建設業の仕訳事例集【設例つき60本】

公開日:2026年7月11日(令和8年度税制改正対応)|収録60本・全仕訳の貸借を検算済み

工事の完成基準・未成工事支出金・一人親方への外注など、建設業の経理には特有のルールが多くあります。日常の記帳から決算・経審対応まで、現場で本当に出てくる取引60本を設例つきで収録しました。 各事例は「設例 → 借方/貸方の仕訳表 → 実務メモ」の順で、タップすると開きます。

売上・入金

木造住宅の新築工事が完成し施

設例:木造住宅の新築工事が完成し施主へ引き渡したため、工事代金28,600,000円(税込)を完成工事高として計上した。

借方科目金額貸方科目金額
完成工事未収入金28,600,000完成工事高28,600,000

工事完成基準では、引渡日の属する事業年度の収益として計上する。

店舗の内装改修工事が完成し引

設例:店舗の内装改修工事が完成し引き渡した際、工事代金5,500,000円(税込)のうち2,000,000円を現金で受け取り、残額を掛けとした。

借方科目金額貸方科目金額
現金2,000,000完成工事高5,500,000
完成工事未収入金3,500,000
合計5,500,000合計5,500,000

現金で受領した分は当日中に金庫残高と一致させ、速やかに普通預金へ入金する。

マンションの大規模修繕工事の

設例:マンションの大規模修繕工事の請負契約を締結し、契約金額33,000,000円(税込)のうち着手金6,600,000円を普通預金で受け取った。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金6,600,000未成工事受入金6,600,000

着手金は工事が完成し引き渡すまで負債として計上し、完成工事高には含めない。

先に引き渡した工場の増築工事

設例:先に引き渡した工場の増築工事に係る完成工事未収入金11,000,000円について、施主から普通預金へ全額の入金があった。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金11,000,000完成工事未収入金11,000,000

入金額と請求額に差異がある場合は、振込手数料の負担区分を確認する。

賃貸アパートの新築工事に係る

設例:賃貸アパートの新築工事に係る完成工事未収入金22,000,000円を回収するにあたり、契約時に受領していた未成工事受入金4,400,000円と相殺し、残額17,600,000円は普通預金で回収した。

借方科目金額貸方科目金額
未成工事受入金4,400,000完成工事未収入金22,000,000
普通預金17,600,000
合計22,000,000合計22,000,000

未成工事受入金は完成工事高の計上時または回収時のいずれかのタイミングで取り崩す。

下請の鳶工事業者へ外注費88

設例:下請の鳶工事業者へ外注費880,000円を支払うにあたり、安全協力会費5,000円と足場使用料55,000円を差し引き、残額820,000円を普通預金から振り込んだ。

借方科目金額貸方科目金額
外注費880,000受取安全協力会費5,000
足場代収入55,000
普通預金820,000
合計880,000合計880,000

控除項目は支払通知書に内訳を明記し、下請業者との認識相違を防ぐ。

JV(共同企業体)分配

設例:公共土木工事を受注した共同企業体(JV)に出資比率30%の構成員として参加し、自社の出資比率に応じた完成工事高14,300,000円(税込)を完成工事未収入金に計上した。

借方科目金額貸方科目金額
完成工事未収入金14,300,000完成工事高14,300,000

分割経理方式のJVでは、構成員各社が自社の出資比率に応じた工事収益・原価をそれぞれの帳簿に計上する。

追加変更工事の請求

設例:店舗改装工事の施工中、施主からの要望でバリアフリー化の追加工事を実施し、追加工事代金1,320,000円(税込)を完成工事高に追加計上した。

借方科目金額貸方科目金額
完成工事未収入金1,320,000完成工事高1,320,000

追加変更工事は当初契約と別途、追加工事の内容と金額を明記した変更契約書を取り交わす。

上棟時の中間金受領

設例:居宅新築工事(請負金額38,500,000円・税込)について、上棟時に契約書の定めに基づく中間金11,000,000円を普通預金で受け取った。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金11,000,000未成工事受入金11,000,000

