建設業経理の完全ガイド|仕訳事例90本つき

公開日:2026年7月13日 | 最終更新:2026年7月25日(令和8年度税制改正・令和8年7月の経営事項審査改正に対応)| 札幌の税理士・公認会計士が監修

建設業経理の完全ガイド ― 勘定科目・原価計算・収益認識から経審まで

建設業の経理は、完成工事高・未成工事支出金といった独自の勘定科目、工事原価計算、工期をまたぐ収益の計上、そして経営事項審査(経審)まで、一般の会計とは違うルールで動いています。このガイドではまず建設業経理の考え方を体系的に整理し、そのうえで実際の記帳に使える仕訳事例90本(このページ後半の実践編)へつなげます。日々の記帳から決算・経審対応までを、現場目線でまとめました。

1建設業経理とは ― なぜ普通の会計と違うのか

建設業経理とは、建設工事の受注から完成・引渡しまでを対象とした、建設業に固有の会計・経理の仕組みです。スーパーやメーカーのように商品を仕入れて売る商業・製造業の会計とは、次の3点で大きく異なります。

建設業経理が特殊になる3つの理由

① 個別受注生産

1件ごとに仕様も金額も違う「一品もの」。工事ごとに原価を集計する原価計算が必要になります。

② 工期が長い

着工から完成・引渡しまで数か月〜数年。決算日をまたぐため、収益をいつ計上するかが問題になります。

③ 専用の勘定科目

売上高ではなく「完成工事高」、仕掛品ではなく「未成工事支出金」など、建設業だけの科目を使います。

+ 経審という制度

公共工事を受注するには経営事項審査(経審)が必須。決算書の作り方が会社の評価点に直結します。

このため建設業では、建設業法に基づく専用様式の財務諸表を作成し、会計ソフトも建設業対応のもの(工事番号別に原価を管理できるもの)を使うのが一般的です。まずは次章の「特有の勘定科目」を押さえることが、建設業経理の第一歩になります。

2建設業に特有の勘定科目 ― 一般会計との対応表

建設業経理でつまずく最大のポイントが勘定科目です。中身は一般会計の科目と対応しているので、「読み替え表」として覚えると一気に理解が進みます。

一般会計の科目建設業会計の科目区分内容
売上高完成工事高収益(PL)完成して引き渡した工事の請負金額
売上原価完成工事原価費用(PL)完成工事高に対応する工事の原価
売掛金完成工事未収入金資産(BS)引渡し済み工事の未回収代金
買掛金工事未払金負債(BS)材料費・外注費などの未払い分
仕掛品未成工事支出金資産(BS)未完成工事に投じた原価の集計額
前受金未成工事受入金負債(BS)着手金・中間金など引渡し前の受領額
(付随収益)兼業事業売上高収益(PL)除雪・常用など建設工事以外の収益

完成工事高から完成工事原価を差し引いた利益を完成工事総利益(完成工事総利益率)といい、建設業の粗利にあたります。損益計算書でも「売上総利益」ではなく「完成工事総利益」と表示します。決算書を建設業様式に組み替える際は、この対応表がそのまま組替表になります。

実務メモ:「完成工事」=すでに引き渡した工事、「未成工事」=まだ引き渡していない工事、と覚えると混乱しません。未成工事支出金(資産)と未成工事受入金(負債)は名前が似ていますが、支出金は自社が使ったお金、受入金はお客様から先に受け取ったお金で、貸借が逆です。

3工事原価の4要素と原価管理

建設業の原価は、工事ごとに次の4要素に分けて集計します。これがそのまま、建設業の損益計算書に添付する完成工事原価報告書の区分になります。

完成工事原価を構成する4要素

材料費

工事に使う鉄筋・生コン・木材などの資材費。

労務費

現場作業員の賃金。手間請けの一部を含むこともあります。

外注費

下請・一人親方へ支払う工事の外注代金。

経費(うち人件費)

仮設・機械・現場管理費など。現場監督の給与は「経費のうち人件費」に内書きします。

原価管理では、見積時の「実行予算」を工事番号ごとに設定し、発生した原価を材料費・労務費・外注費・経費に振り分けて集計、予算と実績の差異を分析します。この工事別の原価把握ができて初めて、どの工事で利益が出て、どの工事で赤字になったかが分かります。

よくある間違い:すべての支払いを「外注費」でまとめてしまうと、工事別の粗利が見えません。また、材料費と労務費(給与)・外注費の区分を誤ると、消費税の仕入税額控除や源泉徴収の扱いを間違える原因になります(第6章・第13章参照)。

4収益(完成工事高)の計上基準

工期が決算をまたぐ建設業では、「いつ売上を立てるか」が重要論点です。計上基準は大きく次の3つがあります。

基準計上のタイミング主に使う会社
工事完成基準完成して引き渡した時点で、収益と原価を一括計上中小・非上場で広く採用
工事進行基準進捗度(原価比例法など)に応じて期ごとに計上長期・大型工事
新収益認識基準「一定の期間にわたり充足される履行義務」として進捗度で計上上場・大会社(2021年4月〜強制)

どの基準を使う? 判定の考え方

上場会社・大会社か? → はい:新収益認識基準(一定期間にわたり充足=実質は進行基準)。進捗を合理的に見積れないが原価回収は見込める場合は「原価回収基準」。
中小企業か? → 新収益認識基準の適用は任意。適用しなければ、従来どおり建設業会計基準(工事完成基準など)を継続できます。
法人税の縛り: 工期1年以上かつ請負金額10億円以上の「長期大規模工事」は、税務上、工事進行基準が強制されます。それ以外は完成基準と進行基準を選択できます。
実務メモ:多くの中小建設業では、会計・税務ともに工事完成基準が実務の基本です。ただし、決算をまたぐ大型工事や、経審の完成工事高を平準化したい場合には進行基準の検討余地があります。基準を変えると各期の利益が動くため、経審・銀行対応も見据えて顧問税理士と方針を決めるのが安全です。

5未成工事支出金・未成工事受入金の管理

建設業経理の心臓部が、この2科目です。工事の進行に沿って、お金と原価がどう動くかをタイムラインで見てみましょう。

1つの工事に沿った資産・負債の動き

①契約・着手金受領:受け取った着手金は「未成工事受入金(負債)」で計上。まだ完成工事高にはしない。
②施工中:材料費・労務費・外注費・経費を「未成工事支出金(資産)」に集計していく。
③完成・引渡し:完成工事高を計上。受入金を取り崩して充当し、残りは完成工事未収入金に。
④原価の振替:未成工事支出金を「完成工事原価」へ振り替え、完成工事高と対応させる。

決算で特に重要なのが決算整理です。工事完成基準では、期末時点でまだ引き渡していない工事の原価を売上原価に含めることはできません。そのため、期中に完成工事原価として処理していた未引渡工事の原価を、決算で未成工事支出金(資産)へ振り戻します。逆に、引渡しが完了した工事は未成工事支出金から完成工事原価へ振り替え、完成工事高と同じ期に対応させます。

実務メモ:期末の未成工事支出金・未成工事受入金の残高は、工事台帳(工事番号別の原価・入金明細)と必ず一致させます。ここがズレると、決算の利益も経審の完成工事高も狂います。具体的な仕訳はこのページ後半の実践編「決算・税務・その他」にまとめています。

