この記事の結論
- OpenAI Platform(platform.openai.com)は、自社のシステムからOpenAIのモデル(GPT)を呼び出すための管理画面です。ChatGPTの契約とは別で、課金も管理も別々です。
- 進め方は、①アカウント作成、②支払いの設定(5ドルから前払い)、③利用上限の設定、④APIキーの発行、⑤Playgroundで試す、⑥システムに組み込む、の順です。
- 2026年10月6日に、利用ティア(利用段階)が5段階から3段階(Build・Launch・Grow)に変わりました。古い記事の「Tier 1〜5」は読み替えが必要です。
- 最初に、月のハード上限(超えると止まる上限)を設定します。アラートは通知だけで、通信は止まりません。自動チャージ(auto-reload)は、公式ヘルプによると支払いの設定時の既定がオンなので、最初の購入の前に決めておきます。
- APIキーは、作成したときに一度しか表示されません。プロジェクトごとに分け、環境変数で渡します。
- 経理では、クレジットは米ドルの前払いで、カードのみ、1年で失効し、原則返金されません。OpenAIから直接購入する日本の顧客には消費税10%がかかり(Enterpriseなどの個別契約はリバースチャージ)、登録番号はT3700150133253です。領収書に登録番号と消費税額が載っているかは、実物で確かめます(この番号の登録年月日は、2026年1月1日です)。
- 後半に、Playgroundの使い方マニュアル、実務レシピ3つ、429エラーの見分け方、毎月の点検リストを収録しました。
「OpenAI Platformを開いてみたけれど、どこから手を付ければよいか分からない」「APIキーや上限の設定で失敗したくない」。そんな方に向けて、OpenAI Platform(API用の管理画面)の使い方を、手順に沿って解説します。
本記事は、システムからAIを呼び出すための管理画面、OpenAI Platformの使い方です。会話で使うChatGPT本体の使い方はこちらの記事で解説しています。同じ種類の管理画面は、Claude Consoleの使い方(仕組みはこちら)と、Google AI StudioとGemini APIの使い方の記事をご覧ください。
登録から日々の運用、月次の点検まで、さらにPlaygroundの使い方マニュアルと経理の注意点を、2026年10月24日時点の公式情報にもとづいてまとめました。
※OpenAIの公式ヘルプやドキュメントには、管理画面の画像が少なく、その多くは2025年に撮影されたものです。公式の更新履歴によると、管理画面のナビゲーションは2026年6月5日に再設計されています。そのため本記事の図は、すべて当事務所が作成したイメージ図です。メニューの名前や並びは、画面の更新で変わることがあるため、本文では画面の役割と、直接開けるアドレス(URL)で示します。ボタン名は、公式ヘルプの英語表記で示します。
OpenAI Platformとは? ChatGPTとの違い
OpenAI Platformは、OpenAIのモデル(GPTなど)を、自社のシステムや自動処理から呼び出すための入り口です。人が画面を開いて会話するChatGPTとは別の製品で、契約・課金・管理画面もすべて別になっています。
ChatGPTの有料プランに入っていても、APIの利用料は別にかかります。OpenAIのヘルプも、APIとChatGPTは別に課金・管理されると説明しています。OpenAIが2026年9月29日に発表した「Sign in with ChatGPT」は、提携アプリでChatGPTの契約の枠を使う仕組みで、APIの課金とは別のものです。
どの契約の請求が、どの画面にあるかは、次のとおりです。経理では、ChatGPTとAPIの証憑を、分けて保存します。
| 契約 | 課金・請求の画面 |
|---|---|
| OpenAI Platform(API) | platform.openai.com の Settings>Organization>Billing(組織のオーナーが操作します) |
| ChatGPT Free・Go・Plus・Pro | chatgpt.com の Settings>Billing |
| ChatGPT Business | ワークスペースの設定(Workspace settings)の Billing |
| ChatGPT Enterprise・Edu | admin.openai.com の Billing |
※公式ヘルプ(ChatGPTとAPIの課金の管理)をもとに、当事務所が整理しました。
Platformが必要になるのは、どんなとき?
- 自社のシステムや自動処理から、AIを呼び出したいとき
- 大量の書類やデータを、まとめて処理したいとき(Batchなど)
- 用途ごとに費用の上限を決めて、管理したいとき
- 社外の開発者に、AIを使う仕組みの開発を委託するとき
会話で使うだけなら、ChatGPTで足ります。Platformは、仕組みに組み込む段階で必要になります。
使い始めるまでの全体の流れと準備
Platformの初期設定は、大きく6つのステップに分かれます。上から順に進めると、迷わずに設定できます。
準備するもの
- ログインに使う方法(メールアドレスとパスワード、またはGoogle・Microsoft・Appleのアカウント)。次回以降も、登録時と同じ方法でログインします
- 請求書に載せる会社名・住所などの請求先情報
- 支払いに使うクレジットカードかデビットカード(プリペイドカードは使えません)
- OpenAIが対応している国・地域にいること(日本は対応しています)
先に決めておくこと
1人で試すだけなら、ここは飛ばしてかまいません。社内の複数人で使う場合は、次の3点を先に決めておきます。
- 組織のオーナー(支払いと管理の責任者)を誰にするか
- 何に使うか(用途)と、用途ごとの月の予算
- APIキーを作ってよい人の範囲
ロール(権限)の早見表
Platformでは、メンバーごとに「ロール」と呼ばれる権限を割り当てます。組織全体のロールはOwner(オーナー)とReader(読者)の2種類で、プロジェクトごとにも別のロールを付けられます。
| 範囲 | ロール | できること |
|---|---|---|
| 組織 | Owner | メンバー・プロジェクト・上限・APIキーなど組織の管理、支払い、利用状況の閲覧、APIの利用 |
| 組織 | Reader | モデルの呼び出しと、APIで扱うデータ(ファイルなど)の読み書き。メンバーや設定の管理、利用状況の閲覧はできない |
| プロジェクト | Owner | そのプロジェクトの管理(メンバー・サービスアカウント・レート制限など)と、APIの利用 |
| プロジェクト | Member | そのプロジェクトでのAPIの利用。プロジェクトの管理はできない |
| プロジェクト | Viewer | 読み取りのみ。公式の権限表では、モデルを呼び出す権限は付いていない |
※組織のReaderは、名前から読み取り専用に見えますが、モデルの呼び出しと、APIで扱うデータの読み書きができます。人に付けるときは、この点に注意します。公式のRBACガイド(ロールと権限の一覧)を、当事務所が要約しました。ほかに、カスタムロールやグループ(IDプロバイダーとのSCIM連携)もあります。ロールの変更が反映されるまで、最大30分かかります。
ステップ1・2・3 アカウントを作り、支払いと上限を設定する
まずは、Platformで主に使う画面と、その開き方を押さえておきましょう。どの画面も、アドレス(URL)で直接開けます。
※公式ヘルプの中でも、課金や上限の画面のアドレスが、/account/… と /settings/organization/… の2系統で案内されています。開いた画面の表示が違うときは、ログイン後のメニューから、同じ名前の画面を探してください。
ステップ1:アカウントと組織を作る
- ブラウザで platform.openai.com を開き、登録(サインアップ)を始めます。
- メールアドレスとパスワード、またはGoogle・Microsoft・Appleのアカウントから、登録の方法を選びます。
- 画面の案内に沿って、登録を進めます。電話番号の認証を求められることがあります(一度でも認証に使った電話番号は、別のアカウントの作成には使えません)。
組織(Organization)の名前は、あとから表示名だけ変えられます。組織ID(Organization ID)は変えられません。どちらも、Settings>Organization>General(platform.openai.com/settings/organization/general)で確認します。どの組織にも、最初から「Default project」というプロジェクトがあり、削除できません。
組織の本人確認(Verify Organization)は、求められたときに
- 場所は、Settings>Organization>General の「Verify Organization」です。
- 政府が発行した身分証の原本(パスポート、運転免許証、国民ID、在留許可証など)と、顔写真(セルフィー)の照合が必要です。コピー、スクリーンショット、スマホやデジタルの身分証、期限切れの身分証は使えません。
- 同じ身分証は、90日以内に別の組織の認証には使えません。再試行もできないため、読み取りやすい原本を用意して、1回で通します。
- 利用額などの条件はなく、数分で終わります。反映まで最大30分かかることがあります。認証していなくても、すでに使えている機能は引き続き使えます。
※英語版のヘルプの内容です。日本語版のヘルプは記述が異なります。認証が必要になるモデルや機能は、英語版も、具体的な名前を挙げていません。実際の画面の案内に従ってください。
ステップ2:請求先を登録し、クレジットを買う
購入できるのは、組織の請求を管理できる人(組織のオーナー)です。
- Settings>Organization>Billing(platform.openai.com/settings/organization/billing/overview)を開きます。
- 初めての購入では「Add payment details」(支払い情報を追加)を押し、カード情報と請求先(会社名・住所など)を入力します。
