弥生会計 26・弥生会計 26 プロフェッショナル・やよいの青色申告 26 を使う経理担当者・経営者・個人事業主向けに、実務で引っかかりやすいポイントを症状から引けるようにまとめたガイドです。繰越後に前年度を直したときの再繰越、スマート取引取込の二重取込、あとから変えられない初期設定、コンバートすると旧バージョンで開けなくなる問題、あんしん保守サポートの要否で変わる機能、2026年10月からのインボイス経過措置(70%)まで、原因と正しい操作を公式サポートへのリンクと画面画像つきで解説します。
事業所データの作成、勘定科目と消費税の設定、振替伝票と帳簿の入力、スマート取引取込、繰越、バックアップ、バージョンアップ、ネットワーク版まで。実務でよく使う機能のうち、多くの人が引っかかるポイントだけを「よくある症状→原因→正しい操作」で整理し、公式サポートの該当ページと画面を添えました。
1項目=1つのつまずき
見出しは「画面で起きていること」です。検索窓に症状の言葉(例:二重、差額、0円、反映されない)を入れると、該当する項目だけに絞り込めます。画面画像はクリックで拡大できます。
目印(タグ)
- 頻出
- 二重計上
- 残高・金額ズレ
- 制度改正
- 取り消せない操作
- 設定ミス
- プラン・権限
「頻出」は多くの人が引っかかる所、「取り消せない操作」は実行前に確認が必要な所です。タグのボタンで絞り込めます。
- 仕訳データを再インポート、または弥生販売の仕訳を再転送したら、同じ仕訳が重複して登録された第16章
- 事業所データ作成後に、期首日や中間決算整理仕訳の設定を直せない第2章
- 誤って繰越処理をしてしまった、繰り越した年度だけ削除したい第3章
- 新しいパソコンでライセンス認証をしようとすると「ご購入のライセンスはすべて使用されています。」と表示される第13章
- 弥生ドライブのデータが「使用中」と表示されて開けない第14章
- 最新バージョンにコンバート(変換)したデータを、古い弥生会計(旧製品)で開こうとすると開けない第13章
- 消費税設定(課税方式・経理方式・端数処理)を期中に変えても、過去の仕訳には反映されない第2章
- 繰越後に前年度のデータを直しても、当年度の開始残高が変わらない第3章
- 「サーバーにアクセスできませんでした。」と表示され、今まで使えていたのに突然開けなくなった第15章
- 免税事業者等からの仕入れは、2026年10月以降も80%控除で計算してしまう第7章
- 2割特例は今後もずっと使えると思って試算してしまう第7章
- 少額減価償却資産の特例を、今までどおり30万円未満で判定してしまう第8章
- Windows 10のパソコンに弥生26シリーズをインストールできない、動作保証外と案内される第13章
- 令和8年分の年末調整でも「103万円の壁」など、これまでの数字のまま案内してしまう第9章
- スマート取引取込で取り込んだはずの取引が、仕訳日記帳や試算表に出てこない第5章
- 帳簿に入力しようとすると相手科目欄が「諸口」になり、思った科目を選べない第4章
該当する項目がありません。言葉を短くするか、タグの選択を外してください。
画面の構造と、あとから変えにくい最初の設定。
製品の全体像と画面
弥生会計 デスクトップ版(弥生会計 26/弥生会計 26 プロフェッショナル/やよいの青色申告 26)は、画面の基本構成とグレードによる機能差を先に押さえておくと、以降の章の手順がスムーズに読めます。クイックナビゲータとナビゲーションバーの違い、グレードごとに使える機能、弥生会計とやよいの青色申告の関係、スマート取引取込・弥生ドライブとの位置づけをまとめます。
まず全体像
| 比較する機能 | スタンダード | プロフェッショナル | プロフェッショナル2ユーザー | ネットワーク |
|---|---|---|---|---|
| 部門別の管理・集計 | 非対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 勘定科目内訳書の作成 | 非対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 経営分析・予算管理 | 非対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 同時に使えるパソコンの台数 | 1台 | 1台 | 2台 | 3台以上 |
このほかに、会計事務所向けのAEというグレードもあります。部門別の管理・集計と勘定科目内訳書の作成には対応しています(公式記載)。経営分析・予算管理や同時使用台数の扱いを含めた細かな機能差は、機能比較表から探す(弥生株式会社公式サイト)で確認できます。
01-01クイックナビゲータが表示されない/[ナビゲーションバー]との違いが分からない#
よくある症状
弥生会計を起動しても、業務ごとのアイコンが並ぶ画面(クイックナビゲータ)が見当たりません。また、メニューバーの[ウィンドウ]から開く画面と何が違うのか分からず戸惑うこともあります。
原因
- 弥生会計の画面は、タイトルバー(事業所名・決算期/会計年度を表示)、メニューバー、ツールバー、クイックナビゲータの4つの要素で構成されています。このうちクイックナビゲータは非表示にできる部分です。
- クイックナビゲータを非表示にしていても、同じ操作はメニューバーの[ウィンドウ]メニュー、またはショートカットキー「Alt+F1」で表示する「ナビゲーションバー」から行えます。上段でカテゴリーを選び、下段のメニュー項目をクリックする点はクイックナビゲータと共通です。
正しい操作
- クイックナビゲータを再表示したいときは、メニューバー右端にあるナビゲータボタンをクリックします。
- クイックナビゲータの代わりにメニュー操作で進めたいときは、[ウィンドウ]メニューから「ナビゲーションバー」を開くか、「Alt+F1」キーを使います。
- どちらの画面を使っても実行できる機能は同じです。マウス操作が中心ならクイックナビゲータ、キーボード操作が中心ならナビゲーションバーが使いやすくなります(弥生会計 デスクトップ版の仕様ではなく、実務上の使い分けの目安です)。
01-02クイックナビゲータに[取引]や[集計]が出てこない、[スタート]しか表示されない#
よくある症状
クイックナビゲータを開いてもスタートカテゴリーしか表示されず、日々の入力や集計のアイコンが見当たりません。
原因
- スタートカテゴリーは、事業所データを開いていないときにクイックナビゲータへ表示される唯一のカテゴリーです。
- 取引・集計などの業務別カテゴリーは、事業所データを開いたあとに表示される仕様です。
正しい操作
- スタートカテゴリーから、目的の事業所データを開きます。[ファイル]メニューの[開く]からも同じ操作ができます。
- 前回使用したデータは、次回起動時に自動で読み込まれます。別のデータを開きたいときだけ、改めて選び直します。
- データを開いたあとに、クイックナビゲータの表示が業務カテゴリー別のアイコンへ切り替わっていることを確認します。
ポイント
事業所データの一覧では、現在開いているデータの行にアイコンが表示されます。目的のデータが開けていない場合は、この一覧から開き直します。
01-03事業所データを開く画面で、目的のデータが検索できない#
よくある症状
[事業所データを開く]画面で目的のデータ名を検索しようとしても、検索の機能が使えません。
原因
- ネットワーク版では、事業所データを開く画面でデータの保存場所を検索する機能が非対応です(公式記載)。
正しい操作
- 検索を使わず、フォルダー参照のアイコンから保存場所を直接たどってデータを探します。
- よく開くデータは、保存場所やファイル名をあらかじめメモしておくと探しやすくなります(弥生会計 デスクトップ版の仕様ではなく、実務上のすすめです)。
01-04古いバージョンの事業所データがそのまま開けない#
よくある症状
以前のバージョンの弥生会計で作成した事業所データを開こうとすると、そのままでは開けず、変換を促す画面が表示されます。
原因
- 弥生会計はバージョンによってデータの形式が異なるため、古いバージョンのデータをそのまま開くことはできない仕様です。
正しい操作
- データを開く際に表示される案内に従って、コンバート(変換)を行います。
- コンバートの前に、元データのバックアップを取っておくと、変換後に問題があったときも元の状態に戻せます(弥生会計 デスクトップ版の仕様ではなく、実務上の対応です)。
注意
コンバート後のデータは、変換前の旧バージョンの製品では開けなくなります。バージョンアップ・製品移行の詳しい注意点は第13章でまとめます。
01-05グレード(スタンダード/プロフェッショナル/ネットワーク/AE)で使える機能が違う#
よくある症状
部門別に集計したい、勘定科目内訳書を作りたいと思っても、メニューにその機能が見当たりません。
原因
- 弥生会計には、スタンダード・プロフェッショナル(1台用/2ユーザー用)・ネットワーク・AEという複数のグレードがあり、グレードによって使える機能が異なります。
- 部門別の管理・集計と、勘定科目内訳書の作成は、いずれもプロフェッショナル・プロフェッショナル2ユーザー・ネットワーク・AEで使える機能で、スタンダードでは使えません(公式記載)。
- 経営分析・予算管理についても、プロフェッショナル以上で使える機能として案内されています(上の表を参照してください)。
正しい操作
- 使いたい機能がどのグレードで使えるかを、上の表または公式の比較ページで確認します。
- スタンダードで契約していて部門管理や勘定科目内訳書の作成が必要な場合は、プロフェッショナル以上へのアップグレードを検討します。
- 複数台のパソコンで同時に使いたい場合は、台数に応じてプロフェッショナル2ユーザー(2台まで)かネットワーク(3台以上)を選びます。
- 会計事務所として複数の顧問先データを扱う場合は、AEグレードの対象になっているかを確認します。
01-06弥生会計とやよいの青色申告のどちらを使っているか分からない、機能があるか探しても分からない#
よくある症状
「やよいの青色申告」を使っているものの、公式サポートや本ガイドの説明が弥生会計向けと同じでよいのか、機能に違いがあるのか分かりません。
原因
- 弥生会計とやよいの青色申告は、多くの操作画面やサポート記事を共有しています。たとえば、確定済みの取引画面に「取引先」の表示欄がないのは、弥生会計・やよいの青色申告のどちらにも共通する仕様です(公式記載)。
- 一方で、弥生会計にはスタンダード・プロフェッショナル・ネットワークといったグレードがありますが、やよいの青色申告は個人事業主向けの製品として単体で提供されています。
- 項目ごとに細かくどちらの製品にどの機能があるかは、本ガイドで確認した範囲では網羅できていません。
正しい操作
- 開始残高の入力・繰越・帳簿の入力といった基本操作は、弥生会計・やよいの青色申告のどちらでもほぼ共通の手順で進められます。本ガイドの各章も、特に断りがない限り両方に共通する内容として書いています。
- 対応している申告書の種類(法人決算書か、個人の青色申告決算書か)や、部門管理などの細かい機能差を確認したいときは、機能比較表から探す(弥生株式会社公式サイト)で確認します。
01-07スマート取引取込や弥生ドライブは、デスクトップ版と別の製品なのか分からない#
よくある症状
銀行明細を自動で取り込む「スマート取引取込」や、クラウド上にデータを保存する「弥生ドライブ」の説明を見て、デスクトップ版から別のクラウド製品に乗り換える必要があるのか迷います。
原因
- スマート取引取込・弥生ドライブは、デスクトップ版の弥生会計と組み合わせて使うクラウド機能です。クラウド専用の会計ソフトである「弥生会計 Next」(デスクトップ版とは別の製品)とは異なります。NextについてはNext編の第1章で扱います。
- 弥生ドライブは、事業所データの保存先の1つとして、データ作成時の保存先選択で選べます。弥生ドライブに保存したデータを開くときは、通常の[ファイル]→[開く]ではなく、ログイン画面を経由する専用の手順が必要です(公式記載)。
- スマート取引取込で取り込んだ明細は、確定の操作をして初めて弥生会計の仕訳になります。具体的な操作と二重計上を防ぐ方法は第5章でまとめます。
正しい操作
- デスクトップ版を使い続けたまま、口座・カードの明細取込にはスマート取引取込を、データの保存・共有には弥生ドライブを追加で組み合わせられます。乗り換えの必要はありません。
- 弥生ドライブに保存したデータを開くときは、ログイン画面からの手順を使います。
- スマート取引取込の未確定の取引の扱いや、取込元データの削除については第5章を参照してください。
コツ
弥生会計 デスクトップ版の仕様ではありませんが、実務では、あんしん保守サポートの契約有無によって、スマート取引取込や弥生ドライブを使える範囲が変わることがあります。契約内容は契約書やマイページで確認してください。本ガイドで確認した範囲では、対象となる具体的な機能までは確認できていません。
この章のチェックリスト
導入・初期設定
事業所データを作成するときに選ぶ設定の多くは、あとから変更できません。勘定科目体系・期首日・中間決算整理仕訳は作成後は固定されますし、消費税設定を期中に変えても、すでに入力した仕訳には反映されません。作成前に確認しておきたいポイントと、期中に設定を変えるときの注意をまとめます。
まず全体像
STEP2とSTEP3で選ぶ項目は、事業所データの作成後には直せません。作成前に決算期・期首日や、必要な勘定科目の範囲を資料で確認してから進めます。
02-01事業所データ作成後に、期首日や中間決算整理仕訳の設定を直せない#
よくある症状
事業所データを作成したあとで、期首日を間違えていたことに気づいた、あるいは中間決算整理仕訳を入力する設定を変更したくなりました。
原因
- 期首日は、事業所データの作成後には変更できない仕様です(公式記載)。
- 中間決算整理仕訳を入力するかどうかの設定も、事業所データ作成後は変更できません。
正しい操作
- 事業所データを作成する前に、決算期・期首日、中間決算整理仕訳の要否を資料で確認してから入力します。
- 作成後に誤りに気づいた場合は、事業所データを作り直す必要があります。作り直す際は、入力済みの仕訳などのデータを新しいデータへ移す方法をあわせて確認します。仕訳のエクスポート・インポートの手順は第16章で扱います。
- 迷ったときは、作成を確定する前に顧問の会計事務所へ確認します(弥生会計 デスクトップ版の仕様ではなく、実務上のすすめです)。
02-02勘定科目体系・科目オプションをどう選べばよいか迷う(あとから変更できない)#
よくある症状
事業所データ作成の途中で「勘定科目体系」や「科目オプション」を選ぶ画面が出てきますが、何を選べばよいか、あとで直せるのかが分かりません。
原因
- 勘定科目体系は、まず法人か個人かを選びます。個人の場合はさらに「一般」「農業」「不動産」の中から選び、選んだ体系に応じた勘定科目が初期設定されます(公式記載)。
- 科目オプションは、製造業や不動産など特定の業種に特化した勘定科目(製造原価に関する科目など)を追加するかどうかのチェック項目です。チェックすると、一般的な勘定科目に加えて、該当する科目が追加作成されます。
- 勘定科目体系・科目オプションのいずれも、事業所データの作成後には変更できない設定です(公式記載)。
正しい操作
- 個人事業主の場合は、実際の業種にもっとも近い「一般」「農業」「不動産」のいずれかを選びます。迷う場合は、作成を確定する前に顧問の会計事務所へ確認します。
- 製造業や不動産業など、原価計算にかかわる勘定科目が必要な場合だけ、科目オプションにチェックを付けます。不要な科目まで追加すると勘定科目の一覧が見づらくなるため、必要な範囲にとどめます(弥生会計 デスクトップ版の仕様ではなく、実務上の目安です)。
- 法人の事業所データを作成する場合も業種を選択する手順がありますが、選択肢の詳細は作成画面の案内に沿って確認してください。
02-03消費税設定(課税方式・経理方式・端数処理)を期中に変えても、過去の仕訳には反映されない#
よくある症状
消費税設定の端数処理や経理方式を変更したのに、すでに入力した仕訳の消費税額が変わりません。
原因
- 期中に[消費税設定]の[税端数処理]を変更しても、すでに入力した仕訳の消費税額はさかのぼって変わりません(公式記載)。
- 経理方式(税抜・税込・混合。税抜・混合を選んだ場合はさらに「内税入力」「外税入力」「別記」も選択)や課税方式(本則課税・簡易課税)の変更も、変更後に入力する仕訳から適用される仕組みで、入力済みの仕訳には反映されません。
正しい操作
- 消費税設定を変更する前に、変更が必要な理由と、変更後に既存の仕訳を直す必要があるかどうかを確認します。
- 過去分の消費税額を訂正したい場合は、該当する仕訳を1件ずつ手動で修正します。
- 免税事業者から課税事業者に変わったなど、期中に課税区分が変わった場合だけ、[課税期間開始日設定]で切り替え日を設定します。
コツ
弥生会計 デスクトップ版の仕様ではありませんが、実務では、本則課税(実際の取引にもとづいて計算する原則的な方式)か簡易課税(売上にみなし仕入率を掛けて計算する簡易な方式)かによって、日々の仕訳への影響も変わります。どちらを選んでいるかは、消費税設定を開くたびに確認しておくと安心です。
02-04仕訳の入力画面に「請求書区分」「仕入税額控除」が急に表示される、登録番号を入力する場所が見つからない#
よくある症状
仕訳を入力しようとすると「請求書区分」「仕入税額控除」という見慣れない項目が表示されるようになりました。また、適格請求書発行事業者の登録番号を弥生会計に登録しておきたいのに、入力欄が見つかりません。
原因
- 「請求書区分」「仕入税額控除」は、2023年10月(令和5年10月)以降の会計期間で、課税方式が本則課税の場合に仕訳入力画面へ表示される項目です(公式記載)。取引日付に応じて「仕入税額控除」は自動で設定され、請求書が適格請求書かどうかで「請求書区分」の設定が変わります。
- 弥生会計デスクトップ版には、登録番号そのものを設定・入力する専用の項目はありません(公式記載)。
正しい操作
- 「請求書区分」「仕入税額控除」は、仕入税額控除の計算にかかわる項目です。表示された内容が取引の実態(適格請求書があるかどうか)と合っているかを確認します。
- 登録番号を仕訳データ側にも残しておきたい場合は、[摘要]または[仕訳メモ]に入力します(公式記載)。
- 消費税設定の設定項目には、少額特例(税込1万円未満の取引でインボイスの保存が不要になる特例)に対応したチェック欄があります。対象になる場合はここで設定します。
制度
免税事業者等からの仕入れに関する仕入税額控除の経過措置や、2割特例・3割特例といった消費税申告側の制度は、第7章でまとめます。この章では、仕訳入力画面に表示される項目の意味にとどめています。
02-05部門・補助科目は、あとから追加・変更すると影響が出る#
よくある症状
部門や補助科目を、事業所データ作成後にあとから追加・整理しようとしています。何に気をつければよいでしょうか。
原因
- 部門管理は、プロフェッショナル・プロフェッショナル2ユーザー・ネットワーク・AEで使える機能で、スタンダードでは使えません(公式記載、詳しくは第1章)。
- 補助科目は期中でも追加できますが、追加した補助科目を登録済みの仕訳に設定したい場合は、対象の仕訳を1件ずつ修正する必要があります(公式記載)。追加しただけでは、過去の仕訳には自動で反映されません。
- 補助科目は並べ替えることもできます。一覧の見やすさは並び順にも左右されるため、増えてきたタイミングで整理すると管理しやすくなります。
正しい操作
- 得意先・仕入先・部門などは、できるだけ事業所データ作成の早い段階で洗い出し、あとからの追加を最小限にします(実務上のすすめです)。
- 補助科目を追加したあとに、過去の仕訳にもその補助科目を設定したい場合は、仕訳日記帳や振替伝票から該当の仕訳を開いて直接修正します。
- 部門を使いたい場合は、契約しているグレードが部門管理に対応しているかを先に確認します。補助科目の管理は第6章で詳しく扱います。
02-06「スタンドアロン」と「マルチユーザー」のどちらを選べばよいか分からない#
よくある症状
事業所データ作成の途中で、データ形式として「スタンドアロン」「マルチユーザー」を選ぶ画面が出てきますが、違いが分からず迷います。
原因
- データ形式は、事業所データ作成の流れの中で選ぶ項目の1つです(公式記載)。
- スタンドアロンは1台のパソコンで使う基本の形式です。マルチユーザーは、複数のパソコンから同じ事業所データを同時に開いて入力できる形式です。
正しい操作
この章のチェックリスト
開始残高・繰越の基本
前期繰越残高(開始残高)の入力と、年度が変わるときの繰越処理は、貸借のずれや、あとから前年度を直したときの反映もれにつながりやすい操作です。開始残高の入力手順、繰越処理が実行できない条件、繰越後に前年度データを直したときの反映方法、誤って繰越処理をしてしまったときの対処法をまとめます。