6建設業の消費税の勘所

建設業は下請・一人親方への外注が多く、前払金や出来高払いも多いため、消費税の扱いに独特の注意点があります。

前払金・出来高払いのタイミング

公共工事の前払金や着手金など、資産の譲渡等(工事の引渡し)に先立って受け取る入金は、受領時には消費税を認識しません。工事を引き渡し、または出来高が検収された時点で課税売上げとして認識します。

インボイス経過措置(令和8年度改正で延長)

免税事業者である一人親方などへの外注費は、インボイス(適格請求書)がないと原則として仕入税額控除ができません。ただし、経過措置により一定割合の控除が認められ、令和8年度税制改正でこのスケジュールが2年延長・多段階化されました。

期間控除できる割合
令和5年10月〜令和8年9月仕入税額相当額の80%
令和8年10月〜(改正で新設)70%
その後 段階的に50% → 30%
令和13年10月以降控除なし(経過措置は終了)

あわせて、令和8年10月1日以後に開始する課税期間からは、一の免税事業者等からのこの経過措置の対象となる課税仕入れが年1億円(現行10億円)を超える部分については、経過措置を適用できなくなります。免税事業者への外注が多い建設業では、影響の大きい改正です。

簡易課税は「第3種(みなし仕入率70%)」が基本

建設業(自ら材料を調達して施工する工事)は簡易課税の第3種事業で、みなし仕入率は70%です。ただし、材料の支給を受けて労務だけを提供する手間請け・常用(人工出し)は第4種(60%)に区分される点に注意します。

計上漏れ注意:解体現場で出た鉄骨・銅線などのスクラップ(現場発生材)の売却は課税売上げです。税務調査で指摘されやすいので、現場ごとに引取伝票で管理しましょう。

7建設業の財務諸表と完成工事原価報告書

建設業許可業者は、建設業法に基づく国土交通省の様式で決算書(貸借対照表・損益計算書・完成工事原価報告書・株主資本等変動計算書・注記表)を作成し、毎年の決算変更届で行政庁に提出します。税務申告用の一般的な決算書とは科目名・区分が異なるため、建設業様式へ組み替える実務が発生します。

完成工事原価報告書のイメージ(4区分)

Ⅰ 材料費×××
Ⅱ 労務費×××
Ⅲ 外注費×××
Ⅳ 経費(うち人件費 ×××)×××
完成工事原価×××

この様式は、そのまま経営事項審査(経審)の分析資料にもなります。日々の記帳を工事番号別・4要素別に積み上げておけば、決算・経審・銀行提出のいずれにも使える決算書ができあがります。

8経営事項審査(経審)と決算の関係

公共工事の入札に参加するには、経営事項審査(経審)を受け、総合評定値(P点)を取得する必要があります。P点は次の5要素を加重平均して算出します。決算書の作り方がそのまま点数に直結するため、建設業経理は「経審のための会計」という側面も持っています。

総合評定値P=0.25X1+0.15X2+0.20Y+0.25Z+0.15W

X1 完成工事高25%
Z 技術力25%
Y 経営状況20%
X2 自己資本・利益15%
W その他社会性15%

X1は完成工事高、X2は自己資本額と利払前税引前償却前利益、Yは経営状況(8つの財務指標)、Zは技術職員数と元請完成工事高、Wは社会性等(社会保険加入、建設業経理士の在籍、法定外労災、若手育成など)です。

令和8年7月改正のポイント:令和8年7月1日以降の申請から、建設キャリアアップシステム(CCUS)活用によるW点が全建設工事で15点→10点に変更、監理技術者補佐への加点、W10「知識・技術・技能の向上の取組」の新設、公認会計士・税理士や登録経理試験合格者への継続的な研修受講要件、「職人いきいき宣言」などの自主的取組へのインセンティブが導入されました。

9建設業経理士 ― 経審で加点される資格

建設業経理検定は、建設業に特化した簿記・会計の資格試験です。1級・2級は建設業法施行規則第18条の3に基づく「登録経理試験」に位置づけられ、合格者(建設業経理士)が在籍していると経審のW点で加点評価されます。

位置づけ経審での評価
1級原価計算・財務諸表・財務分析まで。登録経理試験加点評価の対象(配点が高い)
2級建設業の実務経理。登録経理試験加点評価の対象
3級建設業簿記の基礎経審の直接加点は対象外
4級簿記の入門経審の直接加点は対象外

1級・2級の合格者は、合格した日から5年を経過する日の属する年度末まで経審で評価されます。その後も評価を受け続けるには、所定の「登録経理講習」を修了する必要があります(令和8年改正で導入された継続的な研修受講要件と整合しています)。なお令和8年度(2026年度)の上期検定試験は令和8年9月13日に実施予定です。

実務メモ:公共工事の受注を狙う建設会社にとって、2級以上の建設業経理士を社内に確保することは、経審のW点を底上げする実践的な打ち手です。資格取得の講座受講料を会社が負担しても、業務に必要な研修費として損金算入できます。

10JV(共同企業体)の会計

大型の公共工事などでは、複数の建設会社が1つの工事を共同で施工するJV(共同企業体)が組まれます。各社は出資比率に応じて工事の収益・原価を分担します。会計処理には主に2つの方式があります。

分割方式:構成員各社が、自社の出資比率に応じた完成工事高・完成工事原価を、それぞれの帳簿に取り込む方法。中小企業のJVで一般的です。
独立会計方式:JVを独立の会計単位として経理し、各社はJVへの出資金と持分損益を計上する方法。大規模JVで用いられます。

スポンサー(幹事会社)がJVの資金を一括管理し、各社はJVへの出資金を「出資金」等で計上します。経審の完成工事高や技術力に反映されるのも、それぞれの出資比率に応じた持分相当額です。

11建設業の資金繰り

建設業は「先に材料費・外注費・労務費が出ていき、入金は完成後」になりやすく、工期が長いほど運転資金の負担が重くなります。この立替構造を、制度を使って和らげます。

前払金保証(公共工事):前払金保証事業会社の保証を付けて、請負代金の一定割合(4割など)を前払いで受領。使途が工事費用に限定される専用口座で管理します。
出来高払い・部分払い:工期の途中で、監督員の出来高査定に応じて代金の一部を受け取ります。
保留金(リテンション):下請代金の一部を留保し、検査合格・瑕疵担保期間の経過後に支払う仕組み。自社が下請の場合は完成工事未収入金として残高管理します。
でんさい・手形:電子記録債権(でんさい)は手形と異なり印紙税が課されず、支払期日に自動決済されます。
実務メモ:資金繰り表と実行予算をセットで管理し、「入金より先に出ていく資金」の山をあらかじめ見える化しておくことが、黒字倒産を防ぐ最大のポイントです。

12建退共・法定福利費・社会保険

建設業は現場労働者の移動が多く、社会保険まわりにも専用の制度があります。

建退共(建設業退職金共済)

現場労働者の退職金を業界全体で積み立てる制度です。掛金は日額320円で、共済証紙を共済手帳に貼るか、電子申請方式で納付します。元請は下請の労働者分も含めて証紙を充当します。期末に未貼付の証紙は、費用(労務費)ではなく貯蔵品(資産)として計上するのが原則です。

