脱税のリスクとは?重加算税35〜40%・延滞税・刑事罰と節税の違い

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脱税のリスクは、本税に加えて重加算税(35〜40%)と延滞税がかかり、最大7年分さかのぼって追徴される点です。悪質な場合は刑事罰の対象にもなり、青色申告の取消しや融資への影響も生じます。申告漏れに気づいたら、調査の通知前に自分で修正するのが負担を抑える近道です。

執筆:ジェイスタート会計事務所 編集部(札幌の公認会計士・税理士事務所)2026年10月時点の法令に基づき作成

この記事の結論

脱税は「故意の仮装・隠ぺい」で税を免れる違法行為で、発覚すると重い加算税と延滞税に加え、刑事罰や信用の失墜につながります。うっかりの申告漏れとは扱いが大きく違うため、気づいた時点で自主的に正すのが最善です。

  • 仮装・隠ぺいがあると、過少申告加算税に代えて重加算税35%(無申告は40%)
  • 延滞税は日割りで加算。令和8年中は年2.8%(納期限の翌日から2か月以内)、その後は年9.1%
  • 税務署がさかのぼれる期間は原則5年、偽りその他不正の行為がある場合は7年
  • 悪質・多額の事案は査察(強制調査)と刑事罰の対象。青色申告の承認取消しもありうる
  • 調査の事前通知の前に自主的に修正申告すれば、過少申告加算税はかからない
目次

脱税・申告漏れ・節税は何が違う?

節税は、法令が認める制度(青色申告特別控除や共済など)を使って税負担を減らす適法な行為です。これに対し、売上の除外や架空経費の計上など、事実を仮装・隠ぺいして税を免れるのが脱税です。

意図せず申告を漏らした場合でも加算税・延滞税の対象にはなりますが、重加算税や刑事罰の対象となるのは「故意」の仮装・隠ぺいがあるケースです。この境界を正しく理解することが出発点になります。

区分内容典型的な例主な結果
節税法令が認める制度を使って税負担を減らす青色申告特別控除、小規模企業共済、少額減価償却資産の特例適法。税負担が減る
申告漏れ(過失)意図せず税額を少なく申告した売上の計上時期の誤り、経費にならない支出の計上本税+過少申告加算税+延滞税
脱税(仮装・隠ぺい)事実を偽って税を免れる売上の除外、架空の経費や外注費、二重帳簿、書類の改ざん本税+重加算税+延滞税。悪質なら刑事罰
節税・申告漏れ・脱税の違い

「グレー」を自己流で押し切らない

節税と脱税の境目が曖昧なまま突き進むと、本人に悪意がなくても、あとから重い負担を招くことがあります。判断に迷う経費や取引は、自己流で押し切らずにその都度確認しておくことが、最大のリスク回避策です。

発覚したら何が課される?加算税・延滞税・さかのぼる期間

国税庁の資料(加算税制度の概要)のとおり、隠ぺい・仮装があると、通常の加算税に代えて重加算税が課されます。加えて延滞税が日割りでかかり、過去分をまとめて追徴されると資金繰りへの影響も大きくなります。

項目内容
過少申告加算税原則10%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い額を超える部分は15%)
無申告加算税原則15%(50万円超の部分は20%。2024年1月1日以後に法定申告期限が到来するものは300万円超の部分30%)
重加算税過少申告・不納付の場合35%、無申告の場合40%
延滞税令和8年中は、納期限の翌日から2か月を経過する日まで年2.8%、その後は年9.1%(日割り)
さかのぼる期間原則として法定申告期限から5年。偽りその他不正の行為がある場合は7年
国税のペナルティと期間制限(2026年10月時点)

通常の申告漏れには、延滞税の計算期間を一定の期間で区切る特例がありますが、偽りその他不正の行為があった場合は、この特例が使えないことがあります。法人の場合は、法人税に連動して法人住民税・法人事業税も増え、地方税にも延滞金などがかかります。加算税の仕組みは加算税・延滞税と修正申告の解説で詳しく整理しています。

計算例:売上の除外で所得税の本税が100万円増えた場合

  • 重加算税:100万円×35%=35万円
  • 本税と重加算税の合計:100万円+35万円=135万円
  • これに延滞税が日割りで加わる(令和8年中は年2.8%/年9.1%)