まず全体像
開始残高の入力ミスも、次年度更新の実行もれも、いずれも「あとで気づきにくい」という共通点があります。入力のたびに貸借調整で確認する、前年度を直したら必ず次年度更新をする、という2つの習慣が、繰越まわりのトラブルを防ぐ近道です。
03-01科目残高入力の画面に、補助科目の残高を入力する欄が見当たらない#
よくある症状
[科目残高入力]画面を開いても、売掛金や買掛金など補助科目ごとの残高を入力する欄が表示されません。
原因
- 補助科目の残高欄は既定では表示されておらず、画面上のチェックを付けて初めて表示される仕様です。
正しい操作
- [設定]メニュー→[科目残高入力]を開きます。
- 補助科目を表示するチェックを付けます。
- 得意先・仕入先などの補助科目ごとに、前期繰越残高を入力します。
03-02開始残高を入力したのに、貸借が合わない#
よくある症状
すべての科目に前期繰越残高を入力し[貸借調整]をクリックしても、貸借が一致しないという確認メッセージが表示されます。
原因
- 貸倒引当金・減価償却累計額は、マイナスの金額で入力する科目です。プラスの金額で入力すると、その分だけ貸借がずれます。
- 補助科目のある科目は、内訳の合計と科目全体の金額が一致していないと、同じようにずれの原因になります。
正しい操作
- マイナスで入力すべき科目(貸倒引当金・減価償却累計額)を、誤ってプラスで入力していないか見直します。
- 補助科目のある科目は、内訳の合計が科目全体の金額と一致しているかを確認します。
- 修正したら、再度[貸借調整]をクリックして確認メッセージの内容を確認します。
コツ
弥生会計 デスクトップ版の仕様ではありませんが、実務では、法人は繰越利益、個人事業主は元入金の金額に開始残高が直結します。決算書や確定申告の数字と突き合わせてから入力すると、あとの手戻りを防げます。
03-03繰越処理を実行できない、エラーになる#
よくある症状
繰越処理を進めようとすると、エラーになって先に進めません。
原因
- 「複合」科目の残高が0でない:「複合」は、相手科目が1つに決まらない仕訳を一時的に振り分ける科目です。残高が残っていると、正しい科目への振り替えが終わっていない仕訳があることになります。
- 貸借のバランスが一致していない
- 「未確定勘定」科目を使った仕訳が残っている:「未確定勘定」も、正式な勘定科目が決まるまでの間、一時的に使う科目です。
- 「取引確認用の付箋」が付いた仕訳が残っている:内容を確認する必要がある仕訳の目印として付ける付箋です。
このいずれかに該当すると、繰越処理は実行できない仕様です(公式記載)。
正しい操作
- 上の4つの原因に、順番に当てはまるものがないかを確認します。
- 「複合」科目の残高が残っている場合は、内容を確認して正しい科目へ振り替えます。
- 「未確定勘定」を使った仕訳は、正しい科目に修正します。確認用の付箋が付いた仕訳は、内容を確認したうえで付箋を外します。
- すべて解消してから、あらためて繰越処理を実行します。原因が複数ある場合は、1つ直すごとに繰越処理を試すと、残りの原因を見落としにくくなります。
03-04繰越処理を実行する前に、何を確認しておけばよいか#
よくある症状
繰越処理の画面を進めていくと、バックアップの保存先や、消費税に関する確認画面が出てきて、そのまま進めてよいか迷います。
原因
- 繰越処理を実行すると、事業所データが新しい会計年度に切り替わります。実行の際には、元のデータが自動でバックアップされます(ファイル名の末尾に「_繰越処理前」が付きます)。
- 1つの事業所データにつき、3年分の会計期間データを保持する仕様です。繰越のたびに最古年度のデータが自動的に分離され、「参照用データ」として別に保存されます。参照用データは、過去の数字を見返すためのもので、通常の事業所データとは分けて扱われます。
- ウィザードの途中では、消費税の少額特例に関するチェック欄の確認画面も表示されます。
正しい操作
- 本年度の決算が確定していなくても、繰越処理自体は実行できます。まずバックアップの保存先を確認します。
- 少額特例など消費税関連の確認画面が出たら、現在の設定内容のままで問題ないかを確認してから進みます(内容は第2章を参照してください)。
- すべて確認したら繰越処理を実行します。完了すると、繰越後の事業所データ名が表示されます。
03-05誤って繰越処理をしてしまった、繰り越した年度だけ削除したい#
よくある症状
繰越処理を実行したあとで、まだ早かった、間違えたと気づきました。繰り越された会計年度だけを取り消したいです。
原因
- 繰り越された会計年度のみを個別に削除することはできない仕様です(公式記載)。
正しい操作
- 繰越処理の直前に自動作成されたバックアップ(ファイル名の末尾が「_繰越処理前」のもの)を探します。既定の保存先は、Windowsのユーザーフォルダーの中の「Documents¥Yayoi¥弥生会計26データフォルダ¥Backup」です。
- 見つかったバックアップを復元し、繰越処理を行う前の状態に戻します。ファイルの更新日時が、繰越処理を実行した日時の直前になっているものを選びます。
- 「_繰越処理前」のバックアップが見当たらない場合は、通常の自動保存バックアップの中から、繰越処理を行う前の日時のものを探して復元します。
- 復元したあとは、繰越処理の直前まで入力していた仕訳が失われていないかをあわせて確認します。
注意
この画面が表示された時点で、繰越処理はすでに完了しています。年度だけを取り消すことはできないため、やり直したい場合は必ずバックアップの復元で対応します。
03-06繰越後に前年度のデータを直しても、当年度の開始残高が変わらない#
よくある症状
繰越をしたあとで前期の仕訳の誤りに気づき、前年度データを修正しました。しかし、繰越後(本年度)の開始残高や仕訳には反映されません。
原因
- 前年度データを直しただけでは、繰越後の本年度データへは自動で反映されない仕様です。反映するには、別の操作が必要です(公式記載)。
正しい操作
- クイックナビゲータの年度切替で、前年度のデータに切り替えます。
- 前年度側で、該当する仕訳を修正します。
- 修正がすんだら、必ず次年度更新を実行します。この操作で、修正内容が繰越後(本年度)のデータに反映されます。
注意
次年度更新を忘れると、前年度側の数字と本年度の開始残高がずれたままになります。たとえば、決算の見直しで前年度の売掛金を修正しても、次年度更新をしなければ本年度の売掛金の開始残高は古いままです。前年度を修正した日に、次年度更新もあわせて行う運用にすると、反映もれを防げます(実務上のすすめです)。
03-07会計期間(決算期)を変更することになったときの繰越処理#
よくある症状
決算期・会計期間を変更することになりました。通常の繰越処理と同じ手順でよいのか分かりません。
原因
- 決算期の変更は、定款の変更や、親会社の決算期への統一などをきっかけに行われることがあります。弥生会計では、通常の繰越処理をそのまま使うのではなく、会計期間を変更するための専用の手順が用意されています。
- 法人データで会計期間を変更する場合は、繰越処理の際に「会計期間を変更する」にチェックを付け、本年度の会計期間を短縮したうえで繰り越します(公式記載)。会計期間を延長するのではなく、短縮する形で対応する点に注意します。
正しい操作
- 繰越処理の画面で「会計期間を変更する」にチェックを付けます。
- 新しい期末日にあわせて、本年度の会計期間を短縮します。
- すでに新しい期末日より後の日付で仕訳を入力している場合は、その仕訳をエクスポートしていったん削除してから、繰越処理を実行します。仕訳が残ったまま会計期間だけを短縮すると、期間外の仕訳が残ってしまうため、削除の順番を誤らないようにします。
- 繰越後の新年度データに、エクスポートした仕訳をインポートし直します。インポートの操作は第16章でも扱います。
この章のチェックリスト
伝票・帳簿の入力、スマート取引取込、補助科目と取引先。
日常の入力(伝票・帳簿)
弥生会計 デスクトップ版には、振替伝票・入金伝票・出金伝票・帳簿(仕訳日記帳など)・かんたん取引入力という複数の入力方法があります。それぞれ向いている取引と、登録後の直し方が違うため、選び方を間違えると入力できなかったり、間違いに気づいても直せなかったりします。この章では、日々の伝票・帳簿入力で引っかかりやすい所を、症状から整理します。
04-01帳簿に入力しようとすると相手科目欄が「諸口」になり、思った科目を選べない#
よくある症状
現金出納帳や預金出納帳などの帳簿に取引を入力しようとしたところ、相手科目の欄が諸口という表示になり、具体的な勘定科目を選べません。振替伝票との違いも分からず、どちらを使えばよいか迷います。
原因
- 帳簿への入力は、相手科目が1つに決まる取引専用の仕様です。
- 相手科目が2つ以上になる取引(複合仕訳)を帳簿で入力しようとすると、個別の科目ではなく諸口という一括表示になり、内訳を帳簿側では指定できません。
- 入金伝票・出金伝票は現金の入金・出金専用で、相手科目の初期値は現金です。
- 帳簿には仕訳日記帳・総勘定元帳・補助元帳・現金出納帳・預金出納帳・売掛帳/買掛帳・経費帳などの種類があります。総勘定元帳は1つの勘定科目に絞って一覧形式で入力する方法、仕訳日記帳は日付ごとにすべての取引を一覧形式で入力する方法で、いずれも相手科目が単一の取引という制約は共通です。
正しい操作
- 相手科目が複数になる取引(例:本体料金と振込手数料を別の科目で処理する場合など)は、帳簿ではなく振替伝票で入力します。振替伝票は借方・貸方の科目を自由に組み合わせ、複数行の仕訳を入力できます。
- 日付・借方科目・借方金額・貸方科目・貸方金額を入力し、借方合計と貸方合計の差額(貸借バランス)が0になっていることを確認してから登録します。
- 相手科目が1つに決まる日常的な取引(例:消耗品を現金で購入した、など)は、帳簿からそのまま入力してかまいません。
- 登録済みの定型的な取引パターンで済む場合は、かんたん取引入力を使うと早く入力できます。ただし登録後の修正・削除には制限があります(次の項目を参照してください)。
どの入力方法を選ぶかは、次のように整理できます。
| 入力方法 | 向いている取引 | 相手科目が複数の取引 | 登録後の修正・削除 |
|---|---|---|---|
| 振替伝票 | 借方・貸方を自由に組み合わせる取引(複合仕訳) | そのまま複数行で入力できる | 伝票を開いて修正・削除できる |
| 入金伝票/出金伝票 | 現金の入金・出金(相手科目の初期値は「現金」) | 対象外(現金の取引専用) | 伝票を開いて修正・削除できる |
| 帳簿(現金出納帳・預金出納帳など) | 相手科目が1つに決まる取引 | 「諸口」表示になり入力に向かない | 帳簿を開いて修正・削除できる |
| かんたん取引入力 | 登録済みの取引パターン(「売上の取引」など) | パターンごとに決まっている | この画面では不可(仕訳日記帳・振替伝票などから修正) |
なお、インボイス(本則課税)の税区分の入力については第7章 消費税・インボイスで扱います。
グレードによる違い
伝票に部門を指定する機能は、プロフェッショナル以上のグレードで使えます。スタンダードでは部門の指定はできません。
04-02かんたん取引入力で登録した仕訳を、その場で直したり消したりできない#
よくある症状
かんたん取引入力で売上の取引などのパターンを選んで仕訳を登録した後、金額や科目の間違いに気づき、同じ画面で修正・削除しようとしても操作できません。
原因
- かんたん取引入力は、あらかじめ登録されている取引パターン(「売上の取引」「回収の取引」など)を選ぶだけで仕訳が自動生成される仕様です。
- 登録した仕訳を、かんたん取引入力の画面自体から修正・削除することはできません。
- 掛け取引は「売上の取引」と「回収の取引」を別々に入力する形になっているため、片方の入力漏れにも気づきにくくなります。
正しい操作
- 登録した仕訳を修正・削除したいときは、かんたん取引入力の画面を閉じ、仕訳日記帳や振替伝票など他の帳簿・伝票を開きます。
- 日付や金額、摘要などを手がかりに対象の仕訳を検索し、その帳簿・伝票の画面から修正・削除します。
- 掛け取引を入力した場合は、「売上の取引」と「回収の取引」の両方が登録されているかをあわせて確認します。
コツ
弥生会計 デスクトップ版の仕様ではありませんが、実務では、かんたん取引入力で登録する前に金額と科目をもう一度見直す習慣をつけておくと、後から仕訳日記帳や振替伝票を探して直す手間を減らせます。
04-03かんたん取引入力の途中で税率(軽減税率など)を変更できない#
よくある症状
かんたん取引入力で取引を登録している途中、標準税率以外の税率に変えたい、または軽減税率が適用される取引を入力したいのに、その場で税区分を切り替えられません。
原因
- かんたん取引入力は、入力の途中で税区分(税率)を変更できない仕様です。
- 軽減税率の取引を扱うには、事前に軽減税率のオプションを有効にしておく必要があります。
正しい操作
- 軽減税率の取引を入力する見込みがある場合は、事前に軽減税率のオプションを有効にしておきます。
- 標準税率以外の税率をよく使う場合は、その税率のパターンをあらかじめ取引辞書に登録しておくと、かんたん取引入力の候補として選べるようになります。取引辞書への登録方法は辞書の登録方法も参考にしてください。
- すでに誤った税率で登録してしまった仕訳は、かんたん取引入力の画面ではなく、仕訳日記帳や振替伝票を開いて修正します。
04-04仕訳辞書・伝票辞書に登録したパターンが、翌年度に見当たらない#
よくある症状
よく使う仕訳を仕訳辞書・伝票辞書に登録して呼び出していたのに、年度を切り替えたら辞書の内容が表示されなくなりました。
原因
- 仕訳辞書・伝票辞書は、よく使う仕訳の内容を登録して呼び出す機能です。複合仕訳を辞書として登録したい場合は伝票辞書を使います。
- 辞書は登録した年度の中でのみ表示される仕様で、次年度にそのまま自動で引き継がれるわけではありません。
- 帳簿の入力画面にも辞書を呼び出すアイコンが表示されており、同じ辞書をそこから利用できます。
正しい操作
- 辞書に登録するときは、設定から辞書を選び、新規作成をクリックして仕訳内容を入力し、登録をクリックします。
- 登録済みの内容を直すときは、鉛筆アイコンをクリックするか、対象を選んで編集をクリックし、修正後にもう一度登録をクリックします。不要になった辞書は対象を選んで削除をクリックします。
- 翌年度も同じ辞書を使いたい場合は、年度更新のときに辞書の「次年度作成」の操作を行います。
注意
「次年度作成」をせずに年度を切り替えると、辞書が新年度データに引き継がれません。年次更新の手順は第12章 年次更新・データ管理もあわせて確認してください。
04-05付箋のタイトルやサーチキーを思ったとおりに登録できない#
よくある症状
仕訳に付箋を付けようとしたところ、タイトルを長い文字列で登録できなかったり、サーチキーに全角文字を入力するとエラーになったりします。
原因
- 付箋は、確認が必要な仕訳に目印を付けて、後から一覧で探しやすくするための機能です。
- 付箋のタイトルは全角10文字(半角20文字)以内という制限があります。
- サーチキーは半角英数字のみに対応しており、全角文字は使えません。サーチキーは8文字以内で、入力が必須です。
- 1つの仕訳に設定できる付箋は最大2つ(付箋1・付箋2)までです。
正しい操作
- 設定メニューの付箋の設定を開き、タイトルは全角10文字(半角20文字)以内、サーチキーは半角英数字8文字以内で登録します。
- 使わなくなった付箋は、削除する代わりに非表示のチェックを付けると、一覧から隠せます。
04-06仕訳一括置換で摘要が途中で切れる/「税区分」の置換項目が表示されない#
よくある症状
[帳簿・伝票]の仕訳一括置換で複数の仕訳の摘要をまとめて書き換えたところ、一部の仕訳で文字列が途中で切れていました。また、事業者によっては置換項目の一覧に税区分税計算区分が表示されないことがあります。
原因
- 置換後の文字列が全角32文字を超える場合、超えた部分は自動的に切り捨てられる仕様です。
- 免税事業者の設定になっている場合は、税区分・税計算区分の置換項目自体が画面に表示されない仕様です。
正しい操作
対象仕訳を絞り込む
[帳簿・伝票]メニューから仕訳一括置換を起動し、検索・絞り込みで対象の仕訳を抽出します。
置換内容を設定する
日付・科目・部門・税区分・税計算区分・請求書区分・付箋1/付箋2・摘要のうち、置き換えたい項目を指定します。摘要を置換する場合は、置換後の文字数が全角32文字以内に収まるかを事前に確認します。
プレビューで確認して登録する
置換結果のプレビューを確認し、置換したくない仕訳のチェックを外してから登録をクリックします。処理は自動バックアップの後に実行されます。
注意
税区分・税計算区分を一括で置換したい場合は、事業所の消費税の設定(課税事業者か免税事業者か)を先に確認してください。免税事業者の設定のままでは、置換項目自体が表示されません。
コツ
弥生会計 デスクトップ版の仕様ではありませんが、実務では、対象件数が多い一括置換ほど、一部の仕訳だけでプレビューを試してから全件に適用すると、意図しない変更を防ぎやすくなります。
複合仕訳かどうかで伝票と帳簿を使い分け、かんたん取引入力は登録後に直せない前提で使う。この2点を押さえておくだけで、日常入力のつまずきの多くは避けられます。
この章のチェックリスト
スマート取引取込
スマート取引取込は、金融機関連携や外部サービス連携で取得した明細を、仕訳の候補として弥生会計に取り込む機能です。取り込んだ直後はまだ弥生会計本体の仕訳にはなっておらず、「確定」という操作を挟んで初めて仕訳日記帳に反映されます。この「未確定」と「確定済み」の仕組みを理解していないと、反映されない、消せない、重複する、といったつまずきが起こります。
05-01スマート取引取込で取り込んだはずの取引が、仕訳日記帳や試算表に出てこない#
よくある症状
金融機関などと連携してスマート取引取込にデータを取り込んだのに、仕訳日記帳や残高試算表にその取引が反映されていません。
原因
- 取り込まれた明細は、まず未確定の取引画面に表示されるだけで、この段階では弥生会計本体(仕訳日記帳など)にはまだ登録されていません。
- 仕訳の学習機能によって科目があらかじめ設定された状態で並びますが、これは表示上の候補であり、そのままでは仕訳になりません。
- 確定の操作をして初めて、弥生会計側の仕訳として登録されます。
正しい操作
- クイックナビゲータのスマートメニューから未確定の取引を開きます。
- 表示されている明細の日付・金額・科目を確認します。
- 内容に問題がなければ対象を選び、取引を確定するを実行します。確定すると確定済みの取引画面に移り、仕訳日記帳にも反映されます。
スマート取引取込のデータは、次の3段階で弥生会計の仕訳になります。
コツ
弥生会計 デスクトップ版の仕様ではありませんが、実務では、未確定の取引をためすぎると1件ずつの確認が大変になるため、日次または週次などこまめに確認して確定する運用が勧められます。
05-02自動で設定される科目が違う/科目の欄が「選択してください」のままになっている#
よくある症状
[未確定の取引]画面で、仕訳の学習機能によって表示される科目が意図したものと違います。また、一部の明細は科目の欄が「選択してください」のままになっています。
原因
- 取り込まれたデータは、仕訳の学習機能により科目があらかじめ設定された状態で表示されます。
- 自動仕訳で適切な科目を設定できなかった取引は、科目の欄が「選択してください」と表示され、手動での設定が必要になります。
- 弥生会計 デスクトップ版(弥生会計 26/弥生会計 26 プロフェッショナル/やよいの青色申告 26)の仕様ではありませんが、実務では、一度確定した取引と似た取引先名・金額のパターンが、その後も同じ科目で自動設定されやすいという傾向が見られます。誤った科目のまま確定してしまうと、以後も同じ誤りが繰り返されやすい点に注意が必要です。
正しい操作
- 確定する前に、[未確定の取引]画面で科目を1件ずつ確認します。特に科目の欄が「選択してください」のままの明細は、確定してもそのままでは正しい仕訳にならないため、手動で科目を設定します。
- 誤った科目のまま確定してしまった場合は、[確定済みの取引]画面で対象を選び、取引の再送から科目・補助科目を修正して弥生会計側に再送します(送信待ち表示中は再送できません。再送すると既存の取引が上書きされます。手順の詳細はこの章の「取引の再送」の項目を参照してください)。
- 同じ取引先で繰り返し誤った科目が設定される場合は、確定のたびに科目を確認する運用にします。