- 購入額を入力します。最低額は5ドル、初期値は10ドルです。
- 設定画面に「Use auto-reload」(自動リチャージを使用する)の項目があります。公式ヘルプによると、設定時の既定はオンです。自動で買い足されたくないときは、確定の前にオフにします。
- 内容を確認して購入します。残高に反映されるまで、数分かかることがあります。
2回目以降は、「Buy credits」か「Add to credit balance」(表示されている方)から購入します。
クレジットの6つのルール
- 米ドル建て:APIのクレジットは、米ドルでのみ購入できます。円の金額は、カード会社の換算で決まります。
- カード:使えるのは、通常のクレジットカードかデビットカードです。プリペイドカードや、対応していない地域で発行されたカードは使えません。拒否される主な理由には、カード会社側の拒否や、3-Dセキュア(本人認証)の失敗などがあります。
- 有効期限:購入から1年で失効します。延長はできません。
- 返金:原則、返金されません。例外(未使用分)は、確認された請求エラー、不正利用、OpenAI側の障害や誤った制限などで、窓口はサポートです。
- 譲渡:他の人や組織に譲れません。現金や通貨としても扱われません。
- 残高の上限:利用と支払いの履歴にもとづく信頼レベル(trust tier)で決まります。自動チャージの最大額も、同じ信頼レベルで決まります。具体的な金額は公開されていません。
※初めての支払いに失敗したときは、クレジットは付与されません。自動チャージの支払いに失敗したときは、メールで通知されます。カード会社への異議申立や返金が行われると、同額のクレジットは取り消されます。
請求先の情報は、購入の前に整える
請求書に載る会社名・住所・税番号(Tax ID)などは、Billing preferences(platform.openai.com/settings/organization/billing/preferences)で更新します(権限のある人が操作します)。変更が反映されるのは、今後に発行される請求書だけで、すでに発行された請求書は変わりません。直してほしいときはサポートへの依頼になり、再発行は保証されません。購入の前に、請求先を整えておきましょう。
ステップ3:月の上限を設定する(最優先)
使いすぎを防ぐ一番の手段が、月の支出上限です。次の4つの“上限”があり、混同しやすいので、先に整理します。
| 上限 | 決めるのは | 到達すると |
|---|---|---|
| 支出のアラート | 自分 | 通知が届くだけで、APIは止まりません |
| 月のハード上限(Hard limit) | 自分 | APIが止まり、429エラー(organization_spend_limit_exceeded など)になります |
| 月の使用上限(利用ティアごと) | OpenAI | 429エラー(organization_usage_limit_exceeded)になります。引き上げは、Limits画面の案内か、サポートへの相談になります |
| 1分あたりの処理量(レート制限) | OpenAI(ティア別) | 短時間に送りすぎると、429エラーになります。少し待てば直ります |
自分で決める月のハード上限は、次の手順で設定します。
- Settings>Organization>Limits(platform.openai.com/settings/organization/limits)を開きます。
- 「Spend」の欄で、「Edit spend limit」を押します。
- 「Monthly spend limit」に、月の上限額を入力します。
- 止めたいときは「Enforce a hard limit」をオンにして、「Save」を押します。
「Enforce a hard limit」をオンにしたときだけ、上限に達するとAPIが止まります。ただし、止まる処理はその場で反映されるわけではなく、設定した額を少し超えることがあります。止まったあとは、上限を上げるか、翌月の月次サイクルまで待つと再開します。
組織の上限は、すべてのプロジェクトに共通で効きます。プロジェクトごとの上限は、そのプロジェクトの利用にだけ効き、両方が同じ通信に当たることもあります。
アラート(通知)は、プロジェクトのLimitsにある「Alert when spend reaches」に金額を決めて、「Add Alert」で追加します。プロジェクトに月の上限を作ると、100%のアラートが既定で付きます。組織のアラートについては、公式ドキュメントに画面の手順の説明がありません。
利用ティア(Free・Build・Launch・Grow)と月の使用上限
利用ティアは、組織が買ったクレジットの累計額で決まる“段階”です。段階が上がると、OpenAIが定める月の使用上限と、レート制限が大きくなります。
- 累計の購入額が基準に届くと、自動でティアが上がります。Limits画面の「Usage Tiers」の欄には、手動で上げる「Upgrade tier」ボタンもあります。
- 2026年10月6日に、有料のティアが5段階(Tier 1〜5)から3段階(Build・Launch・Grow)に再編されました。すでに有料だった組織は、Tier 1・2がBuild、Tier 3・4がLaunch、Tier 5がGrowに、自動で移行されています。追加の支払いは不要で、API料金とカスタムのレート制限は変わりません。
- 古い記事の「Tier 1〜5」の基準は、現在のものではありません。この記事の表と図を使ってください。
- Freeは、許可された地域のユーザーが使えるティアで、月の使用上限は100ドルです。ただし、GPT-6系のモデルは、Freeでは使えません(各モデルの公式ページの表に「Not supported」と書かれています)。最初に5ドル以上のクレジットを買うと、Buildになります。
- 何が「累計の購入額」に数えられるか(無料のクレジットや返金など)は、公式には書かれていません。
標準の処理(Standard)のレート制限は、ティアとモデルで決まります。RPMは1分あたりのリクエスト数、TPMは1分あたりのトークン数です。トークンとは、AIが文章を処理するときの単位で、文章が長いほど増えます。
| ティア | 累計の購入額 | 月の使用上限 | Astra・Sol・Terra(RPM/TPM) | Luna(RPM/TPM) |
|---|---|---|---|---|
| Build | 5ドル以上 | 500ドル | 5,000/100万 | 5,000/200万 |
| Launch | 100ドル以上 | 5,000ドル | 10,000/400万 | 10,000/1,000万 |
| Grow | 500ドル以上 | 200,000ドル | 15,000/4,000万 | 30,000/1億8,000万 |
※公式のレート制限の表(2026年10月24日確認)。公式の表では、「Astra・Sol・Terra」の行が同じ値で、「Luna」だけ別の値です。モデルごとの正確な値は、Limits画面の「Rate limits」の欄で確認してください。
自動チャージは“止まると困る”ときに設定する
自動チャージ(auto-reload)は、残高が決めた金額を下回ると、自動でクレジットを買い足す機能です。業務に組み込んだAPIが止まると困るときに使います。公式ヘルプでは、支払いの設定時に「Use auto-reload」が既定でオンになっていると説明されています。最初の購入のときに、必要かどうかを決めておきましょう。
設定する項目は、次のとおりです。
- 残高がいくらを下回ったら、買い足すか(しきい値)
- 買い足した後に、残高をいくらに戻すか
- 1か月に自動で買い足す金額の上限(任意)。手動の購入は数えません。上限に届くと、翌月まで自動の購入は行われません。これは、APIの使用上限ではありません
- 1回の買い足しの最低額は5ドルです
自動チャージは“残高を保つ”仕組みで、“使いすぎを止める”仕組みではありません。止めるのは、先ほどのハード上限です。残高がプラスでも、レート制限・月の使用上限・ハード上限は、別に効きます。
残高がゼロになると、429エラー(credit_balance_exhausted)が返ります。処理の遅れから、すぐには止まらないことがあります。その場合は、超えた分がマイナスの残高になり、次の購入から差し引かれます。
ステップ4 APIキーを発行し、安全に管理する
APIキーは、システムがOpenAIを呼び出すときに使う“鍵”です。他人に使われると、その費用は自社のクレジットから引かれます。クレジットカードの番号と同じつもりで扱いましょう。
発行の手順
- プロジェクトの選択(プロジェクトセレクタ)で、キーを使うプロジェクトを選びます。キーは、プロジェクトごとに発行します。
- API keys(platform.openai.com/api-keys)を開き、「+ Create new secret key」(新しいシークレットキーを作成)を押します。
- キーに名前を付けます。用途と作成月が分かる名前(例:accounting-prod-202610)にすると、後の管理が楽です。
- 権限などを設定します。権限は、All(すべて・既定)、Restricted(制限付き)、Read Only(読み取り専用)から選びます。有効期限を付けられるときは、付けます。
- 表示されたキーをコピーし、すぐに安全な場所へ保管します。
キーの全体が表示されるのは、作成したときの一度だけです。なくした場合は表示し直せないため、新しいキーを作り、古いキーは削除します。
キーを作れないときは、組織やプロジェクトで「作れるキーの種類」が制限されている可能性があります(2026年9月15日に追加された機能です)。管理者に確認してください。
キーの種類と使い分け
| 種類 | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| ユーザー所有のキー | 作った本人の権限で動く。権限は、All(すべて)、Restricted(リソースごとにNone・Read・Write)、Read Only(読み取り専用)から選ぶ | 自分の開発・試作 |
