1月決算法人の申告期限は3月31日|11月から始める決算対策と注意点

公認会計士・税理士 監修

この記事は、公認会計士・税理士が代表を務める札幌の会計事務所「ジェイスタート会計事務所」が監修しています。

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1月決算法人の申告期限は、法人税・消費税とも原則として決算日の翌日から2か月以内の3月31日で、納税の期限も同じ日です。決算対策は1月31日までに実行したものしか当期に反映されないため、11月に着地見込みを試算し、12月中に実行するかを決めるのが目安です。

執筆:ジェイスタート会計事務所 編集部(札幌の公認会計士・税理士事務所)2026年10月時点の法令に基づき作成

この記事の結論

申告・納付の期限は3月31日で、2027年1月期は2027年3月31日(水)です。決算対策は「11月に試算、12月に判断、1月31日までに実行」の順番で進めます。

  • 申告期限の延長特例を受けても納付期限は3月31日のままで、見込納付をしないと利子税がかかる
  • 2027年1月31日は日曜日のため、期末までに済ませたい支払い・納品・工事は1月29日(金)までに段取りする
  • 消費税の2割特例は2027年1月期が最後、防衛特別法人税は2028年1月期から対象になる
  • 決算作業が年末調整・法定調書・償却資産申告・役員個人の確定申告と重なるため、決算資料は2月上旬までにそろえる
目次

1月決算法人の申告・納付期限はいつ?

法人税・地方法人税・消費税と、法人事業税・法人住民税(道民税・市民税)は、いずれも原則として決算日の翌日から2か月以内に申告と納付を行います。1月31日決算なら3月31日が期限で、期限日が土日祝日にあたる年は翌平日になります。

申告書を出すだけでなく、納税資金も同じ日までに用意する必要があります。直近2期の具体的な日付は次のとおりです。

期限の種類原則のルール2027年1月期2028年1月期
確定申告・納付決算日の翌日から2か月以内2027年3月31日(水)2028年3月31日(金)
延長特例を受けた場合の申告原則1か月延長(納付期限は延びない)2027年4月30日(金)2028年5月1日(月)※4月30日が日曜日のため
中間申告・納付期首から6か月を経過した日から2か月以内2026年9月30日(水)2027年9月30日(木)
防衛特別法人税2026年4月1日以後に開始する事業年度から対象外初めて対象(税額が0でも申告)
1月31日決算の法人の場合(2026年10月時点の法令に基づく)。期限が土日祝日のときは翌平日

法人税の中間申告は、前期の法人税額をもとにした予定申告が原則で、仮決算による中間申告を選ぶこともできます(前期の税額が一定額以下なら不要)。消費税の中間申告は、直前の確定消費税額(国税分)が48万円超で年1回、400万円超で年3回、4,800万円超で年11回です。中間申告や源泉所得税の納付も含めた1年分の期限は「1月決算法人の年間の税務スケジュールを確認する」でまとめて確認できます。

11月から何をする?1月決算の逆算スケジュール

1月決算の法人は、決算対策を考える時期が年末調整や冬の賞与と重なり、決算作業の時期が法定調書や個人の確定申告と重なります。11月から4月までの流れを、決算の作業と同じ時期に来る手続きに分けて整理します。

時期決算の作業同じ時期に来る主な手続き
11月10月までの試算表で着地見込みと納税額を試算し、対策の候補を洗い出す年末調整の準備、冬の賞与の資金計画
12月決算賞与・設備の入替え・修繕などを実行するか判断し、発注を済ませる。延長特例を使うなら申請の準備年末調整(令和8年分は基礎控除などの改正を12月の年末調整でまとめて精算)
1月対策の実行(1月31日まで)、実地棚卸、未払・前払の確認源泉所得税の納付(2026年12月分は2027年1月12日、納期の特例は1月20日)、償却資産申告(毎年1月31日、休日は翌開庁日)
2月決算整理、残高確認、申告書のドラフト作成法定調書・給与支払報告書の提出と源泉徴収票の交付(2027年2月1日)、役員個人の確定申告(令和8年分は2027年2月16日〜3月15日)
3月定時株主総会で決算を承認し、申告・納付(3月31日)個人事業者の消費税の申告期限(3月31日)
4月延長特例を受けた場合は4月中に申告役員報酬の改定は期首(2月1日)から3か月以内(4月30日まで)
1月31日決算の法人の標準的な流れ(2027年1月期の例)