05-03[未確定の取引]画面で、不要な取引を直接削除できない#
よくある症状
スマート取引取込で二重に取り込まれた明細や、仕訳にする必要がない明細を[未確定の取引]画面からそのまま削除しようとしても、削除の操作が見当たりません。
原因
- [未確定の取引]画面には、明細を直接削除する機能がありません。
- 不要な明細も、いったん確定済み側に移してから削除する仕組みになっています。
正しい操作
- 対象の明細を選び、登録の設定を登録をしないに変更します。
- 取引を確定するを実行します。「登録をしない」に設定した明細は、仕訳としては登録されずに確定済み側の扱いになります。
- 必要であれば、確定済みの取引側の画面で該当データを削除します。
注意
「登録をしない」に変更した明細も、確定するまでは弥生会計の仕訳にはなりません。削除したつもりで放置せず、必ず確定の操作まで行ってください。
05-04確定済みの取引の科目を直したいのに、「取引の再送」が選べない#
よくある症状
[確定済みの取引]画面で科目や補助科目を修正しようとしたのに、取引の再送を選択できません。
原因
- 確定済みの取引の修正は、取引の再送で科目・補助科目を直し、弥生会計側に再送信する仕組みです。
- 対象の取引が送信待ちの表示になっている間は、再送を選択できません。
- 「取引の再送」の欄は初期値がしないになっており、再送したい取引だけをするに切り替える仕組みです。
正しい操作
- 対象の取引の表示が「送信待ち」になっていないかを確認します。送信待ちの間はしばらく待ってから操作します。
- 送信待ちでないことを確認したら、対象を選んで取引の再送から科目・補助科目を修正します。
- 複数の取引をまとめて再送したい場合は、対象ごとに「取引の再送」を「する」に切り替えたうえで、表示されているすべての取引を確定するを実行すると、まとめて再送できます。
- 再送すると既存の取引が上書きされるため、内容を確認してから実行します。
ポイント
確定済みの取引は仕訳日記帳側にも表示されます。取引の再送で修正すると、仕訳日記帳に反映されている内容も上書きされます。
05-05確定済みの取引を取引先ごとに絞り込みたいのに、「取引先」の項目が見当たらない#
よくある症状
クラウドサービスの案内などで見る「取引先」ごとの絞り込みを、弥生会計 デスクトップ版のスマート取引取込画面で探しても見つかりません。
原因
- 公式サポートでは、弥生会計・やよいの青色申告の確定済みの取引画面には「取引先」の欄が表示されないことが説明されています。
- デスクトップ版では、得意先・仕入先といった取引先の管理は、スマート取引取込側ではなく、帳簿側の補助科目で行う運用になっています。
正しい操作
- 取引先ごとに残高や取引を管理・絞り込みたい場合は、売掛金・買掛金などの勘定科目に、得意先・仕入先を補助科目として登録します。
- 登録した補助科目ごとの明細は、補助元帳で確認します。設定方法は第6章「得意先・仕入先ごとの管理」で扱います。
参考
クラウド会計サービスを使った経験があると、「取引先」という項目で得意先・仕入先を管理する発想に慣れているため、同じ項目をデスクトップ版で探して見つからず戸惑うことがあります。デスクトップ版では発想を切り替えて、補助科目側で探してください。
05-06同じ取引が二重に登録されている疑いがある(二重取込・二重計上)#
よくある症状
残高試算表の数字が想定より大きい、または仕訳日記帳を見ると同じ日付・同じ金額の仕訳が複数並んでいます。
原因
- 同一日付・同一金額の仕訳が複数存在している状態です。
- 弥生会計 デスクトップ版(弥生会計 26/弥生会計 26 プロフェッショナル/やよいの青色申告 26)の仕様ではありませんが、実務では、同じ明細を重複して確定した場合や、金融機関連携で取得する期間が重なった場合に、二重取込が起こりやすい傾向があります。
正しい操作
- 帳簿・伝票側の仕訳重複チェックを実行し、同一日付・同一金額の仕訳を抽出します。
- 抽出された仕訳の内容を確認し、重複と判断できるものを削除または修正します。承認済みの仕訳や、入力制限期間中の仕訳は削除できません。
- プロフェッショナル2ユーザー/ネットワーク/AEでは、仕訳重複チェックを排他モードで起動する必要があります。
注意
重複チェックは、あくまで同一日付・同一金額を手がかりに候補を示す機能です。たまたま金額が一致した別々の取引を誤って削除しないよう、内容を確認してから操作してください。
コツ
弥生会計 デスクトップ版の仕様ではありませんが、実務では、月次の締め処理の前に仕訳重複チェックを実行する運用にしておくと、その月のうちに二重計上を見つけやすくなります。
05-07確定済みの取引が多く、特定の日に登録した取引だけを探せない#
よくある症状
確定済みの取引が日々たまっていき、特定の日に登録した分だけを確認したいのに、一覧の中から探し出すのに手間取ります。
原因
- [確定済みの取引]画面の「登録済み」表示では、絞り込み画面で条件を設定して、表示する取引を絞り込める仕様です。
- 絞り込み条件には「登録日」があり、特定の日付に登録した取引だけに絞り込めます。
正しい操作
- [確定済みの取引]画面を開き、表示が登録済みになっていることを確認します(初期値は「登録済み」です)。
- 絞り込みを開き、「登録日」の条件を設定して、確認したい日に登録した取引だけに絞り込みます。
- 登録しなかった取引(「登録をしない」に設定した明細など)を確認したいときは、表示を登録していないに切り替えます。
スマート取引取込は、あくまで「未確定」の候補を出すところまでです。確定するかどうか、どの科目で確定するかを毎回自分の目で確認する運用が、反映漏れと二重計上の両方を防ぎます。
この章のチェックリスト
取引先・補助科目・元帳
弥生会計 デスクトップ版には、クラウドサービスにあるような「取引先」欄がありません。得意先・仕入先の管理は、勘定科目の内訳として登録する「補助科目」と、その明細を確認する「補助元帳」で行います。補助科目は得意先・仕入先だけでなく、銀行口座やクレジットカードごとの明細管理にも使う共通の仕組みです。この章では、補助科目の登録・並べ替え・削除の仕様と、売掛金・買掛金の残高が合わないときの確認手順を整理します。
06-01得意先・仕入先ごとに残高を管理したい(得意先元帳を作りたい)が、設定方法が分からない#
よくある症状
得意先ごとの売掛金残高を確認したいのに、「取引先」や「得意先元帳」という名前のメニューが弥生会計 デスクトップ版には見当たりません。
原因
- 弥生会計・やよいの青色申告(デスクトップ版)には、スマート取引取込側(確定済みの取引画面)にも帳簿側にも「取引先」の表示欄がありません(第5章参照)。
- 得意先・仕入先は、勘定科目(売掛金・買掛金など)の内訳として登録する「補助科目」で管理する仕組みになっています。
- 得意先(売掛金)・仕入先(買掛金)の開始残高や情報は、事業所データ作成時の導入設定ウィザードでも設定できます。開始残高については第3章 開始残高・繰越の基本もあわせて確認してください。
正しい操作
- 売掛金の補助科目として得意先を、買掛金の補助科目として仕入先を登録します。登録手順は次の項目で扱います。
- 登録後は、補助科目ごとの取引明細を補助元帳で確認します。得意先・仕入先ごとの残高を見るという点で、補助元帳が得意先元帳・仕入先元帳の役割を果たします。
勘定科目・補助科目・補助元帳の関係は、次のとおりです。
06-02補助科目を登録しようとしても、対象の科目に追加できない#
よくある症状
得意先を補助科目として登録しようとしたのに、補助作成をクリックしても登録できない、または同じ名前で登録しようとするとはじかれます。
原因
- 科目設定の画面には、勘定科目そのものを追加する勘定作成と、その内訳を追加する補助作成という、別々のボタンがあります。得意先・仕入先を追加する場合は補助作成を使います。
- 複合未確定勘定元入金の各科目には、補助科目を登録できない仕様です。
- 同一の勘定科目の中で、同じ名前の補助科目を重複して登録することはできません。
正しい操作
- 設定メニューの科目設定を開き、補助科目を登録したい勘定科目(例:売掛金)を選びます。
- 補助作成をクリックし、新規登録画面で名称などを入力して登録します。
- 既存の補助科目と似た内容を登録したい場合は、対象をコピー(Ctrl+H)してから貼り付け(Ctrl+Y)すると複製が先頭に挿入されるので、そこから名称だけを変更すると早く登録できます。
- 登録できないときは、対象の勘定科目が「複合」「未確定勘定」「元入金」でないか、同じ名前の補助科目が既に登録されていないかを確認します。
06-03補助科目を並べ替えても、数字の順番どおりにならない#
よくある症状
補助科目をサーチキーの数字順に並べ替えたのに、10未満と10以上の番号が混ざって、意図した順番になりません。
原因
- 並べ替えは、サーチキー(英字・数字・その他から選択可能)または登録順をキーに、JISコード順で行われます。
- サーチキーを数字で並べ替える場合、桁数がそろっていないと、文字としての順序(「10」が「2」より前に来るなど)で並んでしまいます。
正しい操作
- 補助科目のサーチキーは、あらかじめ桁数をそろえて登録します(1桁の番号も「01」「02」のように2桁で統一するなど)。
- 設定メニューの科目設定で補助科目を表示にチェックを付け、対象の勘定科目を選んだうえで補助並替をクリックします。
- 並べ替えキー(サーチキーまたは登録順)と順序を選び、OKをクリックします。
コツ
得意先・仕入先が今後増える見込みがある場合は、サーチキーの先頭を業種や地域などのグループごとに分けて桁数をそろえておくと、後から並べ替えたときにも管理しやすくなります。
06-04使わなくなった科目・補助科目を削除したい/別の区分に移したい#
よくある症状
使わなくなった勘定科目や補助科目を削除したい、または科目区分を間違えて登録したので別の区分に移したいと考えています。
原因
- 科目設定の画面から、対象の科目・補助科目を削除できます。
- 登録済みの科目を、別の科目区分に移動することはできない仕様です。
正しい操作
- 設定メニューの科目設定を開き、修正したい科目をクリックして編集から名称などを直します。
- 削除する場合は対象を選び、削除ボタン(F9)をクリックし、警告メッセージではいを選びます。
- 科目区分を間違えて登録した場合は、区分をまたいだ移動ができないため、正しい区分で科目を登録し直し、誤って登録した科目は削除します。
コツ
弥生会計 デスクトップ版の仕様ではありませんが、実務では、科目や補助科目を削除する前に、その科目を使った仕訳が残っていないかを確認しておくと、削除できない、または削除後に残高が合わなくなるといった事態を避けやすくなります。
06-05科目区分を追加・削除したい/仮払消費税等などの科目が消せない#
よくある症状
勘定科目の分類である「科目区分」自体を増やしたり削除したりしたいと考えています。また、仮払消費税等・仮受消費税等などの科目を削除しようとしてもできません。
原因
- 科目区分(勘定科目の分類そのもの)の追加・削除はできない仕様です。区分名や小計名の変更はできます。
- 使っていない科目区分は、試算表印刷の対象から除外することができます。
- 仮払消費税等・仮受消費税等など、弥生会計があらかじめ用意している「システム固定科目」(計8科目)は、削除も非表示にもできません。
正しい操作
- 科目区分そのものを増減させることはできないため、名称を変更するか、試算表印刷の設定で対象から除外する方法で対応します。
- 仮払消費税等・仮受消費税等などのシステム固定科目は、使っていなくても削除・非表示にはできない仕様なので、そのまま残しておきます。
消費税の経理方式(税抜経理・税込経理)によって、仮払消費税等・仮受消費税等をどの程度使うかが変わります。経理方式の設定については第7章 消費税・インボイスで扱います。
06-06売掛帳・買掛帳の残高が合わない(マイナスになっている)#
よくある症状
売掛帳を開くと、残高がマイナスになっています。買掛帳でも、実際の未払額と表示されている残高が合いません。
原因
- 売掛帳の残高がマイナスになる主な原因は、売上の取引を入力せずに、売掛金の回収だけを入力してしまっていることです。
- 弥生会計 デスクトップ版(弥生会計 26/弥生会計 26 プロフェッショナル/やよいの青色申告 26)の仕様ではありませんが、実務では、買掛帳でも同じ考え方で、仕入や支払の一方だけを入力すると残高がずれることがあります。
正しい操作
- 売掛帳を開き、売上金額欄に金額が入っている取引(売上を計上した仕訳)があるかを確認します。
- 売上の取引が見当たらない場合は、対応する売上の仕訳を追加で入力します。
- 買掛帳の残高が合わない場合も同様に、仕入計上の仕訳と支払(買掛金回収)の仕訳の両方が入力されているかを確認します。
コツ
得意先・仕入先ごとの補助科目を登録しておくと、補助元帳でその得意先・仕入先だけの取引を絞り込んで確認できるため、原因になっている仕訳を見つけやすくなります。弥生会計 デスクトップ版の仕様ではありませんが、実務では、月次の残高確認のタイミングで売掛帳・買掛帳をあわせて見る習慣にしておくと、入力漏れを早い段階で見つけやすくなります。
06-07補助科目ごとの残高・取引明細(補助元帳)をどこで確認すればよいか分からない#
よくある症状
得意先ごとの補助科目を登録したものの、その明細や残高をどの画面で確認すればよいのか分かりません。
原因
- 補助元帳は、仕訳日記帳や総勘定元帳と同じ「帳簿」の一種として用意されています。
- 総勘定元帳が1つの勘定科目に絞った一覧であるのに対し、補助元帳はさらに補助科目(得意先・仕入先など)単位で明細を絞り込んだものです。
正しい操作
- 帳簿のメニューから補助元帳を開きます。
- 対象の勘定科目(売掛金・買掛金など)と、確認したい補助科目(得意先・仕入先)を選びます。
- その補助科目だけの取引明細と残高が一覧で表示されます。集計期間を指定して確認する方法は第10章 集計・帳票で扱います。
得意先・仕入先の管理は「取引先」ではなく「補助科目」という発想に切り替えることが出発点です。補助科目さえ整理できていれば、残高確認も削除・並べ替えの制限も理解しやすくなります。
この章のチェックリスト
消費税とインボイス、固定資産と減価償却、給与まわりの記帳。
消費税・インボイス
弥生会計 デスクトップ版(弥生会計 26/弥生会計 26 プロフェッショナル/やよいの青色申告 26)には、インボイスの登録番号を入力する専用欄がなく、経過措置の控除割合も自動では切り替わりません。2026年10月1日(令和8年10月1日)には免税事業者等からの仕入れに係る経過措置の控除割合が80%から70%に下がり、2割特例も終了に近づきます。この章では、税区分の設定と確認、期中の設定変更が仕訳に反映されない仕様、消費税申告書の作成まで、消費税・インボイス業務で特に間違えやすい所をまとめます。
まず全体像
07-01免税事業者等からの仕入れは、2026年10月以降も80%控除で計算してしまう#
よくある症状
適格請求書発行事業者の登録をしていない事業者(免税事業者等)からの課税仕入れについて、2026年10月1日(令和8年10月1日)以降の取引でも、これまでどおり80%の割合で仕入税額控除を計算してしまうことがあります。
原因
- 免税事業者等からの課税仕入れに係る仕入税額控除の経過措置は、下表のとおり取引日(仕入れの日)を基準に2年ごとに控除できる割合が下がります。2026年10月1日からは70%控除の期間に入ります。
- 弥生会計の仕訳入力画面には、この割合を自動で切り替える専用の欄がありません。控除割合は、仕入れの日付を確認したうえで、税区分や消費税額の計算に反映させる必要があります。
- 一の適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れの合計額(税込み)が、その年または事業年度で1億円(改正前は10億円)を超える場合、超えた部分の課税仕入れには経過措置が適用できません。この上限額の引き下げは、令和8年10月1日以後に開始する課税期間から適用されます。取引日基準の控除割合とは判定の基準が違う点に注意してください。
| 期間 | 免税事業者等からの仕入れに係る仕入税額控除の割合 |
|---|---|
| 2023年10月1日から2026年9月30日まで(令和5年10月1日から令和8年9月30日まで) | 80%控除 |
| 2026年10月1日から2028年9月30日まで(令和8年10月1日から令和10年9月30日まで) | 70%控除 |
| 2028年10月1日から2030年9月30日まで(令和10年10月1日から令和12年9月30日まで) | 50%控除 |
| 2030年10月1日から2031年9月30日まで(令和12年10月1日から令和13年9月30日まで) | 30%控除 |
出典:国税庁 インボイスQ&A 問113、国税庁「令和8年度税制改正特集」。控除割合は取引日(仕入れの日)で判定します。会計期間が期間の区切りをまたぐ場合は、期中でも割合が変わる点に注意してください。
正しい操作
- 免税事業者等からの課税仕入れを入力するときは、まず取引日(仕入れの日)を確認し、上表の期間に対応した割合で消費税額を計算します。
- 自社の会計期間が令和8年10月1日をまたぐ場合は、期の途中で控除割合が切り替わる点をあらかじめ関係者と共有しておきます。
- 一の免税事業者等からの仕入合計額が多い取引先については、課税期間の開始日を基準に、税込1億円を超えていないかを別途確認します。
制度
経過措置の詳細は国税庁 インボイスQ&A 問113、上限額の引き下げは国税庁「令和8年度税制改正特集」で確認できます。
07-022割特例は今後もずっと使えると思って試算してしまう#
よくある症状
2割特例(納める消費税額を売上税額の2割にできる経過措置)を、令和9年分(2027年分)以降も同じように使えると考えて、資金繰りや納税予測を立ててしまうことがあります。
原因
- 2割特例は「令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間」に限った経過措置です。個人事業者は令和8年分(2026年分)の申告が最後の適用、法人は令和8年9月30日を含む課税期間の申告が最後の適用になります。
- 基準期間の課税売上高が1,000万円を超える事業者、資本金1,000万円以上の新設法人、課税期間短縮特例を適用している事業者などは、もともと2割特例の対象外です。
- 2割特例の終了後、個人事業者に限り、免税事業者から適格請求書発行事業者になった課税期間等について、令和9年分・令和10年分(2027年分・2028年分)の消費税を課税標準額に対する消費税額の3割の納付とできる「3割特例」が新設されています。法人には3割特例はありません。
正しい操作
- 自社・自分にとって2割特例を適用できる最後の課税期間がいつかを確認し、その翌課税期間からの納税予測を作り直します。
- 2割特例は事前の届出が不要で、確定申告時の付記で適用できます。適用する場合も、翌期以降は本則課税・簡易課税(個人は3割特例も選択肢)のどれにするかを早めに検討します。
- 簡易課税制度を選ぶ場合は、事前の届出と2年間の継続適用が必要です。届出のタイミングは国税庁の案内で確認してください。
- 3割特例を適用する場合は、確定申告書への付記が必須です。弥生会計 デスクトップ版がいつから3割特例に対応するかは、2026年9月19日時点で確認した公式ページに記載がないため、申告時期が近づいたら最新の公式サポート情報を確認してください。
制度
2割特例の適用期間と3割特例の対象者・対象期間は国税庁「2割特例の概要」、国税庁「令和8年度税制改正特集」で確認できます。
07-03インボイスの登録番号を入力する欄が見当たらない#
よくある症状
仕訳を入力する画面でインボイスの登録番号を入力しようとしても、専用の入力欄が見当たりません。自社の弥生会計がインボイス制度に対応しているかどうかも分かりにくいと感じることがあります。
原因
- 弥生会計の仕訳入力画面には、登録番号を入力する専用欄がない仕様です。登録番号を記録しておきたい場合は、摘要または仕訳メモに入力する運用になります。
- インボイス制度への対応状況(事業所データの設定状態など)は、専用のページで確認できます。あわせて、勘定科目(補助科目)には「請求書区分」の初期設定があります。
正しい操作
- 登録番号を仕訳データに残しておきたい場合は、摘要欄または仕訳メモに入力します。
- 「弥生会計のインボイス対応について」のページで、自社の事業所データの対応状況を確認します。
- 勘定科目(補助科目)の「請求書区分」の初期設定を確認し、免税事業者等との取引が多い科目・補助科目に誤りがないかを見ておきます。
07-04帳簿に入力した税区分が、科目の初期設定と違う税区分になっている#
よくある症状