| サービスアカウントのキー | プロジェクトに作る、人ではなくシステム用の利用者のキー。作成時にだけ表示され、既定ではすべてのリソースを読み書きできる。権限は、作成後にAPI keysの設定で変えられる | 社内システム・自動処理など、共有で使うもの |
| Adminキー | 組織のオーナーだけが作れる。メンバーやプロジェクトの管理、利用量と費用のAPI(Usage API・Costs API)に使う。通常のモデル呼び出しには使えない。なくしても復旧できないため、削除して作り直す | 組織の管理や、費用の自動集計 |
※サービスアカウントは、プロジェクトの「Members」から「+ Service account」を選び、ID(英数字とハイフン)を入れて「Create」を押して作ります。Adminキーは、Settings>Organization>Admin keys(…/admin-keys)の「Create new admin key」から作ります。ChatGPTのワークスペース管理者向けの「Admin keys」は、別のものです。ほかに、クラウド側のIDと連携して、短期間だけ有効なトークンを受け取る方法(2026年5月に提供開始。証明書(X.509)を使う方式は、2026年8月に正式提供)もあります。開発の担当者向けなので、本記事では扱いません。
安全に管理するための7つのルール
- 1人に1本、用途ごとに1本作ります。キーは共有せず、代わりにプロジェクトを分けてメンバーを招待します。開発用・テスト用・本番用も分けます。
- 保管は、クラウドの秘密情報の保管サービスやパスワード管理ツールで行い、プログラムには直接書かずに、環境変数 OPENAI_API_KEY で渡します(公式のライブラリは、この環境変数を自動で読みます)。
- キーを書いた.envファイルを使う場合は、Gitの管理対象から外します(.gitignoreに追加)。
- ブラウザやスマホアプリの中(利用者の手元で動く部分)には、キーを埋め込みません。AIの呼び出しは、サーバー側から行います。
- メール・チャット・問い合わせなどに、キーを貼り付けません。
- 有効期限を付け、定期的に作り直します。漏れた疑いがあるときは、すぐに新しいキーに替えて、古いキーを削除します。権限は、必要な範囲にしぼります。
- 退職・異動・委託の終了時は、その人のキーとメンバー登録を、すぐに削除します。
接続元のIPアドレスを制限する「IP allowlist」も使えます。許可していないIPアドレスからの通信は、401エラー(IP not authorized)になります。
GitHubなどにキーを載せてしまったときは、気づいた時点で、自分で削除して新しいキーに入れ替えます。API keysの画面で、キーの横のゴミ箱アイコンから削除できます。取り消しは数秒で反映され、そのほかの認証の変更は、通常15分以内に反映されます。OpenAI側で自動的に無効にしてくれるかどうかは、公式の資料に書かれていないため、自分で削除する前提で運用します。
ステップ5 Playgroundで試す
Playgroundは、プログラムを書かずに、ブラウザでモデルを試せる画面です。システムに組み込む前に、指示文(プロンプト)の書き方や、モデルごとの答え方と費用を確かめるのに使います。
- platform.openai.com/playground を開き、使うプロジェクトを選びます。
- モデルを選びます。OpenAIは、迷ったらGPT-6 Astra、バランスで選ぶならGPT-6.1 Sol、大量・定型の処理ならGPT-6 Lunaと案内しています。
- 指示文(システムプロンプト)の欄に、モデルの役割や、答え方のルールを書きます。
- 入力の欄に、実際の質問や、処理させたいデータを書きます。
- 必要に応じて、推論の手間(reasoning effort)や、出力の上限などの設定を調整します。使える設定は、モデルによって異なります。
- 実行して、答えとトークン数(使用量)を確かめます。
たとえば、経理の仕訳の補助を試すなら、次のように書きます(当事務所の作例です)。
指示文あなたは日本の中小企業の経理担当者を補助します。勘定科目の候補を3つまで挙げ、それぞれの理由を1行で添えてください。判断に迷う点は「要確認」と書いてください。
入力10月5日 電力会社 口座振替 18,700円 事務所の電気代
先に知っておくこと
- Playgroundで実行した分も、APIの使用量として、同じ料金でクレジットから差し引かれます。
- Playgroundの「Prompts」(指示文を保存して、版を管理する機能)、Evals、Agent Builderは、2026年11月30日に終了します(Evalsは、10月31日から読み取り専用になります)。この記事の手順には組み込んでいません。うまくいった指示文は、社内の手順書に控えておきましょう。
- Playgroundと実際のAPIで、結果が違うことがあります。原因は、答えのランダム性、指示文のわずかな違い(空白など)、設定の不一致、モデル名の違いなどです。APIでは、設定をすべて明示して指定すると、そろえやすくなります。
- 試すデータは、架空のデータか、個人名や口座番号などを消したデータにします。
各項目の詳しい意味や、指示文の型、結果の読み方、実務での試し方は、この後のPlayground使い方マニュアルで解説します。
ステップ6 プログラムから使う(Python)
ここからは、社内の担当者や委託先のエンジニアが、システムからOpenAIを呼び出す段階です。動く仕組みをつかめるよう、最小限の例を紹介します。
Windowsで試す最小の例
- パソコンにPython(3.10以降)をインストールしておきます。
- PowerShellを開き、公式のライブラリを入れます。
pip install openai
- 同じPowerShellの画面で、APIキーを環境変数に設定します。この設定は、画面を閉じると消えます。
$env:OPENAI_API_KEY = "ここに発行したキーを貼り付け"
setx コマンドを使うと、パソコンに設定が残ります。キーを残したくない場合は、使いません。
- 次の内容を sample.py という名前で保存し、同じ画面で
python sample.pyと入力して実行します。
from openai import OpenAI
# 環境変数 OPENAI_API_KEY のキーを自動で読み込みます
client = OpenAI()
response = client.responses.create(
model="gpt-6-luna",
# 答える前に考える量。lowにすると、速く安くなります
reasoning={"effort": "low"},
# 考えた分も含む、出力の上限(使い切る必要はありません)
max_output_tokens=25000,
instructions=(
"あなたは日本の中小企業の経理担当者を補助します。"
"勘定科目の候補を3つまで挙げ、理由を1行で添えてください。"
),
input="10月5日 電力会社 口座振替 18,700円 事務所の電気代",
)
print(response.output_text)
print("状態:", response.status)
print("入力トークン:", response.usage.input_tokens)
print("出力トークン:", response.usage.output_tokens)
コードの主な行の意味は、次のとおりです。
model:使うモデルの名前です。ここでは、この記事で扱う3つのモデルの中で最も安いGPT-6 Lunaを指定しています。reasoning:答える前に考える量です。lowにすると、速く安くなります。max_output_tokens:出力の上限です。考えた分(推論のトークン)も含まれます。instructions:指示文です。役割とルールを書きます。input:処理させたい入力です。
実行すると、勘定科目の候補と、状態(completed)、使ったトークン数が表示されます。
出力の上限は、考えた分も含むため、小さすぎると、考えるだけで上限に達して、答えが空のまま止まることがあります(状態がincompleteになります)。公式のガイドは、最初は25,000トークン以上を確保するよう勧めています。25,000は上限であって、使い切る必要はありません。費用は、使った分だけです。
この例の費用は、答えが短ければ、1回あたり1円に届きません(図8の例で約0.04円)。出力の上限の25,000トークンを使い切った場合でも、Lunaなら約2円です(1ドル=150円で計算)。
macOSやLinuxでは、環境変数を export OPENAI_API_KEY="…" の形で設定します。本番のシステムでは、キーを毎回手で入力したり、ファイルに直接書いたりせず、クラウドの秘密情報の保管サービスなどを使います。
書き方の注意
- OpenAIのAPIには、新しい「Responses API」と、従来の「Chat Completions API」があります。新しく作るなら、公式が勧めるResponses APIを選びます(上のコードもResponses APIです)。
- 推論の手間(effort)を「none」以外にするときは、temperatureやtop_pなど、答えのばらつきを決める設定を指定しません。
- GPT-6 AstraとGPT-6.1 Solでは、effortを「none」にできません。noneから移すときは、まず「low」が勧められています。この記事の3つのモデルは、いずれも「minimal」を指定できません。
- 古い記事のサンプルによく出てくるモデルは、すでに終了したか、終了が予定されています。gpt-4.1-nano、gpt-4o-2024-05-13、o3-mini、o4-miniなどは、2026年10月23日に終了しました。GPT-5系のスナップショット(gpt-5・gpt-5-mini・gpt-5-nano・gpt-5-pro)とo3・o3-proは2026年12月11日に、gpt-4o(2024-08-06・2024-11-20)、gpt-4o-mini(2024-07-18)、gpt-4.1、gpt-4.1-miniは2027年1月14日に終了する予定です。古い記事のサンプルにこれらの名前があれば、新しいモデルに置き換えます。
Playground使い方マニュアル(詳しい手順と実務での試し方)
