利益率改善の基本|札幌の税理士が3つのアプローチを解説

  • URLをコピーしました!

利益率を改善したい——そう思ったとき、打ち手が多すぎて手が止まるのが中小企業の現実です。結論から言うと、利益率改善のアプローチは①粗利率を上げる、②固定費を見直す、③低採算をやめる、の3つに集約され、この順番で検討するのが定石です。それぞれ効く場所も難易度も違うため、ごちゃ混ぜに議論しないことが第一歩になります。この記事では、札幌の税理士・公認会計士事務所が、3アプローチの中身と着手の手順、効果の測り方を解説します。全体の構造(営業利益の式)は営業利益の記事を先にどうぞ。

目次

3つのアプローチの全体像

利益率改善の3アプローチ:粗利率を上げる、固定費を見直す、低採算をやめる
検討は粗利→固定費→低採算の順で(※2026年6月12日時点)
アプローチ主な手段特徴
① 粗利率を上げる値上げ・仕入条件・商品構成・ロス削減効きが最大。心理的ハードルも最大
② 固定費を見直す惰性費用の整理・事務の自動化・家賃等の交渉確実に効くが、削りすぎは売上を壊す
③ 低採算をやめる赤字商品・赤字顧客の条件変更や撤退利益率を一気に変えるが、見える化が前提

アプローチ①:粗利率——1ポイントの価値を知る

粗利率の改善手段は、値上げ(値決めの記事)、仕入・原価側の改善(原価率の記事)、高粗利商品への構成シフト(ABC分析)、ロス・値引きの削減の4つです。着手の鉄則は「測ってから動く」こと。商品別・サービス別の粗利率が見えていない状態での値上げ・仕入交渉は、勘の鉄砲です。クラウド会計と販売データの紐づけで月次の粗利率を商品群レベルまで分解する——これが①の事実上の最初の仕事になります。

アプローチ②:固定費——「率」で考える

固定費の見直しで大切なのは、金額の大小ではなく売上比(販管費率)と性質です。手順は、①科目別に3年推移を並べる、②投資性(広告・教育・採用)と惰性(使っていない契約・形骸化した経費)に色分けする、③惰性から削る、の3段階。事務人件費は「削る」のではなく、クラウド×AIで同じ人数のままこなせる仕事を増やす(業務効率化の記事)のが、人手不足時代の現実解です。家賃・保険・リースなど契約系の固定費は、更新タイミングでの交渉・見直しを年間カレンダーに載せておくと漏れません。

アプローチ③:低採算——やめる勇気を数字で支える

利益率が低い会社の多くは、少数の赤字案件・赤字顧客が全体を引きずっています。商品別・顧客別の採算(できれば投入時間まで含めて)を一覧にし、赤字先には値上げ・最低受注額・仕様変更の条件を提示する。応じられなければ縮小・撤退——「全部やめる」ではなく「条件を直す交渉の材料を持つ」のがアプローチ③の実像です。撤退で空いた人員・時間をA顧客と高粗利商品に振り向けて初めて、利益率は構造的に変わります。

90日の進め方と効果測定

推奨スケジュールは、最初の30日で見える化(商品別・顧客別の粗利、固定費の色分け)、次の30日で打ち手の決定(各アプローチから1つずつ、計3つまで)、最後の30日で実行と測定です。効果は売上総利益率・販管費率・営業利益率の3指標の前年同月比で追います(管理会計の記事の月次レビューに組み込むのが自然です)。見える化の集計はAIとクラウドで自動化できるため、経営者の仕事は「決めること」に絞られます。見える化の設計と値上げ・撤退の意思決定支援は、当事務所が税務顧問にとどまらず伴走している領域です。

当事務所での実例

実例:サービス業の法人(営業利益率2%台)で、90日の利益率改善プログラムを実施しました。顧客別の採算一覧(投入時間込み)の作成はAI(Claude)が下準備し、3つの打ち手(主力サービスの価格改定・惰性契約の解約・赤字顧客1社の条件変更)の設計は有資格者が支援。翌四半期から利益率が改善し、値上げによる解約は想定を大きく下回りました。「数字があると交渉も社内説得も楽」というのが経営者の総括です。

90日プログラムに関心のある方は、お問い合わせからご相談ください。状況を伺ったうえで、対応範囲と概算をご提示します。

よくある質問

3つのうちどれから始めるべきですか?

見える化はすべての前提なので最初です。打ち手としては、効きの大きい①粗利(特に値上げ)から検討し、心理的に難しければ②の惰性費用整理で小さな成功を作る順番が現実的です。

値上げで顧客が離れるのが怖いです

全商品一律ではなく、需要の強い商品・サービスから段階的に行うのが定石です。離脱率の想定と損益分岐の試算をセットで設計すれば、「怖い」は「計算できるリスク」に変わります。

利益率はどのくらいを目指すべきですか?

業種により水準が大きく異なるため、まず自社の3年推移の改善(前年比+1ポイント等)を目標にするのが実用的です。同業比較は参考程度に使います。

相談には何を用意すればよいですか?

直近3期の決算書と、商品別・顧客別の売上データ(CSV可)をご用意ください。お問い合わせフォームからご連絡ください。料金・契約・業務フローはこちらです。

まとめ

  • 利益率改善は粗利・固定費・低採算の3アプローチに分けて考える
  • 最初の仕事は見える化。商品別・顧客別の粗利を月次で持つ
  • 固定費は投資性と惰性を色分けし、惰性から削る
  • 低採算は「やめる」前に「条件を直す」交渉材料にする
  • 90日サイクル+3指標の定点観測で改善を仕組みにする

当事務所(札幌市)は、採算の見える化から値決め・撤退の意思決定支援まで、税務顧問とあわせて伴走しています。料金・契約・業務フローをご確認のうえお問い合わせください。

関連記事:営業利益を高める4つの打ち手利益率を上げる値決めと商品構成中小企業の業務効率化会計・税務顧問サービスのご案内

※本記事は2026年6月時点の法令・情報に基づく一般的な解説であり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の適用にあたっては税理士等の専門家にご相談ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次