決算作業の山場は2〜3月で、税理士事務所にとっては個人の確定申告と重なる繁忙期です。決算資料を2月上旬までにそろえることを毎年の段取りにしておくと、申告書の確認や納税資金の準備に時間をかけられます。

1月31日までに何をする?決算対策の選び方

決算対策は、期末日までに実行して初めて当期の費用になります。決算日を過ぎてからできるのは未払費用の計上などの整理が中心で、選択肢は大きく減ります。代表的な対策と、当期の費用にするための条件は次のとおりです。

対策当期の費用にする条件注意点
少額資産の購入1月31日までに納品・設置を終え、事業に使い始める40万円未満の特例は2026年4月1日以後の取得分(それより前は30万円未満)。年300万円まで、青色申告の中小企業者等が対象
修繕の前倒し1月31日までに工事が完了している価値を高める・使える期間を延ばす部分は資本的支出として資産に計上
従業員への決算賞与1月31日までに支給額を各人別に、同時期に支給する全員へ通知し、決算日の翌日から1か月以内に支払う当期に未払計上する。役員への賞与は、事前確定届出給与として届け出たとおりの支給でなければ損金にならない
不要な資産の除却廃棄した事実を記録する(業者の証明書・写真など)帳簿価額を損失にできる。使うのをやめただけの資産は要件を確認する
短期前払費用支払日から1年以内に受ける役務の前払で、毎期継続して同じ処理をする費用が増えるのは始めた期だけで、翌期以降は効果が続かない
1月31日決算の場合の主な決算対策と条件(2026年10月時点)

2027年1月期は、少額資産の判定が取得日で分かれる点に注意します。2026年2月1日〜3月31日に取得した資産は30万円未満、4月1日以後に取得した資産は40万円未満が特例の対象で、どちらも同じ事業年度の年300万円の枠に含めます。法人で使える節税策の全体像は「法人・個人・相続の節税策を一覧で確認する」にまとめています。

計算例:1月決算の小売業が陳列什器を入れ替えた場合

例えば、札幌市に本店がある資本金1,000万円以下・従業者50人以下の小売業(年商8,000万円)で、11月時点の所得見込みが800万円だったとします。老朽化した陳列什器4台(1台35万円、計140万円)を1月中に入れ替え、少額減価償却資産の特例で全額を当期の費用にした場合の概算です。端数処理と、事業税を翌期の損金にする調整は省いています。

  • 対策前(所得800万円):法人税8,000,000円×15%=1,200,000円、地方法人税1,200,000円×10.3%=123,600円、法人事業税352,000円(400万円以下の部分3.5%、400万円超の部分5.3%)、特別法人事業税352,000円×37%=130,240円、法人税割(道1.0%・市6.0%)1,200,000円×7%=84,000円、均等割70,000円。合計1,959,840円
  • 対策後(所得660万円):法人税6,600,000円×15%=990,000円、地方法人税990,000円×10.3%=101,970円、法人事業税277,800円(同じ税率で計算)、特別法人事業税277,800円×37%=102,786円、法人税割990,000円×7%=69,300円、均等割70,000円。合計1,611,856円

税金は1,959,840円-1,611,856円=347,984円減りますが、什器の代金を支払うため、手元資金は1,400,000円-347,984円=1,052,016円減ります。入替えがもともと必要なら期末前に実行する意味がありますが、税金を減らすためだけの支出はお金を減らす結果になります。

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少額減価償却資産の特例(40万円未満)を計算する取得価額を入れると、特例で当期の費用にできる金額の目安を確認できます。計算する

期末日が日曜日の年は段取りを前倒しに

2027年1月31日は日曜日です。金融機関の振込や、業者の納品・工事の完了は1月29日(金)までに済ませる計画にします。設備は納品されるだけでなく、事業に使い始めていることが当期の費用にする条件です。年末年始の休業で納期が遅れることもあるため、発注は12月中に済ませておくと安心です。

どの対策が有効かは、利益の見込みと資金繰りで変わります。11月時点の試算表をもとに、初回無料でご相談いただけます。

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1月決算ならではの注意点は?年末年始の期ズレと冬の在庫

1月決算は、期末の直前に年末年始の休業を挟むため、12月分と1月分の取引が混ざりやすく、期ズレ(売上や費用を計上する期のずれ)が起きやすい決算期です。年末商戦や冬物の在庫を抱える業種では、棚卸の評価にも注意が要ります。