社会保険・労働保険

健康保険は協会けんぽのほか、建設業の事業主・一人親方を対象とする建設国保(保険料が定額制のことが多い)があります。労災保険は、現場ごとの現場労災(有期事業)と事務所分の労災が別々に適用される二元適用が特徴で、労働者でない一人親方や中小事業主は労働保険事務組合を通じて特別加入できます。

実務メモ:現場労務に対応する法定福利費(社会保険の会社負担分など)は原価性があるため、未成工事支出金へ含めます。公共工事では、標準見積書で法定福利費を内訳明示することが求められています。

13つまずきやすい建設業の税務
論点ポイント
工事損失引当金受注損失の見込額を会計上は引当計上するが、法人税法上は損金不算入(申告で加算し、損失確定時に減算)。
圧縮記帳国庫補助金等で取得した資産は、圧縮記帳により補助金相当額への課税を将来へ繰り延べできる。
少額減価償却資産令和8年度改正で、中小企業者等の特例の取得価額基準が40万円未満に引上げ(年間合計300万円まで)。
貸倒引当金資本金1億円以下の中小法人等は法定繰入率で繰入可。建設業は「その他の事業」として1,000分の6。
源泉徴収測量士・建築士・デザイナーなど個人への報酬は源泉徴収(10.21%)の対象。大工など請負の外注費は原則対象外。区分に注意。
14建設業経理のチェックリスト

決算・月次でつまずきやすいポイントを、チェックリストにまとめました。

  • 期末の未成工事支出金・未成工事受入金を、工事台帳の残高と一致させたか
  • 未引渡工事の原価を完成工事原価から未成工事支出金へ振り戻したか(決算整理)
  • 外注費・労務費(給与)・材料費を正しく区分したか(源泉・社保・消費税に影響)
  • 現場発生材(スクラップ)の売却を課税売上げとして計上したか
  • 免税事業者への外注につき、インボイス経過措置の控除割合を正しく適用し、帳簿に記載したか
  • 未貼付の建退共証紙を貯蔵品として資産計上したか
  • 現場労務に対応する法定福利費を工事原価に配賦したか
  • 完成工事高の計上時期が、経審や銀行対応の方針と整合しているか
15建設業経理のよくある質問
建設業経理は普通の経理と何が違いますか?
売上高ではなく「完成工事高」、仕掛品ではなく「未成工事支出金」など専用の勘定科目を使い、工事ごとに原価を集計する原価計算を行う点、工期が決算をまたぐため収益の計上時期が論点になる点、そして経営事項審査(経審)という独自の企業評価制度がある点が、一般の会計と大きく異なります。
完成工事高はいつ計上しますか?
中小企業で一般的な工事完成基準では、工事が完成して引き渡した日の属する事業年度に、収益と原価を一括で計上します。工期1年以上かつ請負金額10億円以上の長期大規模工事は、税務上、工事進行基準(進捗度に応じた計上)が強制されます。
未成工事支出金とは何ですか。仕掛品と同じですか?
未成工事支出金は、まだ完成・引渡しをしていない工事に投じた材料費・労務費・外注費・経費を集計しておく資産科目で、一般会計の仕掛品に相当します。完成して引き渡した時点で、完成工事原価へ振り替えます。
一人親方への支払は外注費ですか、給与ですか。源泉徴収は必要ですか?
請負契約に基づいて工事を任せている場合は外注費で、原則として所得税の源泉徴収は不要です。一方、時間や場所を指揮命令して働かせる実態があると給与と判断され、源泉徴収や社会保険の対象になります。契約書と働き方の実態で判断します。
免税の一人親方に外注費を払うと、消費税はどうなりますか?
インボイスがないため原則は仕入税額控除ができませんが、経過措置により一定割合を控除できます。控除割合は令和8年9月まで80%、令和8年10月から70%で、その後50%・30%と段階的に下がり、令和13年10月に廃止されます(令和8年度改正で2年延長)。帳簿に経過措置の適用がある旨を記載します。
建設業経理士を取ると、どんなメリットがありますか?
1級・2級の建設業経理士が在籍していると、経営事項審査(経審)のW点で加点評価され、公共工事の受注に有利になります。合格後5年を過ぎた後も評価を受け続けるには、登録経理講習の修了が必要です。
経審のP点を上げるには、決算で何を意識すればよいですか?
P点は完成工事高・自己資本と利益・経営状況(財務指標)・技術力・社会性で構成されます。完成工事高の計上時期、自己資本の充実、利益の確保が直接効きます。加えて社会保険加入や建設業経理士の確保などの社会性項目も点数に反映されます。
建退共の証紙代は、いつ費用になりますか?
共済手帳に証紙を貼付した時点で費用(労務費)性が確定します。期末に未貼付のまま残っている証紙は、貯蔵品として資産計上するのが原則です。掛金は日額320円です。
建設業の消費税を簡易課税で計算すると、第何種ですか?
自ら材料を調達して施工する建設業は第3種事業で、みなし仕入率は70%です。ただし、材料の支給を受けて労務だけを提供する手間請け・常用(人工出し)は第4種(60%)に区分されます。
建設業の決算書は、普通の決算書と様式が違うのですか?
建設業許可業者は、建設業法に基づく国土交通省の様式で貸借対照表・損益計算書・完成工事原価報告書などを作成し、毎年の決算変更届で提出します。税務申告用の一般的な決算書とは科目名・区分が異なるため、建設業様式へ組み替えます。

ここから実践編:建設業の仕訳事例90本

ここまでの考え方を、日々の記帳でそのまま使える仕訳に落とし込みました。売上・入金/仕入・外注/人件費/経費・業種特有/設備・資産・保険/決算・税務の6分野・90本を、設例つきで収録しています。

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本ガイドは一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の税務・会計判断を行うものではありません。税制・法令・各制度は改正される場合があります(令和8年度税制改正および令和8年7月施行の経営事項審査改正を反映し、2026年7月に作成・更新)。実際の処理は顧問税理士など専門家にご確認ください。

公開日:2026年7月11日|最終更新:2026年7月18日(令和8年度税制改正対応)|収録90本・全仕訳の貸借を検算済み

工事の完成基準・未成工事支出金・一人親方への外注など、建設業の経理には特有のルールが多くあります。日常の記帳から決算・経審対応まで、現場で本当に出てくる取引90本を設例つきで収録しました。 各事例は「設例 → 借方/貸方の仕訳表 → 実務メモ」の順で、タップすると開きます。

売上・入金

木造住宅の新築工事が完成し施

設例:木造住宅の新築工事が完成し施主へ引き渡したため、工事代金28,600,000円(税込)を完成工事高として計上した。

借方科目金額貸方科目金額
完成工事未収入金28,600,000完成工事高28,600,000

工事完成基準では、引渡日の属する事業年度の収益として計上する。

店舗の内装改修工事が完成し引

設例:店舗の内装改修工事が完成し引き渡した際、工事代金5,500,000円(税込)のうち2,000,000円を現金で受け取り、残額を掛けとした。

借方科目金額貸方科目金額
現金2,000,000完成工事高5,500,000
完成工事未収入金3,500,000
合計5,500,000合計5,500,000

現金で受領した分は当日中に金庫残高と一致させ、速やかに普通預金へ入金する。

マンションの大規模修繕工事の

設例:マンションの大規模修繕工事の請負契約を締結し、契約金額33,000,000円(税込)のうち着手金6,600,000円を普通預金で受け取った。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金6,600,000未成工事受入金6,600,000