ここからは、Playgroundをもう一歩使いこなすためのマニュアルです。画面の各項目の意味、指示文の書き方、結果の読み方、費用の見積もり方までを、経理の実務に沿って解説します。
Playgroundで実行した内容は、APIの利用として扱われます。送った内容の扱いはAPIと同じと考え、試すときは、架空のデータか、個人名や口座番号などを消したデータを使いましょう。
できること・注意すること
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| できること | モデルを選んで、指示文と設定を試す/ツール(関数)の定義を作って、動きを確かめる/決まった形(JSON)での出力を試す/答え・状態・使用量(トークン数)を確かめる |
| 注意すること | 指示文の保存と版の管理(Prompts)、Evals、Agent Builderは、2026年11月30日に終了します。指示文や試した結果は、自分で手順書や表計算ソフトに控えます |
| 費用 | 実行した分は、APIと同じ料金で、クレジットから差し引かれる |
主な入力項目と表示
| 項目 | 役割 | 使い方のポイント |
|---|---|---|
| プロジェクト | どの区画(上限・利用の集計・キー)で動かすか | 区画を分けているなら、最初に選ぶ |
| モデル | 使うモデルの種類 | 費用と精度を比べて選ぶ(下の表を参照) |
| 指示文 | 役割・ルール・出力の形などの前提 | 毎回使う決まりごとは、ここにまとめる |
| 入力 | 質問や、処理させたいデータ | 試すデータは架空のものにする |
| 推論の手間(reasoning effort) | 答える前に、どれだけ考えるか | 下げると、トークンが減って、速く安くなる |
| 出力の上限 | 1回の出力の上限(考えた分も含む) | 小さすぎると、途中で止まる |
| ツール(関数) | モデルに使わせる関数の定義 | 「+ Tools>Functions」で追加し、「Tool Choice」で呼び出し方(Auto・Required)を選ぶ |
| 出力の形式(構造化出力) | 答えの形(JSONの項目)を指定する | 会計ソフトへの取り込みなど、形をそろえたいときに |
| 実行(Run) | 実行する | 実行のたびに、使ったトークン分の費用がかかる |
| 答え・使用量 | 答えの本文、状態、トークン数 | 費用の見積もりと、途中で止まっていないかの確認に使う |
※項目の名前と並びは、2026年6月の画面の再設計などで、変わっている可能性があります。役割で読み替えてください。
基本の操作手順(10ステップ)
- platform.openai.com/playground を開き、使うプロジェクトを選びます。
- モデルを選びます。迷ったら、下の「モデルの選び方」を参考にします。
- 指示文に、役割・目的・ルール・出力の形を書きます(後述の「指示文の型」を使います)。
- 入力に、処理させたいデータを入れます。データは <data> のような区切りで囲み、指示と分けます。
- 推論の手間(effort)と、出力の上限を決めます。最初は、出力の上限を大きめ(25,000トークン以上)にします。
- 実行します。
- 答え、状態、トークン数を確かめます。途中で止まっていないか、費用はいくらかを見ます。
- 直す点を1か所だけ決めて書き換え、もう一度実行して比べます。
- 合格ラインに達したら、指示文・設定・結果を、社内の手順書に残します。
- 開発の担当者に、手順書と、モデル名(例:gpt-6-luna)・effort・出力の上限・指示文・テスト結果を渡します。
モデルの選び方
| モデル(APIでの名前) | 向いている用途 | 料金(入力/出力・100万トークン) | 推論の手間(effort) |
|---|---|---|---|
| GPT-6 Astra(gpt-6-astra) | 迷ったときの出発点(公式の案内) | 10ドル/50ドル | none・minimalは指定できない |
| GPT-6.1 Sol(gpt-6.1-sol) | バランスで選ぶとき(公式の案内) | 2ドル/10ドル | none・minimalは指定できない。標準はmedium |
| GPT-6 Luna(gpt-6-luna) | 大量・定型の処理(公式の案内)。3つの中で最も安い | 0.10ドル/0.50ドル | noneも指定できる。標準はmedium |
※税別。2026年10月時点の公式の料金表(標準の処理)です。3モデルとも、扱える量(コンテキスト)は105万トークン、最大の出力は12万8,000トークンです。1回の入力が272Kトークン(約27万トークン)を超えると、入力は2倍、出力は1.5倍の料金になります。
OpenAIは、迷ったらAstraから始めることを案内しています。ただし、明細の分類や請求書の読み取りのような定型の大量処理では、LunaやSolでも十分なことがあります。同じテストデータで実行し、正確さと費用を比べて選びましょう。
同じモデルでも、処理のモードを選ぶと料金が変わります。
- 急がない大量の処理は、Batch(24時間以内に処理)かFlexで、標準の半額になります。
- 急ぐときは、Fast(標準の2倍の料金)や、Ultrafast(6倍の料金。AstraとSolのみ)を選べます。
- 同じ指示文を何度も送るときは、プロンプトキャッシュが効いて、2回目以降の入力の料金が下がります。ただし、この記事の3モデル(GPT-5.6以降の仕組み)では、キャッシュへの書き込みに、入力単価の1.25倍(12時間保持にすると2.5倍。Responses APIのみ)がかかります。読み出しは0.1倍(GPT-6.1 Solは0.05倍)です。
指示文(プロンプト)の書き方:7つのコツ
- 役割を決めます(例:中小企業の経理担当者を補助する)。
- 目的と背景を書きます。何のために使い、誰が読む答えなのかを伝えます。
- ルールは箇条書きにします。「迷ったら要確認と書く」「推測で数字を作らない」なども明記します。
- 出力の形を決めます。項目・順番・文字数を具体的に指定します。
- 例を数個見せます。入力と望ましい答えの組み合わせを、<example> などの区切りで囲みます。
- データは <data> などの区切りで囲み、指示と混ざらないようにします。
- 大きな仕事は分けます。「読み取り」「判定」「文面作成」のように、1回に1つの仕事を頼みます。
この7つを1枚にまとめた“型”が次のとおりです。【 】の部分を書き換えて使います(当事務所の作例です)。
指示文の型
あなたは【役割】です。
目的:【何のために使うか。誰が読むか】
ルール:
・【守ってほしいこと】
・判断に迷う点は「要確認」と書く。推測で数字や日付を作らない。
出力の形:【項目・順番・文字数】
例:入力【例の入力】→ 出力【望ましい答え】
入力の型
次のデータを処理してください。
<data>
【処理させたいデータ】
</data>
設定項目の意味
| 項目 | 意味 | 使い方のコツ |
|---|---|---|
| 推論の手間(reasoning.effort) | 答える前に、どれだけ考えるか。none・minimal・low・medium・high・xhigh・maxがあり、モデルごとに選べる段階が違う | 下げると、トークンが減って、速く安くなる。まずlowから試し、精度が足りなければ上げる |
| 出力の上限(max_output_tokens) | 1回の出力の上限。考えた分(推論のトークン)も含む | 小さすぎると、途中で止まる。最初は25,000以上にする。出力側の費用の上限にもなる(入力の分は別にかかる) |
| temperature・top_p | 答えのばらつきを決める設定 | effortがnone以外のときは、指定しない |
| ツール(関数) | 関数の名前・説明・入力の形(スキーマ) | 呼び出し方(Tool Choice)は、Auto(モデルが判断)かRequired(呼び出しを求める)を選ぶ。ツールを使うなら、Responses APIを使う |
| 構造化出力(Structured Outputs) | 答えを、JSONスキーマで決めた形に固定する | 欲しい項目と型を指定する。strictをtrueにし、additionalPropertiesをfalse、全項目をrequiredにする(後述のレシピ2) |
| 保存(store) | 応答をOpenAI側に保存するか | Responses APIは、既定で30日間保存される。保存したくないときは、falseを指定する |
※Playgroundの画面にどの項目が出るかは、モデルや画面の更新によって異なります。コードで呼び出す場合も、同じ考え方で指定します。
結果の読み方(答え・状態・トークン数)
実行すると、答えのほかに、APIが返した情報を確認できます。特に大事なのは、答えの中身、状態(status)、使ったトークン数の3つです。
出力のトークン数には、考えた分(reasoning_tokens)も含まれます。画面には見えない部分にも、費用がかかります。
| 状態(status) | 意味 | 対処 |
|---|---|---|
| completed | 最後まで答え終わった | 中身を確認する |
| incomplete | 途中で止まった。理由(incomplete_details)がmax_output_tokensなら、出力の上限に達した(考えた分で使い切り、答えが空のこともある) | 出力の上限を増やすか、effortを下げる |
| failed | 処理に失敗した | エラーの内容を確認し、時間をおいて再実行する |
| 答えの中に「refusal」 | モデルが回答を断った | 指示やデータを見直す。別のモデルでも試す |
※ほかに、処理の途中(in_progress)、順番待ち(queued)、取り消し(cancelled)の状態もあります。
改善の進め方:1か所ずつ変えて比べる
- 合格ラインは数字で決めます(例:10件中9件で、勘定科目の第1候補が正しい)。
- テスト用の例には、よくある取引だけでなく、まぎらわしい取引や例外も混ぜます。
- 一度に変えるのは、モデル・指示文・設定のうち1か所だけにします(図7の手順4と5を繰り返します)。