中間金は着手金と同様、工事の引渡しまでは未成工事受入金として負債計上し、完成工事高には含めない。

出来高査定による請求

設例:河川護岸工事(請負金額26,400,000円・税込)について、契約に定める出来高払い条項に基づき監督員による出来高査定(進捗60%)を経て、中間出来高金15,840,000円を普通預金で受け取った。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金15,840,000未成工事受入金15,840,000

出来高払いは監督員等による出来高査定を経て請求額が確定するため、査定調書等の証憑を保存しておく。

工事先倒産の貸倒損失

設例:取引先が破産手続開始決定を受け、完成工事未収入金2,200,000円の全額が回収不能と確定したため、貸倒損失として処理した。

借方科目金額貸方科目金額
貸倒損失2,200,000完成工事未収入金2,200,000

法的整理による貸倒れは法人税基本通達9-6-1に基づき、切捨てが確定した事業年度の損金として処理する。

持続化補助金の受領

設例:小規模事業者持続化補助金の交付が決定し、補助金2,000,000円が普通預金へ入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金2,000,000雑収入2,000,000

国庫補助金等の収入は消費税の課税対象外(不課税)であり、法人税においては原則として交付を受けた事業年度の益金に算入する。

冬季の除雪作業収益

設例:冬季の工事閑散期に町内会及び個人宅からの依頼で除雪作業を請け負い、除雪作業収益275,000円(税込)を普通預金で受け取った。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金275,000兼業事業売上高275,000

建設業の会計基準では、本来の建設工事以外の付随的な収益は完成工事高と区分し、兼業事業売上高として計上する。

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仕入・外注

現場で使用する鉄筋・型枠材料

設例:現場で使用する鉄筋・型枠材料880,000円(税込)を仕入れ、代金は掛けとした。

借方科目金額貸方科目金額
材料費880,000買掛金880,000

未使用のまま期末を迎えた資材は、未成工事支出金または貯蔵品として区分する。

大工工事を請け負う一人親方(

設例:大工工事を請け負う一人親方(個人事業主)へ外注費880,000円(税込)を普通預金から振り込んで支払った。

借方科目金額貸方科目金額
外注費880,000普通預金880,000

請負契約に基づく外注費は給与ではないため、原則として所得税の源泉徴収は不要である。

インボイス未登録の一人親方(

設例:インボイス未登録の一人親方(型枠大工)へ外注費550,000円(税込)を現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
外注費550,000現金550,000

免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置の控除割合は、令和8年10月以降80%から70%へ縮小される。

当月に発生した事務所ビル新築

設例:当月に発生した事務所ビル新築工事現場の材料費660,000円・外注費1,100,000円・労務費550,000円を、原価台帳に基づき未成工事支出金へ振り替えた。

借方科目金額貸方科目金額
未成工事支出金2,310,000材料費660,000
外注費1,100,000
労務費550,000
合計2,310,000合計2,310,000

原価は工事ごとに区分して集計し、原価台帳で工事番号別に管理する。

完成前の手直し工事

設例:新築住宅の内部造作について引渡し前に施工不良箇所の手直し工事を行い、追加でかかった材料費33,000円・外注費77,000円、計110,000円を未成工事支出金に追加計上した。

借方科目金額貸方科目金額
未成工事支出金110,000材料費33,000
外注費77,000
合計110,000合計110,000

引渡し前の手直し工事にかかる費用は工事原価に含めて処理し、引渡し後に判明した瑕疵の補修費用とは区別する。

下請保留金の控除

設例:電気設備工事の下請業者へ工事代金1,100,000円(税込)を支払うにあたり、契約に基づき代金の10%相当額110,000円を保留金として差し引き、残額990,000円を普通預金から振り込んだ。

借方科目金額貸方科目金額
外注費1,100,000普通預金990,000
預り保証金110,000
合計1,100,000合計1,100,000

保留金は下請業者に対する債務であり、瑕疵担保期間の経過後など契約で定めた時期に支払う。

交通誘導警備の外注

設例:道路に面した外壁改修工事のため、警備会社に交通誘導警備員の配置を委託し、外注費198,000円(税込)を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
外注費198,000普通預金198,000