見落としやすい点起きること防ぎ方
12月・1月の売上年末商戦の売上のカード入金や請求書の発行が2月以降にずれ、計上漏れや期ズレが起きる1月31日までに引渡し・役務の提供が終わった売上は、入金前でも売掛金で当期に計上する
仕入・経費の請求書年末年始の休業で請求書の到着が遅れ、1月分の費用が漏れる1月31日までに納品・役務の提供を受けたものは、請求書を待たずに未払金・未払費用で計上する
1月分の社会保険料2月末に納付する1月分の事業主負担分が当期の費用から漏れる未払費用として当期に計上する
冬物の売れ残り在庫値下げ予定の在庫を根拠なく評価損にしてしまう、または実態より高く評価したままになる季節商品の売れ残りで通常の価格では販売できないことが明らかな場合などに限り、評価損を計上できる。値下げや販売実績の記録を残す
燃料・消耗品の買い置き期末に灯油や消耗品をまとめ買いすると、全額を当期の費用にできない場合がある毎期おおむね一定量を買って使う範囲を超えた分は、貯蔵品として資産に計上する
1月決算で起きやすい見落としと防ぎ方

北海道の1月決算で確認したいこと

期末が冬の最中になるため、除雪や暖房の支出が期末に集中します。除雪をシーズン契約で前払いしている場合は、2月以降の期間に対応する部分を前払費用として翌期に回すのが原則です(短期前払費用の要件を満たし、毎期同じ処理をしている場合を除く)。屋外の資材置き場や倉庫の在庫は、積雪で実地棚卸に時間がかかることがあるため、数える日と担当者を12月中に決めておきます。

書面で提出する申告書は、2026年7月10日から市内5つの税務署の内部事務を集約した札幌業務センター(〒060-8510 札幌市中央区大通西10丁目 札幌第2合同庁舎)へ郵送します。e-Taxでの提出や窓口への持参は、本店所在地を管轄する税務署で受け付けます。

法人住民税の法人税割は、資本金1億円以下かつ法人税額1,000万円以下の法人なら道民税1.0%、市民税(札幌市)6.0%です。均等割は資本金等1,000万円以下・従業者50人以下の法人でも道2万円と市5万円の年7万円がかかり、赤字でも納めます。

2027年1月期・2028年1月期に変わる税制は?

1月決算法人は、2026年4月1日や10月1日に始まった・終わった制度の影響を、2027年1月期の途中で受けます。2028年1月期は、2027年3月31日が期限の制度を使える最後の期になる点も押さえておきます。

制度2027年1月期2028年1月期
消費税の2割特例(免税事業者からインボイス登録した法人)2026年9月30日を含む課税期間のため、この期が最後使えない(本則課税か簡易課税)
免税事業者等からの仕入れの経過措置2026年9月30日までの仕入れは80%、10月1日以後は70%(課税仕入れの日で判定)全期間70%(2028年9月30日まで)
一の免税事業者等からの仕入れの上限税込10億円税込1億円(2026年10月1日以後に開始する課税期間から)
少額減価償却資産の特例3月31日までの取得は30万円未満、4月1日以後は40万円未満40万円未満
賃上げ促進税制の教育訓練費の上乗せ2026年3月31日までに開始する事業年度のため、この期が最後使えない
中小法人の軽減税率15%・交際費の定額控除800万円・中小企業向けの賃上げ促進税制適用あり2027年3月31日までに開始する事業年度のため適用あり。2029年1月期以後の延長は未決定(令和9年度改正で決まる)
経営強化税制・投資促進税制適用あり2027年3月31日までの取得・事業供用が対象
防衛特別法人税対象外(2026年4月1日より前に開始した事業年度)初めて対象。(基準法人税額-500万円)×4%で、税額が0でも申告が必要。中間申告の対象は2029年1月期から
1月31日決算の法人の場合(2026年10月時点の法令に基づく)

2割特例が使えなくなる2028年1月期に向けて、簡易課税と本則課税のどちらが有利かを2027年1月期のうちに比べておきます。2割特例を適用した課税期間の翌課税期間に簡易課税を選ぶ場合、届出書はその翌課税期間の確定申告期限(2028年1月期なら2028年3月31日)までに提出すればよい扱いです。経過措置や特例の全体像は「インボイス制度の経過措置と特例を実務ガイドで確認する」にまとめています。

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簡易課税・本則課税・2割特例を比較する売上と仕入の金額から、方式ごとの消費税の納付額の違いを試算できます。計算する

申告期限を延ばすには?遅れた場合のリスクも確認

定時株主総会を4月に開くなどの事情で、決算日から2か月以内に決算が確定しない場合は、申請によって法人税の申告期限を原則1か月延長できます。消費税も、法人税の延長特例を受けている法人が届出をすれば、申告期限が1か月延びます。ただし延びるのは申告だけで、納付期限は3月31日のままです。