帳簿や振替伝票に入力した仕訳を確認すると、勘定科目の初期設定とは違う税区分で登録されていることがあります。消費税集計や申告書の数字が、科目ごとに正しく積み上がっているかを確認したい場合もあります。
原因
- 帳簿や振替伝票で勘定科目を選ぶと、その科目に設定されている税区分が自動で入力されます。ただし、取引によっては直接変更することもできるため、変更したまま別の取引にも流用してしまうと、意図しない税区分のまま登録されます。
- 税区分そのものは「税区分設定」の一覧で管理しますが、税区分名・略称は変更できません(変更できるのはサーチキーのみ)。未使用の税区分は一覧から非表示にできますが、既に使用している区分や「対象外」区分は非表示にできず、また非表示にしても消費税集計の画面には表示される仕様です。
正しい操作
- 「設定」メニューの「消費税設定」の「税区分設定」を開き、一覧表で税区分の使用状況を確認します。名称は変更できないため、検索しやすくしたい場合はサーチキーを調整します。
- 「科目別税区分表」を開き、勘定科目別・税区分別に本体価額と消費税額等を確認します。金額をクリックすると、元帳の該当仕訳を直接参照できます。
- 想定と違う税区分の仕訳が見つかった場合は、該当の仕訳を個別に修正します。
07-05消費税の端数処理や経理方式を変更したのに、入力済みの仕訳の消費税額が変わらない#
よくある症状
「消費税設定」の「税端数処理」や経理方式(税込・税抜)を変更したのに、過去に入力した仕訳の消費税額がそのままになっていることがあります。
原因
- 期中に「税端数処理」を変更しても、既に入力した仕訳の消費税額は変更されません。次に入力する仕訳から、変更後の端数処理で消費税額が計算されます。
- 経理方式や税区分自体の設定を期中に変更した場合も、登録済みの仕訳は自動では書き換わらない仕様です。
- 仕訳辞書・伝票辞書に登録した内容も自動では更新されないため、設定変更後は辞書側を手修正してから使う必要があります。
正しい操作
- 消費税設定を変更する前に、変更が登録済みの仕訳には反映されない仕様であることを踏まえ、変更するタイミングを検討します(期首など、まだ仕訳が少ない時期に変更するのが望ましいという考え方もあります。これは弥生会計 デスクトップ版の仕様ではなく、実務上の一般論です)。
- 過去に入力した仕訳の消費税額を訂正したい場合は、該当の仕訳を1件ずつ修正します。
- 仕訳辞書・伝票辞書を使っている場合は、設定変更後に内容を手修正してから利用します。
注意
公式サポートでも、期中に消費税設定の税端数処理を変更しても、既に入力した仕訳の消費税額は変わらないと案内されています。経理方式の変更についても同様に、登録済みの仕訳をさかのぼって書き換える仕様ではない点に注意してください。
ポイント
仕訳辞書は、帳簿の入力画面に表示されるアイコンから開けます。消費税設定を変更した後は、このアイコンから登録済みの仕訳辞書の内容も手直しが必要です。
07-06消費税集計の納税予測額が実際の納税額とずれる/申告書を追加で作成できない#
よくある症状
「消費税集計」画面の納税予測額を見て資金繰りを考えていたのに、実際の申告額とずれることがあります。年度が進むと、消費税申告書・中間申告書を新しく作成できなくなることもあります。
原因
- 「消費税集計」の納税予測額は、登録済みの仕訳から消費税額を集計した概算です。実際の消費税納付額とは異なる場合があります。
- 消費税申告書・中間申告書は、事業所データ1件あたりに作成できる件数の上限が決まっています(中間申告書は11件、確定申告書は13件)。上限に達すると、それ以上は新しく作成できません。
正しい操作
- 「消費税集計」の納税予測額はあくまで参考値として扱い、実際の資金準備は、決算整理や中間納付額も踏まえたうえで判断します。
- 消費税申告書・中間申告書の作成可能件数が上限に近づいている場合は、早めに公式サポート情報で対処方法を確認します。
- 申告書の作成は、「決算・申告」の消費税申告書設定から「申告書の作成」を開き、中間または確定を選択して対象期間を指定します。
07-07決算のときに「仮払/仮受消費税等に残高があります。」と表示される#
よくある症状
税抜経理方式を採用している事業所で決算の処理をしていると、「仮払/仮受消費税等に残高があります。」というメッセージが表示されることがあります。
原因
- 税抜経理方式では、決算までに「仮払消費税等」「仮受消費税等」の残高をゼロにする清算仕訳を入力する必要があります。このメッセージは、その清算が済んでいない状態で表示されます。
- 減価償却費、貸倒引当金、棚卸資産など、当年度の取引の一部が未入力のまま決算処理を進めている場合にも表示されることがあります。
正しい操作
- 当年度の取引(減価償却費・貸倒引当金・棚卸資産を含む)をすべて入力したうえで、残高試算表で「仮払消費税等」「仮受消費税等」の残高を確認します。
- 税務申告ソフト等で納税額を確定させ、仮払消費税等・仮受消費税等の残高がゼロになるように清算仕訳を作成します。中間納付税額がある場合は、あわせて清算します。
- 清算による差額は「雑収入」または「雑損失」で処理します。なお、このメッセージが表示されていても、決算書のエクスポート自体は行えます。
この章のチェックリスト
固定資産・減価償却
固定資産一覧(固定資産台帳)に資産を登録すると、減価償却費の仕訳は自動で計算されますが、取得したときの仕訳や、売却したときの仕訳までは自動で作られません。また2026年4月1日(令和8年4月1日)から、少額減価償却資産の特例の金額基準が変わります。この章では、固定資産の取得から除却・売却まで、固定資産一覧を使ううえで見落としやすい所をまとめます。
まず全体像
08-01少額減価償却資産の特例を、今までどおり30万円未満で判定してしまう#
よくある症状
固定資産を取得したとき、少額減価償却資産の特例(取得価額を全額その事業年度の損金にできる特例)を、これまでどおり30万円未満という基準で判定してしまうことがあります。
原因
- 令和8年度税制改正により、中小企業者等の少額減価償却資産の特例の対象となる取得価額の基準が、30万円未満から40万円未満に引き上げられました。対象になるのは、2026年4月1日(令和8年4月1日)以後に取得等をした資産です。
- 対象法人から除外される従業員数の要件も、常時使用する従業員数が500人を超える法人から、400人を超える法人に変わりました。つまり、400人以下の法人が対象です。
- 年間の対象取得価額の合計300万円という上限は、この改正でも変わっていません。適用期限は3年延長されています。
| 項目 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 取得価額の基準 | 30万円未満 | 40万円未満 |
| 対象となる取得の時期 | 令和8年3月31日まで | 令和8年4月1日(2026年4月1日)以後の取得等(適用期限を3年延長) |
| 対象から除外される法人 | 常時使用従業員数500人超 | 常時使用従業員数400人超 |
| 年間の対象取得価額の合計上限 | 300万円 | 300万円(据え置き) |
出典:国税庁「令和8年度 主な中小企業税制の見直し」。この特例は中小企業者等である青色申告法人向けの制度です。個人事業主の少額減価償却資産の特例に同様の金額改正が及ぶかどうかは、今回確認した資料の範囲では明記されていません。
正しい操作
- 資産の取得日が2026年3月31日までか、2026年4月1日以後かを確認し、基準額を切り替えます。
- 自社の常時使用する従業員数が400人を超えていないかもあわせて確認します。400人を超える法人はこの特例の対象外です。
- 年間の対象取得価額の合計が300万円を超えないよう、期中の取得状況を把握しておきます。
制度
詳しい内容は国税庁「令和8年度 主な中小企業税制の見直し」で確認できます。個人事業主の方は、最新の適用基準を顧問税理士または国税庁の案内でご確認ください。
08-02償却仕訳を書き出したら、金額が想定より多くなっていた#
よくある症状
固定資産一覧から仕訳書出を実行したら、減価償却費の金額が想定していた金額よりも多く(2倍相当に)なっていることがあります。
原因
- 指定した期間の減価償却費の仕訳が既に登録されている状態で、もう一度仕訳書出を実行すると、仕訳が重複して作成されます。同じ期間分を再度書き出すと仕訳が重複する旨が、公式サポートでも注意点として案内されています。
正しい操作
- 仕訳書出を実行する前に、対象期間の減価償却費の仕訳が、総勘定元帳や振替伝票に既に登録されていないかを確認します。
- 誤って重複して作成してしまった場合は、後から作成した側の仕訳を削除します。
- 複数人で入力作業を分担している場合は、誰がいつ書き出しを行ったかを共有しておくと、重複を防ぎやすくなります。
08-03月次で減価償却費を計上していたら、期末の本決算仕訳と重複してしまった#
よくある症状
毎月、減価償却費を月次計上で書き出していたのに、決算のときに本決算仕訳としても書き出してしまい、同じ期間分の減価償却費が二重に計上されていることがあります。
原因
- 仕訳書出には、本決算仕訳(年間の償却費を一括で計上)、月次計上(月度単位で計上)、上下半期(中間決算対応で半期ごとに計上)という3つの書き出し単位があり、それぞれ別の操作として実行されます。
- どれか1つの単位に決めずに複数の単位で書き出すと、同じ期間の減価償却費が二重に計上されます。
正しい操作
- 自社の決算・月次決算の運用に合わせて、書き出し単位(本決算仕訳・月次計上・上下半期のいずれか)を1つに決めます。
- 月次計上を使う場合は、期末に本決算仕訳を重ねて書き出さないようにします。
- 既に計上済みかどうかを確認したいときは、総勘定元帳などで仕訳の生成元が「償却」になっている行を見ると、その期間分が書き出し済みかどうかを判断しやすくなります。
NG:月次計上で書き出したあと、期末に本決算仕訳でも同じ期間分を書き出す
- 月次の12回分と、本決算仕訳の年間一括分が両方登録され、減価償却費が二重に計上されます。
OK:書き出し単位を1つに決め、その単位だけで書き出す
- 月次計上を使うなら期末は本決算仕訳を書き出さない、年1回でよいなら本決算仕訳だけを使う、というように運用を固定します。
08-04固定資産を売却したのに、売却の仕訳が自動で作られない#
よくある症状
固定資産一覧で対象資産の「減少事由」を「売却」にして確定したのに、売却時の仕訳が仕訳書出の対象に出てこないことがあります。
原因
- 「減少事由」で「売却」を設定した資産の仕訳は、仕訳書き出しの対象外という仕様です。売却時までの減価償却費と売却時の仕訳は、帳簿や伝票で入力するよう公式サポートでも案内されています。
- 除却については、「固定資産一覧に登録されている資産を除却した場合の処理方法」という別のFAQが用意されており、売却とは案内が分かれています。
正しい操作
- 固定資産一覧の対象資産を選択し、「編集」から「減少年月日」を入力、「減少事由」で「売却」または「除却」を選択して確定します。
- 売却の場合は、売却時までの減価償却費の仕訳と、売却損益の仕訳を、帳簿や振替伝票で別途手入力します。仕訳書出には反映されません。
- 除却の場合も、固定資産一覧の確定だけで除却損の仕訳が自動で作られるとは限らないため、仕訳書出のあとに内容が意図したとおりになっているかを必ず確認します。資産の一部だけを除却したい場合も、専用のFAQを確認してから処理します。
08-0510万円以上20万円未満の資産を、一括償却資産としてどう処理すればよいか分からない#
よくある症状
10万円以上20万円未満のパソコンなどを購入したとき、少額減価償却資産の特例と何が違うのか、固定資産一覧にどう登録すればよいのか迷うことがあります。
原因
- 取得価額が10万円以上20万円未満の資産は、一括償却資産として、取得価額の合計額の3分の1ずつを3年間で損金に算入する方法を選べます。
- 一括償却資産は、固定資産一覧には通常の減価償却資産とは別の区分(一括償却)で登録します。決算時の償却費仕訳は仕訳書出の対象外で、振替伝票への手入力が必要です。
正しい操作
取得時の仕訳を入力する
例えば、パソコンを198,000円で普通預金から購入した場合は、借方に工具器具備品198,000円、貸方に普通預金198,000円を入力し、貸借が0であることを確認して登録します。
固定資産一覧に登録する
クイックナビゲータの「決算・申告」から固定資産一覧(固定資産台帳)を開き、新規作成で資産名・勘定科目・取得年月日・取得価額を入力し、償却方法で「一括償却」を選択します。
当期の償却限度額を確認する
拡張機能メニューの「一括償却資産一覧表」を開くと、取得価額の3分の1に当たる金額が表示されます。複数の資産がある場合は、合算してから3分の1を計算します。
決算時に償却費の仕訳を入力する
振替伝票で「決算」の仕訳として、STEP3で確認した償却限度額を入力します。仕訳書出では自動作成できないため、手入力が必要です。
少額減価償却資産の特例(中小企業者等、青色申告法人)
2026年4月1日以後の取得は40万円未満が対象です。全額をその事業年度の損金にできますが、年間合計300万円が上限です。
一括償却資産
10万円以上20万円未満が対象です。3年均等償却で、取得価額の3分の1ずつを損金に算入します。金額の上限はありません。
08-06固定資産台帳のデータを出力したい/償却資産申告にも反映されるか知りたい#
よくある症状
固定資産台帳に登録した内容を、税務申告用の別ソフトに取り込んだり、会計事務所に渡したりしたいことがあります。市区町村に提出する償却資産申告(固定資産税)にも自動で反映されるのか、気になる場合もあります。
原因
- 固定資産台帳には、固定資産台帳兼減価償却計算表や償却額推移表などをPDF形式で出力する機能や、「減価償却の達人」向けにデータを書き出す機能があります。
- 償却資産申告(固定資産税・都市計画税の申告)との直接の連携については、今回確認した公式ページに記載が見当たりませんでした。
正しい操作
- 固定資産台帳の画面から、固定資産台帳兼減価償却計算表や償却額推移表などをPDF形式で出力し、会計事務所への共有に使います。
- 税務申告ソフト側で「減価償却の達人」を使っている場合は、専用のデータエクスポート機能を利用します。
- 償却資産申告は、固定資産台帳の登録内容(取得価額・耐用年数・取得年月日など)をもとに、別途(手作業または他のシステムで)作成する前提で準備します。
この章のチェックリスト
給与・源泉の記帳
弥生会計 デスクトップ版(弥生会計 26/弥生会計 26 プロフェッショナル/やよいの青色申告 26)で給与の仕訳を入力するときは、相手科目が複数にまたがる複合仕訳になるため、振替伝票を使います。また、2026年12月1日(令和8年12月1日)からは年末調整の基礎控除・給与所得控除・扶養の所得要件が変わり、記帳する預り金・立替金の金額にも影響します。この章では、給与仕訳の基本パターンから、預り金の残高確認、年末調整の改正、弥生給与との連携まで、記帳でつまずきやすい所をまとめます。
まず全体像
09-01給与の仕訳を「かんたん取引入力」で入力しようとして、うまく入力できない#
よくある症状
給与を支払ったときの仕訳を「かんたん取引入力」で入力しようとすると、入力できる科目が足りない、または入力しづらいと感じることがあります。
原因
- 給与支給の仕訳は、借方・貸方が複数科目にまたがる複合仕訳になります。相手科目が単一の取引専用の「かんたん取引入力」では入力できず、「振替伝票」を使う必要があります(かんたん取引入力と振替伝票の使い分けは第4章でも解説しています)。
- 給与に関する仕訳は、支給時・社会保険料の納付時・源泉所得税や住民税の納付時で、使う勘定科目のパターンが決まっています。
正しい操作
- 給与に関する仕訳は、必ず「振替伝票」から入力します。
- 下表の代表的なパターンを手元に控えておくと、毎月の入力で迷いにくくなります。自社で使っていない項目(通勤手当や振込手数料など)は省略して入力します。
| タイミング | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 給与支給時 | 給与手当 | 普通預金/預り金(源泉所得税)/預り金(住民税)/預り金(健康保険料)/預り金(厚生年金保険料)/法定福利費(雇用保険料)/旅費交通費(通勤手当)/支払手数料(振込手数料) |
| 社会保険料の納付時 | 法定福利費 | 預り金(健康保険料)/預り金(厚生年金保険料)/普通預金 |
| 源泉所得税・住民税の納付時 | 預り金(源泉所得税)/預り金(住民税) | 現金または普通預金 |
出典:弥生会計 サポート情報「給与を支払ったとき」。実際に使う勘定科目・補助科目は事業所の科目設定によって変わります。
09-02給与/賞与明細から仕訳を書き出したあと、振替伝票を直しても明細のデータが直らない#
よくある症状
「給与明細」から仕訳を書き出したあと、作成された振替伝票の金額を直接修正したのに、「給与明細」画面側のデータは修正前のままになっていることがあります。
原因
- 「拡張機能」の「給与明細書」から「給与明細」を開き、支給区分を選んで「仕訳書出」(F12)を実行すると振替伝票が作成されますが、この振替伝票と「給与明細」画面側のデータは連動していない仕様です。
- 振替伝票側だけを修正しても、「給与明細」画面のデータには反映されません。
正しい操作
- 「拡張機能」から「給与明細書」の「給与明細」を開き、支給区分を選択して「仕訳書出」(F12)を実行します。
- 日付、現金支給・振込支給の別を設定すると振替伝票が表示されます。内容を確認し、必要であれば修正してから「登録」(F12)します。
- 書き出したあとに振替伝票側の金額や科目を修正した場合は、「給与明細」画面のデータも別途、同じ内容に修正します。
09-03預り金(源泉所得税・社会保険料)の残高が、納付額と合っているか分からない#
よくある症状
源泉所得税や社会保険料を納付したあとも、預り金の残高がゼロにならない、または今月分と前月分が混ざってしまい、次にいくら納付すればよいのか分かりにくくなることがあります。
原因
- 弥生会計 デスクトップ版の仕様ではありませんが、実務では、給与支給のたびに積み上がる預り金(源泉所得税・社会保険料)を、納付したときに同額取り崩す仕訳を入れないと、残高が積み上がったりマイナスになったりします。
- 預り金の残高が正しいかどうかを自動でチェックする専用の機能は、確認した公式ページの範囲では見当たりませんでした。
正しい操作
- 毎月、または納付のタイミングごとに、「預り金」科目を補助科目(源泉所得税・住民税・健康保険料・厚生年金保険料など)別に、総勘定元帳や補助元帳で確認します(残高試算表・総勘定元帳の見方は第10章で詳しく解説しています)。
- 補助科目ごとの残高が、次に納付すべき金額(源泉所得税・住民税の納付書、社会保険料の決定通知など)と一致するかを照合します。
- 一致しない場合は、給与仕訳の入力もれ、二重計上、納付仕訳の科目誤りがないかを確認します。
09-04令和8年分の年末調整でも「103万円の壁」など、これまでの数字のまま案内してしまう#
よくある症状
令和8年分(2026年分)の年末調整の案内で、給与収入の非課税上限や扶養親族の所得要件を、これまでどおりの金額のまま従業員に説明してしまうことがあります。
原因
- 令和8年度税制改正により、合計所得金額132万円以下の場合の基礎控除が95万円から104万円に、給与収入220万円以下の場合の給与所得控除の最低保障額が65万円から74万円に、それぞれ引き上げられます。施行は2026年12月1日(令和8年12月1日)で、令和8年分(2026年分)以後の所得税に適用されます。
- この結果、給与収入だけで見た所得税の非課税上限(基礎控除と給与所得控除の最低保障額の合計)は、160万円(95万円+65万円)から178万円(104万円+74万円)に引き上げられます。扶養親族等の所得要件も、給与収入換算で123万円から136万円に引き上げられます。
- 年末調整の税額計算そのものは弥生給与・やよいの給与計算側の機能で、弥生会計(記帳ソフト)側に今回の改正に対応した専用機能があるという記載は、確認した公式ページの範囲では見当たりませんでした。
正しい操作
- 令和8年分の年末調整の案内では、新しい金額を前提に説明します。給与収入だけの人の非課税上限は178万円、扶養親族等の合計所得金額の要件は62万円(給与収入だけなら136万円)です。
- 実際の税額計算は弥生給与・やよいの給与計算側で行い、弥生会計(記帳ソフト)側では、その結果をもとに預り金・立替金の仕訳を記帳します(記帳の具体例は次の項目で解説します)。
- 基礎控除額は合計所得金額の区分ごとに複数段階あります。合計所得金額132万円以下の金額は、令和8年分と令和9年分が104万円、令和10年分以後は99万円です。適用年分ごとの正確な金額は、国税庁の案内で確認してください。