警備業者への外注費は法人に対する支払のため、一人親方への外注費と異なり源泉徴収の要否を個別に判断する必要はない。

下請への前渡金支払

設例:鉄骨工事の外注契約(契約金額8,800,000円・税込)に基づき、着手前に前渡金1,760,000円を普通預金から下請業者へ支払った。

借方科目金額貸方科目金額
前渡金1,760,000普通預金1,760,000

前渡金は資材の納入や役務の提供を受けるまでは資産として計上し、外注費等の費用には含めない。

前渡金の外注費振替

設例:先に鉄骨工事の下請業者へ支払っていた前渡金1,760,000円について、鉄骨資材の納入が完了したため外注費へ振り替えた。

借方科目金額貸方科目金額
外注費1,760,000前渡金1,760,000

前渡金は資材納入や工事の進捗など、対価性のある事実の発生時点で速やかに該当科目へ振り替える。

赤伝による工事代金値引

設例:内装工事の下請業者との間で、資材価格の変動を踏まえた工事代金の値引き110,000円(税込)について合意し、赤伝(赤伝票)を発行して未払の外注費から減額した。

借方科目金額貸方科目金額
未払金110,000外注費110,000

赤伝による値引きはインボイス制度上、仕入対価の返還等に該当するため、値引きの事実と金額を記載した書面を保存する。

免税事業者からの仕入

設例:地盤改良工事に使用する砕石を、インボイス発行事業者登録を行っていない個人の資材業者から110,000円で仕入れ、代金を現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
材料費110,000現金110,000

免税事業者等からの課税仕入れは、令和8年10月以降は仕入税額相当額の70%のみを控除できる経過措置の対象となる(令和11年9月末で経過措置は終了)。

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人件費

現場作業員へ当月分の労務費1

設例:現場作業員へ当月分の労務費1,650,000円を普通預金から支払うとともに、会社負担分の法定福利費242,000円を未払計上した。

借方科目金額貸方科目金額
労務費1,650,000普通預金1,650,000
法定福利費242,000未払金242,000
合計1,892,000合計1,892,000

現場労務費に対応する法定福利費は原価性があるため、工事原価として未成工事支出金に含める。

現場作業員の建設業退職金共済

設例:現場作業員の建設業退職金共済(建退共)証紙500枚(1枚310円)を155,000円で購入し、共済手帳に貼付した。

借方科目金額貸方科目金額
労務費155,000現金155,000

未貼付の証紙は貯蔵品として資産計上し、貼付時に費用化する方法もある。

建退共証紙の立替購入

設例:型枠工事の下請業者に所属する作業員分の建設業退職金共済(建退共)証紙62,000円分を元請が立替払いした後、下請代金880,000円(税込)の支払時にその立替金を差し引き、残額818,000円を普通預金から振り込んだ。

借方科目金額貸方科目金額
外注費880,000立替金62,000
普通預金818,000
合計880,000合計880,000

建退共証紙代を元請が立替えた場合は、いったん立替金(仮払金)として資産計上し、下請代金の支払時に相殺する。

未使用証紙の貯蔵品振替

設例:決算にあたり、当期に購入した建設業退職金共済(建退共)証紙のうち、共済手帳に未貼付のまま期末在庫となっている44,000円分を労務費から貯蔵品へ振り替えた。

借方科目金額貸方科目金額
貯蔵品44,000労務費44,000

未貼付の証紙は共済手帳への貼付をもって費用性が確定するため、期末の未貼付残高は貯蔵品として資産計上するのが原則的な処理である。

一人親方の労災特別加入

設例:代表者及び専属の一人親方について、労働保険事務組合を通じて労災保険の特別加入手続を行い、年間保険料88,000円を普通預金から納付した。

借方科目金額貸方科目金額
法定福利費88,000普通預金88,000

労災保険は本来労働者が対象だが、中小事業主等は労働保険事務組合に事務委託することで特別加入し、現場作業中の負傷等に備えることができる。

建設国保の保険料納付

設例:建設国民健康保険組合(建設国保)に加入する代表者及び従業員の当月分保険料176,000円(うち給与から預かった従業員負担分88,000円を含む)を普通預金から納付した。