- 試した条件・結果・トークン数は、表計算ソフトに記録します。
実務レシピ1:明細から勘定科目の候補を出す
指示文あなたは日本の中小企業の経理担当者を補助します。目的は、通帳やレシートの明細に付ける勘定科目の候補を出し、担当者の確認の手間を減らすことです。
ルール:
・明細ごとに、勘定科目の候補を最大3つ、可能性の高い順に挙げる
・理由は20文字以内で書く
・判断に迷う明細は「要確認」とし、確認すべき点を書く
・明細にない情報を推測で補わない
出力の形:日付|摘要|金額|科目の候補|理由|要確認 の表
入力次の明細を処理してください(架空の例)。
<data>
10月3日 コピー用紙 3,300円 現金
10月5日 電力会社 口座振替 18,700円
10月8日 取引先と打合せ 喫茶店 1,540円
</data>
設定の目安モデルはGPT-6 LunaとGPT-6.1 Solで比べる。推論の手間はlowから。出力の上限は、考えた分も含むため、25,000トークン以上から。
確認ポイント第1候補の正答率、「要確認」の付け方が妥当か、1件あたりのトークン数。
実務レシピ2:請求書の文章から項目を抜き出す(構造化出力)
構造化出力を使うと、答えを決まった形のJSONで受け取れます。会計ソフトへの取り込みや、チェック表づくりに向いています。
指示文あなたは経理担当者を補助します。請求書の文章から、指定された項目を抜き出します。文章に書かれていない項目は推測で埋めず、null にしてください。
入力次の請求書から項目を抜き出してください(架空の例)。
<invoice>
請求書 株式会社〇〇商事 御中
請求日:2026年10月15日
ご請求金額:33,000円(うち消費税10%:3,000円)
発行元:株式会社エグザンプル
登録番号:T0000000000000
</invoice>
出力の形式構造化出力(JSON schema)を選び、次のスキーマを指定します。項目名は画面によって異なります。
{
"type": "object",
"properties": {
"vendor_name": {"type": "string", "description": "請求元の会社名"},
"invoice_date": {"type": ["string", "null"], "description": "請求日(YYYY-MM-DD)。記載がなければ null"},
"total_amount": {"type": ["integer", "null"], "description": "税込の請求金額(円)。記載がなければ null"},
"tax_amount": {"type": ["integer", "null"], "description": "消費税額(円)。記載がなければ null"},
"registration_number": {"type": ["string", "null"], "description": "登録番号(Tと13桁の数字)。記載がなければ null"}
},
"required": ["vendor_name", "invoice_date", "total_amount", "tax_amount", "registration_number"],
"additionalProperties": false
}
うまくいくと、次のような形で返ってきます。
{
"vendor_name": "株式会社エグザンプル",
"invoice_date": "2026-10-15",
"total_amount": 33000,
"tax_amount": 3000,
"registration_number": "T0000000000000"
}
Pythonのコードから呼ぶ場合は、スキーマを自分で書かずに、クラスで定義して渡せます。次の例では、Pydantic(Pythonのデータ定義のライブラリ。pip install pydantic)を使います。
from typing import Optional
from openai import OpenAI
from pydantic import BaseModel, Field
class Invoice(BaseModel):
vendor_name: str = Field(description="請求元の会社名")
invoice_date: Optional[str] = Field(description="請求日(YYYY-MM-DD)。記載がなければ null")
total_amount: Optional[int] = Field(description="税込の請求金額(円)。記載がなければ null")
tax_amount: Optional[int] = Field(description="消費税額(円)。記載がなければ null")
registration_number: Optional[str] = Field(description="登録番号(Tと13桁の数字)。記載がなければ null")
client = OpenAI()
invoice_text = """請求書 株式会社〇〇商事 御中
請求日:2026年10月15日
ご請求金額:33,000円(うち消費税10%:3,000円)
発行元:株式会社エグザンプル
登録番号:T0000000000000"""
response = client.responses.parse(
model="gpt-6-luna",
reasoning={"effort": "low"},
max_output_tokens=25000,
instructions=(
"あなたは経理担当者を補助します。請求書の文章から、指定された項目を抜き出します。"
"文章に書かれていない項目は推測で埋めず、null にしてください。"
),
input=invoice_text,
text_format=Invoice,
)
print(response.status)
print(response.output_parsed)
- 書かれていないことがある項目は、上の例のように、null(値なし)も選べる形にします。OpenAIの構造化出力では、全項目をrequiredにする決まりなので、「ない」ことは、nullで表します。
- 構造化出力(strict)では、additionalPropertiesをfalseにして、全項目をrequiredに入れます。
- 出力の上限に達したときや、モデルが回答を断ったときは、形が崩れたり、読み取りの処理でエラーになったりします。状態(status)も一緒に確認します。
- 使えるスキーマの書き方には、制限があります。エラーが出たら、公式の「Structured Outputs」のページで、対応している書き方を確認します。
- JSON mode(json_object)は、妥当なJSONになることまでしか保証せず、項目や型は保証しません。形まで固定したいときは、構造化出力を使います。
実務レシピ3:取引先へのメールの下書き
指示文あなたは中小企業の経理担当者です。取引先に送るメールの下書きを、丁寧で簡潔な日本語で作ります。事実が分からない部分は【 】で空欄にし、推測で書かないでください。件名と本文を出力します。
入力取引先:株式会社〇〇(架空)。用件:10月31日が支払期日の請求書について、振込手数料をどちらが負担するかを確認したい。
確認ポイント敬語と言い回し、事実との食い違い、空欄の扱い。送る前には、人が読み直します。
費用の見積もり方
Playgroundで表示されるトークン数から、1件あたりの費用を計算できます。式は「入力トークン×入力単価+出力トークン×出力単価」です(単価は100万トークンあたりの金額)。3つのレシピの目安は、次のとおりです。
| 作業(1,000件あたり) | 1件あたりのトークン(入力/出力) | GPT-6 Luna | GPT-6.1 Sol |
|---|---|---|---|
| 勘定科目の候補(明細1件) | 80/120 | 約0.07ドル (約10円) | 約1.4ドル (約204円) |
| 請求書の読み取り(1通・JSON) | 1,500/150 | 約0.23ドル (約34円) | 約4.5ドル (約675円) |
| メールの下書き(1通) | 400/600 | 約0.34ドル (約51円) | 約6.8ドル (約1,020円) |
※税別・1ドル=150円で計算した概算です。トークン数は仮定の値で、実際の数はPlaygroundの表示で確かめてください。表のトークン数は、答える前に考える分(推論のトークン)を含まない仮定です。現行のモデルは、考えた分が出力トークンとして上乗せされます(effortを下げると抑えられます)。急がない大量の処理は、BatchかFlexを使うと、半額になります。
Playgroundでよくあるつまずき
| 起きること | 主な原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 答えが空、または途中で切れる(状態がincomplete) | 出力の上限が小さい。考えた分も上限に含まれる | 出力の上限を25,000以上にするか、effortを下げる |
| 設定を変えたらエラー(400)になる | effortをnoneにできないモデル(Astra・6.1 Sol)でnoneを指定した。または、プロジェクトで許可されていないservice_tierを指定した | effortをlow以上にする。許可されているservice_tierを使う |
| JSONの形が崩れる | JSON mode(json_object)を使っている。または、出力の上限が足りない | 構造化出力(json_schema、strict)を使う。上限を増やす |
| ツール(関数)が使えない | Chat Completions APIでは、effortがnone以外のとき、ツールの呼び出しができない | Responses APIを使う |
| 401エラー(Incorrect API key provided) | キーの誤り、削除・期限切れ、別の組織やプロジェクトのキー | キーと組織IDを確認し、なければ作り直す |
| 429エラーが出る | 残高ゼロ、上限への到達、処理量の超過のどれか | 後述の「429エラーの見分け方」を見る |