制度
改正の詳細は国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」、弥生の解説は弥生株式会社「2026年分年末調整の変更ポイント」で確認できます。
09-05年末調整の還付金を、どの勘定科目・税区分で処理すればよいか分からない#
よくある症状
年末調整の結果、従業員に還付金を出すことになったとき、どの勘定科目・どの税区分で仕訳を入力すればよいか迷うことがあります。
原因
- 預り金(源泉所得税)を取り崩すだけでは足りない過納額の部分は、「立替金」として処理します。税区分は「対象外」に設定します。
- 例えば、過納額が76,000円で、そのうち預り源泉所得税40,000円を充当し、残り36,000円を現金で還付する場合は、預り金40,000円と立替金36,000円を組み合わせた複合仕訳(税区分は対象外)で処理します。普通預金から支払う場合は「現金」を「普通預金」に読み替えます。
正しい操作
- 過納額のうち、預り金(源泉所得税)の残高で充当できる部分と、それを超える部分(立替金で処理する部分)を分けます。
- 振替伝票で、借方に預り金(源泉所得税)と立替金、貸方に現金または普通預金を入力します。税区分は「対象外」に設定します。
- 逆に追加で徴収する場合は、貸方側の科目(預り金や立替金)の扱いを反対にして入力します。
コツ
具体的な仕訳例は弥生株式会社「年末調整で従業員に還付金がある場合の仕訳例」で確認できます。金額は自社の年末調整の結果に置き換えて入力してください。
09-06個人事業主で、報酬から源泉徴収された場合の仕訳が分からない(やよいの青色申告)#
よくある症状
やよいの青色申告を使っている個人事業主が、売上代金の一部を源泉徴収されて受け取ったとき、その源泉徴収分をどう仕訳に入力すればよいか分からないことがあります。
原因
- 報酬から源泉徴収された所得税相当額は、売上計上時または売掛金回収時に、「事業主貸」として処理します。
- この仕訳も貸方または借方が複数科目にまたがる複合仕訳になるため、「かんたん取引入力」ではなく振替伝票での入力が必要です。
正しい操作
- 売上高のうち源泉徴収された金額を「事業主貸」として計上します。例えば、売上高11,000円のうち源泉所得税相当1,200円を事業主貸、残り9,800円を売掛金として、振替伝票に入力します。
- 入金時は、売掛金9,800円を現金または普通預金に振り替える仕訳を入力します。
- 年間の源泉徴収税額は、確定申告のときに所得税の前払いとして精算します。
09-07弥生給与・やよいの給与計算で計算した内容を、弥生会計にどう取り込めばよいか分からない#
よくある症状
弥生給与・やよいの給与計算で給与や年末調整の計算を終えたあと、その結果を弥生会計にどう取り込めばよいか分からず、弥生会計側に年末調整の専用機能があるはずだと探してしまうことがあります。
原因
- 年末調整を含む税額計算そのものは弥生給与・やよいの給与計算側の機能で、弥生会計(記帳ソフト)側には専用の計算機能がありません。
- 弥生給与側の「ツール」から「仕訳作成」を開くと、支給区分(給与・賞与・年末調整)ごとに仕訳データを作成できます。作成したデータは、弥生会計への転送、またはJournal.txt形式のファイル経由でのインポートで取り込みます。
正しい操作
- 弥生給与・やよいの給与計算側で、支給区分ごとに仕訳データを作成します。
- 作成したデータを弥生会計側に転送するか、書き出したファイルを弥生会計側でインポートします。インポート時の重複や注意点は第16章で詳しく解説しています。
- 弥生会計側で給与/賞与明細から直接仕訳を書き出したい場合は、この章で説明した「給与明細」の「仕訳書出」(F12)を使います。
この章のチェックリスト
帳票、決算書と申告、年次更新とデータ管理。
集計・帳票
この章では、残高試算表・総勘定元帳・補助元帳・月次(日次)残高推移表・資金繰りといった集計帳票の見方と、印刷・PDF出力・Excelへの書き出しでつまずきやすい設定を扱います。部門別の印刷・集計表示はグレードによって使える範囲が変わるため、まず自社のグレードを確認したうえで設定を進めてください。総勘定元帳の「諸口」表示や、印刷したい期間の指定方法など、画面を開いた直後に迷いやすいポイントもあわせて取り上げます。集計そのものの操作はシンプルでも、書式や出力形式の選択肢が多いために手が止まりやすい章です。
まず全体像
10-01印刷設定に印刷する部門が出てこない、部門別に集計できない#
よくある症状
残高試算表や集計表を部門別に印刷しようとしても、印刷設定の画面に印刷する部門の項目が表示されないことがあります。部門対比残高試算表や部門別集計表そのものが選べないこともあります。
原因
- 部門を1件も登録していない(部門管理をしていない)状態になっています。
- 弥生会計 スタンダードまたはやよいの青色申告を使用しています。部門を使った印刷・集計はプロフェッショナル以上のグレードが前提の機能です。
正しい操作
- 部門別の印刷・集計が必要な場合は、まず自社が弥生会計 プロフェッショナル以上のグレードであることを確認します。
- 「設定」メニューの部門設定から部門を登録します。
- 仕訳を入力する際に、各仕訳へ部門を割り当てます。
- 集計表では「事業所(合計)」「部門名(合計)」「部門名(共通)」などから集計対象を選び、部門別集計表・部門対比残高試算表・予算実績対比表を確認します。複数の部門を横並びで比較したい場合は、部門対比残高試算表が便利です。
| 機能 | スタンダード/やよいの青色申告 | プロフェッショナル以上 |
|---|---|---|
| 部門設定・仕訳への部門の割り当て | 対象外 | 対応 |
| 印刷設定の印刷する部門 | 対象外 | 対応 |
| 部門別集計表・部門対比残高試算表 | 対象外 | 対応 |
出典:部門設定の概要、部門が登録されている場合の集計表、期間を指定して帳簿を印刷する方法(弥生会計 サポート情報)。「プロフェッショナル以上」には、プロフェッショナル2ユーザー・ネットワーク・AEを含みます。
10-02総勘定元帳の印刷期間を絞り込めない、「諸口」の内訳が見られない#
よくある症状
総勘定元帳や補助元帳を開いても、印刷したい期間だけに絞り込む項目が見当たらないことがあります。また、複数科目にまたがる仕訳が「諸口」とだけ表示され、内訳を確認できないこともあります。
原因
- 総勘定元帳・補助元帳の印刷期間は、印刷設定画面ではなく、帳簿の画面上でマウスドラッグして指定する仕様です。
- 複数科目にまたがる仕訳は、総勘定元帳・補助元帳の画面では「諸口」として集約表示・印刷される仕様で、内訳は表示・印刷できません。
正しい操作
- 「帳簿・伝票」または「集計」メニューから総勘定元帳・補助元帳を開き、勘定科目を選択します。
- 印刷したい期間を、帳簿の画面上でマウスドラッグして指定します。
- 「印刷」をクリックし、書式を選んで出力します。
- 「諸口」の内訳を確認したい場合は、総勘定元帳・補助元帳ではなく、元になった振替伝票を開いて確認します。
10-03残高試算表の印刷設定で、どのタブで何を変えればよいか迷う#
よくある症状
残高試算表を印刷しようとすると、書式の設定項目が複数のタブに分かれていて、どこを変えればよいか迷うことがあります。マイナス値の表示のしかたも、どこで選べるのか分かりにくいことがあります。
原因
- 残高試算表の印刷設定は詳細用紙/余白ヘッダー/フッターの3つのタブに分かれています。
- マイナス値の表示形式(「-9,999」「△9,999」「▲9,999」)も、この印刷設定の中で選ぶ仕様です。
正しい操作
- 詳細タブで、印刷する勘定科目の範囲や集計の粒度を確認します。
- 用紙/余白タブで用紙サイズ・余白を、ヘッダー/フッタータブでページの上下に印刷する内容を設定します。
- マイナス値の表示形式(「-9,999」「△9,999」「▲9,999」)を、自社の帳票の見せ方に合わせて選びます。
- 設定を確認したら、「印刷」またはPDF出力に進みます。
10-04月ごとの残高の動きを、総勘定元帳や残高試算表では追えない#
よくある症状
各勘定科目の残高が月を追ってどう動いているかを確認したいのに、総勘定元帳や残高試算表の画面では一覧で追いにくいことがあります。
原因
- 月ごと・日ごとの残高の推移は、総勘定元帳や残高試算表ではなく「月次(日次)残高推移表」という別の画面で確認する仕様です。
正しい操作
- 「集計」メニューの「月次(日次)残高推移表」を開きます。
- 勘定科目別または補助科目別を選択します。
- 部門・勘定科目・補助科目・期間を設定して、「集計」(F5)をクリックします。
- 月次表を表示した状態で「日次」ボタンを押すと、日次表示に切り替えられます。逆に日次表示から月次表に戻すこともできます。
10-05数カ月先の資金繰りをどこで確認すればよいか分からない#
よくある症状
入金・支払いの予定を踏まえて、この先の資金繰りがどうなるかを弥生会計の画面で確認したいのに、機能がどこにあるか分からないことがあります。
原因
- 弥生会計には資金繰りシミュレーターがあり、回収予定表・支払予定表をもとに、2カ月後までの資金繰りを試算できます。
正しい操作
- 「集計」メニューから資金繰りを開きます。
- 回収予定表には得意先ごとの入金予定を、支払予定表には仕入先や経費の支払予定を登録します。
- 回収予定表・支払予定表をもとに、資金繰りシミュレーターで2カ月後までの資金繰りの試算結果を確認します。
実務のヒント
弥生会計 デスクトップ版(弥生会計/やよいの青色申告)の仕様として明記されているわけではありませんが、実務では、入金・支払いの予定が変わるたびに回収予定表・支払予定表の登録内容を更新しておくと、試算結果の精度を保ちやすくなります。
10-06帳簿をExcelに書き出すとエラーになる、複数シートに分かれる#
よくある症状
帳簿をExcelへ書き出そうとすると、エラーが表示されて書き出せないことがあります。書き出せた場合でも、内容が複数のシートに分かれてしまうことがあります。
原因
- Excel書き出しには、1シートあたり行65,000行・列255列という上限があります。
- 255列を超える範囲を書き出そうとするとエラーになります。
- 65,000行を超える場合はエラーにはならず、自動的に次のシートへ分割されます。
正しい操作
- 書き出す範囲の列数が255列を超えていないかを確認し、超えている場合は出力範囲を調整します。
- 行数が65,000行を超える場合は、複数シートに自動的に分かれる仕様と理解したうえで、2つ目以降のシートも確認します。
- 帳簿画面の「Excel」ボタンをクリックし、出力方法と出力先を選んで「OK」をクリックします。「新規作成」を選ぶと新しいExcelファイルとして保存され、「既存ファイルに追加」を選ぶと指定したExcelファイルに新しいシートとして追加されます。
NG:エラーやシート分割を見て、データが壊れたと考えて何度も書き出し直す
- 実際には行65,000行・列255列という仕様上の上限に達しているだけのことが多く、原因を確認しないまま操作を繰り返すと時間がかかります。
OK:書き出す前に、列数・行数のおおよその見込みを確認しておく
- 255列を超えないよう出力範囲を絞り込み、65,000行を超える場合は複数シートに分かれる仕様だと理解したうえで確認します。
10-07帳簿をPDF出力・印刷すると、取引のない期間が印刷されない#
よくある症状
帳簿をPDFファイルに出力したり印刷したりすると、取引のない月が印刷結果から抜け落ちる、または空白のページになってしまうことがあります。
原因
- 印刷設定で仕訳がある期間だけを印刷するにチェックが入ったままになっています。
正しい操作
- 印刷設定を開き、仕訳がある期間だけを印刷するのチェックを外します。
- 月度ごとに合計を印刷するにチェックを入れると月ごとの小計が、取引件数を印刷するにチェックを入れるとその月の仕訳件数が、それぞれ印刷結果に表示されます。取引のない月を含めて全期間の状況を確認したいときは、両方にチェックを入れておくと分かりやすくなります。
- PDFで保存したい場合は、印刷画面のプリンター名で「PDFファイルの作成」を選択し、保存先とファイル名を指定して保存します。
この章のチェックリスト
決算・申告
この章では、決算書(報告書)や勘定科目内訳書、法人事業概況説明書の作成手順、個人の青色申告決算書、棚卸・家事按分などの決算整理、電子申告(e-Tax)までを扱います。勘定科目内訳書・法人事業概況説明書はプロフェッショナル以上のグレード限定の機能のため、対応グレードの確認が最初のつまずきどころです。個人(やよいの青色申告)と法人(弥生会計)とで手順が分かれる項目もあるため、どちらの話かを区別しながら読み進めてください。
まず全体像(法人の場合)
個人(やよいの青色申告)の場合、勘定科目内訳書・法人事業概況説明書の作成は対象外です。棚卸・家事按分などの決算整理や、個人向けの電子申告(e-Tax)の進め方は、後半の項目で説明します。
11-01勘定科目内訳書・法人事業概況説明書のメニューが使えない#
よくある症状
決算・申告メニューから勘定科目内訳書や法人事業概況説明書を開こうとしても、メニューが選択できない、または機能自体が見当たらないことがあります。
原因
- 勘定科目内訳書・法人事業概況説明書は、対応グレードが「プロフェッショナル、プロフェッショナル2ユーザー、ネットワーク、AE」に限られる機能です。
- 弥生会計 スタンダードおよびやよいの青色申告では、これらのメニューに対応していません。
正しい操作
- 自社が使用しているグレードを確認します。
- スタンダードを使用していて機能が必要な場合は、プロフェッショナル以上のグレードへの変更を検討します。
- プロフェッショナル以上であれば、勘定科目内訳書は「データ設定」→「内訳書科目設定」→「データ取込」(本年度)→「過去データ複写」→「並べ替え」→「印刷」の順に作成します。過去データ複写を使うと、前年度の内訳書データを引き継げます。
- 法人事業概況説明書は、概況書科目設定の確認→仕訳データの取込→記載事項の入力→印刷の順に作成します。前年度データから一部の項目が繰り越されるため、内容が正しいかもあわせて確認します。
| 書類・機能 | スタンダード/やよいの青色申告 | プロフェッショナル以上 |
|---|---|---|
| 決算書(報告書)の作成 | 対応 | 対応 |
| 勘定科目内訳書 | 対象外 | 対応 |
| 法人事業概況説明書 | 対象外 | 対応 |
| e-Taxデータ書き出し(勘定科目内訳書のCSV) | 対象外 | 対応 |
出典:勘定科目内訳書の概要、法人事業概況説明書の作成の流れ、e-Taxデータの書き出しの概要(法人)(弥生会計 サポート情報)。「プロフェッショナル以上」には、プロフェッショナル2ユーザー・ネットワーク・AEを含みます。
11-02決算書(報告書)を作成する手順で、月次決算では一部の書類が作れない#
よくある症状
決算書(報告書)を作成しようとして月次決算のタイミングで株主資本等変動計算書・個別注記表・記名押印書・前期比較決算書を選んでも、メニューに出てこない、または作成できないことがあります。
原因
- 決算書は、決算整理仕訳の入力後に科目の集計先を確認・設定し、記載事項(株主資本等変動計算書を含む)を設定してから作成する流れです。
- 株主資本等変動計算書・個別注記表・記名押印書・前期比較決算書は、本決算・中間決算でのみ作成できる書類のため、月次決算では作成できません。
- やよいの青色申告では、同じ「決算書」の画面から青色申告決算書を作成します。
正しい操作
- 決算整理仕訳を入力したあと、科目の集計先を確認・設定します。
- 記載事項を設定し、決算書(弥生会計は法人向けの決算書、やよいの青色申告は青色申告決算書)を作成します。
- 株主資本等変動計算書・個別注記表・記名押印書・前期比較決算書が必要な場合は、月次決算ではなく本決算または中間決算のタイミングで作成します。
- 印刷のほか、e-Tax向けにXTX形式またはXBRL形式で書き出すこともできます。
11-03e-Taxデータを書き出すと、勘定科目内訳書のCSVだけ作成されない#
よくある症状
法人でe-Taxデータの書き出しを行うと、決算書などのデータは書き出せるのに、勘定科目内訳書のCSVだけが作成されないことがあります。
原因
- 勘定科目内訳書のCSV書き出しは、「この機能はスタンダードでは対応していません」と案内されている機能です。
正しい操作
- 使用しているグレードを確認します。
- スタンダードを使用している場合は、勘定科目内訳書のCSV書き出しに対応していないため、プロフェッショナル以上のグレードを使用します。
- 他の決算書類のe-Taxデータ書き出しに問題がないかもあわせて確認します。
11-04残高試算表と決算書とで期首・期末商品棚卸高の金額が合わない(法人)#
よくある症状
棚卸の仕訳を入力したのに、残高試算表と決算書とで「期首商品棚卸高」「期末商品棚卸高」の金額が一致しないことがあります。棚卸仕訳を入れたあとに、決算書の集計そのものが正しく反映されないこともあります。
原因
- 残高試算表(月次・期間)と決算書とでは、集計対象や決算整理仕訳の反映の有無が異なる仕様のため、表示される金額に差が出ること自体は想定の範囲内です。
- 決算書の項目やその名称を初期値から変更・追加していると、棚卸仕訳が正しく集計されないことがあります。
正しい操作
- 決算書設定で「毎月入力している」または「決算時のみ入力している」を選び、振替伝票で「期首商品棚卸高」「期末商品棚卸高」を使った所定の仕訳を入力します。
- 残高試算表と決算書とで金額表示に差がある場合は、仕様上の差異である可能性を踏まえ、最終的な金額は決算書側で確認します。
- 決算書の項目名を変更・追加している場合は、いったん初期値の項目名に戻して集計結果を確認します。決算書の項目・項目名称は初期値のまま使用することをおすすめします。
11-05個人(やよいの青色申告)で棚卸の仕訳をどう入れればよいか分からない#
よくある症状
個人事業主のデータで決算時に棚卸の仕訳を入力しようとすると、法人と同じ感覚で入力してもうまく反映されないことがあります。
原因
- 個人データは仕組み上、法人とは異なる特殊な仕訳で棚卸を処理する必要があります。
- 毎月棚卸をしている場合は、1か月目とそれ以降とで入力する仕訳の内容が異なります。
- 決算時のみ棚卸をしている場合は、12月31日に期首棚卸高・期末棚卸高をまとめて記帳します。
正しい操作
- 自社の棚卸の頻度(毎月/決算時のみ)を確認します。
- 毎月棚卸をしている場合は、1か月目の仕訳とそれ以降の月の仕訳が異なる点に注意して、それぞれ所定の内容で振替伝票に入力します。
- 決算時のみ棚卸をしている場合は、12月31日に期首棚卸高・期末棚卸高をまとめて振替伝票に入力します。
- 入力後は、決算書側の期首・期末商品棚卸高の金額を確認します。
11-06電子申告(e-Tax)の準備を、法人と個人のどちらの手順で進めればよいか分からない#
よくある症状
決算書や確定申告書をe-Taxで送信しようとしても、法人と個人で必要な準備や使うアプリが違うため、どこから手を付ければよいか迷うことがあります。
原因
- 法人の場合は、マイナンバーカードや利用者識別番号などを事前に準備し、確定申告e-Taxオンラインなどでデータを送信する流れです。
- 個人の場合は、対応するスマートフォンに「弥生 電子署名」アプリを入れ、マイナンバーカードを読み取って電子署名を行う流れです。対応していない機種では「e-Taxソフト」などで代替します。
正しい操作
- 法人は、マイナンバーカード・利用者識別番号などの事前準備を済ませ、決算書をXTX形式またはXBRL形式で書き出します。
- 確定申告e-Taxオンラインなどでデータを送信し、送信結果を確認します。
- 個人は、使用しているスマートフォンが「弥生 電子署名」アプリに対応しているかを確認します。対応していない場合は「e-Taxソフト」など、別の方法での電子署名を検討します。
- 送信時にエラーが出る場合は、国税庁側のe-Tax利用可能時間内かどうかもあわせて確認します。
11-07事業と家事の両方に使う経費を、そのまま全額経費にしてよいか迷う(個人)#
よくある症状
携帯電話料金や自宅兼事務所の家賃など、事業と家事の両方に使っている経費について、全額を経費として計上してよいか迷うことがあります。
原因
- 事業と家事の両方に使う経費は、使用割合にもとづいて按分する必要があります。
- 弥生会計には「家事按分振替」という、使用割合にもとづいて経費から家事分を除く振替仕訳を作成する機能があります。
正しい操作
- 対象の経費について、事業で使っている割合(使用割合)を確認します。
- 「家事按分振替」機能を使い、使用割合にもとづいて経費から家事分を除く振替仕訳を作成します。
