよいか分からない#
よくある症状
eLTAXから一括徴収に関する案内が届きましたが、「指定番号」をクラウド給与のどこに登録すればよいか分かりません。対象の市区町村が多く、1件ずつ手入力するのも大変です。
原因
- 「指定番号」は、従業員ごとの「納付先市区町村」とは別に、事業者単位で「基本設定」>「住民税」に登録する項目です。
- 登録方法には、1件ずつ入力する方法と、CSVでまとめてアップロードする方法の2通りがあります。
正しい操作
- 「基本設定」>「住民税」を開きます。
- 1件ずつ登録する場合は右上の「メニュー」から「指定番号を編集する」を選びます。件数が多い場合は「指定番号CSVをアップロードする」からCSVで一括更新します。
- 登録後、画面に市区町村名が表示されていることを確認します。
10-05年が変わっても、従業員の住民税額が前年のまま反映される#
よくある症状
eLTAXの住民税特別徴収税額通知CSVを使わず手入力で運用している事業者で、新しい年度になっても住民税の控除額が前年と同じ金額のまま計算されます。
原因
- 住民税の控除額は、「従業員情報」>「給与情報」>「住民税納付額」に登録した金額がそのまま使われる仕様です。年度が変わっても自動では更新されません。
- 「住民税納付額」の画面は、左右の矢印で対象の年度を切り替えて入力する仕組みになっています。
正しい操作
- 市区町村から届いた住民税額決定通知書をもとに、「従業員情報」>「給与情報」>「住民税納付額」を開きます。
- 左右の矢印で対象の年度に切り替え、通知書のとおりに月ごとの金額を、従業員ごとに入力し直します。
10-06eLTAXの住民税特別徴収税額通知CSVが取り込めない#
よくある症状
eLTAXからダウンロードした住民税特別徴収税額通知CSVを「従業員の追加/更新」からインポートしようとすると、エラーになって取り込めません。取り込めても、一部の従業員の納付先市区町村が空欄のままです。
原因
- ダウンロードしたCSVの列を削除したり内容を編集したりすると、取り込めなくなることがあります。
- 納付先市区町村が横浜市・名古屋市の場合、このCSVインポートでは納付先市区町村を取り込めない仕様です。
正しい操作
- CSVを編集する必要がある場合は、メモ帳などのテキストエディタで開き、公式サポートが案内する統一CSVレイアウトの対応表に沿って、列の並びを変更せずに編集します。
- 納付先市区町村が横浜市・名古屋市の従業員は、インポート後に「従業員情報」から直接入力するか、従業員情報CSVで個別に設定します。
10-07新年度の住民税CSVを取り込んだら、5月支給分の住民税まで新年度の金額になってしまった#
よくある症状
6月分からの新年度の住民税特別徴収税額通知CSVを取り込んだところ、まだ確定していなかった5月支給分の給与計算まで、新年度の住民税額で計算されてしまいました。
原因
- このCSVのインポートは、納付先市区町村・宛名番号・住民税納付額をその場で更新します。5月支給分の給与計算がまだ確定していない状態でインポートすると、5月分にも新年度の金額が使われます。
- インポート画面で最新年度以外の「適用年度」を選ぶと、適用年度が変更された旨のアラートが表示されます。アラートが出ていてもインポート自体は実行できます。
正しい操作
- 新年度の住民税特別徴収税額通知CSVは、5月支給分の給与計算を確定させたあとにインポートします。
- インポート画面では「適用年度」が意図した年度になっているかを必ず確認してから「インポート」を実行します。
- 誤って5月支給分より前に取り込んでしまった場合は、5月支給分の給与計算で住民税額が正しいかを確認し、必要なら金額を修正してから確定します。
注意
新年度分のCSVを5月支給分の確定処理より前に取り込んでしまうことは起きやすいミスです。取り込む順番(確定処理が先、インポートが後)を、住民税の担当者間で共有しておくことをおすすめします。
10-08退職者の住民税をまとめて(一括徴収で)納付したい#
よくある症状
退職する従業員の残りの住民税を、最後の給与や退職金からまとめて天引きして納付したいのですが、専用の「一括徴収」というメニューが見当たりません。
原因
- 退職金から住民税を控除して支払う操作は、「支払業務」>「住民税」タブの「3. 退職金の住民税を支払う」から行います。
- 毎月の給与から天引きする形で一括徴収したい場合、クラウド給与には「一括徴収」という専用の設定項目はありません。「従業員情報」>「給与情報」>「住民税納付額」の該当する月に、一括徴収したい金額を入力して対応します。
正しい操作
- 退職金から控除する場合は、「支払業務」>「住民税」タブを開き、「2. 確定データを選択」で対象の給与支給月を選んでから、「3. 退職金の住民税を支払う」で設定します。
- 給与から一括で天引きしたい場合は、「住民税納付額」の対象月に、一括徴収したい金額を直接入力します。
コツ
マネーフォワード クラウドの仕様ではありませんが、実務では、退職者の一括徴収額は市区町村から届く通知書に記載された金額と一致しているかを、入力前に必ず確認しています。「一括徴収」という言葉そのものは、クラウド給与の公式サポートに専用機能名としては出てきません。
この章のチェックリスト
クラウド年末調整と、源泉徴収票・法定調書。
年末調整(クラウド年末調整)
クラウド給与の年末調整は、別製品の「クラウド年末調整」で申告書を回収し、確定した過不足税額をクラウド給与へ取り込む2製品構成です。取り込みには複数の条件があり、令和8年分は税制改正への対応状況もあわせて確認する必要があります。この章では、管理者が押さえておく流れと、つまずきやすい所をまとめます。
まず全体像
11-01クラウド給与に年調過不足税額を取り込もうとしても、対象が出てこない・反映されない#
よくある症状