着手金は工事が完成し引き渡すまで負債として計上し、完成工事高には含めない。

先に引き渡した工場の増築工事

設例:先に引き渡した工場の増築工事に係る完成工事未収入金11,000,000円について、施主から普通預金へ全額の入金があった。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金11,000,000完成工事未収入金11,000,000

入金額と請求額に差異がある場合は、振込手数料の負担区分を確認する。

賃貸アパートの新築工事に係る

設例:賃貸アパートの新築工事に係る完成工事未収入金22,000,000円を回収するにあたり、契約時に受領していた未成工事受入金4,400,000円と相殺し、残額17,600,000円は普通預金で回収した。

借方科目金額貸方科目金額
未成工事受入金4,400,000完成工事未収入金22,000,000
普通預金17,600,000
合計22,000,000合計22,000,000

未成工事受入金は完成工事高の計上時または回収時のいずれかのタイミングで取り崩す。

下請の鳶工事業者へ外注費88

設例:下請の鳶工事業者へ外注費880,000円を支払うにあたり、安全協力会費5,000円と足場使用料55,000円を差し引き、残額820,000円を普通預金から振り込んだ。

借方科目金額貸方科目金額
外注費880,000受取安全協力会費5,000
足場代収入55,000
普通預金820,000
合計880,000合計880,000

控除項目は支払通知書に内訳を明記し、下請業者との認識相違を防ぐ。

JV(共同企業体)分配

設例:公共土木工事を受注した共同企業体(JV)に出資比率30%の構成員として参加し、自社の出資比率に応じた完成工事高14,300,000円(税込)を完成工事未収入金に計上した。

借方科目金額貸方科目金額
完成工事未収入金14,300,000完成工事高14,300,000

分割経理方式のJVでは、構成員各社が自社の出資比率に応じた工事収益・原価をそれぞれの帳簿に計上する。

追加変更工事の請求

設例:店舗改装工事の施工中、施主からの要望でバリアフリー化の追加工事を実施し、追加工事代金1,320,000円(税込)を完成工事高に追加計上した。

借方科目金額貸方科目金額
完成工事未収入金1,320,000完成工事高1,320,000

追加変更工事は当初契約と別途、追加工事の内容と金額を明記した変更契約書を取り交わす。

上棟時の中間金受領

設例:居宅新築工事(請負金額38,500,000円・税込)について、上棟時に契約書の定めに基づく中間金11,000,000円を普通預金で受け取った。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金11,000,000未成工事受入金11,000,000

中間金は着手金と同様、工事の引渡しまでは未成工事受入金として負債計上し、完成工事高には含めない。

出来高査定による請求

設例:河川護岸工事(請負金額26,400,000円・税込)について、契約に定める出来高払い条項に基づき監督員による出来高査定(進捗60%)を経て、中間出来高金15,840,000円を普通預金で受け取った。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金15,840,000未成工事受入金15,840,000

出来高払いは監督員等による出来高査定を経て請求額が確定するため、査定調書等の証憑を保存しておく。

工事先倒産の貸倒損失

設例:取引先が破産手続開始決定を受け、完成工事未収入金2,200,000円の全額が回収不能と確定したため、貸倒損失として処理した。

借方科目金額貸方科目金額
貸倒損失2,200,000完成工事未収入金2,200,000

法的整理による貸倒れは法人税基本通達9-6-1に基づき、切捨てが確定した事業年度の損金として処理する。

持続化補助金の受領

設例:小規模事業者持続化補助金の交付が決定し、補助金2,000,000円が普通預金へ入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金2,000,000雑収入2,000,000

国庫補助金等の収入は消費税の課税対象外(不課税)であり、法人税においては原則として交付を受けた事業年度の益金に算入する。

冬季の除雪作業収益

設例:冬季の工事閑散期に町内会及び個人宅からの依頼で除雪作業を請け負い、除雪作業収益275,000円(税込)を普通預金で受け取った。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金275,000兼業事業売上高275,000

建設業の会計基準では、本来の建設工事以外の付随的な収益は完成工事高と区分し、兼業事業売上高として計上する。

出来高払いと保留金の区分

設例:下請施工した躯体工事(請負金額は消費税込み13,750,000円)が完成し元請の検収を受けたため、出来高払いで受領済みの12,375,000円を取り崩し、元請が留保する保留金1,375,000円を完成工事未収入金に計上した。

借方科目金額貸方科目金額
未成工事受入金12,375,000完成工事高12,500,000
完成工事未収入金1,375,000仮受消費税等1,250,000
合計13,750,000合計13,750,000

完成引渡時は受領済みの未成工事受入金を完成工事高へ充当し、元請が留保する保留金は入金まで完成工事未収入金として残高管理する。

公共工事前払金の受領

設例:市発注の道路改良工事(請負金額は消費税込み19,250,000円)について、前払金保証事業会社の保証を付した請負代金の40%相当の前払金7,700,000円が専用の普通預金口座へ入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金7,700,000未成工事受入金7,700,000

公共工事の前払金は資産の譲渡等の対価に先立つ入金のため受領時には消費税を認識せず、使途が工事費用に限定される専用口座で管理する。

スライド条項の増額精算

設例:当期に引き渡した舗装工事について、鋼材等の価格高騰に伴うスライド条項による請負代金の増額(消費税込み)1,210,000円が発注者との変更契約で確定したため、完成工事高に追加計上した。

借方科目金額貸方科目金額
完成工事未収入金1,210,000完成工事高1,100,000
仮受消費税等110,000
合計1,210,000合計1,210,000

スライド条項による増額は変更契約等により金額が確定した日の属する事業年度の収益とし、消費税も同時点で課税売上げとして認識する。

完成工事高の値引処理

設例:引き渡した店舗改装工事の仕上げに軽微な不具合があり、補修に代えて工事代金から(消費税込み)154,000円を値引きすることで施主と合意し、完成工事未収入金から減額した。

借方科目金額貸方科目金額
完成工事高140,000完成工事未収入金154,000
仮受消費税等14,000
合計154,000合計154,000

引渡後の値引きは売上げに係る対価の返還等に該当するため、値引きの金額等を記載した適格返還請求書(返還インボイス)を交付する。

常用(人工出し)売上

設例:同業他社の改修現場へ自社の作業員2名を常用(人工出し)で11日間出役させ、人工代金(消費税込み)484,000円を月末締めで請求した。

借方科目金額貸方科目金額
売掛金484,000兼業事業売上高440,000
仮受消費税等44,000
合計484,000合計484,000

常用(人工出し)は建設工事の請負に該当しないため、経営事項審査では完成工事高に含めず兼業事業売上高として区分することに留意する。

有償支給材の収入

設例:鉄筋工事の下請業者へ自社購入済みの鉄筋を帳簿価額で有償支給し、支給代金(消費税込み)220,000円を未収入金に計上して材料費から控除した。

借方科目金額貸方科目金額
未収入金220,000材料費200,000
仮受消費税等20,000
合計220,000合計220,000

有償支給は資産の譲渡として消費税の課税対象となるため、原価から控除する経理によっても支給額を課税売上げに含めて集計する。

現場スクラップの売却

設例:解体工事の現場で発生した鉄骨や銅線などの金属スクラップを資源回収業者へ売却し、代金(消費税込み)66,000円が普通預金口座に入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金66,000雑収入60,000
仮受消費税等6,000
合計66,000合計66,000