- 携帯電話料金やオフィスの家賃など、按分が必要な経費に漏れがないかもあわせて確認します。
この章のチェックリスト
年次更新・データ管理
この章では、事業所データやバックアップファイルの保存場所、自動バックアップと手動バックアップの使い分け、データメンテナンスによる最適化・修復、パスワードの管理、前年度データの扱いといった、データ管理でつまずきやすい所を扱います。自動バックアップの保存先は変更できない仕様のため、まずこの前提を理解したうえで、自社に合ったバックアップの運用を組み立ててください。日々の入力より頻度は低くても、いざというときにデータを守れるかどうかを左右する章です。
まず全体像
繰越処理そのものの手順は、第3章「開始残高・繰越の基本」で説明しています。この章では、繰越の前後で押さえておきたいバックアップとデータ管理の部分を扱います。
12-01自動バックアップの保存先を変更したい、AE(マルチユーザー)で自動バックアップが見当たらない#
よくある症状
自動バックアップの保存先を、既定のフォルダーから別の場所に変更しようとしてもできないことがあります。また、AE(マルチユーザー)を使っていると、自動バックアップの機能自体が見当たらないことがあります。
原因
- 自動バックアップの保存場所は、ソフトの仕様として変更できません。
- AEのマルチユーザー版には、自動バックアップ機能そのものがありません。
- 自動バックアップは、環境設定の「起動・終了」タブで「弥生会計終了時にバックアップファイルを作成する」にチェックが入っている場合のみ、終了時に作成されます。
正しい操作
- 保存先を既定以外にしたい場合や、AEを使用している場合は、外付けHDDやUSBメモリなどへの手動バックアップを定期的に行います。
- プロフェッショナル2ユーザー・ネットワーク・AEなどのマルチユーザー版では、一括バックアップツールを使うと複数の事業所データをまとめてバックアップできます。
- 自動バックアップ自体が作成されているかどうかは、環境設定の「起動・終了」タブでチェックの有無を確認します。
| 方法 | 実行のタイミング | 保存先の変更 | 対応グレード |
|---|---|---|---|
| 自動バックアップ | 弥生会計終了時(環境設定でチェックした場合のみ) | 変更不可 | AE以外(AEには自動バックアップ機能自体がありません) |
| 手動バックアップ | 利用者が任意のタイミングで実行 | 任意の場所を選択可能 | 全グレード |
| 一括バックアップツール | 利用者が任意のタイミングで実行(複数の事業所データをまとめて対象にできます) | 任意の場所を選択可能 | プロフェッショナル2ユーザー・ネットワーク・AEなどのマルチユーザー版 |
出典:自動バックアップの保存場所を変更できますか、事業所データのバックアップの概要(弥生会計 サポート情報)。
12-02事業所データファイルがどこにあるか分からない、見当たらない#
よくある症状
事業所データファイルを開こうとしても、保存場所が分からず見つからないことがあります。以前は開けていたのに、急に事業所データが見当たらなくなることもあります。
原因
- データファイルの既定の保存先は「ドキュメント\Yayoi\弥生会計27データフォルダ\」です(弥生会計 26の場合は「27」を「26」に読み替えます)。バックアップファイルは、その中の「Backup」フォルダーに保存され、拡張子は「.KB**」です。
- 弥生ドライブに保存しているデータと、パソコンにローカル保存しているデータを取り違えていることがあります。
- 誤って別の事業所データに入力してしまっている場合もあります。
正しい操作
- 弥生ドライブを使用している場合は、弥生ドライブ側の保存先・アップロード履歴を確認します。
- ローカル保存の場合は、既定の保存場所「ドキュメント\Yayoi\弥生会計27(または26)データフォルダ\」と、その中の「Backup」フォルダーを確認します。フォルダー名の「27」「26」はバージョン番号に対応しているため、使用しているバージョンに合わせて読み替えます。
- バックアップファイルのアイコンを直接ダブルクリックして開くと、そのたびに復元処理が実行されます。通常の起動には使わず、事業所データ本体(拡張子が「.KB**」ではないファイル)を開くようにします。
12-03自動バックアップから復元する手順や、復元後にデータがどうなるか分からない#
よくある症状
仕訳を誤って削除・変更してしまった、データの動きがおかしいなどの理由で自動バックアップから復元したいものの、手順や、復元すると今のデータがどうなるのか分からないことがあります。
原因
- 復元はファイルメニューのバックアップファイルの復元から行う仕様で、複数あるバックアップファイルの中から対象を選ぶ必要があります。
- 復元先に同名のデータがすでに存在する場合は、上書きするか別名で保存するかを選ぶ確認メッセージが表示されます。
正しい操作
- ファイルメニュー→バックアップファイルの復元を開きます。
- 復元したい対象のバックアップファイルを選択します。ファイル名の末尾に「-1」が付いているものが最新のバックアップです。
- 復元先を確認し、復元をクリックします。
- 同名の事業所データがすでにある場合は、上書きするか別名で保存するかの確認メッセージに従って選択します。今のデータも残したい場合は、別名での保存を選びます。
12-04データの動きがおかしいときの「データメンテナンス」の使い方、「伝票No.の再付番」だけ実行できない#
よくある症状
仕訳の集計や伝票番号の並びに違和感があるときに、どの機能で最適化・修復すればよいか迷うことがあります。また、ツール→データメンテナンスの画面で「伝票No.の再付番」にチェックを入れても実行できないことがあります。
原因
- データの最適化・修復は、ツール→データメンテナンスの「合計金額等の再集計」「伝票No.の再付番」「事業所データの最適化」で行う仕様です。それぞれ、集計結果の再計算、伝票番号の振り直し、データファイル自体の整理という役割です。
- 仕訳の承認機能を使用している場合は、「伝票No.の再付番」だけが使えない仕様です。
正しい操作
- ツール→データメンテナンスを開きます。
- 実行したい項目(合計金額等の再集計/伝票No.の再付番/事業所データの最適化)にチェックを入れます。仕訳の承認機能を使用している場合は「伝票No.の再付番」は選べないため、「合計金額等の再集計」「事業所データの最適化」のみ実行します。
- マルチユーザーで使用している場合は、実行前にバックアップを取ることが案内されています。
- 保存場所・ファイル名を指定して「OK」をクリックします。
12-05パスワードを入力してもデータが開かない#
よくある症状
事業所データのパスワードを間違えていないはずなのに、入力してもデータが開かないことがあります。
原因
- Caps LockやNum Lockがオンになっていることに気づかず、意図しない文字で入力していることが多い原因です。
- 単純な入力ミスも原因になります。
- 事業所データには、ユーザー登録・パスワード設定のほか、指定した日付より前の仕訳を編集できなくする設定など、複数の保護機能があります。対象グレードはスタンダード・プロフェッショナル・プロフェッショナル2ユーザー・ネットワーク・AEですが、弥生会計はグレードにより搭載されている機能が異なるため、自社のグレードで使える保護機能の範囲は公式サポート情報で確認してください。
正しい操作
- キーボードのCaps Lock・Num Lockの状態を確認してから、あらためてパスワードを入力します。
- 改善しない場合は、パソコンを再起動してから、もう一度試します。
- それでも開かない場合は、管理者権限を持つユーザーで弥生会計にログインし、ツール→ユーザー管理から該当ユーザーのパスワードを変更します。
- パスワード以外にも、指定日以前の仕訳の編集を制限する設定を使うと、確定済みの期間を誤って修正してしまうことを防げます。
12-06前年度の仕訳日記帳や総勘定元帳を直接修正しようとしてもできない#
よくある症状
各帳簿画面の「前年度」ボタンから前年度のデータを表示し、そのまま金額や摘要を修正しようとしても、入力・修正ができないことがあります。
原因
- 「前年度」ボタンで表示する前年度データの画面は、閲覧専用の仕様です。入力・修正はできません。
正しい操作
- 前年度データを修正したい場合は、「前年度」ボタンでの表示ではなく、前年度の事業所データ自体に切り替えてから修正します。
- 前年度の仕訳日記帳・総勘定元帳/補助元帳・残高試算表は、当年度の各帳簿画面にある「前年度」ボタンから、閲覧用として確認できます。
- 前年度の仕訳をそのまま当年度に転記したい場合は、前年度仕訳日記帳の画面からコピーして使うこともできます。
実務のヒント
弥生会計 デスクトップ版(弥生会計/やよいの青色申告)の仕様として明記されているわけではありませんが、実務では、毎年同じ時期に発生する仕訳(保険料や会費など)を前年度からコピーして転記すると、入力の手間を減らせます。
この章のチェックリスト
バージョンアップ、弥生ドライブとデータ共有、ネットワーク版、連携とエラー。
バージョンアップ・製品移行
この章では、弥生会計を最新バージョンへコンバート(変換)するときの注意点と、パソコンを買い替えたときのライセンス認証の解除・再認証、Windows 10のサポート終了にともなう動作環境の変更点をまとめます。ライセンス認証は1台のパソコンにつき1ライセンスという仕様のため、パソコンを入れ替える前後の手順を誤ると、新しいパソコンで認証できなくなることがあります。作業を始める前に、まずこの章で全体の流れを確認してください。
まず全体像
あわせて確認
この章での「コンバート(変換)」は、弥生会計 デスクトップ版の中で旧バージョンから最新バージョンへ移行する操作です。弥生会計 Next(クラウド版)への移行は別の操作で、対応できるデータの範囲も異なります。
13-01初めてライセンス認証をするとき、どの番号を入力すればよいか、画面の流れが分からない#
よくある症状
弥生製品を新しいパソコンにインストールした後、ライセンス認証の画面で何を入力すればよいか分からず、手が止まることがあります。認証をすませないと、体験利用の期間が過ぎた時点で製品が使えなくなります。
原因
- ライセンス認証は、通常のメニュー画面とは別に起動する「弥生 ライセンス認証管理」という専用のツールから行います。
- 認証には弥生製品登録番号に加えて、サービス契約ID(お客様番号)または製品シリアル番号のどちらかが必要です。どちらを持っているかによって、入力する画面が分かれています。
正しい操作
- 「弥生 ライセンス認証管理」を起動します。
- 案内にしたがって弥生製品登録番号を入力します。
- 手元にある番号の種類(サービス契約ID・お客様番号、または製品シリアル番号)を選び、該当する画面で番号を入力します。
- 「処理を開始する」を選ぶと認証が実行されます。完了したら「画面を閉じる」を選び、続けてユーザー登録も行います。
13-02新しいパソコンでライセンス認証をしようとすると「ご購入のライセンスはすべて使用されています。」と表示される#
よくある症状
パソコンを買い替えて弥生製品をインストールし、ライセンス認証をしようとすると「ご購入のライセンスはすべて使用されています。」と表示され、先に進めなくなることがあります。
原因
- 弥生製品のライセンス認証は、1台のパソコンにつき1ライセンスを使用する仕様です。
- 旧パソコンのライセンス認証を解除しないまま新パソコンで認証しようとすると、購入したライセンスをすでに使い切っている状態として扱われます。
正しい操作
- 旧パソコンがまだ起動できる場合は、先に旧パソコンでライセンス認証を解除します。
- デスクトップから「弥生 マイポータル」を起動し、「設定・確認」から「弥生ライセンス認証管理」を開いて、解除対象の製品を選び「ライセンス認証を解除する」を実行します。
- 解除が完了したことを確認してから、新パソコンで改めてライセンス認証を行います。
- 旧パソコンが起動できない場合は、次の項目の手順(マイポータルからのWeb解除)で対応します。
注意
ライセンス認証の解除にはインターネット接続が必要です。旧パソコンをアンインストールする予定がある場合も、アンインストールより先に解除を済ませてください。
13-03パソコンが起動しない・故障・廃棄済み・初期化済みで、ライセンス認証を事前に解除できない#
よくある症状
旧パソコンが故障した、すでに廃棄した、またはリカバリ(初期化)してしまった後で、ライセンス認証の解除ができていないことに気づくことがあります。この状態のままでは新しいパソコンで認証できません。
原因
- 通常のライセンス認証の解除は、対象のパソコン上で「弥生 マイポータル」から操作する仕組みです。パソコンが起動しない、または存在しない場合は、この方法が使えません。
正しい操作
- インターネットに接続できる別のパソコンから、マイポータル(Web版)にアクセスします。
- 事業グループの管理者権限を持つ弥生IDでログインし、旧パソコンの弥生登録認証情報を解除します。
- この解除の反映には、半日から1日以上かかる場合があります。反映を待ってから、新しいパソコンでライセンス認証を行います。
コツ
弥生会計 デスクトップ版(弥生会計 26/弥生会計 26 プロフェッショナル/やよいの青色申告 26)の仕様ではありませんが、実務では、パソコンの入れ替え作業は、この反映待ちの時間を見込んで、余裕を持って予定を組むことをお勧めします。
13-04弥生会計をアンインストールしてから、ライセンス認証の解除を忘れていたことに気づいた#
よくある症状
弥生会計をパソコンからアンインストールした後になって、ライセンス認証を解除していなかったことに気づくことがあります。このままでは、別のパソコンで同じライセンスを認証できません。
原因
- ライセンス認証の解除は、アンインストールの前に行う操作です。アンインストールそのものは解除の代わりにはなりません。
正しい操作
- 対象のパソコンが手元にあるかどうかにかかわらず、前の項目と同じく、別のパソコンからマイポータル(Web版)にアクセスします。
- 事業グループの管理者権限を持つ弥生IDでログインし、旧パソコンの弥生登録認証情報を解除します。反映には半日から1日以上かかる場合があるため、余裕をもって新しいパソコンでのライセンス認証を予定してください。
13-05最新バージョンにコンバート(変換)したデータを、古い弥生会計(旧製品)で開こうとすると開けない#
よくある症状
弥生会計を最新バージョンにコンバート(変換)した後で、そのデータを以前使っていた古いバージョンの弥生会計で開こうとすると、開けません。
原因
- 最新バージョンにコンバートしたデータは、データの形式そのものが新しくなります。この形式は旧製品のバージョンでは読み込めない仕様です。
正しい操作
- コンバート後のデータを旧バージョンで開くことはできません。旧バージョンのデータをどうしても確認したい場合は、コンバート前の元データ(バックアップ)を旧製品側で開いて参照します。
- コンバート作業そのものはコンバート前のデータを消去・変更しない仕様ですが、誤って上書きしないよう、コンバート前に事業所データのバックアップを取っておくと安心です。
NG:コンバート後に困る進め方
- 最新版にコンバートしてから、旧バージョンの弥生会計しか入っていないパソコンでデータを開こうとする
- コンバート前の元データを残さないまま作業を進める
OK:安全な進め方
- コンバート前の元データ(バックアップ)を別に保管しておく
- 旧バージョンのデータを見る必要があるときは、その旧データを旧製品側で開く
13-06弥生会計 26へのデータのコンバート(変換)の手順で、事業所データの選択や保存で止まる#
よくある症状
弥生会計を最新バージョンにコンバート(変換)しようとしても、どの事業所データを選べばよいか、どこに保存されるのかが分からず、作業が止まってしまうことがあります。
原因
- コンバートはクイックナビゲータの「データの選択」から始める専用の操作で、普段の「事業所データを開く」とは別の画面構成になっています。
- 弥生25以前のデータの場合は、業種の選択など、コンバートのときにしか出てこない設定画面が追加で表示されます。
正しい操作
- 弥生会計を起動し、クイックナビゲータで「データの選択」を開きます。
- コンバート元のバージョンとデータの種類を確認し、対象の事業所データを選んで「開く」を選びます。
- 弥生25以前のデータの場合は、案内にしたがって業種を選択します。
- 保存場所と事業所データ名を確認し、問題なければ「開始」を選んでコンバートを実行します。
- 完了後は「終了」または「継続」を選びます。「継続」を選ぶと、そのままコンバート後のデータで作業を始められます。
13-07法人の事業所データをコンバートするとき、「中間決算整理仕訳」の設定画面で何を選べばよいか分からない#
よくある症状
法人の事業所データをコンバートする途中で、「中間決算整理仕訳」の設定を確認する画面が表示され、何を選べばよいか分からず止まってしまうことがあります。
原因
- この設定確認は法人データをコンバートするときだけに表示される画面で、個人データ(やよいの青色申告)では表示されません。
- 普段の入力作業では意識する機会が少ない設定のため、コンバートのときに初めて目にして戸惑うケースがあります。
正しい操作
- 表示されている設定内容が、これまで運用してきた中間決算整理仕訳の扱いと合っているかを確認します。
- 設定に心当たりがない場合や、変更してよいか判断がつかない場合は、変更せずにそのまま次の画面に進み、コンバート後に設定内容をあらためて確認します。
- 判断に迷う場合は、コンバートを中断し、顧問の会計事務所に確認してから進めても構いません。
13-08Windows 10のパソコンに弥生26シリーズをインストールできない、動作保証外と案内される#
よくある症状
使っているパソコンのOSがWindows 10だと、弥生26シリーズ(弥生会計 26/弥生会計 26 プロフェッショナル/やよいの青色申告 26)をインストールできない、または動作保証の対象外と案内されることがあります。
原因
- Windows 10は、2025年10月14日(令和7年10月14日)にMicrosoft公式のサポートが終了しました。
- 弥生は2024年11月22日(令和6年11月22日)付で、2025年10月14日以降に提供する弥生製品についてはWindows 10をシステム要件の対象外とする方針を公表しています。
- 2026年9月時点の公式ページでも、弥生26シリーズの動作要件はWindows 11のみとされています。
正しい操作
- 弥生26シリーズを使う場合は、Windows 11を搭載したパソコンを用意します。
- パソコンを新調する際は、システム要件(対応OS・プロセッサ・メモリ・ストレージ)を公式ページであらかじめ確認します。
- データの移行にかかる時間の目安は1時間程度です。移行作業の予定にあらかじめ組み込んでおきます。
| 項目 | 弥生26シリーズの要件 |
|---|---|
| 対応OS | Microsoft Windows 11(Windows 365は対象外) |
| プロセッサ | 1GHz以上・2コア以上のインテルまたは互換プロセッサ |
| メモリ | 4GB以上 |
| ストレージ | 弥生会計本体で400MB以上 |
出典:弥生製品 システム要件(デスクトップソフト)。2026年9月時点の公式ページで確認した内容です。
制度・法令
弥生の公式なお知らせ一覧には、2026年7月9日(令和8年7月9日)付で、Windows 10を使っている利用者に向けて、次期の弥生27シリーズ(仮称)はWindows 10にインストールできない、という趣旨のお知らせが掲載されています。次期バージョンの詳しい対応内容や、対応OSの最新情報は、弥生のWindows 10サポート終了に伴う弥生製品の対応方針についてのページで確認してください。
この章のチェックリスト
弥生ドライブ・データ共有
この章では、弥生ドライブを使って会計事務所と顧問先で事業所データを共有する方法、弥生ドライブへの自動バックアップ、アップロード・ダウンロードの操作をまとめます。弥生ドライブ上のデータは同時に開けない仕様のため、「使用中」と表示されて開けなくなる症状が起きやすく、対応を誤るとデータの整合性が崩れるおそれがあります。会計事務所とのデータのやり取りには複数の方法があり、契約しているグレードによって選べる方法が変わる点にも注意が必要です。
まず全体像
あわせて確認
弥生会計 Next(クラウド版)で会計事務所とデータを共有する場合は、ここで説明する弥生ドライブとは別の仕組み(Nextのデータ共有機能)を使います。以下はデスクトップ版で弥生ドライブを使う場合の内容です。