クラウド給与の「給与計算」画面で「メニュー」から「年末調整から過不足税額をインポート」を実行しても、対象の年末調整手続きが表示されません。実行できても、「控除」欄に年調過不足税額が反映されません。
原因
- 取り込みには、次の4つの条件がすべて必要です。どれか1つでも満たしていないと、対象が表示されないか、金額が反映されません。
| 条件 | 確認する場所 |
|---|---|
| 対象の従業員の回収・計算ステータスが「確定済」になっている | クラウド年末調整の「手続き」 |
| 「年調過不足税額」の控除項目が有効になっている | クラウド給与「基本設定」>「控除項目」 |
| クラウド年末調整とクラウド給与で従業員番号が一致している | 両製品の従業員情報 |
| 取り込み先が、本年12月・翌年1月・翌年2月の給与計算または賞与計算である | クラウド給与「給与計算」の対象月 |
正しい操作
- 取り込み前に「連携設定」>「年末調整」タブで連携済みか、「控除項目」で「年調過不足税額」が有効かを確認します。
- クラウド年末調整側で対象の従業員のステータスが「確定済」になっているかを確認します。
- 両製品の従業員番号が一致しているかを確認します。
- 「給与計算」で対象月(12月・翌1月・2月のいずれか)を開き、「メニュー」>「年末調整から過不足税額をインポート」で年末調整のタイトルを選んでインポートします。
注意
年調過不足税額を取り込むと、その支給月にすでに作成済みの給与明細や各種帳票が自動的に上書きされます。取り込み前の内容を残しておきたい場合は、先に「帳票一覧」から出力しておきます。また、従業員番号が一致していないと、単に取り込めないだけでなく、別の従業員の情報として取り込まれてしまうおそれがあります。取り込み後は、金額が想定どおりの従業員に反映されているかもあわせて確認します。
11-02年末調整の対象外に変更したのに、クラウド給与側の年調過不足税額が直らない#
よくある症状
年調過不足税額を取り込んだあとで、ある従業員をクラウド年末調整で年末調整の対象外に変更しました。しかしクラウド給与の給与計算には、取り込んだ年調過不足税額がそのまま残っています。
原因
- 年調過不足税額を取り込んだあとにクラウド年末調整側の設定を変更しても、クラウド給与側の金額は自動では変更されない仕様です。
正しい操作
- 対象外に変更した従業員については、クラウド給与の該当する給与計算(または賞与計算)を開き、年調過不足税額の欄を手動で修正します。
- 修正後は、支給控除一覧表などの帳票で金額が正しく反映されているかをあわせて確認します。
あわせて確認
2月支給分に取り込んだ年調過不足税額は「所得税徴収高計算書(納特)」に反映されません。詳しくは「所得税・住民税」の章で説明しています。
11-03令和8年分の年末調整の改正に、クラウド年末調整がどこまで対応しているか分からない#
よくある症状
基礎控除や給与所得控除の引き上げなど、令和8年分の税制改正が話題になっています。クラウド年末調整の申告画面や帳票が、いつの時点で新しい基準に対応しているのかが分かりません。
原因
- マネーフォワードは2026年9月1日(令和8年9月1日、9月3日更新)に、令和8年分の年末調整に関する対応状況を公開しています。対応済みの項目と、今後対応予定の項目に分かれています。
| 状況 | 内容 |
|---|---|
| 対応済み | 基礎控除額の引き上げ、扶養親族・同一生計配偶者・特定親族等の所得要件の変更、23歳未満の扶養親族がいる場合の生命保険料控除の計算方法と上限の変更、クラウド給与からのインポートにおける判定条件の変更、「特定管理者」ロールの新設、「申告」メニューの新設、CSVファイル項目の削除 |
| 対応予定(未リリース) | 【ベータ版】AI自動入力機能、各種帳票の様式変更、給与所得控除額の引き上げ(最低保証額74万円) |
2026年9月19日時点の対応状況です。最新の状況は公式のお知らせを確認してください。
正しい操作
- 源泉徴収票・法定調書などの各種帳票は、様式変更と給与所得控除額の引き上げへの対応が完了してから出力します。
- 対応予定の項目が反映されるまでは、アンケート画面や「手続き一覧」の「還付追徴額」画面に表示される金額が、給与所得控除額の引き上げ前の金額になっている点に注意します。
制度・スケジュール
令和8年度税制改正は、原則として2026年12月1日(令和8年12月1日)に施行され、令和8年分以後の所得税に適用されます。また「保険料控除証明書入力代行オプション」は、2026年10月1日から2026年12月31日までの期間限定で利用できます。
11-04源泉徴収票を従業員に交付したい、給与支払報告書・法定調書が見当たらない#
よくある症状
年末調整が確定したので源泉徴収票を従業員に渡したいのですが、どこから操作すればよいか分かりません。また、クラウド給与の「帳票一覧」で給与支払報告書や法定調書を探しても、最新年分が見当たりません。「源泉徴収簿」を開くと、右側が空欄になっています。
原因
- 源泉徴収票は、クラウド年末調整でステータスが「確定済」になった従業員を選んで配布する操作です。
- クラウド給与の「帳票一覧」にある「給与支払報告書」「給与支払報告書 総括表」「法定調書合計表(給与所得者)」「扶養控除等申告書」などの帳票は、2020年分までしか出力できません。現在の年分は、クラウド年末調整の「申告一覧」からCSVエクスポートするか、紙で提出します。
- クラウド給与の帳票「源泉徴収簿」は、左側の内容だけが反映される仕様で、右側は対象外です。
正しい操作
- クラウド年末調整で「確定済」ステータスの従業員にチェックを入れます。
- 「配布」から源泉徴収票を配布します。
- 給与支払報告書・法定調書の最新年分は、クラウド給与の帳票一覧ではなく、クラウド年末調整の「申告一覧」から提出用データを用意します。
- 退職者の源泉徴収票が必要な場合は、クラウド給与の「帳票一覧」から出力します。作成されるのは、その退職者の給与または賞与計算を最後に確定処理した年度の帳票です。