| Playgroundと実際のAPIで、結果が違う | 答えのランダム性、指示文の違い、設定の不一致 | APIでは、設定をすべて明示して指定する |
本番に移す前のチェックリスト
- 合格ライン:何をもって「使える」とするかを、数字で決めた
- テスト:よくある例・まぎらわしい例・例外を含む10件以上で確かめた
- モデルと設定:モデル・effort・出力の上限を決め、上限には余裕を持たせた
- 費用:1件あたりの費用と月の件数から、月のハード上限を決めた
- データの扱い:個人情報や顧問先の情報の扱いを決め、試験は架空のデータで行った(データ共有は無効のまま)
- 引き継ぎ:指示文・設定・テスト結果を、手順書に残した
- 人の確認:仕訳の確定やメールの送信など、最後の判断は人が行う流れにした
運用 プロジェクトとメンバーを整える
ここからは、使い始めたあとの運用です。複数人で使うなら、最初にメンバーとプロジェクトを整えておくと、費用の把握も、事故の防止も楽になります。1人で試すだけの場合は、この章は読み飛ばしてかまいません。
メンバーを招待する
- 組織のオーナーが、メンバーの管理画面を開きます(英語表記は People>Members、日本語表記はユーザー>メンバー)。
- 「Add member」を押します。
- メールアドレスを入力するか、「Select user」で選びます。
- 組織のロール(OwnerかReader)を選びます。管理を任せない人は、Readerにします。ただし、前述のとおり、Readerは読み取り専用ではありません。
- 「Invite to projects」で、参加させるプロジェクトを1つ以上選びます。
- 「Invite」を押します。
招待したあとの状況は、People>Invitations で確認できます。まだ受け入れられていない招待は、Resend(再送)かRemove(取り消し)ができます。期限が切れた招待は再送できないため、もう一度招待します(有効な日数は、公式のヘルプに書かれていません)。IDプロバイダーとのSCIM連携で管理しているメンバーは、この画面からは削除できません。
プロジェクトで“区画”を分ける
プロジェクトは、組織の中を用途ごとに区切る“区画”です。APIキー、サービスアカウント、ファイル、処理量の制限、月の上限が、プロジェクトごとに分かれます。
- プロジェクトを作れるのは、組織のオーナーだけです。プロジェクトセレクタで「Create project」を選び、名前・用途・Webサイトを入れて、「Create」を押します。
- 1つの組織に作れるプロジェクトは、既定で2,000までです。
- プロジェクトは削除できません。できるのはアーカイブ(非表示)だけで、元に戻せません。アーカイブしたものは「Archived」のタブに移ります。
- 「Default project」は、どの組織にも最初からあり、削除できません。組織の設定を引き継ぎ、メンバーやサービスアカウントを直接追加することはできません。用途ごとのプロジェクトを別に作って使います。
- プロジェクトごとに、レート制限、使えるモデルの許可(Limits>Model usage)、月の支出上限とアラートを設定できます。月の上限を作ると、100%のアラートが既定で付きます。
- 組織全体の上限(ティアごとの月の使用上限や、組織のハード上限)は、プロジェクトの設定とは別に、常に効きます。
プロジェクトの分け方のコツ
- 用途別に分けます(例:経理の仕訳の補助、営業の提案書づくり、社内の検証)。費用が用途ごとに集計でき、上限もかけられます。
- 本番と試験は、キーを分けます。試験用のプロジェクトには、軽量なモデルだけを許可し、小さな上限を付けると安心です。
- 案件や取引先ごとに費用を按分したいときも、プロジェクトを分けておくと、集計しやすくなります。
- 退職・異動・委託の終了のときは、メンバーとキーを、プロジェクトの単位で見直します。
運用 使った費用を確認し、毎月点検する
費用の確認は、Usage(利用状況)の画面で行います。月に1回は、使った量と費用をCSVで保存し、残高と上限を見直す習慣をつけましょう。
Usageで、使った量と費用を見る
- 画面は、platform.openai.com/usage(Settings>Organization>Usage)です。見られるのは、組織のオーナーか、Usage Dashboardの権限を持つ人です。プロジェクトのOwnerでも、設定によっては、そのプロジェクトのUsageを見られないことがあります(“Visible to organization owners”の設定)。
- 時刻は、UTC(協定世界時)で表示されます。日本時間はUTCより9時間進んでいるため、月初の日本時間0時から9時までの利用は、UTCでは前の月に入ります。月の境目の数字は、ずれて見えることがあります。
- Activity(利用量)は、API capability(機能)で絞り込み、プロジェクト・ユーザー・APIキー・モデル・Batch・service tierの単位で集計できます。APIキー別の絞り込みと集計は、2026年8月4日から使えます。
- Usage画面でのプロジェクトの選択は、ほかの画面の選択とは連動しません。表示しているプロジェクトを確かめてから、数字を読みます。
- 複数の組織は、合算されません。まとめて見たいときは、1つの組織の中に、プロジェクトとして束ねます。
CSVで書き出して、経理の資料にする
- Usage画面の右上で、日付の範囲を選びます(「Month to date」は、月初から今日までです)。月次の点検には、月初から月末までを指定します。
- 右上の「Export」を押します。
- 「Activity data」(利用量)か「Cost data」(費用)を選び、「Download」を押します。
- 作成が終わるとダウンロードのアイコンが出るので、押してCSVを保存します。
経理に渡す月次の資料として、公式ヘルプの月次エクスポートの案内には、次の設定が例示されています。
| 項目 | 設定 |
|---|---|
| データ | Cost data(費用) |
| Group by(集計の単位) | Line item(明細) |
| Project(プロジェクト) | All(すべて)、または個別のプロジェクト |
| 形式 | CSV |
| 集計の間隔 | 1 day(1日ごと) |
| 期間 | 月初から月末 |
※公式ヘルプ(月次エクスポート)の案内にもとづきます。時刻はUTCで集計されます。
このCSVは、前払金から費用に振り替える金額(使った分)の根拠資料になります。月ごと、プロジェクトごとに保存しておきましょう。
APIで自動集計する(開発の担当者向け)
使用量と費用は、Usage APIとCosts APIで、プログラムから取得できます。使うには、組織のオーナーが作る「Adminキー」が必要で、通常のキーでは呼び出せません。Usage APIは1分・1時間・1日、Costs APIは1日の単位で集計でき、モデルやプロジェクトなどで分けられます。指定できる項目は更新されるため、最新の指定は、公式のAPIリファレンスで確認します。
毎月の点検リスト
- 残高と有効期限:Billingの画面で残高を確かめる。購入したクレジットは1年で失効するため、使い切れる額かを見る
- 自動チャージ:しきい値と、月の購入上限が、意図どおりか
- 支払い履歴と領収書:Billing historyから、当月分の領収書や請求書を保存する(電子データのまま)
- 費用のCSV:Cost dataを月初から月末で書き出し、プロジェクト別に集計して保存する
- 上限とティア:ハード上限・アラート・ティアが、今の使い方に合っているか
- APIキー:使っていないキーや、期限が近いキーを削除する。退職者のキーが残っていないか
- メンバーと招待:退職・異動した人を削除し、受け入れられていない招待を整理する
経理担当者向け:支払い・領収書・消費税・記帳の実務
ここでは、経理担当者が押さえておきたい点を、支払い・領収書・消費税・記帳に分けてまとめます。なお、本章は一般的な解説で、個別の処理は、顧問税理士と決めて、毎期続けて適用してください。
支払いと領収書
- 支払いは米ドル建てで、使えるのはクレジットカードかデビットカードです(プリペイドカードは使えません)。円の金額は、カード会社の換算で決まります。
- 過去の支払いは、Settings>Organization>Billing の「Billing history」で確認します。英語版のヘルプでは、ここに「利用可能な請求書または領収書」が表示されると案内されています。請求書の日付は、OpenAIが変更に対応していないと、別のヘルプ(請求書の日付)に書かれています。
- 日本語版のヘルプには、個人・チームには請求書はなく、支払い履歴と領収書だけと書かれていて、英語版と内容が食い違っています。実際にどんな書類が出るか(宛名、登録番号、税額の記載の有無)は、最初のクレジットの購入のあとに、実物で確かめましょう。
- 請求書に載る会社名・住所・税番号は、Billing preferencesで更新します。直せるのは、今後に発行される書類だけで、発行済みの分は変わりません。最初の購入の前に整えておきます。
- 領収書や請求書は、画面やメールで受け取る電子データです。電子帳簿保存法の電子取引にあたるため、データのまま保存するのが原則です。ファイル名のつけ方や検索の要件などは、顧問税理士と決めておきましょう。
- Enterpriseの契約で、月ごとに請求書払いにしている場合は、請求書は暦月(UTC)単位で、サイクルの終了後おおむね2週間以内に発行されます。支払い条件は契約によります。2026年4月1日の発行分から、請求書にAPIの費用の明細は載らなくなり、明細はUsage画面のExportで取得します。
消費税(インボイス)
- OpenAIのヘルプによると、OpenAIから直接購入する日本の顧客には、10%の消費税が課されます。請求する会社は、米国のOpenAI OpCo, LLCです。
- OpenAIは、適格請求書発行事業者の登録番号として T3700150133253 を案内し、適格請求書を提供すると説明しています。税額は円で表示され、価格の表示は米ドルです。