現場発生材の売却は課税売上げとなり、計上漏れが税務調査で指摘されやすいため、引取伝票等に基づき現場ごとに管理する。

工事保険の保険金収入

設例:台風の強風により倒壊した仮設足場の損害について、加入していた工事保険から保険金1,500,000円が普通預金口座へ入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金1,500,000雑収入1,500,000

保険金は資産の譲渡等の対価に該当せず消費税は不課税だが、法人税では益金となるため復旧費用と相殺せず両建てで計上する。

工期遅延違約金の受取

設例:下請業者の責めに帰すべき工程遅延で追加費用が生じたため、下請契約の違約金条項に基づく損害賠償金250,000円を普通預金口座で受け取った。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金250,000雑収入250,000

資産等に加えられた損害に対する賠償金や違約金は資産の譲渡等の対価に該当せず、消費税は不課税として仮受消費税等を計上しない。

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仕入・外注

現場で使用する鉄筋・型枠材料

設例:現場で使用する鉄筋・型枠材料880,000円(税込)を仕入れ、代金は掛けとした。

借方科目金額貸方科目金額
材料費880,000買掛金880,000

未使用のまま期末を迎えた資材は、未成工事支出金または貯蔵品として区分する。

大工工事を請け負う一人親方(

設例:大工工事を請け負う一人親方(個人事業主)へ外注費880,000円(税込)を普通預金から振り込んで支払った。

借方科目金額貸方科目金額
外注費880,000普通預金880,000

請負契約に基づく外注費は給与ではないため、原則として所得税の源泉徴収は不要である。

インボイス未登録の一人親方(

設例:インボイス未登録の一人親方(型枠大工)へ外注費550,000円(税込)を現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
外注費550,000現金550,000

免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置の控除割合は、令和8年10月以降80%から70%へ縮小される。

当月に発生した事務所ビル新築

設例:当月に発生した事務所ビル新築工事現場の材料費660,000円・外注費1,100,000円・労務費550,000円を、原価台帳に基づき未成工事支出金へ振り替えた。

借方科目金額貸方科目金額
未成工事支出金2,310,000材料費660,000
外注費1,100,000
労務費550,000
合計2,310,000合計2,310,000

原価は工事ごとに区分して集計し、原価台帳で工事番号別に管理する。

完成前の手直し工事

設例:新築住宅の内部造作について引渡し前に施工不良箇所の手直し工事を行い、追加でかかった材料費33,000円・外注費77,000円、計110,000円を未成工事支出金に追加計上した。

借方科目金額貸方科目金額
未成工事支出金110,000材料費33,000
外注費77,000
合計110,000合計110,000

引渡し前の手直し工事にかかる費用は工事原価に含めて処理し、引渡し後に判明した瑕疵の補修費用とは区別する。

下請保留金の控除

設例:電気設備工事の下請業者へ工事代金1,100,000円(税込)を支払うにあたり、契約に基づき代金の10%相当額110,000円を保留金として差し引き、残額990,000円を普通預金から振り込んだ。

借方科目金額貸方科目金額
外注費1,100,000普通預金990,000
預り保証金110,000
合計1,100,000合計1,100,000

保留金は下請業者に対する債務であり、瑕疵担保期間の経過後など契約で定めた時期に支払う。

交通誘導警備の外注

設例:道路に面した外壁改修工事のため、警備会社に交通誘導警備員の配置を委託し、外注費198,000円(税込)を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
外注費198,000普通預金198,000

警備業者への外注費は法人に対する支払のため、一人親方への外注費と異なり源泉徴収の要否を個別に判断する必要はない。

下請への前渡金支払

設例:鉄骨工事の外注契約(契約金額8,800,000円・税込)に基づき、着手前に前渡金1,760,000円を普通預金から下請業者へ支払った。

借方科目金額貸方科目金額
前渡金1,760,000普通預金1,760,000

前渡金は資材の納入や役務の提供を受けるまでは資産として計上し、外注費等の費用には含めない。

前渡金の外注費振替

設例:先に鉄骨工事の下請業者へ支払っていた前渡金1,760,000円について、鉄骨資材の納入が完了したため外注費へ振り替えた。

借方科目金額貸方科目金額
外注費1,760,000前渡金1,760,000

前渡金は資材納入や工事の進捗など、対価性のある事実の発生時点で速やかに該当科目へ振り替える。

赤伝による工事代金値引

設例:内装工事の下請業者との間で、資材価格の変動を踏まえた工事代金の値引き110,000円(税込)について合意し、赤伝(赤伝票)を発行して未払の外注費から減額した。

借方科目金額貸方科目金額
未払金110,000外注費110,000

赤伝による値引きはインボイス制度上、仕入対価の返還等に該当するため、値引きの事実と金額を記載した書面を保存する。

免税事業者からの仕入

設例:地盤改良工事に使用する砕石を、インボイス発行事業者登録を行っていない個人の資材業者から110,000円で仕入れ、代金を現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
材料費110,000現金110,000

免税事業者等からの課税仕入れは、令和8年10月以降は仕入税額相当額の70%のみを控除できる経過措置の対象となる(令和13年9月末で経過措置は終了)。

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人件費

現場作業員へ当月分の労務費1

設例:現場作業員へ当月分の労務費1,650,000円を普通預金から支払うとともに、会社負担分の法定福利費242,000円を未払計上した。

借方科目金額貸方科目金額
労務費1,650,000普通預金1,650,000
法定福利費242,000未払金242,000
合計1,892,000合計1,892,000

現場労務費に対応する法定福利費は原価性があるため、工事原価として未成工事支出金に含める。

現場作業員の建設業退職金共済

設例:現場作業員の建設業退職金共済(建退共)証紙500枚(1枚320円)を160,000円で購入し、共済手帳に貼付した。

借方科目金額貸方科目金額
労務費160,000現金160,000

未貼付の証紙は貯蔵品として資産計上し、貼付時に費用化する方法もある。

建退共証紙の立替購入

設例:型枠工事の下請業者に所属する作業員分の建設業退職金共済(建退共)証紙62,000円分を元請が立替払いした後、下請代金880,000円(税込)の支払時にその立替金を差し引き、残額818,000円を普通預金から振り込んだ。

借方科目金額貸方科目金額
外注費880,000立替金62,000
普通預金818,000
合計880,000合計880,000

建退共証紙代を元請が立替えた場合は、いったん立替金(仮払金)として資産計上し、下請代金の支払時に相殺する。

未使用証紙の貯蔵品振替

設例:決算にあたり、当期に購入した建設業退職金共済(建退共)証紙のうち、共済手帳に未貼付のまま期末在庫となっている44,000円分を労務費から貯蔵品へ振り替えた。

借方科目金額貸方科目金額
貯蔵品44,000労務費44,000

未貼付の証紙は共済手帳への貼付をもって費用性が確定するため、期末の未貼付残高は貯蔵品として資産計上するのが原則的な処理である。

一人親方の労災特別加入

設例:代表者及び専属の一人親方について、労働保険事務組合を通じて労災保険の特別加入手続を行い、年間保険料88,000円を普通預金から納付した。

借方科目金額貸方科目金額
法定福利費88,000普通預金88,000

労災保険は本来労働者が対象だが、中小事業主等は労働保険事務組合に事務委託することで特別加入し、現場作業中の負傷等に備えることができる。

建設国保の保険料納付

設例:建設国民健康保険組合(建設国保)に加入する代表者及び従業員の当月分保険料176,000円(うち給与から預かった従業員負担分88,000円を含む)を普通預金から納付した。