注意
クラウド給与に内蔵されていた旧「年末調整」機能は、2022年4月4日(令和4年4月4日)をもって提供を終了しています。現在の年末調整は、この章で説明しているクラウド年末調整を使います。
11-05年末調整関係書類の提出方法で迷う、「電子申告」が使えない#
よくある症状
年末調整が確定したあと、扶養控除申告書などをどうやって税務署や市区町村に提出すればよいか分かりません。「電子証明書一覧」から「電子申告」を選んでも、操作が進みません。
原因
- 提出方法には、紙で提出する方法と、e-Tax・eLTAXに直接提出する方法があります。「電子証明書一覧」に証明書を登録すると使えるようになるのは「電子申告」機能で、これとe-Tax・eLTAXへの直接提出は別の操作です。
- 「電子申告」機能は、2026年9月19日時点ではまだ利用できず、準備中である旨と、リリース時にあらためて案内する旨が公式サポートに記載されています。
正しい操作
- 紙で提出する場合は、「申告一覧」>「提出準備」から書類を出力します。
- e-Tax・eLTAXに直接提出する場合は、「申告一覧」>「CSVエクスポート」から電子申告用のファイルを出力します。「電子証明書一覧」への登録は不要です。
- 「電子申告」機能は現時点では使えないため、電子証明書を登録済みの場合でも、上の2つの方法のいずれかを使います。
11-06従業員が申告書を提出した後に内容を直したい、プレビューが古いまま変わらない#
よくある症状
従業員が「申告書の確認を完了し提出する」にチェックを入れて提出した後に、入力内容の誤りに気づきました。管理者が内容を修正したのに、従業員側のプレビュー画面が古い内容のまま変わりません。
原因
- 提出が完了すると、従業員自身は入力内容を編集できなくなります。修正するには管理者に連絡する必要があります。
- クラウド年末調整には、従業員へ再提出を求めるための専用の操作があるとは公式サポートに記載がありません。誤りに気づいた場合、管理者が「未確認」ステータスの画面から内容を直接確認・修正する運用になります。
- 申告内容を修正した直後は、表示中のプレビュータブを開いたままだと、修正前の内容が表示され続けることがあります。
正しい操作
- 従業員は、提出後に誤りに気づいたら管理者に連絡します。
- 管理者は、「未確認」ステータスの一覧から対象の従業員の行をクリックし、内容を確認・修正します。
- 修正後にプレビューが古いままの場合は、表示中のプレビュータブを一度閉じてから、あらためて対象の書類をクリックし直します。
11-07事業所に所属しない税理士・社会保険労務士を、クラウド年末調整の管理者として追加したい#
よくある症状
顧問先のクラウド年末調整を、会計事務所や社会保険労務士事務所のスタッフが代わりに確認・操作したいのですが、通常のメンバー招待の画面に招待したい人が見当たりません。
原因
- クラウド年末調整の管理者ロールには「全権管理者」「一般管理者」「管理者(代理①)」に加えて、新しく「特定管理者」が用意されています。
- 事業所に所属しない税理士・社会保険労務士を管理者として追加するには、通常のメンバー招待とは別に、専用の操作が用意されています。
正しい操作
- クラウド年末調整の「権限」画面を開きます。
- 「税理士・社労士の管理者を追加」から、追加したい税理士・社会保険労務士を招待します。
この章のチェックリスト
会計連携、振込データと帳票、権限とインポート。
会計連携
クラウド給与で確定した給与データは、クラウド会計・確定申告の「自動で仕訳」画面から仕訳として登録できます。「確定処理」と「仕訳登録」は別の操作なので、この違いを理解していないと、連携が反映されない、勘定科目が想定と違う、銀行明細と二重に計上される、といったつまずきが起こります。この章では、給与担当者の立場から見た会計連携のしくみと、つまずきやすい所をまとめます。会計側からの詳しい手順は、会計・確定申告編の章もあわせて確認してください。
まず全体像
12-01給与計算を確定したのに、会計側の仕訳帳に給与の仕訳が登録されていない#
よくある症状
クラウド給与で給与計算を確定したのに、クラウド会計・確定申告の仕訳帳を検索しても、その月の給与の仕訳が見つかりません。
原因
- 「確定処理」は、給与データを会計側の「自動で仕訳」>「給与から入力」画面に連携するところまでの操作です。
- 仕訳帳への登録は、会計側で仕訳候補の内容を確認して「登録」をクリックする、確定処理とは別の操作で行います。確定処理をしただけでは、仕訳帳にはまだ何も反映されません。
正しい操作
- 会計側の「自動で仕訳」>「給与から入力」画面を開き、「対象データ」から該当する支給月を選びます。
- 表示された仕訳候補の内容(勘定科目・金額)を確認し、問題がなければ「登録」をクリックします。
- 登録が完了すると、「対象データ」の末尾に「※仕訳登録済み」と表示されます。この表示がなければ、まだ仕訳帳には反映されていません。
12-02給与の勘定科目・補助科目を、クラウド給与の画面から変更できない#
よくある症状
「給与から入力」画面の仕訳候補で勘定科目や補助科目を変更したいのに、クラウド給与側の設定をいくら探しても、科目を選ぶ項目が見当たりません。
原因
- 連携される勘定科目・補助科目は、クラウド会計側の「給与から仕訳のルール設定」画面で管理する項目です。クラウド給与の画面には、科目そのものを設定する項目がありません。
- 「給与から入力」画面の連携区分は「支給項目」「控除項目」「差引支給項目」「負担項目・未払項目」「未払項目」に分かれており、区分ごとに初期の科目が割り当てられています。
正しい操作
- 科目を確認・変更したいときは、クラウド会計側の担当者に「給与から仕訳のルール設定」画面を開いてもらいます。
- 標準項目の初期の科目割当の一覧は「給与・経費の記帳」の章にまとめています。あわせて確認してください。