- 登録年月日は、国税庁の公表サイトで確かめます。OpenAIのヘルプは、消費税を2025年1月1日以降の請求分から課税すると説明していますが、適格請求書発行事業者としての登録年月日は書いていません。国税庁の公表サイトでは、T3700150133253(OpenAI OpCo, LLC)の登録年月日は、令和8年(2026年)1月1日と表示されています(2026年10月24日に当事務所が確認。確認時の画面を保存しておくことをおすすめします)。消費税の請求が始まった時期と、登録の時期は、別の事柄です。
- 2025年中の請求は、T3700150133253の登録年月日(令和8年1月1日)より前の取引にあたります。同じ公表サイトには、OpenAI, LLC が T4700150127989 で、令和7年(2025年)1月1日から登録されているとも表示されています。ただし、この番号には失効年月日として令和9年(2027年)1月1日も表示されています(いずれも2026年10月24日に当事務所が確認)。2025年分の請求書や領収書は、発行した法人名と登録番号を実物で確かめ、公表サイトの登録年月日・失効年月日と取引の日付を照合します。仕入税額控除(登録前の期間の扱いを含む)は、顧問税理士に確認してください。
- 課税事業者は、帳簿と適格請求書等の両方を保存するなど、要件を満たせば、仕入税額控除の対象になります(簡易課税や、インボイス登録に伴う負担軽減の特例を使っている場合は、計算方法が異なります)。クレジットの購入の領収書や請求書は、登録番号と消費税額のほか、取引年月日、取引内容、税率ごとの金額、宛名が載っているかを、実物で確かめてから処理しましょう。記載がない場合の扱いは、顧問税理士にご確認ください。
- Enterpriseなどの個別の契約では、OpenAIのヘルプによると、消費税は課されず、リバースチャージ方式が一般に適用されます。この方式では、課税事業者が、自分で消費税を計算して、申告・納付します(特定課税仕入れ)。納める消費税は、同時に仕入税額控除の対象にもなります(帳簿の保存が要件で、インボイスは不要です)。ただし、一般課税で課税売上割合が95%以上の課税期間と、簡易課税制度を適用する課税期間は、当分の間、特定課税仕入れはなかったものとされ、申告も控除も不要です。免税事業者も、申告の必要がありません。つまり、申告が必要になるのは、一般課税で課税売上割合が95%未満の課税期間です。自社がどれにあたるかは、顧問税理士に確認してください。分類が違うときは、OpenAIのサポートに連絡します。
記帳のポイント
- 勘定科目に決まりはありません。通信費・支払手数料・ソフトウェア利用料などから、社内で1つに決め、毎期続けて使います。
- APIクレジットは、使った量に応じて減る前払いです。購入時はいったん前払金とし、使った分を費用に振り替えるのが原則です。期間に応じて受けるサービスではないため、いわゆる短期前払費用の特例(継続的な役務の提供を受ける契約に基づき、支払日から1年以内に提供を受ける役務の対価を、毎期継続して適用することなどを条件に、支払時に費用にできる扱い)には、なじみにくいと考えられます。
- 消費税の課税仕入れは、1回だけ計上します。前払金とした場合は、購入時と失効時を対象外(不課税)、使った分を費用に振り替える時を課税仕入れ(10%)とするのが原則的な処理です。
- 金額が小さく、購入時にまとめて費用にする運用にしたい場合は、法人税(所得税)と消費税の扱いを顧問税理士と決めてから、毎期続けて適用します。
- 有効期限(購入から1年)が切れて失効した分は、失効した時点で費用(雑損失など)に振り替えます。
- カード明細を会計ソフトに連携しているなら、領収書から別に仕訳を起こさず、連携明細の側で科目と税区分を決めます(二重計上の防止)。
- 領収書の消費税額(円)と、カード明細の円の金額は、換算レートの違いで一致しないことがあります。処理の方法を、社内で統一しておきましょう。
クレジットは米ドルで減っていくため、使った分を円に直す方法も、先に決めておきます。一例は、支払った円の総額(消費税を含む)に、使ったドルの割合をかけて、費用の金額を出す方法です。
購入100ドル分のクレジットを、消費税を含めて合計16,500円で購入しました。前払金(対象外)16,500円を計上します。
使用その月に20ドル分を使いました。16,500円×20÷100=3,300円を、前払金から費用(科目は一例で、通信費など)に振り替えます。この3,300円が課税仕入れ(10%)で、うち消費税は300円です。
失効使い切れずに失効した分は、失効した時点で、前払金から雑損失などに振り替えます(対象外)。
※計算の一例です。為替の換算の方法や、使った分の把握の方法は、顧問税理士と決めて、毎期続けて適用してください。
データの扱い:入力した内容はどうなるか
APIに送った内容がどう扱われるかは、顧問先の資料や個人情報を扱う事務所にとって、大切な確認事項です。OpenAIの公式資料による取扱いは、次のとおりです。
| 項目 | 取扱い |
|---|---|
| 学習への利用 | APIに送った内容は、オプトイン(自分で同意)しない限り、モデルの学習や改善には使われません(2023年3月1日以降)。契約書(Services Agreement)にも、同じ趣旨の記載があります |
| ログ | 不正利用を監視するためのログは、最大30日間保管されます(法令などで延長されることがあります) |
| 応答の保存 | Responses APIは、既定で応答を30日間保存します(storeがtrue)。保存したくない場合は、storeをfalseにします |
| ファイルなど | アップロードしたファイルなどは、削除するまで保存されます(Batchの出力ファイルは、完了から30日で自動で削除されます) |
| プロンプトキャッシュ | 最大24時間です(Zero Data Retentionを使っていない場合は、既定で有効) |
| データ共有(Sharing) | 既定では無効です。組織のオーナーだけが、Settings>Organization>Data controls>Sharing で有効にできます。有効にした入出力は、学習や評価に使われます(対象の組織には、共有した通信に使える毎日の無料トークンが付くことがあります)。顧問先の情報を扱う組織では、有効にしない運用が無難です |
| Zero Data Retention(ZDR)など | 保存をほとんどしない設定(ZDR)や、監視の緩和(Modified Abuse Monitoring)は、OpenAIの承認が必要です。営業窓口に相談します |
| データレジデンシー | データを置く地域を指定する機能で、承認制・プロジェクト単位です。公式のドキュメントでは、日本の地域は保存のみが対象(処理は対象外)で、追加の承認が必要と説明されています。日本語のヘルプは「米国または欧州内」と書かれていて、食い違いがあります。必要な場合は、契約の前に営業窓口で確認します |
※公式ドキュメント(Your data)と公式ヘルプ(データ共有)にもとづき、当事務所が整理しました。
ただし、学習に使われないことと、顧問先の資料をAIに送ってよいことは、別の問題です。顧問先との契約、守秘義務、個人情報の取扱いのルールに沿って、AIに送ってよい範囲を、先に社内で決めておきましょう。
つまずいたときは:429エラーの見分け方とよくあるエラー
APIが動かないときは、まず、エラーの番号と、エラーの code を確認します。特に429は、原因が4種類あり、対処がまったく違います。
| HTTP | エラーの内容(codeや文言) | 意味と対処 |
|---|---|---|
| 401 | Incorrect API key provided/Invalid Authentication | キーの誤り、失効、別の組織やプロジェクトのキー、権限不足のどれか。キーと組織IDを確認し、なければ作り直す |
| 401 | must be a member of an organization/IP not authorized | 組織に所属していないか、許可していないIPアドレスからの通信。メンバー登録と、IP allowlistを確認する |
| 403 | Country, region, or territory not supported | 対応していない地域からのアクセス。日本は対応しているため、システムの接続元(クラウドのサーバーの所在地など)を確認する |
| 429 | credit_balance_exhausted | 前払いの残高がゼロ。クレジットを購入する |
| 429 | organization_spend_limit_exceeded/project_spend_limit_exceeded | 自分で決めたハード上限に到達。上限を見直すか、翌月の月次サイクルを待つ |
| 429 | organization_usage_limit_exceeded | OpenAIが定める月の使用上限に到達。ティアを上げるか、サポートに相談する |
| 429 | Rate limit reached for requests/tokens | 短時間に送りすぎた。少し待ってから再実行する(Retry-Afterの指示に従い、待ち時間を少しずつ延ばす) |
| 429 | slow_down | 利用量の増やし方が急すぎる。段階的に増やす(入力が1分あたり100万トークンに達したあとは、15分ごとに50%以内) |
| 500・503 | server error/server_is_overloaded | OpenAI側の混雑や障害。少し待って再試行し、OpenAIのステータスページを確認する |
| 400 | Invalid service_tier argument(error.paramがservice_tier) | プロジェクトで許可されていないservice_tierを指定した。許可されている種類に変えるか、プロジェクトの許可設定を見直す |
※公式のエラーコード一覧と公式ヘルプにもとづき、当事務所が整理しました。
- 残高・ハード上限・月の使用上限に関わる429は、再実行しても直りません。原因を取り除いてから、再開します。
- 古い記事にある「You exceeded your current quota」という文言は、現在の公式のエラー一覧にはありません。429が出たら、メッセージの文面ではなく、エラーの code で見分けます。