14-01弥生ドライブのデータが「使用中」と表示されて開けない#
よくある症状
弥生ドライブに保存した事業所データを開こうとすると「使用中」と表示され、開けないことがあります。あわせて「72020」などのステータスコードが表示されることもあります。
原因
- 他のユーザーがすでにそのデータを開いて使用している場合に表示されます。
- 前回終了したときに、更新データのアップロードが完了する前に弥生ドライブを終了してしまった場合にも表示されることがあります。
正しい操作
- 他のユーザーが使用中でないか確認し、使用が終わるのを待ちます。
- 直前の終了時にアップロードが完了していない可能性がある場合は、弥生ドライブだけを起動してアップロードを完了させます。
- それでも改善しない場合は「ロック解除」を行います。ただし、データの整合性を保つため、ロック解除は必ず最後にそのデータを使用したコンピューターで行ってください。
注意
最後に使用したコンピューター以外でロック解除を行うと、直前の更新内容が正しく反映されないおそれがあります。ロック解除の前に、最後に使用したパソコンがどれかを社内・事務所間で確認してください。
コツ
弥生会計 デスクトップ版(弥生会計 26/弥生会計 26 プロフェッショナル/やよいの青色申告 26)の仕様ではありませんが、実務では、作業を終えるときは通常の終了操作で弥生ドライブを閉じ、パソコンの電源を強制的に切ったり、途中でネットワーク接続を切断したりしないようにすると、アップロード未完了による「使用中」表示を防ぎやすくなります。
14-02会計事務所と顧問先が同時に同じ事業所データを開こうとしてできない#
よくある症状
会計事務所と顧問先の双方が、弥生ドライブ上の同じ事業所データへ同時に入力しようとすると、片方が開けないことがあります。
原因
- 弥生ドライブ上の同一の事業所データは、同時に開けない仕様です。どちらか一方が編集中の間は、もう一方に自動的にロックがかかります。
正しい操作
- 開こうとしているデータが使用中でないことを確認してから開きます。
- 会計事務所と顧問先の間で、いつどちらが入力するかをあらかじめ調整しておきます。
コツ
弥生会計 デスクトップ版(弥生会計 26/弥生会計 26 プロフェッショナル/やよいの青色申告 26)の仕様ではありませんが、実務では、月次のどの期間を顧問先が入力し、どの期間を会計事務所が確認・修正するかをあらかじめ決めておくと、開こうとしたら使用中だった、という手戻りを減らせます。
14-03会計事務所とのデータのやり取りの流れが分からない、どの方法を選べばよいか迷う#
よくある症状
会計事務所に事業所データを渡したいとき、どの方法を選べばよいか分からず迷うことがあります。
原因
- 会計事務所へのデータの渡し方には「弥生ドライブで共有」「データ送受信」「事業所データのバックアップファイル」の3つの方法があり、それぞれ安全性や操作の難易度が異なります。
- 契約しているグレードや製品によって、選べる方法が変わります。
正しい操作
- 基本的には、もっとも安全で操作の難易度が低い「弥生ドライブで共有」を優先して検討します。
- ネットワーク・プロフェッショナル2ユーザーのグレードでは「弥生ドライブで共有」に対応していないため、「データ送受信」または「バックアップファイル」でのやり取りを使います。
- やよいの青色申告は「データ送受信」に対応していないため、「弥生ドライブで共有」または「バックアップファイルでのやり取り」を使います。
| 方法 | 難易度の目安 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 弥生ドライブで共有 | 低い(推奨) | ネットワーク・プロフェッショナル2ユーザーは非対応 |
| データ送受信 | 高い | やよいの青色申告は非対応 |
| 事業所データのバックアップファイル | 中程度 | ファイルでのやり取りになるため運用の手間がかかる |
出典:会計事務所(税理士)にデータを渡したい(弥生会計 サポート情報)。難易度の表記は公式ページの記載にもとづきます。
制度・法令
弥生ドライブは、あんしん保守サポートに加入している場合は追加料金なしで使えます。容量は1製品につき2GBです(弥生PAP税理士会員は40GB、社労士会員は10GB)。2027年春以降(令和9年春以降)には、申請・承認フローや検索・削除機能、ログ機能など弥生ドライブの機能拡充が予定されています。既存の操作は今後も継続でき、利用者側での追加の手続き・再設定は不要と案内されています。
コツ
弥生会計 デスクトップ版(弥生会計 26/弥生会計 26 プロフェッショナル/やよいの青色申告 26)の仕様ではありませんが、実務では、どの方法を使うかは顧問の会計事務所側の運用に合わせて決まることが多いため、契約プランを決める前に会計事務所へ確認しておくと二度手間になりません。
14-04弥生ドライブへの自動バックアップを設定したい、複数の事業所データがあるときの注意#
よくある症状
弥生ドライブにバックアップファイルを自動で保存したいものの、設定の場所が分からない、または複数の事業所データをまとめてバックアップできると思い込んでしまうことがあります。
原因
- 弥生ドライブへのバックアップは、クイックナビゲータの「バックアップ」から設定します。通常のバックアップ機能と同じ画面の中にあるため見落としやすい設定です。
- 複数の事業所データを扱っている場合、この設定は事業所データごとに個別に行う必要があります。1つの事業所データで設定しても、他の事業所データには適用されません。
正しい操作
- バックアップを設定したい事業所データを開いた状態で、クイックナビゲータの「バックアップ」を開きます。
- 「弥生ドライブを使用する」にチェックを付けます。
- バックアップファイル名を入力し、OKを選びます。「バックアップ」フォルダーが自動的に作られ、そこに保存されます。
- 複数の事業所データがある場合は、それぞれの事業所データを開いた状態で、同じ設定を繰り返します。
14-05弥生ドライブへのアップロード・ダウンロードの操作でつまずく#
よくある症状
弥生ドライブにファイルをアップロードしたい、または保存されているファイルを手元のパソコンにダウンロードしたいときに、操作の手順が分からず止まってしまうことがあります。
原因
- 弥生ドライブの画面は、通常の弥生会計の画面とは別のツールとして用意されています。操作に迷ったときは、いま弥生会計本体の画面を見ているのか、弥生ドライブの画面を見ているのかをまず確認します。
正しい操作
- アップロードするときは、弥生ドライブを起動して「アップロード」を選び、「ファイルを選択する」から対象のファイルを指定します。エクスプローラーからのドラッグ&ドロップでも操作できます。
- ダウンロードするときは、対象のファイルにチェックを付けて「ダウンロード」を選び、保存先のフォルダーを選んでOKを選びます。こちらもドラッグ&ドロップで操作できます。
14-06弥生ドライブでフォルダーごとまとめてダウンロードしたいが、ボタンが見当たらない#
よくある症状
弥生ドライブ内のフォルダーを、中のファイルごとまとめてダウンロードしたいのに、フォルダー単位でダウンロードするボタンが見つからないことがあります。
原因
- 弥生ドライブのダウンロード機能は個別のファイル単位での対応となっており、フォルダーごとの一括ダウンロードには対応していません。
正しい操作
- 対象のフォルダーを開き、中に入っているファイルを1つずつ選択してダウンロードします。
- ファイルの数が多い場合は、あらかじめ会計事務所・顧問先の間で、必要なファイルだけを絞り込んでおくと作業が早く終わります。
コツ
弥生会計 デスクトップ版(弥生会計 26/弥生会計 26 プロフェッショナル/やよいの青色申告 26)の仕様ではありませんが、実務では、ファイル名や事業所データ名に対象年月を入れておくと、個別にダウンロードするときも目的のファイルを見つけやすくなります。
この章のチェックリスト
ネットワーク版・複数ユーザー
この章では、弥生会計のネットワーク版(プロフェッショナル2ユーザー/ネットワーク/AE)を複数のパソコンで使うときに必要なサーバーの設定と、突然「サーバーにアクセスできませんでした。」と表示されて使えなくなったときの切り分け手順をまとめます。ネットワーク版はSQL Serverというデータベースソフトを介して動作するため、トラブルの多くはSQL Serverやファイアウォールの設定に関係しています。ユーザーごとの権限設定や、1人で集中して作業したいときの「排他モードで起動」の使い方もあわせて解説します。
まず全体像
あわせて確認
弥生会計 Next(クラウド版)には、ここで説明するネットワーク版のように自社でサーバーを用意する仕組みはありません。複数人での利用はクラウド上で行うため、この章はデスクトップ版のネットワーク版を使う場合の内容です。
15-01「サーバーにアクセスできませんでした。」と表示され、今まで使えていたのに突然開けなくなった#
よくある症状
昨日まで問題なく使えていたのに、ある日突然「サーバーにアクセスできませんでした。」と表示され、事業所データを開けなくなることがあります。
原因
- ネットワーク版は、サーバー上のSQL Server(データベース)にアクセスして動作する仕組みです。このメッセージは、SQL Serverへのアクセスが何らかの理由で遮断されているときに表示されます。
- 原因として、YAYOIインスタンスの停止、接続先サーバーの指定やログインパスワードの不備、ファイアウォールによる通信の遮断などが考えられます。
正しい操作
- まずサーバー・クライアントの両方のコンピューターを再起動します。
- サーバー側でYAYOIインスタンスが起動しているかを確認します。
- 接続先サーバーの指定と、ログインパスワードが全台で正しく設定されているかを再確認します。
- ファイアウォールの例外設定・通信設定を確認します。
コツ
弥生会計 デスクトップ版(弥生会計 26/弥生会計 26 プロフェッショナル/やよいの青色申告 26)の仕様ではありませんが、実務では、上の4つのSTEPを順番に確認すると、どこに原因があるかを絞り込みやすくなります。1つずつ確認し、改善した時点で作業を再開してください。
15-02SQL Server(YAYOIインスタンス)が起動しているか、サーバー側の設定を確認する#
よくある症状
「サーバーにアクセスできませんでした。」の原因を切り分けるとき、サーバー側のどこを見ればよいか分からないことがあります。
原因
- 弥生製品は、サーバーにインストールしたSQL Server上に、弥生製品専用の「YAYOIインスタンス」という単位でデータを保存しています。このインスタンスが起動していないと、クライアント側から接続できません。
- 接続先サーバーの指定には、一覧から選ぶ「参照」と、「サーバー名¥YAYOI」のように直接入力する方法があります。
正しい操作
- サーバー側で、SQL Serverのサービスが起動しているかを確認します。
- 「サーバーの設定」画面で、接続先サーバーが正しく指定されているかを確認します。「参照」で一覧から選ぶか、「サーバー名¥YAYOI」の形式で直接入力します。
- ログインパスワードは、ユーザー名「sa」とデータベース設定時に決めたパスワードの組み合わせです。子機側でこのパスワードが設定されているかもあわせて確認します。
- バックアップ先の共有フォルダーの指定もあわせて確認します(初期値はC:¥ProgramData¥Yayoi¥Backupです)。
制度・法令
遠隔地の複数拠点をまたいでネットワーク版を使う場合は、Windows Server 2025/2022/2019/2016のリモートデスクトップサービス(RDS CAL)が別途必要です。この設定作業は弥生のサポート対象外のため、詳しくは弥生のシステム要件(弥生ネットワーク製品)のページを確認してください。
15-03ファイアウォールを設定したのに、サーバーに接続できない#
よくある症状
サーバー側でファイアウォールの設定をひととおり済ませたはずなのに、クライアント側からサーバーに接続できないことがあります。
原因
- ファイアウォールでは、sqlservr.exeとsqlbrowser.exeという2つのプログラムの通信を許可する必要があります。どちらか一方の許可設定が漏れていると接続できません。
- ファイアウォールの設定が正しくても、子機側でログインパスワードが未設定のままになっていると、同じように接続できない状態になります。
正しい操作
- サーバー(親機)側で「システムとセキュリティ」からファイアウォールの設定を開きます。
- sqlservr.exeとsqlbrowser.exeの両方について、すべてのチェックボックスにチェックが付いているかを確認します。
- パソコンの保護状態が正しく表示されていることをあわせて確認します。
- クライアント(子機)側で、ログインパスワードが設定されているかを確認します。未設定の場合はここで設定してから、あらためて接続を試します。
15-04無線LANで弥生ネットワーク版を運用していたら、原因不明のデータ破損やエラーが頻発する#
よくある症状
無線LAN環境でネットワーク版を使っていると、はっきりした原因が分からないままデータの破損やエラーが繰り返し起こることがあります。
原因
- 弥生のネットワーク版は、10Base-T以上の有線LAN環境を前提としています。無線LANは接続が不安定になりやすく、データ破損の原因になるため、そもそも対応していません。
正しい操作
- 無線LANを使っている場合は、10Base-T以上の有線LANに変更します。
- DNSの設定はすべてのコンピューターで統一します。
- サーバーとクライアントは同一セグメントに配置します。
- サーバーのスリープ・スタンバイ設定はオフにします。
- 設定後は、PINGコマンドでサーバーとクライアント間の疎通を確認します。
NG:無線LANでの運用
- 接続が不安定になりやすい
- データ破損の原因になる
- 弥生のネットワーク版は対応していない
OK:有線LANでの運用
- 10Base-T以上の有線LAN環境を用意する
- DNS設定を全台で統一する
- サーバー・クライアントを同一セグメントにする
15-05SQL Serverをバージョンアップしたら、弥生製品のデータが消えてしまった#
よくある症状
サーバーのSQL Serverをバージョンアップする作業をした後、それまで使っていた弥生製品のデータがなくなってしまうことがあります。
原因
- SQL Serverをアンインストール(削除)すると、そのSQL Serverの中に保存されていた弥生製品のデータも、あわせてすべて削除される仕様です。
- この仕様を知らずに、バックアップを取らないまま旧SQL Serverをアンインストールしてしまうと、データを復元できなくなります。
正しい操作
STEP1 現行バージョンを確認
現在のSQL Serverのバージョンと、バージョンアップ先の対応バージョン(2025/2022/2019/2017)を確認します。
STEP2 空き容量を確認
サーバーの空き容量が、目安として4.2GB〜6GB以上あるかを確認します。
STEP3 複数拠点のバージョンをそろえる
複数拠点で利用している場合は、すべての拠点のSQL Serverを同じバージョンにそろえます。
STEP4 データをバックアップ
弥生製品のデータを、事業所データのバックアップとして保存します。
STEP5 旧SQL Serverをアンインストール
バックアップを確認してから、旧バージョンのSQL Serverをアンインストールします。
STEP6 新SQL Serverをインストール
新しいバージョンのSQL Serverをインストールします。
STEP7 バックアップを復元
保存しておいたバックアップを復元し、事業所データを開いて内容を確認します。
注意
STEP5でバックアップを取らずにアンインストールしてしまうと、弥生製品のデータを復元できません。STEP4のバックアップは必ずアンインストールの前に済ませてください。
15-06ユーザーごとに権限を設定したい、管理者に承認権限を付けられない#
よくある症状
複数のユーザーで弥生会計を使う際、ユーザーごとに操作できる範囲を分けたいのに設定の仕方が分からない、また、管理者ユーザーに承認の権限を付けようとしても設定できないことがあります。
原因
- ユーザー管理の権限には「管理者の権限」「承認権限」「取消権限」の3種類があります。管理者は初期設定として用意されるユーザーで、削除はできません。
- 初期設定の管理者には、仕様上、承認権限を追加で設定することができません。
正しい操作
- 仕訳の承認を行わせたいユーザーは、管理者ではなく、管理者以外のユーザーとして登録し、承認権限を設定します。
- 取消権限(承認の取り消しを行える権限)も、必要なユーザーに個別に設定します。
- メニュー単位・操作単位(追加・編集・削除)でも利用を制限できるため、担当業務にあわせて細かく設定します。
15-07複数人で同時に使う環境で、1人だけ集中して作業したいときの「排他モードで起動」の使い方#
よくある症状
複数人で同時に弥生会計を使っている環境で、決算作業など他の人にデータを触られたくない作業をするとき、どうすればよいか迷うことがあります。
原因
- ネットワーク版などの複数ユーザー環境には「排他モードで起動」という機能があり、これを使うと自分以外のユーザーのアクセスを止めて、1人で単独に利用できます。
- この機能を使えるのは、プロフェッショナル2ユーザー/ネットワーク/AEのグレードです。スタンダードなど、それ以外のグレードでは使えません。
正しい操作
- ログイン画面で「排他モードで起動」にチェックを付けてから起動します。
- 作業が終わったら、通常のログイン方法(チェックなし)に戻して、他のユーザーが使えるようにします。
- 契約しているグレードが対応グレードに含まれるかを、あらかじめ確認しておきます。
この章のチェックリスト
連携・インポート/エクスポートとエラー
この章では、弥生販売・弥生給与・Misocaなど他の製品やサービスと弥生会計デスクトップ版を連携する方法、仕訳データをCSVやテキストで取り込む(インポートする)ときの注意点、そして「データが開けない」「ライセンス認証ができない」といったよく出るエラーの見分け方を扱います。共通する落とし穴は、どの経路でもインポートや転送のたびに重複チェックが働かないことです。取り込む前後のひと手間が、二重計上を防ぐ一番の対策になります。
まず全体像
「連携」といっても、相手が何かによって使う機能も注意点も変わります。まずは主な連携元と取り込み方法を整理します。
| 連携元 | 弥生会計デスクトップへの取り込み方法 | とくに注意する点 |
|---|---|---|
| 弥生販売 | 「仕訳転送」ボタンで直接転送、またはテキストファイルの取込 | 「仕訳転送」は弥生会計のみ対応。やよいの青色申告はテキスト取込に限られます |
| 弥生給与/やよいの給与計算 | 同じパソコンなら「会計へ」ボタンで直接転送、別のパソコンならテキストファイル(Journal.txt)をインポート | 勘定科目・補助科目・部門の名称にスペースやタブが含まれているとインポートエラーになります |
| Misoca | スマート取引取込を経由した会計アカウント連携 | 連携できるのは弥生会計・やよいの青色申告など5製品。弥生会計Nextとは別の連携です |
| 他社の会計ソフト・CSVデータ | 「弥生取り込み(インポート)形式」に変換してから仕訳日記帳の「インポート」機能で取込 | 他社ソフト専用の移行ツールはなく、固定フォーマットへの変換が前提です |
どの経路も、同じデータを2回取り込んでしまったときに重複を防ぐしくみは用意されていません。取込後は必ず内容を確認する運用にします。
16-01仕訳データを再インポート、または弥生販売の仕訳を再転送したら、同じ仕訳が重複して登録された#
よくある症状
仕訳データのファイルをもう一度インポートした、または弥生販売の仕訳をもう一度転送したところ、以前登録した仕訳と同じ内容がもう1件でき、二重に計上されていました。
原因
- 仕訳日記帳の「インポート」機能には重複をチェックするしくみがありません。同じファイルをもう一度インポートすると、警告なしでそのまま重複登録されます。
- 弥生販売の仕訳を再転送する場合も、弥生会計側に残っている取込済みの仕訳を削除しないまま転送すると、同じ内容が二重に取り込まれます。
正しい操作
- CSV・テキストのインポートは、必ず事業所データのバックアップを取ってから行います。インポート後に事業所データをインポート前の状態へ戻すことはできません。
- 同じファイルをすでにインポートしていないか、インポート前に確認します。