注意
会計側の部門を削除すると、給与の自動仕訳ルールでエラーが出ることがあります。部門の削除は会計側だけで完結する操作ではないため、給与の仕訳ルールで部門を使っている場合は、削除前に会計側の担当者と調整してください。
12-03給与の仕訳が、銀行明細や「対象外」の操作で二重に計上される#
よくある症状
給与や社会保険料・源泉所得税の銀行振込・納付の明細を会計側で登録したら金額が合わなくなった、あるいは「給与から入力」画面で「対象外」をクリックしたら、再確定処理や修正をしたあとの内容が画面から消えてしまった、ということがあります。
原因
- 会計側で仕訳を登録した時点で、差引支給額は「未払費用」、健康保険料や所得税などの控除項目は「預り金」として、すでに仕訳ができています。銀行の出金明細を新しい費用科目の仕訳として登録すると、この未払費用・預り金と重複します。
- 「対象外」をクリックしても、登録済みの仕訳そのものが削除されるわけではありません。再確定処理や修正をしたあとの内容が「給与から入力」画面から見えなくなるだけです。この状態であらためて仕訳を作ってしまうと、二重登録の原因になります。
正しい操作
- 給与に関する銀行の出金明細は、新しい費用科目の仕訳としてではなく、登録済みの未払費用・預り金を取り崩す仕訳として登録します。
- 内容を直したいだけのときは、「対象外」ではなく「上書き」を使います。「対象外」にした内容をもとに戻すには、クラウド給与で再確定・修正を行うか、会計側で登録済みの仕訳を削除します。
- すでに二重計上が起きてしまったときの調べ方・直し方は「給与・経費の記帳」の章で詳しく解説しています。
NG:内容を消したいときに「対象外」をクリックする
- 登録済みの仕訳は残ったまま、一覧の表示だけが消えます。気づかずに新しい仕訳を作ると二重計上になります。
OK:内容を直したいときは「上書き」を使う
- 登録済みの仕訳が最新の内容に更新されるため、二重計上を避けられます。
12-04クラウド給与で再確定・修正したのに、登録済みの仕訳の金額が変わらない#
よくある症状
クラウド給与で確定処理を取り消して再確定したり、確定後に給与の金額を修正したりしたのに、会計側ですでに登録済みの仕訳の金額が変わりません。
原因
- 仕訳登録前の状態であれば、給与側の変更は会計側の仕訳候補に自動で反映されます。
- すでに「登録」まで済んでいる場合は自動では更新されません。会計側の「給与から入力」画面に「マネーフォワード クラウド給与にて変更されています」というメッセージが表示されます。
正しい操作
- このメッセージが表示されたら、「仕訳候補(給与データ変更後の情報)」の内容を確認します。
- 内容に問題がなければ「上書き」をクリックし、確認画面で「OK」を選びます。
- 給与側で修正や確定取消をしたときは、その月の仕訳がすでに登録済みかどうかを会計側の担当者に確認してから伝えると、対応がスムーズです。
コツ
確定処理の取消じたいは、現在の従業員情報で金額が再計算される操作です。取消と再確定を繰り返す前に控除額などを控えておきたい場合は「給与計算と明細」の章も参照してください。
12-05任意で作った支給・控除項目の仕訳科目が「未確定勘定」のままになっている#
よくある症状
会社独自に作成した支給項目や控除項目について、「給与から入力」画面の仕訳候補を見ると、勘定科目が「未確定勘定」と表示されたままになっています。
原因
- 役員報酬・基本給・通勤手当・健康保険料など、あらかじめ用意されている標準項目には初期の科目が割り当てられています。
- これに対し、事業所が任意で作成した支給項目・控除項目には初期の科目が割り当てられていないため、「未確定勘定」のまま仕訳候補になります。
正しい操作
- 会計側の「給与から仕訳のルール設定」画面で、該当する項目に正しい勘定科目・補助科目を設定します。
- 仕訳候補の画面を直接編集して登録することもできますが、その場合は自動仕訳ルールも書き換わります。次回以降も同じ科目にしたいときは、ルール設定側で直すほうが、毎回の修正の手間が少なくなります。
12-062026年4月分の給与から、会計連携の項目に「子ども・子育て支援金」が増えている#
よくある症状
2026年4月分以降の給与を会計側に連携すると、以前はなかった「子ども・子育て支援金」という項目が仕訳候補に含まれるようになりました。
原因
- 2026年4月以降、給与の控除項目・会社負担項目・未払項目のそれぞれに「子ども・子育て支援金」が追加されています。
- 協会けんぽの子ども・子育て支援金率は0.23%です。一般被保険者分は令和8年4月分(5月納付分)から徴収が始まっています。
正しい操作
- 控除項目の「子ども・子育て支援金」は預り金(補助科目:社会保険料)、会社負担項目は法定福利費、未払項目は未払費用として連携されます。この科目でよいか、会計側でもあわせて確認します。
- 従業員負担分の金額の計算方法や、意図せず控除されるケースは「社会保険」の章で説明しています。
制度
子ども・子育て支援金の率は全国健康保険協会の案内で確認できます。事業主と被保険者の負担割合など、この案内のページからは確認できなかった詳細もあるため、最新の制度内容は公的機関の案内もあわせて確認してください。
この章のチェックリスト
振込・帳票
クラウド給与では、給与・賞与・住民税の振込データを「FBデータ」として出力し、金融機関の振込サービスに取り込みます。区切り文字やレコード長の設定を誤ると、金融機関側でデータが弾かれます。また、給与明細や賃金台帳などの帳票は、確定処理と同時に自動で作成されますが、出勤簿のように「帳票一覧」には含まれない書類や、2020年分までしか出力できない書類もあります。この章では、FBデータ作成と帳票出力でつまずきやすい所をまとめます。
まず全体像
13-01FBデータを金融機関の振込サイトに取り込むと、フォーマットエラーで弾かれる#
よくある症状
