結論から言うと、事業所得のある個人事業主は原則として青色申告を選ぶべきです。最大65万円の青色申告特別控除、赤字の3年間繰越控除、青色事業専従者給与など、白色申告にはない特典が多数あるからです。さらに令和8年度税制改正で、令和9年分からは控除が最大75万円に拡充されます。本記事でメリット・デメリットと改正のポイントを整理します。
青色申告の主なメリット
国税庁タックスアンサーNo.2070によると、青色申告者は次のような特典を受けられます。①青色申告特別控除:複式簿記で記帳し貸借対照表を添付すれば最大55万円、さらにe-Tax申告または優良な電子帳簿保存で最大65万円。簡易な記帳なら10万円です。②青色事業専従者給与:生計を一にする家族への給与を必要経費にできます(届出が必要)。③純損失の繰越控除:赤字を翌年以际3年間の黒字と相殺できます。開業初期の赤字が多い時期には特に効果的です。
令和9年分から最大75万円に拡充
令和8年度税制改正で、訂正・削除履歴が残る「優良な電子帳簿」を保存し、期限内にe-Tax申告する場合の控除額が最大75万円に引き上げられます(令和9年分以後)。あわせて紙提出を前提とした55万円控除は見直される方向です。会計ソフトの優良電子帳簿対応状況の確認とe-Tax環境の準備を、今のうちに進めておくとスムーズです。詳細は「青色申告特別控除が最高75万円に」で解説しています。
デメリットと対処法
デメリットは複式簿記の記帳負担ですが、クラウド会計ソフトの普及でハードルは大きく下がりました。銀行口座やカードを連携すれば仕訳の多くは自動起票されます。弊事務所でもクラウド会計とAIを組み合わせ、Claudeに勘定科目の分類候補やチェックリスト作成を任せたうえで税理士が最終確認する体制をとっており、記帳の負担感は以前より確実に軽くなっていると感じます。なお、記帳・保存がずさんになると承認取消のリスクもあります(「青色申告の承認取消の解説」)。
青色申告を始める手続き
青色申告をしたい年の3月15日(その年の1月16日以後に開業した場合は開業から2か月以内)までに「青色申告承認申請書」を税務署に提出します。開業届と同時提出が定石です。簿記の基本は「複式簿記入門」も参考にしてください。
まとめ
- 最大65万円(令和9年分からは要件を満たせば最大75万円)の特別控除
- 赤字3年繰越・専従者給与など特典多数
- クラウド会計で記帳負担は大幅軽減
- 承認申請は3月15日(開業年は開業から2か月以内)まで
- 令和9年分に向けて優良電子帳簿・e-Taxの準備を
青色申告への切替や記帳体制の構築は、ジェイスタート会計事務所へお気軽にご相談ください。
※本記事は2026年6月時点の法令・情報に基づく一般的な解説であり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の適用にあたっては税理士等の専門家にご相談ください。