  1. 1月31日までに申請・届出最初に延長を受けたい事業年度の終了の日までに、税務署へ申告期限の延長の特例の申請書を、消費税は消費税申告期限延長届出書を提出します。法人事業税・法人住民税の手続きもあわせて確認します。
  2. 3月31日までに見込納付本来の納付期限までに、試算した税額を納めます。見込納付をしないと、延長した期間について利子税がかかります。
  3. 延長後の期限までに申告・精算2027年1月期なら2027年4月30日(金)までに申告し、不足があれば利子税とあわせて納付し、納めすぎていれば還付を受けます。

延長の手続きをせずに期限を過ぎると期限後申告となり、納める税額に応じて無申告加算税(原則15%、50万円を超える部分は20%、300万円を超える部分は30%)と、納付が遅れた日数に応じた延滞税がかかります。2事業年度続けて期限内に申告しないと青色申告の承認を取り消されることがあり、欠損金の繰越控除(最長10年)などの特典を失うおそれがあります。期限内の申告は、金融機関の融資審査でも信用の前提です。

決算前にそろえる書類は?

2月の決算作業を滞りなく進めるため、1月中に次の資料をそろえ始めます。12月と1月の取引は期ズレが起きやすいので、とくに丁寧に確認します。

  • 売上・仕入の請求書と入金記録(12月・1月分は請求の締め日と引渡し日を確認)
  • 預金通帳(1月31日の残高)と借入金の返済予定表
  • 経費の請求書・領収書(電子データで受け取ったものは電子データのまま保存)
  • 固定資産の取得・売却・除却の資料(取得日と事業に使い始めた日がわかるもの)
  • 棚卸表(1月31日時点の在庫の数量と金額)
  • 決算賞与を出す場合は、従業員への通知の記録

決算対策を無理なく進める土台は、試算表を毎月更新し、秋のうちに着地見込みを立てておくことです。当事務所は決算・申告だけのスポットのご依頼はお受けしておらず、月次の試算表から決算・申告までを継続的な会計・税務顧問で支援しています。日々の記帳から任せたい場合は記帳代行プランの内容と流れもご確認ください。

よくある質問

1月決算のメリット・デメリットは何ですか?

12月の繁忙期を決算作業と切り離せることと、年末商戦の結果を見てから決算対策を判断できることがメリットです。小売業や飲食業などで選ばれることがあります。一方で、決算作業が個人の確定申告の時期と重なり、期末の直前に年末年始の休業を挟むため期ズレが起きやすい点がデメリットです。

1月決算から別の決算月に変えることはできますか?

できます。定款を変更して(株式会社は株主総会の特別決議)事業年度を変え、税務署・北海道・市町村に異動届出書を提出します。変更する年は事業年度が12か月未満になり、その期間についても申告が必要です。

11月や12月に設立した会社を1月決算にすると、何に気をつけますか?

1期目が数か月と短くなり、青色申告の承認申請の期限も早まります。期限は「設立の日以後3か月を経過した日」と「最初の事業年度終了の日(1月31日)」のいずれか早い日の前日までで、例えば12月1日に設立した場合は1月31日の方が早いため、1月30日が期限です。設立直後の決算を急がずに済むよう、決算月そのものを設立前に検討しておくのが安全です。

決算日の1月31日が日曜日でも、申告期限や棚卸の基準日は変わりませんか?

変わりません。事業年度の末日は1月31日のままで、棚卸や預金残高の確認も1月31日現在で行います。申告期限は決算日の翌日から2か月以内なので3月31日で、期限日自体が土日祝日にあたる場合にだけ翌平日にずれます。

まとめ

1月決算法人の申告・納付期限は原則として3月31日で、2027年1月期は2027年3月31日(水)です。決算対策は11月の試算、12月の判断、1月31日までの実行という順番で進め、期末が日曜日の年は支払いや納品を前の営業日までに済ませます。2027年1月期は消費税の2割特例の最後の期、2028年1月期は防衛特別法人税の最初の期にあたるため、秋のうちに当期の着地と翌期の方針をあわせて確認しておきましょう。

札幌の公認会計士・税理士事務所

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出典・参考(公的機関)

本記事は2026年10月時点の法令等に基づく一般的な解説です。個別の状況により取扱いが異なる場合がありますので、実際の申告・手続きは税理士等の専門家にご相談ください。

更新履歴:2026年10月 全面改訂(令和8年度税制改正を反映)

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