「支払業務」で出力したFBデータを、銀行や信用金庫の振込サイトにアップロードしたら、フォーマットエラーで受け付けられないことがあります。
原因
- FBデータを「CR/LF有」形式で出力するには、「最後の2バイトに区切り文字を付与する」と「データの最後にEOFを付与する」の両方にチェックを入れる必要があります。どちらか一方だけでは「CR/LF無」形式になります。
- 多くの金融機関が求める形式は「CR/LF有」のため、チェックが片方だけ、またはどちらも入っていない状態では、そのままアップロードしても受け付けられません。
正しい操作
- FBデータの出力設定で、「最後の2バイトに区切り文字を付与する」と「データの最後にEOFを付与する」の両方にチェックを入れて出力し直します。
- 「振込方法」も、実際の振込内容に合わせて「給与振込」「賞与振込」「総合振込」のいずれかを選び直します。
- 「レコード長」もあわせて確認します。初期値は「120」ですが、必要な値は金融機関の仕様によって異なるため、対応する値が分からない場合は金融機関に確認します。
コツ
出力後はZIPファイルを展開し、テキストファイルの中身を目視で確認してからアップロードすると、フォーマットの誤りに事前に気づきやすくなります。
13-02FBデータの出力設定で、エラーメッセージが表示されて先に進めない#
よくある症状
「支払業務」画面でFBデータを出力しようとすると、途中でエラーメッセージが表示され、出力まで進めないことがあります。
原因
- 対象月の給与・賞与の確定処理が済んでいない状態で、支払業務の操作を進めています。
- 振込日に、実際の操作日より前の日付を指定しています。
- FBデータの出力設定で、支払口座を選択していません。
正しい操作
- 表示されたエラーメッセージの内容を、下表で確認します。
- 該当する対処を行ってから、出力設定を入力し直します。
| 表示されるメッセージ | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 「確定された給与または賞与が見つかりません。」 | 対象月の給与・賞与の確定処理がまだ済んでいない | 先に給与計算・賞与計算の確定処理を行う |
| 「振込日はyyyy/mm/dd以降で指定してください」 | 実際の操作日より前の日付を振込日に指定している | 操作日以降の日付を指定し直す |
| 「支払口座を指定してください」 | FBデータの出力設定で支払口座が選ばれていない | 出力設定の画面で支払口座を選択する |
出典:「支払業務」画面の使い方(マネーフォワード クラウド給与サポート)。支払口座は、あらかじめ「基本設定」の「支払口座」で登録しておく必要があります。
13-03「支払先一覧」のCSVをExcelで開くと文字化けする#
よくある症状
FBデータと一緒に出力される「支払先一覧」のCSVファイルをExcelで開くと、氏名などの文字が正しく表示されず、文字化けしていることがあります。
原因
- FBデータの出力設定にある「支払先一覧のCSV形式」が、使っているパソコンのOSに合っていません。
正しい操作
- 出力設定の「支払先一覧のCSV形式」を、Windowsの場合は「Excel用(Shift-JIS)」、Macの場合は「その他(UTF-8)」に設定します。
- 設定を直して、あらためてFBデータを出力し直します。
13-04住民税のFBデータに、一部の従業員が含まれない#
よくある症状
「支払業務」の「住民税」タブでFBデータを出力しても、特定の従業員だけが対象から漏れていることがあります。
原因
- その従業員の「従業員情報」>「一般情報」>「住民税」で、「納付先市区町村名」が設定されていません。
正しい操作
- 対象の従業員の「従業員情報」を開き、「住民税」の「納付先市区町村名」が入力されているかを確認します。
- 未設定の場合は入力して保存し、あらためて住民税のFBデータを出力し直します。
13-05出勤簿が「帳票一覧」に見当たらない、労働者名簿をまとめて印刷できない#
よくある症状
「帳票一覧」の「法定三帳簿」カテゴリを開いても出勤簿が見当たりません。また、労働者名簿を全従業員分まとめて印刷しようとしても、一括印刷ができません。
原因
- 「帳票一覧」の「法定三帳簿」カテゴリに含まれるのは「労働者名簿」「賃金台帳」の2つだけです。出勤簿はクラウド給与の帳票一覧には含まれていません。
- 労働者名簿は、1名ずつ印刷する仕様になっています。
正しい操作
- 賃金台帳は「帳票一覧」>「法定三帳簿」から、対象の従業員・期間を選んで出力します。
- 労働者名簿は、対象者ごとに1名ずつ選んで出力します。全員分をまとめて1回で印刷する機能はありません。
コツ
マネーフォワード クラウドの仕様ではありませんが、実務では出勤簿はクラウド勤怠側の機能で管理し、必要に応じてそちらから出力するのが一般的です。
13-06「給与支払報告書」など年末調整関連の帳票が、最新の年分で出力できない#
よくある症状
「帳票一覧」から「給与支払報告書」「法定調書合計表(給与所得者)」「扶養控除等申告書」などを出力しようとしても、最新の年分を選べません。
原因
- 「帳票一覧」では、これらの帳票は「2020年分まで出力可能な帳票」というカテゴリに分類されています。対象は「給与支払報告書」「退職者の給与支払報告書」「給与支払報告書 総括表」「法定調書合計表(給与所得者)」「扶養控除等申告書」「保険料控除 兼 配偶者特別控除申告書」「保険料控除申告書」「配偶者控除等申告書」です。
正しい操作
- 2020年分より後の年分については、クラウド給与の帳票一覧からは出力できません。マネーフォワードの案内を確認してください。
- 同じ「年末調整関連」でも、「退職者の源泉徴収票」「源泉徴収簿」は2020年分までの制限がある帳票には含まれていません。年分の制限があるのは上記の8種類だけなので、混同しないようにします。