借方科目金額貸方科目金額
法定福利費88,000普通預金176,000
預り金88,000
合計176,000合計176,000

建設国保は建設業の事業主や一人親方を対象とする国民健康保険組合で、協会けんぽと異なり保険料が定額制であることが多い。

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経費・業種特有

この事務所ビル新築工事が完成

設例:この事務所ビル新築工事が完成し引き渡しが完了したため、未成工事支出金に集計されていた原価2,310,000円を完成工事原価へ振り替えた。

借方科目金額貸方科目金額
完成工事原価2,310,000未成工事支出金2,310,000

完成工事高の計上と同一期に原価を対応させることで、工事ごとの粗利益を把握できる。

資材置場の土地賃借

設例:資材置場として使用する土地について月極の賃貸借契約を結び、当月分の賃料88,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
地代家賃88,000普通預金88,000

資材置場や仮設事務所用地の賃料は特定の工事に紐付く場合、現場経費として工事原価に算入する。

型枠等の消耗品費

設例:鉄筋コンクリート工事に使用する合板型枠材やセパレーターなどの消耗品33,000円(税込)を現場に搬入し、代金は現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
消耗品費33,000現金33,000

存置期間経過後に転用できない型枠材料は、使用の都度費用処理する消耗品費として扱うのが一般的である。

産廃処理とマニフェスト

設例:解体工事に伴い発生したコンクリートがらの処分を許可業者に委託し、産業廃棄物処理費用132,000円(税込)を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
産業廃棄物処理費132,000普通預金132,000

産業廃棄物管理票(マニフェスト)は交付の日から5年間の保存が義務付けられているため、原価台帳とあわせて工事番号ごとに保管する。

仮設水道光熱費の支払

設例:新築工事現場に引き込んだ仮設水道・仮設電気の当月使用料22,000円を現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
仮設経費22,000現金22,000

仮設水道光熱費は工事原価に算入されるため、複数現場を掛け持ちする場合は使用量等に基づき現場ごとに配賦する。

施工管理技士の資格取得費

設例:従業員が受講した1級施工管理技士の資格取得講座の受講料及び受験料、計88,000円を会社負担分として普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
研修費88,000普通預金88,000

業務に必要な資格の取得費用を会社が負担する場合、原則として給与課税の対象とはならず福利厚生費・研修費として損金算入できる。

協力会への会費支払

設例:元請企業が主催する協力会(下請企業のネットワーク組織)に加入し、年会費22,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
諸会費22,000普通預金22,000

協力会費は受注機会の確保や情報共有を目的とする事業関連の会費であるため、諸会費として損金算入できる。

安全大会の開催費用

設例:協力会が主催する年1回の安全大会に社員及び下請作業員が参加し、会場費や資料代など費用44,000円を現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
福利厚生費44,000現金44,000

安全大会は労働災害防止のための教育活動であり、社会通念上相当な範囲の費用は福利厚生費として処理できる。

駐車場解約の違約金

設例:資材置場として利用していた月極駐車場を契約期間の途中で解約したため、契約書の定めに基づく違約金33,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
雑損失33,000普通預金33,000

中途解約違約金は資産の取得や役務提供の対価ではなく損害賠償的な性格を有するため、消費税は不課税として扱う。

免税一人親方への外注費

設例:インボイス発行事業者の登録を受けていない一人親方(左官工)へ外注費(消費税込み)440,000円を普通預金から振り込み、経過措置の対象額を仮払消費税等に計上した。

借方科目金額貸方科目金額
外注費408,000普通預金440,000
仮払消費税等32,000
合計440,000合計440,000

免税事業者等からの課税仕入れは仕入税額相当額の80%を控除する経過措置(2026年9月30日まで。同年10月1日以後は70%)が適用されるため、帳簿に経過措置の適用がある旨を記載する。

建設業許可の更新費用

設例:建設業許可(知事・一般)の更新にあたり、行政書士への報酬(消費税込み)55,000円と収入証紙で納付する更新手数料50,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
支払手数料50,000普通預金105,000
仮払消費税等5,000
租税公課50,000
合計105,000合計105,000

行政書士への報酬は所得税の源泉徴収の対象に含まれず、収入証紙で納める許可更新手数料は行政手数料として消費税非課税となる。

CCUS技能者登録料

設例:現場作業員10名分について建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者登録を行い、登録料(消費税込み)49,500円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
支払手数料45,000普通預金49,500
仮払消費税等4,500
合計49,500合計49,500

CCUSの技能者登録料や事業者登録料は課税仕入れに該当し、登録情報は経営事項審査の加点や現場の入場管理にも活用されることに留意する。

控除される安全協力会費

設例:元請から完成工事未収入金330,000円の入金を受ける際、支払通知書に基づき安全協力会費3,000円が控除され、残額327,000円が普通預金口座へ入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金327,000完成工事未収入金330,000
諸会費3,000
合計330,000合計330,000

安全協力会費は災害防止活動等に充てられる会費であり、役務提供との明確な対価性がなければ消費税は不課税として仮払消費税等を計上しない。

建設発生土の処分費

設例:造成工事で発生した建設発生土(残土)の運搬と受入地での処分を業者へ委託し、費用(消費税込み)121,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
外注費110,000普通預金121,000
仮払消費税等11,000
合計121,000合計121,000

建設発生土は廃棄物処理法上の産業廃棄物に該当せずマニフェストの交付は不要だが、搬出先や数量の記録を保存して適正な処理を確認する。

測量外注と源泉徴収

設例:宅地造成工事の現況測量を個人開業の測量士へ依頼し、報酬(消費税込み)99,000円から税抜報酬に対する源泉所得税9,189円を差し引いた残額89,811円を普通預金から振り込んだ。

借方科目金額貸方科目金額
外注費90,000預り金9,189
仮払消費税等9,000普通預金89,811
合計99,000合計99,000

個人の測量士や建築士へ支払う報酬は10.21%の源泉徴収の対象であり、請負契約による大工等の外注費と取扱いが異なることに留意する。

仮設トイレのレンタル

設例:新築工事現場に設置する仮設トイレのレンタル料と搬入・搬出設置費の当月分(消費税込み)27,500円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
仮設経費25,000普通預金27,500
仮払消費税等2,500
合計27,500合計27,500