- 弥生販売の仕訳を再転送する場合は、先に弥生会計側でバックアップを取り、「弥生シリーズからの仕訳取り込み」の一覧から対象の仕訳を削除してから、弥生販売で該当期間を再集計・再転送します。
- 再転送・再インポートのあとは、仕訳日記帳で件数や金額が想定どおりになっているかを確認します。
NG
- バックアップを取らずに同じファイルをもう一度インポートする
- 弥生会計側の取込済み仕訳を消さずに、弥生販売から同じ期間を再転送する
OK
- インポート前にバックアップを取り、同じファイルを2回取り込んでいないか確認する
- 再転送の前に「弥生シリーズからの仕訳取り込み」一覧から対象仕訳を削除する
16-02やよいの青色申告で、弥生販売からの「仕訳転送」ボタンが使えない#
よくある症状
弥生販売で作成した仕訳を弥生会計側に取り込みたいのに、やよいの青色申告の画面には「仕訳転送」のボタンが見当たりません。
原因
- 「仕訳転送」による直接連携は弥生会計のみに対応した機能で、やよいの青色申告は対象外という仕様です。
- やよいの青色申告では、弥生販売とのあいだで仕訳データを送り受けする機能そのものが、弥生会計本体のようには用意されていません。
正しい操作
- やよいの青色申告を使っている場合は、弥生会計本体向けの「仕訳転送」ボタンではなく、テキストファイルを取り込む手順に切り替えます。
- 弥生販売側で書き出した仕訳データのテキストファイルを、やよいの青色申告の仕訳日記帳から「インポート」機能で取り込みます。
- 取込前には必ずバックアップを取り、同じファイルを重複して取り込まないよう確認します。
16-03弥生給与から作った仕訳データをインポートすると「不正な行が存在するためインポートできません。」と出る#
よくある症状
弥生給与(やよいの給与計算)で作成した仕訳データを弥生会計側でインポートしようとすると、「不正な行が存在するためインポートできません。」と表示され、取り込めません。
原因
- 勘定科目・補助科目・部門の名称に、スペースやタブ文字が含まれていることが原因です。
正しい操作
- エラーになった仕訳データで使われている勘定科目・補助科目・部門の名称を確認します。
- 該当する名称にスペースやタブ文字が含まれている場合は、弥生給与側でその名称から取り除きます。
- スペース・タブを除去したうえで、弥生給与側から仕訳データをあらためて作成します。
- 作成し直した仕訳データを、弥生会計側でインポートします。
16-04弥生販売から取り込んだ仕訳を弥生会計側で直したら、弥生販売側の数字と食い違ったまま#
よくある症状
弥生販売から取り込んだ仕訳の金額や内容を弥生会計側で修正したのに、弥生販売側の帳票の数字が変わらず、両方の数字がずれたままになっています。
原因
- 弥生販売から弥生会計への転送方法には「期間指定」と「任意の締切毎」の2つがあります。「期間指定」で転送した場合は、弥生会計側だけを直しても弥生販売側には反映されず、双方で別々に修正する必要がある仕様です。
- 「任意の締切毎」で転送している場合は、弥生販売側の修正だけで弥生会計側にも反映されます。
正しい操作
- 弥生販売から弥生会計への転送方法が「期間指定」「任意の締切毎」のどちらになっているかを確認します。
- 「期間指定」の場合は、弥生会計側を直したときに弥生販売側の該当仕訳もあわせて修正します。
- 「任意の締切毎」の場合は、弥生販売側の仕訳を修正すれば弥生会計側にも反映されるため、弥生会計側を直す必要はありません。
注意
弥生会計側で、取り込んだ仕訳の勘定科目や補助科目を変更すると、科目設定の内容に沿って税区分などの関連項目が自動的に置き換わることがあります。変更後は税区分・税率の再計算結果を必ず確認してください。電子帳簿保存法に対応した運用をしている場合は、自社のルールに沿っているかもあわせて確認します。
制度
2026年10月1日(令和8年10月1日)以降のインボイス制度の経過措置(仕入税額控除)に対応した仕訳の書き出しは、弥生会計27・弥生販売27以降で対応すると案内されています。現行の弥生会計26・弥生販売26からの仕訳転送でこの経過措置に対応できるかどうかは、公式の最新情報を確認してください。
16-05Misocaで作った請求書のデータを、弥生会計に仕訳として取り込みたい#
よくある症状
Misocaで発行した請求書や入金の情報を、弥生会計側にいちいち手入力するのではなく取り込みたいのですが、どこから設定すればよいか分かりません。
原因
- Misocaと弥生会計デスクトップ版は、スマート取引取込の会計アカウント連携という機能でつなぎます。連携できる製品は弥生会計、やよいの青色申告、弥生会計オンライン、やよいの青色申告オンライン、やよいの白色申告オンラインの5製品です。
- 弥生会計Nextは別の連携(弥生請求Next・弥生経費Next・Misocaとの連携)になっており、この手順とは異なります。
正しい操作
- 弥生会計側でスマート取引取込を初回起動します。
- [設定]→[証憑管理・会計連携]→[会計アカウント連携]を開き、「弥生会計・申告ソフト」の[連携する]をクリックします。
- 弥生IDでログインし、連携内容を確認したうえで[同意の上連携する]を選びます。
- [連携設定]を開き、補助科目や自動送信の設定を確認します。
16-06弥生販売の仕訳を部門付きで転送したいのに、部門が転送されない#
よくある症状
弥生販売から弥生会計に仕訳を転送すると、金額や科目は取り込まれるのに、部門の情報だけが反映されません。
原因
- 部門を含めた仕訳転送は、弥生会計プロフェッショナル以上のグレードが前提です。弥生会計スタンダード・やよいの青色申告では部門を取り込めません。
- 部門付きで転送するには、弥生販売側でも分類台帳への部門登録、担当者台帳への部門の紐付け、得意先台帳または伝票への担当者指定という準備が必要です。
正しい操作
- 弥生会計側のグレードを確認します。部門連携が必要な場合はプロフェッショナル以上を使用します。
- 弥生販売側で、分類台帳に部門を登録し、担当者台帳に部門を紐付けます。
- 得意先台帳または伝票に担当者を指定します。
- 科目設定の部門別タブで部門を選び、条件設定で「明細転記」または「伝票別転記」を選びます。
注意
部門付きで転送できるのは、売上仕訳の貸方部門と仕入仕訳の借方部門だけです。それ以外の部門は転送の対象になりません。
16-07他社の会計ソフトから乗り換えたい・仕訳データをCSVやテキストで取り込みたい#
よくある症状
これまで使っていた会計ソフトから弥生会計デスクトップ版に乗り換えることになりましたが、専用の移行機能が見当たらず、何を用意すればよいか分かりません。
原因
- 他社ソフト専用の移行ウィザードはなく、「弥生取り込み(インポート)形式(弥生会計05以降)」という固定フォーマットに仕訳データを変換してから、仕訳日記帳の「インポート」機能で取り込むしくみです。
- 必須項目は、取引日付・借方勘定科目・借方税区分・借方金額・貸方勘定科目・貸方税区分・貸方金額・タイプ(0から3)・調整(yes/no)です。数字・日付・金額はすべて半角で入力します。
正しい操作
- 移行元のソフトから仕訳データを書き出し、「弥生取り込み(インポート)形式」の必須項目に合わせて整えます。取引日付は20190701のような形式にします。
- インポート前に、事業所データのバックアップを取ります。
- [設定]→[帳簿・伝票設定]で、伝票No.の付番方法を「手入力」に変更します。
- 仕訳日記帳の画面で[ファイル]→[インポート]を選び、ファイルを指定して取り込みます。
- 取込が完了したら、伝票No.の付番方法をもとの設定に戻します。
データが開けない・動作がおかしいときの切り分け方
仕訳データのインポートとは別に、事業所データそのものが開けない、弥生会計の動作がおかしいといった症状もあります。弥生の公式サポートが案内している切り分けの考え方に沿うと、次の順番で確認します。
16-08「事業所データを参照することができない」と出て開けない・ライセンス認証のエラーで操作できない#
よくある症状
弥生会計を起動すると「事業所データを参照することができないため、処理を実行することはできません」と表示されてデータが開けません。または、決算・申告などの機能を使おうとすると「この機能を使用するには、ライセンス認証が必要です。」と表示されたり、認証しようとするとエラーコード13027-8が表示されて先に進めなかったりします。
原因
- 「事業所データを参照することができない」は、ファイルが読み取り専用になっている、またはデータファイルが破損していることが原因です。メール添付で大容量のファイルをやり取りしたときの転送エラーが一因になることもあります。
- ライセンス認証が完了していない状態で、認証が必要な機能を使おうとすると「ライセンス認証が必要です」と表示されます。
- エラーコード13027-8は、製品登録番号とインストールした製品のグレード・バージョンの不一致、Windowsのユーザー権限、コンピューターの日付設定、セキュリティソフトによる通信のブロックのいずれかが原因です。
正しい操作
- 下の表で症状に近いものを確認し、該当する対処を行います。
- 「事業所データを参照することができない」場合は、ファイルのプロパティで読み取り専用を解除します。直らなければ自動・手動バックアップから復元し、それでも改善しなければ弥生製品の修復インストールを行います。
- 「ライセンス認証が必要です」の場合は、メッセージの[OK]をクリックし、認証マネージャーから製品登録番号と契約IDまたはシリアル番号を入力して認証します。
- エラーコード13027-8の場合は、製品登録番号とグレード・バージョンの組み合わせ、Windowsでの管理者権限、コンピューターの日付設定、セキュリティソフトの通信許可を順に確認します。
| 表示されるメッセージ・症状 | 主な原因 |
|---|---|
| 事業所データを参照することができないため、処理を実行することはできません | ファイルの読み取り専用設定、またはデータファイルの破損 |
| この機能を使用するには、ライセンス認証が必要です | ライセンス認証が未完了 |
| エラーコード13027-8 | 製品登録番号とグレード・バージョンの不一致/Windowsのユーザー権限/日付設定/セキュリティソフトの通信ブロック |
あわせて確認
「データが開けない」症状には、弥生ドライブに保存したデータが「使用中」と表示されて開けない、排他制御に関するケース(ステータスコード72020)もあります。
この章のチェックリスト
公式ヘルプ・出典
このページで参照した公式サポートのページ(110本・章ごと)
第1章 製品の全体像と画面
- クイックナビゲータの画面構成
- 事業所データを開く
- 勘定科目内訳書の概要
- 弥生会計 26へデータをコンバート(変換)する方法(スタンダード/プロフェッショナル)
- 弥生会計の画面構成
- 法人の事業所データの作成
- 確定済みの取引|弥生会計(スマート取引取込)サポート情報
- 部門設定の概要
- [消費税設定]の[税端数処理]を変更した場合、今まで入力したものはどうなりますか?
第2章 導入・初期設定
- 事業所データの作成の概要
- 弥生会計のインボイス対応について
- 法人の事業所データの作成
- 消費税の設定
- 消費税設定の設定項目
- 補助科目の登録・コピー(勘定科目の内訳の登録)
- 部門設定の概要
- [消費税設定]の[税端数処理]を変更した場合、今まで入力したものはどうなりますか?
第3章 開始残高・繰越の基本
第4章 日常の入力(伝票・帳簿)
第5章 スマート取引取込
- 仕訳の自動取り込み(スマート取引取込)
- 仕訳重複チェック
- 未確定の取引|弥生会計(スマート取引取込)サポート情報
- 確定済みの取引|弥生会計(スマート取引取込)サポート情報
- [未確定の取引]画面から不要な取引を削除したい|弥生会計(スマート取引取込)サポート情報
第6章 取引先・補助科目・元帳
- 売掛帳の残高がマイナスになっている
- 帳簿の入力
- 確定済みの取引|弥生会計(スマート取引取込)サポート情報
- 科目の修正・削除
- 科目設定の概要
- 補助科目の並べ替え
- 補助科目の登録・コピー(勘定科目の内訳の登録)
- [科目区分]の追加や削除はできますか?
第7章 消費税・インボイス
- 「仮払/仮受消費税等に残高があります。」のメッセージが表示される
- 帳簿の入力
- 弥生会計のインボイス対応について
- 消費税の集計結果を確認する
- 消費税申告書・中間申告書の作成
- 消費税申告書作成の流れ
- 消費税設定の設定項目
- 税区分の設定
- 達人シリーズ用のデータをエクスポートする
- [消費税設定]の[税端数処理]を変更した場合、今まで入力したものはどうなりますか?
第8章 固定資産・減価償却
- 一括償却資産の購入から決算までの処理について知りたい(法人)
- 償却仕訳の書き出し
- 固定資産の除却/売却の処理
- 固定資産を管理する(固定資産台帳)
- 固定資産管理
- 減価償却費の仕訳を作成する
- [固定資産管理]でよくある質問(法人編)
第9章 給与・源泉の記帳
- 報酬から源泉徴収された所得税の処理方法(個人)
- 弥生会計への仕訳データ作成方法
- 従業員から預かった源泉所得税と住民税を納付したときの仕訳|確定申告、業務の流れ(個人) サポート情報
- 給与/賞与明細の仕訳の書き出し
- 給与を支払ったとき
第10章 集計・帳票
第11章 決算・申告
- e-Tax(電子申告)による申告の流れ(個人)
- e-Taxデータの書き出しの概要(法人)
- 勘定科目内訳書の概要
- 家事按分の計算
- 棚卸の仕訳を入力する方法(個人の場合)
- 棚卸の仕訳を入力する方法(法人の場合)
- 決算書作成の流れ
- 法人事業概況説明書の作成の流れ
- 法人事業概況説明書の入力
- 電子申告(e-Tax)
第12章 年次更新・データ管理
- データファイルの保存場所
- データメンテナンス
- パスワードを入力してもデータが開かない|弥生デスクトップソフト共通 サポート情報
- 事業所データの保護機能
- 事業所データファイルが見つからない
- 前年度の仕訳日記帳、総勘定元帳・補助元帳、残高試算表の表示
- 自動バックアップの保存場所を変更できますか?
- 自動バックアップファイルを復元する方法
第13章 バージョンアップ・製品移行
- コンピューターをフォーマット、リカバリ、廃棄したため、ライセンス認証の解除ができません|弥生デスクトップソフト共通 サポート情報
- ライセンス認証で[エラーコード13027-8]が表示される|弥生デスクトップソフト共通 サポート情報
- ライセンス認証の手順|弥生デスクトップソフト共通 サポート情報
- ライセンス認証を行う際、「ご購入のライセンスはすべて使用されています。」と表示される|弥生デスクトップソフト共通 サポート情報
- ライセンス認証を解除する方法|弥生デスクトップソフト共通 サポート情報
- 弥生会計 26へデータをコンバート(変換)する方法(スタンダード/プロフェッショナル)
- 弥生会計(やよいの青色申告)データをコンバート(変換)したい
- 最新バージョンの弥生会計(やよいの青色申告)にコンバート(変換)したデータは旧製品で開けますか?
第14章 弥生ドライブ・データ共有
- ファイルを弥生ドライブにアップロード|弥生デスクトップソフト共通 サポート情報
- 会計事務所(税理士)にデータを渡したい
- 会計事務所と弥生ドライブでデータを共有したい(事業所データの共有)|弥生デスクトップソフト共通 サポート情報
- 会計事務所と顧問先のデータのやり取り
- 弥生ドライブ
- 弥生ドライブからファイルをダウンロード|弥生デスクトップソフト共通 サポート情報
- 弥生ドライブに弥生製品のバックアップファイルを保存したい(データバックアップサービス)|弥生デスクトップソフト共通 サポート情報
- 弥生ドライブのデータが「使用中」と表示されデータが開けない|弥生デスクトップソフト共通 サポート情報
- 弥生ドライブを利用して会計事務所と顧問先でデータを共有したい
第15章 ネットワーク版・複数ユーザー
- SQL Serverのバージョンアップ方法(弥生会計のみ利用)
- 「サーバーにアクセスできませんでした。」のメッセージが表示される
- サーバーの設定
- サーバーの通信設定の確認
- データベースのインストール方法(弥生ネットワーク for SQL)
- ネットワーク環境に関する注意事項
- ユーザー管理について
- 事業所データを排他モードで開く
第16章 連携・インポート/エクスポートとエラー
- Misocaと弥生会計製品を連携する|Misoca サポート情報
- 「この機能を使用するには、ライセンス認証が必要です。」のメッセージが表示される
- ライセンス認証で[エラーコード13027-8]が表示される|弥生デスクトップソフト共通 サポート情報
- 仕訳データの項目と記述形式(他製品から仕訳データをインポートする場合など)
- 仕訳データを取り込む(インポート)方法
- 会計事務所(税理士)にデータを渡したい
- 弥生会計への仕訳の転送の流れ|弥生販売 サポート情報
- 弥生会計への仕訳データ作成方法
- 弥生会計への仕訳転送で部門も転送したい|弥生販売 サポート情報
- 弥生販売から取り込んだ仕訳を弥生会計(やよいの青色申告)で直接修正・削除するときの注意点|弥生販売 サポート情報
- 弥生販売で作成した仕訳を再転送する方法
- 起動時に「事業所データを参照することができないため、処理を実行することはできません」のメッセージが表示される
このページについて(情報の基準日・出典・免責)
- 内容は2026年9月19日時点の公式サポート情報と法令に基づきます。画面・仕様・プランは変更されることがあるため、操作の前にリンク先の公式ページで最新の内容を確認してください。
- 本ページは、ジェイスタート会計事務所が独自に作成した解説です。弥生株式会社の公式ページではなく、同社の監修・承認を受けたものではありません。
- 画面画像は、各画像の下に記載した公式サポートのページから、解説に必要な範囲で引用しています(画像の加工はしていません)。画像と記事の著作権は弥生株式会社に帰属します。
- 「弥生」「弥生会計」「やよいの青色申告」「弥生会計 Next」「スマート取引取込」「弥生ドライブ」は、弥生株式会社の商標または登録商標です。
- 税務・社会保険の個別の判断は、顧問の税理士・社会保険労務士または当事務所にご相談ください。
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「繰越をやり直したい」「スマート取引取込で二重に入る」「バージョンアップでデータが開けない」「Nextに移行すべきか判断したい」など、運用で困っている点を、公認会計士・税理士の事務所として一緒に整理します。
無料相談・お問い合わせ関連ページ
- デスクトップとNextのトップ弥生会計 実務ガイド
- クラウド版の設定・取込・決算弥生会計 Next 実務ガイド
- freeeを使っている方はこちらfreee実務ガイド(会計・人事労務・請求書)
- マネーフォワードを使っている方はこちらマネーフォワード クラウド 実務ガイド
- 会計事務所の職員向け会計事務所 実務ハンドブック
- 初めてライセンス認証をするとき、どの番号を入力すればよいか、画面の流れが分からない
- 新しいパソコンでライセンス認証をしようとすると「ご購入のライセンスはすべて使用されています。」と表示される
- パソコンが起動しない・故障・廃棄済み・初期化済みで、ライセンス認証を事前に解除できない
- 弥生会計をアンインストールしてから、ライセンス認証の解除を忘れていたことに気づいた
- 最新バージョンにコンバート(変換)したデータを、古い弥生会計(旧製品)で開こうとすると開けない
- 弥生会計 26へのデータのコンバート(変換)の手順で、事業所データの選択や保存で止まる
- 法人の事業所データをコンバートするとき、「中間決算整理仕訳」の設定画面で何を選べばよいか分からない
- Windows 10のパソコンに弥生26シリーズをインストールできない、動作保証外と案内される
- 仕訳データを再インポート、または弥生販売の仕訳を再転送したら、同じ仕訳が重複して登録された
- やよいの青色申告で、弥生販売からの「仕訳転送」ボタンが使えない
- 弥生給与から作った仕訳データをインポートすると「不正な行が存在するためインポートできません。」と出る
- 弥生販売から取り込んだ仕訳を弥生会計側で直したら、弥生販売側の数字と食い違ったまま
- Misocaで作った請求書のデータを、弥生会計に仕訳として取り込みたい
- 弥生販売の仕訳を部門付きで転送したいのに、部門が転送されない
- 他社の会計ソフトから乗り換えたい・仕訳データをCSVやテキストで取り込みたい
- 「事業所データを参照することができない」と出て開けない・ライセンス認証のエラーで操作できない