13-07退職者の源泉徴収票が、想定と違う年度の内容で出力される#
よくある症状
退職した従業員の源泉徴収票を出力したら、想定していた年度と違う年度の内容になっていることがあります。
原因
- 退職者の源泉徴収票は、その退職者の給与または賞与計算を最後に確定処理した年度の帳票が作成される仕様です。
正しい操作
- 退職者に支払う最後の給与・賞与計算の確定処理をすべて終えてから、源泉徴収票を出力します。
- すでに出力した源泉徴収票の年度が想定と違う場合は、最後に確定処理をした年度を確認したうえで、必要であれば確定処理の順序を見直します。
13-08振込む前に、誰にいくら振り込むかをまとめて確認したい#
よくある症状
FBデータを出力する前に、従業員ごとの振込先・金額をまとめて確認したい、あるいは部門ごとの支給額を集計した一覧がほしいことがあります。
原因
- 「帳票一覧」の「振込・納税に関する帳票」に「給与振込一覧表」「賞与振込一覧表」が、「給与に関する帳票」に「支給控除一覧表(給与)」「支給控除一覧表(給与・部門別)」が、それぞれ確定処理と同時に自動で作成されます。
正しい操作
- 振込前の確認には、「帳票一覧」の「給与振込一覧表」(賞与は「賞与振込一覧表」)を使います。
- 部門ごとの支給額を集計して見たいときは、「支給控除一覧表(給与・部門別)」を使います。
この章のチェックリスト
権限・インポート・その他
クラウド給与は、メンバーごとに「権限パターン」を割り当てて、閲覧・編集できる範囲を制限できます。初期値の理解が不十分だと、権限パターンを作っても反映されない、削除できない、といったつまずきが起こります。また、従業員情報をCSVで一括登録・更新する場面でも、エラーメッセージやファイルの扱いで迷うことが少なくありません。この章では、権限とCSVインポートまわりのつまずきやすい所をまとめます。
まず全体像
14-01権限パターンを作成したのに、メンバーに割り当てられない#
よくある症状
権限パターンを新しく作成したのに、メンバーへの割り当て画面でそのメンバーを選べない、または割り当てても反映されないことがあります。
原因
- 権限パターンを割り当てられるのは「給与担当者」権限のメンバーだけです。「従業員」権限のメンバーには割り当てできません。
正しい操作
- 「メンバーの追加・管理」で、対象メンバーの権限区分が「給与担当者」になっているかを確認します。
- 「従業員」権限のままでは割り当てできないため、給与担当者として招待し直すか、権限区分を変更したうえで、あらためて権限パターンを割り当てます。
14-02新しく作った権限パターンで、メンバーが何のメニューも見られない#
よくある症状
権限パターンを新しく作成してメンバーに割り当てたのに、そのメンバーは給与計算や従業員情報などのメニューを、閲覧することさえできません。
原因
- 権限パターンの初期値は、「業務に関する権限」「システムに関する権限」のどの項目もすべて「閲覧不可」に設定されています。
正しい操作
- 「業務に関する権限」の各ブロック(給与計算・賞与計算・社会保険事務・年末調整・従業員情報・基本設定・支払業務)の「編集」を開き、必要な項目を「閲覧可」または「編集可」に変更します。
- 「システムに関する権限」(システム管理・メンバー管理)についても、必要な範囲を同様に設定します。
14-03権限パターンを削除できない#
よくある症状
権限パターンの一覧から特定のパターンを削除しようとしても、削除できないことがあります。
原因
- メンバーに割り当てられている権限パターンは削除できません。
- あらかじめ用意されている「全権管理者向けパターン」は、編集・削除のどちらもできません。
正しい操作
- 削除したいパターンを使っているメンバーがいないかを確認します。
- いる場合は、そのメンバーを別の権限パターンに付け替えてから、あらためて削除します。
- 「全権管理者向けパターン」は変更できない仕様として扱い、削除の対象から外します。
14-04「社会保険事務」「年末調整」の権限を設定しても、何も変わらない#
よくある症状
権限パターンの「業務に関する権限」には「社会保険事務」「年末調整」という項目がありますが、設定を変えても反映されているように見えません。
原因
- 「社会保険事務(β)」は2021年6月1日をもって、「年末調整」機能は2022年4月4日をもって、クラウド給与内の機能としては提供を終了しています。
正しい操作
- 社会保険の手続きはクラウド社会保険、年末調整の実務はクラウド年末調整という、それぞれ別の製品で行います。
- 権限パターンのこの2項目の設定は、現在はこれらの製品の利用には影響しません。混乱しないよう、現行の権限管理は業務に使っている製品側で確認します。
14-05退職した従業員が、退職後もログインできる状態のままになっている#
よくある症状
退職した従業員のアカウントが、退職後もクラウド給与にログインできる状態のまま残っていることがあります。
原因
- メンバーの登録を削除していない、または「ログイン権限失効日」を設定していません。
正しい操作
- 「メンバーの追加・管理」で対象者をゴミ箱マークから削除するか、「変更」から「ログイン権限失効日」を設定します。
- 削除やログイン権限失効日の設定をしても、従業員情報や給与計算のデータそのものは消えません。安心して手続きを進められます。
14-06従業員CSVをアップロードすると、エラーメッセージが表示されて取り込めない#
よくある症状
従業員情報のCSVファイルをアップロードすると、エラーメッセージが表示されて取り込めないことがあります。
原因
- 必須項目が未入力、選択肢にない値が入力されている、識別子が最新のCSVと一致していない、CSVの雛形が古い、タイトル行が書き換わっている、支給条件と勤怠項目の組み合わせが揃っていない、など原因によって表示されるメッセージが異なります。
正しい操作
- 表示されたメッセージの内容を下表で確認します。