借方科目金額貸方科目金額
法定福利費88,000普通預金176,000
預り金88,000
合計176,000合計176,000

建設国保は建設業の事業主や一人親方を対象とする国民健康保険組合で、協会けんぽと異なり保険料が定額制であることが多い。

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経費・業種特有

この事務所ビル新築工事が完成

設例:この事務所ビル新築工事が完成し引き渡しが完了したため、未成工事支出金に集計されていた原価2,310,000円を完成工事原価へ振り替えた。

借方科目金額貸方科目金額
完成工事原価2,310,000未成工事支出金2,310,000

完成工事高の計上と同一期に原価を対応させることで、工事ごとの粗利益を把握できる。

資材置場の土地賃借

設例:資材置場として使用する土地について月極の賃貸借契約を結び、当月分の賃料88,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
地代家賃88,000普通預金88,000

資材置場や仮設事務所用地の賃料は特定の工事に紐付く場合、現場経費として工事原価に算入する。

型枠等の消耗品費

設例:鉄筋コンクリート工事に使用する合板型枠材やセパレーターなどの消耗品33,000円(税込)を現場に搬入し、代金は現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
消耗品費33,000現金33,000

存置期間経過後に転用できない型枠材料は、使用の都度費用処理する消耗品費として扱うのが一般的である。

産廃処理とマニフェスト

設例:解体工事に伴い発生したコンクリートがらの処分を許可業者に委託し、産業廃棄物処理費用132,000円(税込)を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
産業廃棄物処理費132,000普通預金132,000

産業廃棄物管理票(マニフェスト)は交付の日から5年間の保存が義務付けられているため、原価台帳とあわせて工事番号ごとに保管する。

仮設水道光熱費の支払

設例:新築工事現場に引き込んだ仮設水道・仮設電気の当月使用料22,000円を現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
仮設経費22,000現金22,000

仮設水道光熱費は工事原価に算入されるため、複数現場を掛け持ちする場合は使用量等に基づき現場ごとに配賦する。

施工管理技士の資格取得費

設例:従業員が受講した1級施工管理技士の資格取得講座の受講料及び受験料、計88,000円を会社負担分として普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
研修費88,000普通預金88,000

業務に必要な資格の取得費用を会社が負担する場合、原則として給与課税の対象とはならず福利厚生費・研修費として損金算入できる。

協力会への会費支払

設例:元請企業が主催する協力会(下請企業のネットワーク組織)に加入し、年会費22,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
諸会費22,000普通預金22,000

協力会費は受注機会の確保や情報共有を目的とする事業関連の会費であるため、諸会費として損金算入できる。

安全大会の開催費用

設例:協力会が主催する年1回の安全大会に社員及び下請作業員が参加し、会場費や資料代など費用44,000円を現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
福利厚生費44,000現金44,000

安全大会は労働災害防止のための教育活動であり、社会通念上相当な範囲の費用は福利厚生費として処理できる。

駐車場解約の違約金

設例:資材置場として利用していた月極駐車場を契約期間の途中で解約したため、契約書の定めに基づく違約金33,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
雑損失33,000普通預金33,000

中途解約違約金は資産の取得や役務提供の対価ではなく損害賠償的な性格を有するため、消費税は不課税として扱う。

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設備・資産・保険

現場で使用する中古の油圧ショ

設例:現場で使用する中古の油圧ショベル(ミニユンボ)を3,300,000円(税込)で購入し、頭金1,000,000円を普通預金から支払い、残額は未払金とした。

借方科目金額貸方科目金額
機械装置3,300,000普通預金1,000,000
未払金2,300,000
合計3,300,000合計3,300,000

取得価額が10万円以上の重機は固定資産に計上し、耐用年数に応じて減価償却する。

現場までの移動に伴うガソリン

設例:現場までの移動に伴うガソリン代12,000円と高速道路料金4,800円を法人カードで支払い、現場経費として計上した。

借方科目金額貸方科目金額
車両費12,000未払金16,800
旅費交通費4,800
合計16,800合計16,800

法人カードの利用明細を現場ごとに突合し、工事原価へ按分する。

新築工事現場の組立保険(工事

設例:新築工事現場の組立保険(工事保険)に加入し、保険期間1年分の保険料165,000円を普通預金から一括で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
保険料165,000普通預金165,000