- 公式のライブラリ(SDK)は、再試行で直る可能性があるエラーを、自動で再試行します。
よくある質問
Q. ChatGPTの有料プランに入っていれば、APIも使えますか?
ChatGPTの有料プランとAPIは、別に課金・管理されると、OpenAIのヘルプに書かれています。APIを使うには、Platformで、前払いのクレジットを購入します。OpenAIが2026年9月29日に発表した「Sign in with ChatGPT」は、提携アプリでChatGPTの契約の枠を使う仕組みで、APIの課金とは別のものです。
Q. Playgroundで試すと、料金はかかりますか?
かかります。実行した分は、APIと同じ料金で、クレジットから差し引かれます。試す前に月のハード上限を決めておき、試すデータは架空のものにします。
Q. 顧問先の資料をAPIで扱っても、AIの学習に使われませんか?
OpenAIは、APIに送った内容を、オプトイン(同意)しない限り、モデルの学習や改善には使わないと説明しています。データ共有の設定(Data controls>Sharing)は、既定でオフです。ただし、ログは最大30日、Responses APIの応答は既定で30日、保存されます。顧問先の資料を送ってよいかどうかは、顧問先との契約や守秘義務に沿って、別に判断してください。
Q. 従業員ごとの使用量は分かりますか?
Usageで、プロジェクト・ユーザー・APIキー・モデルなどの単位に集計できます。1人に1本のキーを渡し、プロジェクトも分けておくと、追いやすくなります。
Q. APIキーをなくしてしまいました。
キーの全体が表示されるのは、作成したときだけなので、再表示はできません。新しいキーを作り、使っているシステムの設定を入れ替えたうえで、古いキーを削除します。
Q. クレジットを買ったのに、残高が増えません。
反映まで、数分かかることがあります。それでも増えないときは、カード会社側の拒否や、本人認証(3-Dセキュア)の失敗などが考えられます。初めての支払いに失敗したときは、クレジットは付与されません。Billing historyで、支払いの状態を確認してください。
Q. Freeのままで、GPT-6のモデルを使えますか?
公式の各モデルのページでは、GPT-6系のモデルは、Freeの欄が「Not supported」(非対応)になっています。使うには、5ドル以上のクレジットを買って、Buildのティアにします。
まとめ
- OpenAI Platformは、システムからOpenAIのモデルを呼び出すための管理画面です。ChatGPTとは別の契約で、課金も別です。
- 順番は、アカウント、支払い(5ドルから)、月のハード上限、APIキー、Playground、システムへの組み込みです。最初に、ハード上限を設定します。
- APIキーは、作成したときに一度しか表示されません。プロジェクトごとに分け、環境変数で渡します。
- 2026年10月6日に、ティアが3段階(Build・Launch・Grow)に変わりました。429エラーは、原因が4種類あり、対処が違います。
- 経理では、クレジットは米ドルの前払いで、1年で失効します。前払金とし、使った分を費用にします。領収書の登録番号と消費税額は、実物で確かめます。
生成AIを経理・会計の業務にどう組み込むか、費用の処理も含めて相談したい方は、ジェイスタート会計事務所へお気軽にお問い合わせください。
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出典(OpenAI公式・国税庁ほか・2026年10月24日確認)
- ChatGPTとAPIの課金の管理(OpenAI ヘルプセンター)
- 前払いクレジットと自動チャージ(OpenAI ヘルプセンター)
- 使用量の上限と支出の上限(OpenAI ヘルプセンター)
- 組織の検証・Verify Organization(OpenAI ヘルプセンター)
- プロジェクトの作成と管理(OpenAI ヘルプセンター)
- メンバーの招待と管理(OpenAI ヘルプセンター)
- APIキーの発行と場所(OpenAI ヘルプセンター)
- APIキーの権限(OpenAI ヘルプセンター)
- APIキーを安全に使うための対策(OpenAI ヘルプセンター)
- AdminキーとAudit API(OpenAI ヘルプセンター)
- 使用量とコストの確認(OpenAI ヘルプセンター)
- 月次のデータエクスポート(OpenAI ヘルプセンター)
- 請求書と領収書(OpenAI ヘルプセンター)
- 請求先情報とTax ID(OpenAI ヘルプセンター)
- 日本の消費税・JCT(OpenAI ヘルプセンター)
- カードが拒否される理由(OpenAI ヘルプセンター)
- 対応している国と地域(OpenAI ヘルプセンター)
- Playgroundでの関数呼び出し(OpenAI ヘルプセンター)
- Prompts(Playground)の案内(OpenAI ヘルプセンター)
- データ共有(OpenAI ヘルプセンター)
- 429エラーへの対処(OpenAI ヘルプセンター)
- Sign in with ChatGPT(OpenAI ヘルプセンター)
- 料金(OpenAI API ドキュメント)
- モデル一覧(OpenAI API ドキュメント)
- レート制限(OpenAI API ドキュメント)
- 支出の上限(OpenAI API ドキュメント)
- エラーコード(OpenAI API ドキュメント)
- ロールと権限・RBAC(OpenAI API ドキュメント)
- データの扱い・Your data(OpenAI API ドキュメント)
- 推論・Reasoning(OpenAI API ドキュメント)
- 構造化出力・Structured Outputs(OpenAI API ドキュメント)
- 最新モデルのガイド(OpenAI API ドキュメント)
- Responses APIへの移行(OpenAI API ドキュメント)
- クイックスタート(OpenAI API ドキュメント)
- 更新履歴(OpenAI API ドキュメント)
- 提供終了の予定(OpenAI API ドキュメント)
- サービス利用規約・Services Agreement(OpenAI)
- 適格請求書発行事業者の公表情報・登録番号T3700150133253(国税庁)
- 適格請求書発行事業者の公表情報・登録番号T4700150127989(国税庁)
- タックスアンサーNo.6497 仕入税額控除のために保存する帳簿および請求書等の記載事項(国税庁)
- 質疑応答事例 リバースチャージ方式による申告を要する者(国税庁)
- 法人税基本通達2-2-14 短期の前払費用(国税庁)
※本記事の調査・作成にはAIを活用し、上記の公式情報と照合しています。画面の実際の操作や撮影は行わず、公開されている資料にもとづいて作成しました。料金・仕様は予告なく変わることがあります。
※本記事は2026年10月時点の法令・情報に基づく一般的な解説であり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の適用にあたっては税理士等の専門家にご相談ください。
