ネットショップを開業したら、商品登録や撮影と並行して、税務の届出も進める必要があります。ECショップは初期費用が小さく始めやすい一方、届出を後回しにすると青色申告の特典を受け損ねるなど、後から効いてくる失敗が起きがちです。
この記事では、個人でECショップを開業する場合の税務手続きを一覧で整理し、EC特有の経理と消費税の論点もあわせて解説します。開業直後の数週間で出すものを押さえるのがポイントです。
開業時に出す届出一覧
| 届出 | 提出先 | 期限の目安 |
|---|---|---|
| 個人事業の開業届出書 | 税務署 | 開業から1ヶ月以内 |
| 青色申告承認申請書 | 税務署 | 開業から2ヶ月以内(年初からの開業はその年の3月15日まで) |
| 青色事業専従者給与に関する届出書 | 税務署 | 家族に給与を払う場合 |
| 源泉所得税の納期の特例の承認申請書 | 税務署 | 従業員を雇い納付を年2回にまとめたい場合 |
期限の細部や様式は変わることがあるため、提出前に国税庁サイトで最新情報を確認してください。また、北海道や札幌市など自治体側への事業開始の届出が必要になる場合もあります。
青色申告を選ぶ価値
ECのように利益率の管理が重要な商売では、青色申告の特典は大きな意味を持ちます。複式簿記での記帳などを条件とする特別控除、赤字の繰越し、家族への給与を必要経費にできる仕組みなど、開業初年度に赤字が出やすいECにとって実利のある制度です。控除額などの最新の数値は国税庁サイトで確認しましょう。申請期限を過ぎるとその年は白色申告になるため、開業届と同時に出してしまうのが確実です。
EC特有の経理ポイント
モール型のプラットフォームで販売する場合、売上はモールからの入金額ではなく、注文・発送ベースの売上総額で計上し、差し引かれる販売手数料や決済手数料は費用として別に立てるのが原則です。入金額だけを売上にすると売上規模が小さく見え、消費税の納税義務の判定を誤るおそれがあります。
たとえば月の売上が100万円で手数料が12万円なら、売上100万円と支払手数料12万円をそれぞれ計上します。このほか、期末に残った商品の棚卸、自宅兼事務所の家賃や通信費の按分、ポイント値引きや送料の処理も、ECで頻出の論点です。
消費税とインボイスの考え方
開業当初は基準期間の売上がないため、原則として免税事業者からのスタートになります。ただし、インボイス(適格請求書発行事業者)に登録すると課税事業者として納税義務が生じます。販売先が一般消費者中心のECであれば、急いで登録しなくても影響が小さいケースが多い一方、事業者向けの卸売やBtoB販売があるなら、取引先との関係で登録を検討する必要があります。売上構成を見て判断し、迷う場合は登録前に専門家へ相談しましょう。
まとめ
- 開業届は1ヶ月以内、青色申告承認申請は期限に注意して同時提出が確実
- 青色申告は特別控除や赤字繰越などECと相性がよい
- モール売上は総額で計上し手数料を費用に立てる
- 在庫の棚卸と自宅兼事務所の按分はEC頻出の論点
- インボイス登録は販売先の構成で要否を判断する
届出の要否や消費税の判断は、販売チャネルと売上構成によって変わります。札幌でECショップの開業をお考えの方は、ジェイスタート会計事務所の料金プランをご確認のうえ、お問い合わせからお気軽にご相談ください。
※本記事は2026年6月時点の法令・情報に基づく一般的な解説であり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の適用にあたっては税理士等の専門家にご相談ください。