保険期間が決算をまたぐ場合は、未経過期間分を前払費用として按分計上する。

保留金の精算支払

設例:先に電気設備工事の下請代金から差し引いていた保留金110,000円について、瑕疵担保期間の経過を確認したうえで普通預金から下請業者へ支払った。

借方科目金額貸方科目金額
預り保証金110,000普通預金110,000

保留金の精算時期や条件は下請契約書に明記し、下請業者との認識相違を防ぐ。

建機のファイナンスリース

設例:施工用クレーン車を所有権移転外ファイナンスリース契約(期間5年)により導入し、当月分のリース料110,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
リース料110,000普通預金110,000

中小企業では所有権移転外ファイナンスリースでもリース資産・リース債務を計上せず、賃貸借処理に準じてリース料を支払時の費用として処理する簡便的な取扱いが実務上用いられている。

重機の短期レンタル

設例:配管工事現場で使用する油圧ブレーカー付きバックホウを重機レンタル会社から1週間借り上げ、レンタル料55,000円を現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
機械賃借料55,000現金55,000

短期間のみ使用する重機は購入せずレンタルとすることで、固定資産の管理や減価償却の手間を省くことができる。

現場事務所プレハブ賃借

設例:大規模改修工事の現場に設置するプレハブ事務所をリース会社から借り上げ、設置費用を含む当月分の賃借料165,000円(税込)を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
仮設経費165,000普通預金165,000

特定の工事にのみ使用する仮設物の賃借料は、その工事の未成工事支出金(仮設経費)として集計する。

CAD積算ソフトの導入

設例:積算業務に使用するCAD・積算ソフトウエアのライセンスを660,000円(税込)で購入し、代金を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
ソフトウエア660,000普通預金660,000

取得価額が10万円以上の自社利用ソフトウエアは無形固定資産に計上し、原則5年間で均等償却する。

ダンプ車検の法定費用

設例:現場土砂の運搬に使用するダンプトラックの車検を受け、整備費用45,000円(税込)、自動車重量税32,800円、自賠責保険料21,500円、計99,300円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
車両費45,000普通預金99,300
租税公課32,800
保険料21,500
合計99,300合計99,300

車検費用のうち自動車重量税や印紙代は不課税、自賠責保険料は非課税であり、整備費用や車検基本料のみが課税仕入れとなる。

軽油引取税と燃料費

設例:ダンプトラック用の軽油300リットルを給油し、軽油引取税(1リットルあたり32.1円)相当額9,630円を含む燃料費45,000円を現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
車両費45,000現金45,000

軽油引取税相当額は消費税の課税対象外(不課税)であるため、消費税申告における課税仕入高の集計時にはその金額を除いて計算する。

現場の飲料福利厚生費

設例:夏季の熱中症対策として現場作業員に支給するスポーツドリンクや塩分タブレットの購入費用16,500円(税込)を現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
福利厚生費16,500現金16,500

熱中症対策として現場作業員全体に配布する飲料等の費用は、社会通念上相当な範囲であれば福利厚生費として損金算入できる。

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決算・税務・その他

決算にあたり

設例:決算にあたり、期末時点で未引渡の老人ホーム改修工事について、期中に完成工事原価として処理していた材料費660,000円を未成工事支出金へ振り戻した。

借方科目金額貸方科目金額
未成工事支出金660,000完成工事原価660,000

工事完成基準では、引渡未了の工事原価を売上原価に計上できないため決算整理で資産に振り替える。

決算日直前に完成し引き渡しが

設例:決算日直前に完成し引き渡しが完了した商業施設の新築工事について、未成工事支出金に集計されていた原価4,950,000円全額を完成工事原価に振り替え、当期の売上原価を確定した。

借方科目金額貸方科目金額
完成工事原価4,950,000未成工事支出金4,950,000

完成工事高と完成工事原価を同一事業年度で対応させ、工事ごとの粗利益率を検証する。

進行基準の売上計上

設例:事務所ビル新築工事(請負金額55,000,000円・税込)について、工事原価総額の見積40,000,000円に対し当期末までの発生原価16,000,000円の割合(40%)により、当期の完成工事高22,000,000円を工事進行基準により計上した。