レンタルによる仮設トイレは資産計上が不要であり、くみ取り等の関連費用も含めて特定現場の仮設経費として工事原価に算入する。

道路使用許可と占用料

設例:外壁改修工事で歩道に3か月間仮囲いを設置するため、警察署へ道路使用許可手数料2,700円を、市へ道路占用料15,300円をいずれも現金で納付した。

借方科目金額貸方科目金額
支払手数料2,700現金18,000
地代家賃15,300
合計18,000合計18,000

道路使用許可手数料は行政手数料として、1か月以上の道路占用料は土地の貸付けの対価として、いずれも消費税は非課税となる。

足場材の購入

設例:くさび緊結式足場の部材一式を(消費税込み)495,000円で購入し、代金を普通預金から支払った。部材の単価はいずれも1点10万円未満である。

借方科目金額貸方科目金額
消耗品費450,000普通預金495,000
仮払消費税等45,000
合計495,000合計495,000

少額減価償却資産の判定は通常1単位として取引される単位ごとに行うため、単品10万円未満の足場部材は取得時に消耗品費として処理できる。

下請代金のでんさい払い

設例:内装工事の下請代金に係る未払金770,000円について、支払期日を60日後とする電子記録債権(でんさい)の発生記録を行い、支払に代えた。

借方科目金額貸方科目金額
未払金770,000電子記録債務770,000

発生記録により未払金は電子記録債務へ振り替え、でんさいは手形と異なり印紙税が課されない点や支払期日に自動決済される点に留意する。

経営事項審査の手数料

設例:公共工事の入札参加に向けた経営事項審査に係る経営状況分析手数料(消費税込み)13,200円と、収入証紙で納付する経営規模等評価等の手数料11,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
支払手数料12,000普通預金24,200
仮払消費税等1,200
租税公課11,000
合計24,200合計24,200

民間の登録経営状況分析機関へ支払う分析手数料は課税仕入れ、都道府県へ収入証紙で納める審査手数料は非課税の行政手数料として区分する。

労働保険料の年度更新

設例:労働保険の年度更新により、前年度の確定精算差額22,000円と当年度の概算保険料275,000円の合計297,000円を普通預金から納付した。

借方科目金額貸方科目金額
法定福利費297,000普通預金297,000

建設業の労働保険は現場労災と事務所分等の二元適用であり、現場分の概算保険料は請負金額に労務費率を乗じた額を賃金総額とみなして算定する。

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設備・資産・保険

現場で使用する中古の油圧ショ

設例:現場で使用する中古の油圧ショベル(ミニユンボ)を3,300,000円(税込)で購入し、頭金1,000,000円を普通預金から支払い、残額は未払金とした。

借方科目金額貸方科目金額
機械装置3,300,000普通預金1,000,000
未払金2,300,000
合計3,300,000合計3,300,000

取得価額が10万円以上の重機は固定資産に計上し、耐用年数に応じて減価償却する。

現場までの移動に伴うガソリン

設例:現場までの移動に伴うガソリン代12,000円と高速道路料金4,800円を法人カードで支払い、現場経費として計上した。

借方科目金額貸方科目金額
車両費12,000未払金16,800
旅費交通費4,800
合計16,800合計16,800

法人カードの利用明細を現場ごとに突合し、工事原価へ按分する。

新築工事現場の組立保険(工事

設例:新築工事現場の組立保険(工事保険)に加入し、保険期間1年分の保険料165,000円を普通預金から一括で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
保険料165,000普通預金165,000

保険期間が決算をまたぐ場合は、未経過期間分を前払費用として按分計上する。

保留金の精算支払

設例:先に電気設備工事の下請代金から差し引いていた保留金110,000円について、瑕疵担保期間の経過を確認したうえで普通預金から下請業者へ支払った。

借方科目金額貸方科目金額
預り保証金110,000普通預金110,000

保留金の精算時期や条件は下請契約書に明記し、下請業者との認識相違を防ぐ。

建機のファイナンスリース

設例:施工用クレーン車を所有権移転外ファイナンスリース契約(期間5年)により導入し、当月分のリース料110,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
リース料110,000普通預金110,000

中小企業では所有権移転外ファイナンスリースでもリース資産・リース債務を計上せず、賃貸借処理に準じてリース料を支払時の費用として処理する簡便的な取扱いが実務上用いられている。

重機の短期レンタル

設例:配管工事現場で使用する油圧ブレーカー付きバックホウを重機レンタル会社から1週間借り上げ、レンタル料55,000円を現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
機械賃借料55,000現金55,000

短期間のみ使用する重機は購入せずレンタルとすることで、固定資産の管理や減価償却の手間を省くことができる。

現場事務所プレハブ賃借

設例:大規模改修工事の現場に設置するプレハブ事務所をリース会社から借り上げ、設置費用を含む当月分の賃借料165,000円(税込)を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
仮設経費165,000普通預金165,000

特定の工事にのみ使用する仮設物の賃借料は、その工事の未成工事支出金(仮設経費)として集計する。

CAD積算ソフトの導入

設例:積算業務に使用するCAD・積算ソフトウエアのライセンスを660,000円(税込)で購入し、代金を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
ソフトウエア660,000普通預金660,000

取得価額が10万円以上の自社利用ソフトウエアは無形固定資産に計上し、原則5年間で均等償却する。

ダンプ車検の法定費用

設例:現場土砂の運搬に使用するダンプトラックの車検を受け、整備費用45,000円(税込)、自動車重量税32,800円、自賠責保険料21,500円、計99,300円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
車両費45,000普通預金99,300
租税公課32,800
保険料21,500
合計99,300合計99,300

車検費用のうち自動車重量税や印紙代は不課税、自賠責保険料は非課税であり、整備費用や車検基本料のみが課税仕入れとなる。

軽油引取税と燃料費

設例:ダンプトラック用の軽油300リットルを給油し、軽油引取税(1リットルあたり32.1円)相当額9,630円を含む燃料費45,000円を現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
車両費45,000現金45,000

軽油引取税相当額は消費税の課税対象外(不課税)であるため、消費税申告における課税仕入高の集計時にはその金額を除いて計算する。

現場の飲料福利厚生費

設例:夏季の熱中症対策として現場作業員に支給するスポーツドリンクや塩分タブレットの購入費用16,500円(税込)を現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
福利厚生費16,500現金16,500

熱中症対策として現場作業員全体に配布する飲料等の費用は、社会通念上相当な範囲であれば福利厚生費として損金算入できる。

前払金保証料の支払

設例:市発注の下水道工事の前払金を受領するにあたり、前払金保証事業会社との保証契約に基づく保証料38,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
支払手数料38,000普通預金38,000

前払金保証の保証料は信用の保証としての役務の提供の対価として消費税非課税であり、保証期間が翌期に及ぶ場合は前払費用として按分計上する。

履行保証保険料の支払

設例:落札した公共工事の契約保証として損害保険会社の履行保証保険に加入し、契約時に保険料52,000円を普通預金から一括で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
保険料52,000普通預金52,000

履行保証保険の保険料は消費税非課税であり、特定の工事のために負担する費用のため工事原価(現場経費)への算入も認められる。

中古建機の売却

設例:使用しなくなったホイールローダー(帳簿価額950,000円)を建機販売業者へ(消費税込み)1,430,000円で売却し、代金が普通預金口座へ入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金1,430,000機械装置950,000
固定資産売却益350,000
仮受消費税等130,000
合計1,430,000合計1,430,000

固定資産の売却では売却益ではなく税抜の譲渡対価1,300,000円が消費税の課税標準となるため、課税売上高の集計に留意する。

クレーンの年次点検

設例:ラフテレーンクレーンの法定の年次点検(定期自主検査)を整備業者へ依頼し、点検整備費用(消費税込み)143,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
修繕費130,000普通預金143,000
仮払消費税等13,000
合計143,000合計143,000