- 該当する対処を行い、多くの場合はあらためて最新のCSVをダウンロードし直してから編集・アップロードします。
| 表示されるメッセージ(例) | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 「○行目: ●●を入力してください」 | 必須項目が未入力 | 該当する項目を入力する |
| 「○行目: ●●が不正です」「●●は一覧にありません」 | 選択肢にない値が入力されている | 「CSVのセルに入力可能な項目と選択肢の一覧」を確認し、選択肢内の値に直す |
| 「CSVの中に存在しない従業員(家族/通勤経路)が指定されています。」 | 識別子を書き換えた、または対象の従業員がすでにいない | 最新のCSVをダウンロードし、識別子を変更せずにインポートする |
| 「現在利用できないVersionです。」 | 古いバージョンのCSV雛形を使っている | 最新のCSVをダウンロードし、「Version」欄を変更せずに作成する |
| 「CSVのタイトル行が一致しませんでした。」 | タイトル行(1行目)を書き換えてしまった | 最新のCSVをダウンロードし、タイトル行を変更せずに作成する |
| 「支給条件が出勤日数に応じて支給の場合は、使用勤怠項目は未設定以外の値で登録してください。」 | 通勤手当などの支給条件に対応する勤怠項目が未設定 | 「使用勤怠項目(通勤手当)」を設定する |
出典:CSVファイルを利用した従業員の登録・更新方法(マネーフォワード クラウド給与サポート)。メッセージの●●や○行目には、実際の項目名・行番号が入ります。
14-07従業員CSVを作り直したら前のファイルが使えない、サンプル行を消すべきか迷う#
よくある症状
従業員情報のCSVを新しく作り直したら、前にダウンロードしたCSVファイルがダウンロードできなくなっていた、あるいはCSVの2行目に見慣れない行があり、消してよいか迷うことがあります。
原因
- 新しくCSVファイルを作成すると、前回作成したCSVファイルはダウンロードできなくなる仕様です。
- CSV作成中に、別の画面から従業員情報を追加・更新すると、意図した内容と異なるCSVが作成される可能性があります。
- 「従業員識別子」が「sample_identifier」になっている行は、サンプルとして扱われ、取り込みの対象外になります。
正しい操作
- あとで使う予定のCSVは、作成した時点でその都度ダウンロードして保存しておきます。
- CSVを作成している間は、他の担当者が従業員情報を編集しないよう、作業のタイミングを調整します。
- 「sample_identifier」の行は取り込み対象外なので、削除しなくても問題ありません。
14-08従業員情報を登録しても、本人がクラウド給与にログインできる状態にならない#
よくある症状
従業員情報をCSVなどで登録したのに、本人はまだクラウド給与にログインできない、というつまずきがあります。
原因
- 従業員情報の「登録」と、ログインできる「メンバー」への「招待」は別の操作です。従業員情報を登録しただけでは、招待したことにはなりません。
正しい操作
- 「メンバーの追加・管理」の「メニュー」から「従業員をメンバーに追加する」を実行し、対象の従業員を招待します。
- CSVで一括招待する場合は、CSVのG列「権限」を「給与担当者」に変更すると、給与担当者として招待できます。
- 「メンバーの一括追加」画面には、まだ招待していない従業員だけが表示されます。招待済みの従業員が一覧に出てこないのは正常な状態です。
この章のチェックリスト
公式ヘルプ・出典
このページで参照した公式サポートのページ(66本・章ごと)
第1章 製品の位置づけとプラン
- 「マネーフォワード クラウドマイナンバー連携」機能の使い方
- クラウド給与と連携できる勤怠サービスを教えてください。
- マネーフォワード クラウドの他サービスとの連携 | 使い方ガイド
- マネーフォワード クラウド給与の利用料金について教えてください。
- 使い方ガイド | マネーフォワード クラウド給与サポート
- 従業員が入社した時に行う操作について
- 権限パターンの追加・管理
第2章 事業所・給与規定の設定
- 「事業所」の設定方法
- 「住民税」の設定方法
- 「全般」画面の使い方
- 「基本設定」画面で変更した締め日と支給日が「給与計算」画面に反映されていません。
- 「社会保険」の設定
- 保険料に変更があった場合の操作方法
- 労働保険の設定方法
- 社会保険料の当月徴収について
- 締め日グループの設定方法
第3章 従業員の登録
- CSVファイルを利用した従業員の登録・更新方法
- 「基本給」の設定方法
- 「従業員情報」画面の使い方
- 保険料に変更があった場合の操作方法
- 従業員が入社した時に行う操作について
- 従業員が退職した
- 従業員のログイン方法
- 従業員の契約変更時に行うこと(昇給・住所変更・結婚・休職・再雇用など)
- 社会保険料(被保険者負担分・会社負担分)の固定金額での設定方法
- 給与計算・賞与計算の所得税計算に必要な従業員情報の設定
第4章 勤怠
- cancel-payroll.html
- 「マネーフォワード クラウド勤怠」との連携設定方法
- 「勤怠項目」の設定方法
- クラウド給与と連携できる勤怠サービスを教えてください。
- 勤怠API連携を利用した勤怠データの取り込みにおける10進数から60進数への変換
- 勤怠項目の名称を「マネーフォワード クラウド勤怠」と一致させる方法
- 支給/控除/勤怠項目をCSV形式でインポートする
第5章 手当・控除の設定
- 「マネーフォワード クラウド勤怠」との連携設定方法
- 「控除項目」の設定方法
- 「支給項目」の設定方法
- 「日割り計算控除」の設定方法
- 「給与計算」画面の支給項目が自動計算されません。どこを確認すればいいですか?