借方科目金額貸方科目金額
完成工事未収入金22,000,000完成工事高22,000,000

工事進行基準は、工事の進捗部分について成果の確実性が認められる場合に、原価比例法等により算定した進捗度に応じて収益を計上する方法である。

複数年度の進行基準売上

設例:河川護岸工事(請負金額99,000,000円・税込)について、工事原価総額の見積70,000,000円に対する当期末までの累計発生原価49,000,000円の割合(70%)に基づく完成工事高累計69,300,000円から、前期に計上済みの完成工事高34,650,000円を控除し、当期分の完成工事高34,650,000円を計上した。

借方科目金額貸方科目金額
完成工事未収入金34,650,000完成工事高34,650,000

複数期にわたる工事では、当期末までの進捗度に基づく収益累計額から前期以前の計上額を控除した差額を当期の完成工事高とする。

個別評価の貸倒引当金

設例:取引先が民事再生手続の開始を申し立てたため、完成工事未収入金3,300,000円について個別評価による貸倒引当金1,650,000円を設定した。

借方科目金額貸方科目金額
貸倒引当金繰入1,650,000貸倒引当金1,650,000

民事再生法の申立て等の事由がある場合、金銭債権の50%相当額を個別評価金銭債権に係る貸倒引当金として繰り入れることができる。

償却債権取立益の計上

設例:前期に貸倒処理した完成工事未収入金のうち880,000円について、取引先の破産管財人から一部配当金として普通預金へ入金があった。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金880,000償却債権取立益880,000

既に貸倒処理した債権を回収した場合は、回収した事業年度の益金として償却債権取立益に計上する。

少額工具の即時償却

設例:現場作業用の電動ハンマードリル385,000円(税込)を購入し、中小企業者等の少額減価償却資産の特例により全額を消耗品費として処理し、代金は普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
消耗品費385,000普通預金385,000

令和8年度税制改正により本特例の対象となる取得価額基準が40万円未満に引き上げられており、本来資産計上すべき工具でも要件を満たせば全額損金算入できる。

補助金の圧縮記帳処理

設例:小規模事業者持続化補助金の交付を受けて取得した中古ダンプトラック(取得価額5,000,000円)について、直接減額方式の圧縮記帳により補助金相当額2,000,000円を圧縮した。

借方科目金額貸方科目金額
固定資産圧縮損2,000,000車両運搬具2,000,000

圧縮記帳により取得価額を圧縮すると翌期以降の減価償却費が減少するため、補助金相当額に対する課税は将来の期間に繰り延べられる。

期末の未成工事受入金振替

設例:決算日直前に完成し引き渡した倉庫新築工事(請負金額16,500,000円・税込)について完成工事高を計上するとともに、契約時に受け取っていた未成工事受入金3,300,000円を取り崩し、差額の完成工事未収入金13,200,000円を計上した。

借方科目金額貸方科目金額
未成工事受入金3,300,000完成工事高16,500,000
完成工事未収入金13,200,000
合計16,500,000合計16,500,000

工事の完成時には、受領済みの未成工事受入金を取り崩して完成工事高に充当し、残額のみを完成工事未収入金として計上する。

簡易課税第3種の納付税額

設例:簡易課税制度を選択している当社(事業区分第3種)は、当期の課税売上高33,000,000円(税込)に基づき算出した消費税及び地方消費税の納付税額900,000円を未払消費税等として計上した。

借方科目金額貸方科目金額
租税公課900,000未払消費税等900,000

第3種事業(建設業)のみなし仕入率は70%であり、納付税額は課税売上高(税抜)30,000,000円×10%×(1-70%)=900,000円と算出される。

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出典・参考情報(公的機関)

本ページは一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の税務判断を行うものではありません。金額・取引はすべて設例(モデルケース)です。税制・法令は改正される場合があります(令和8年度税制改正を反映し、2026年7月に作成・最終更新)。実際の処理は顧問税理士など専門家へご確認ください。