定期自主検査の費用は機能維持のための支出として修繕費で処理し、クレーン等安全規則に基づき検査記録を3年間保存する。

発電機の一括償却

設例:現場の電源用に可搬式発電機を(消費税込み)187,000円で購入して代金を普通預金から支払い、一括償却資産として計上した。

借方科目金額貸方科目金額
一括償却資産170,000普通預金187,000
仮払消費税等17,000
合計187,000合計187,000

取得価額20万円未満の資産は3年間の均等償却による一括償却を選択でき、一括償却資産は償却資産に係る固定資産税の申告対象外となる。

ICT建機導入と補助金

設例:3次元データに基づくマシンコントロール機能を搭載したICTブルドーザーを(消費税込み)13,200,000円で取得して普通預金から支払い、交付決定済みの導入補助金4,000,000円が普通預金口座へ入金された。

借方科目金額貸方科目金額
機械装置12,000,000普通預金13,200,000
仮払消費税等1,200,000雑収入4,000,000
普通預金4,000,000
合計17,200,000合計17,200,000

補助金収入は消費税不課税であり、法人税では国庫補助金等の圧縮記帳の適用により補助金相当額への課税を将来の期間へ繰り延べることができる。

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決算・税務・その他

決算にあたり

設例:決算にあたり、期末時点で未引渡の老人ホーム改修工事について、期中に完成工事原価として処理していた材料費660,000円を未成工事支出金へ振り戻した。

借方科目金額貸方科目金額
未成工事支出金660,000完成工事原価660,000

工事完成基準では、引渡未了の工事原価を売上原価に計上できないため決算整理で資産に振り替える。

決算日直前に完成し引き渡しが

設例:決算日直前に完成し引き渡しが完了した商業施設の新築工事について、未成工事支出金に集計されていた原価4,950,000円全額を完成工事原価に振り替え、当期の売上原価を確定した。

借方科目金額貸方科目金額
完成工事原価4,950,000未成工事支出金4,950,000

完成工事高と完成工事原価を同一事業年度で対応させ、工事ごとの粗利益率を検証する。

進行基準の売上計上

設例:事務所ビル新築工事(請負金額55,000,000円・税込)について、工事原価総額の見積40,000,000円に対し当期末までの発生原価16,000,000円の割合(40%)により、当期の完成工事高22,000,000円を工事進行基準により計上した。

借方科目金額貸方科目金額
完成工事未収入金22,000,000完成工事高22,000,000

工事進行基準は、工事の進捗部分について成果の確実性が認められる場合に、原価比例法等により算定した進捗度に応じて収益を計上する方法である。

複数年度の進行基準売上

設例:河川護岸工事(請負金額99,000,000円・税込)について、工事原価総額の見積70,000,000円に対する当期末までの累計発生原価49,000,000円の割合(70%)に基づく完成工事高累計69,300,000円から、前期に計上済みの完成工事高34,650,000円を控除し、当期分の完成工事高34,650,000円を計上した。

借方科目金額貸方科目金額
完成工事未収入金34,650,000完成工事高34,650,000

複数期にわたる工事では、当期末までの進捗度に基づく収益累計額から前期以前の計上額を控除した差額を当期の完成工事高とする。

個別評価の貸倒引当金

設例:取引先が民事再生手続の開始を申し立てたため、完成工事未収入金3,300,000円について個別評価による貸倒引当金1,650,000円を設定した。

借方科目金額貸方科目金額
貸倒引当金繰入1,650,000貸倒引当金1,650,000

民事再生法の申立て等の事由がある場合、金銭債権の50%相当額を個別評価金銭債権に係る貸倒引当金として繰り入れることができる。

償却債権取立益の計上

設例:前期に貸倒処理した完成工事未収入金のうち880,000円について、取引先の破産管財人から一部配当金として普通預金へ入金があった。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金880,000償却債権取立益880,000

既に貸倒処理した債権を回収した場合は、回収した事業年度の益金として償却債権取立益に計上する。

少額工具の即時償却

設例:現場作業用の電動ハンマードリル385,000円(税込)を購入し、中小企業者等の少額減価償却資産の特例により全額を消耗品費として処理し、代金は普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
消耗品費385,000普通預金385,000

令和8年度税制改正により本特例の対象となる取得価額基準が40万円未満に引き上げられており、本来資産計上すべき工具でも要件を満たせば全額損金算入できる。

補助金の圧縮記帳処理

設例:小規模事業者持続化補助金の交付を受けて取得した中古ダンプトラック(取得価額5,000,000円)について、直接減額方式の圧縮記帳により補助金相当額2,000,000円を圧縮した。

借方科目金額貸方科目金額
固定資産圧縮損2,000,000車両運搬具2,000,000

圧縮記帳により取得価額を圧縮すると翌期以降の減価償却費が減少するため、補助金相当額に対する課税は将来の期間に繰り延べられる。

期末の未成工事受入金振替

設例:決算日直前に完成し引き渡した倉庫新築工事(請負金額16,500,000円・税込)について完成工事高を計上するとともに、契約時に受け取っていた未成工事受入金3,300,000円を取り崩し、差額の完成工事未収入金13,200,000円を計上した。

借方科目金額貸方科目金額
未成工事受入金3,300,000完成工事高16,500,000
完成工事未収入金13,200,000
合計16,500,000合計16,500,000

工事の完成時には、受領済みの未成工事受入金を取り崩して完成工事高に充当し、残額のみを完成工事未収入金として計上する。

簡易課税第3種の納付税額

設例:簡易課税制度を選択している当社(事業区分第3種)は、当期の課税売上高33,000,000円(税込)に基づき算出した消費税及び地方消費税の納付税額900,000円を未払消費税等として計上した。

借方科目金額貸方科目金額
租税公課900,000未払消費税等900,000

第3種事業(建設業)のみなし仕入率は70%であり、納付税額は課税売上高(税抜)30,000,000円×10%×(1-70%)=900,000円と算出される。

工事損失引当金の繰入

設例:施工中の大型改修工事の実行予算を見直した結果、工事原価総額の見積りが請負金額を700,000円上回ることが確実となったため、同額を工事損失引当金へ繰り入れた。

借方科目金額貸方科目金額
工事損失引当金繰入700,000工事損失引当金700,000

会計上は受注損失の見込額を引当計上するが、法人税法上は損金不算入のため申告調整で加算し、損失の確定時に減算することとなる。

一括評価の貸倒引当金

設例:決算にあたり、期末の完成工事未収入金など一括評価金銭債権45,000,000円に対し、法定繰入率により貸倒引当金270,000円を繰り入れた。

借方科目金額貸方科目金額
貸倒引当金繰入270,000貸倒引当金270,000

資本金1億円以下の中小法人等は法定繰入率(建設業はその他の事業として1,000分の6)による繰入限度額までの損金算入が認められる。

外注出来高の未払計上

設例:決算にあたり、期末までに役務の提供を受けた下請工事のうち未請求の出来高査定額(消費税込み)1,540,000円を外注費として未払計上した。

借方科目金額貸方科目金額
外注費1,400,000未払金1,540,000
仮払消費税等140,000
合計1,540,000合計1,540,000

役務の提供を受けた出来高部分は請求書未達でも当期の工事原価とし、相手方の確認を受けた出来高検収書を仕入明細書として保存し仕入税額控除を適用する。

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出典・参考情報(公的機関)

本ページは一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の税務判断を行うものではありません。金額・取引はすべて設例(モデルケース)です。税制・法令は改正される場合があります(令和8年度税制改正を反映し、2026年7月に作成・最終更新)。実際の処理は顧問税理士など専門家へご確認ください。

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