- カスタム計算式の設定方法
- クラウド給与と連携できる勤怠サービスを教えてください。
- 令和8年度(2026年度)通勤手当の非課税限度額や駐車場等の改正に関する追加対応のお知らせ
- 令和8年度(2026年度)通勤手当の非課税限度額や駐車場等の改正に関する追加対応予定のお知らせ
- 固定残業手当(みなし)および固定残業超過分手当の設定方法
- 給与明細の公開時に従業員へメール通知できますか?
- 通勤手当の設定方法
第6章 給与計算と明細
- cancel-payroll.html
- 「給与計算」画面の使い方
- 支給/控除/勤怠項目をCSV形式でインポートする
- 確定処理後の給与計算結果は修正できますか?
- 給与・賞与計算の確定処理から明細の印刷までの流れ
- 給与明細の公開時に従業員へメール通知できますか?
第7章 賞与
- 「社会保険」の設定
- 「賞与計算」画面の使い方
- 保険料に変更があった場合の操作方法
- 帳票一覧の使い方
- 確定済みの賞与計算を取り消す際の注意事項を教えてください。
- 社会保険料(被保険者負担分・会社負担分)の固定金額での設定方法
- 給与・賞与計算の確定処理から明細の印刷までの流れ
- 給与明細の公開時に従業員へメール通知できますか?
- 給与計算・賞与計算の所得税計算に必要な従業員情報の設定
- 賞与の所得税が想定と異なります。どうすればいいですか?
- 賞与の社会保険料の上限について教えてください。
第8章 社会保険
- 20260318
- 2026年4月支給の給与計算で「子ども・子育て支援金」が意図せず計算されています。どうすればいいですか?
- 「マネーフォワード クラウド勤怠」との連携設定方法
- 「従業員情報」画面の使い方
- 「社会保険」の設定
- 保険料に変更があった場合の操作方法
- 社会保険料の当月徴収について
第9章 労働保険
第10章 所得税・住民税
- eLTAXから住民税特別徴収税額通知CSVをインポートする方法
- 「マネーフォワード クラウド年末調整」から年調過不足税額を取り込む方法
- 「住民税」の設定方法
- 「従業員情報」画面の使い方
- 「所得税徴収高計算書(納期の特例)」の作成には対応していますか?
- 「支払業務」画面の使い方
- 住民税の特別徴収を実施している場合は、従業員ごとにどのような設定が必要でしょうか?
- 帳票一覧の使い方
- 所得税徴収高計算書の様式変更に関する対応予定のお知らせ
- 源泉所得税や住民税を納付する方法を教えてください。
第11章 年末調整(クラウド年末調整)
- 2026年度の年末調整に対応しました ※2026年9月2日追記
- 「マネーフォワード クラウド年末調整」から年調過不足税額を取り込む方法
- マネーフォワード クラウド年末調整の流れ(従業員用)
- マネーフォワード クラウド年末調整の流れ(管理者用)
- 帳票一覧の使い方
- 権限パターンの追加・管理
第12章 会計連携
第13章 振込・帳票
第14章 権限・インポート・その他
このページについて(情報の基準日・出典・免責)
- 内容は2026年9月19日時点の公式サポート情報と法令に基づきます。画面・仕様・プランは変更されることがあるため、操作の前にリンク先の公式ページで最新の内容を確認してください。
- 本ページは、ジェイスタート会計事務所が独自に作成した解説です。株式会社マネーフォワードの公式ページではなく、同社の監修・承認を受けたものではありません。
- 画面画像は、各画像の下に記載した公式サポートのページから、解説に必要な範囲で引用しています(画像の加工はしていません)。画像と記事の著作権は株式会社マネーフォワードに帰属します。
- 「マネーフォワード クラウド」「マネーフォワード クラウド会計」「マネーフォワード クラウド給与」「マネーフォワード クラウド請求書」は、株式会社マネーフォワードの商標または登録商標です。
- 税務・社会保険の個別の判断は、顧問の税理士・社会保険労務士または当事務所にご相談ください。
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「残高が合わない」「二重計上を整理したい」「インボイスの税区分をまとめて見直したい」「年末調整の設定が不安」など、運用で困っている点を、公認会計士・税理士の事務所として一緒に整理します。
無料相談・お問い合わせ関連ページ
- 会計・給与・請求書のトップマネーフォワード クラウド 実務ガイド
- 自動仕訳・消込・残高照合・インボイスクラウド会計 実務ガイド
- 請求書の作成・会計連携・入金消込クラウド請求書 実務ガイド
- freeeを使っている方はこちらfreee実務ガイド(会計・人事労務・請求書)
- AIで経理を効率化するClaude Cowork 経理活用ガイド
- 会計事務所の職員向け会計事務所 実務ハンドブック