同じ100万円の申告漏れでも、調査の通知前に自主的に修正申告していれば、重加算税も過少申告加算税もかからず、負担は本税と延滞税にとどまります。

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刑事罰や青色申告の取消しなど、お金以外のリスク

悪質・多額の事案は、国税局の査察部による強制調査(査察)の対象になり、検察庁への告発を経て刑事罰(拘禁刑や罰金)が科されることがあります。従来の「懲役」は、刑法の改正で「拘禁刑」に改められています。

  • 青色申告の承認取消し:帳簿書類に取引を隠ぺい・仮装して記載した場合などは承認が取り消されることがあり、青色申告特別控除などの特典が使えなくなります
  • 融資への影響:修正後の決算書を金融機関に出し直すことになり、借入れの条件や審査に影響することがあります
  • 取引先との関係:反面調査で取引先に確認が入ると、取引先からの信用にも傷がつきます
  • 経営への負担:過去分の修正、納税資金の手当て、調査への対応に、経営者の時間が長く取られます

たとえば売上の一部を意図的に除外していたことが後から判明すると、本税に加えて加算税と延滞税が上乗せされ、信用にも傷がつきます。目先の「節約」のつもりが、結果的に何倍もの代償を払うことになりかねません。

脱税はどうやって見つかる?

税務署は、取引先への反面調査、法定調書、銀行口座の確認に加え、キャッシュレス決済やEC・フリマ取引のデータも把握しやすくなっています。現金取引が中心の業種であっても、把握されにくいとは限りません。

発覚の経路内容
法定調書・支払調書給与・報酬・家賃などを支払った側が税務署に出す資料と、受け取った側の申告を突き合わせる
反面調査取引先の帳簿や請求書から、売上や仕入の事実を確かめる
金融機関の調査預金口座の入出金から、申告されていない収入を確認する
キャッシュレス・EC・フリマのデータ決済や販売の記録から、取引の足跡をたどる
情報提供従業員や関係者などから寄せられる情報
データの分析過去の申告や同業者との比較で、不自然な数字が目立つ
申告漏れ・脱税が把握される主な経路

現金売上でも、仕入の量から売上を推計したり、事前通知なしの調査で現金やレジの記録を確認したりする方法があります。発覚は「起こりうる前提」で考えるべきです。税務調査の実際の進み方は税務調査の流れと準備をご覧ください。

すでに申告漏れに気づいたら?自主修正の手順

過去の申告漏れや誤りに気づいたら、税務調査の連絡が来る前に自主的に修正申告・期限後申告をすることで、加算税の負担を抑えられます。調査の事前通知の前の自主的な修正申告なら過少申告加算税はかからず、無申告だった場合の期限後申告も無申告加算税が軽くなります。

  1. 事実を整理するどの年分の、どの取引が漏れているかを洗い出します。無申告の状態が数年続いている場合でも、帳簿や通帳があれば再構成できることがあります。
  2. 資料をそろえる通帳、請求書、領収書、レジの記録などで金額を確かめます。
  3. 税理士に相談する修正の範囲と方法、加算税・延滞税の見込みを確認します。
  4. 修正申告・期限後申告を出す早く出すほど、延滞税の積み上がりを抑えられます。隠し続けるほどリスクは増え、悪質と見なされやすくなります。
  5. 納税資金を手当てする一度に納めるのが難しい場合も、猶予制度の活用を含めて早めに相談すれば選択肢が広がります(税金を滞納した場合のリスクと対策)。
  6. 再発を防ぐ記帳の仕組みと、判断に迷う取引の確認ルールを見直します。

札幌市内で修正申告書を出す場合

札幌市内の5つの税務署の内部事務は、2026年7月10日から札幌業務センターに集約されています。修正申告書や期限後申告書を書面で郵送するときの宛先は同センターです。e-Taxでの提出や窓口への持参は、所轄の税務署です。

過去分の申告漏れや無申告の整理は、年分と資料の状況で進め方が変わります。初回無料で、修正の範囲と見通しを確認できます。

無料で相談する

「知らなかった」申告漏れを防ぎ、正しく節税するには

悪意はなくても、経費の考え方の誤りや売上計上時期の勘違いから、結果的に申告漏れになることがあります。年に一度の決算時にまとめて処理しようとすると、記憶も資料も曖昧になり、ミスが起こりやすくなります。

  • 事業用の口座・カードを分け、私的な支出と混ぜない
  • 記帳は月ごとに行い、決算時にまとめて処理しない
  • 現金売上はその日のうちに記録し、レジの記録を保存する
  • 電子で受け取った請求書・領収書は、電子データのまま保存する
  • 判断に迷う経費や取引は、その都度税理士に確認する

正しく申告したうえで、認められた範囲で税負担を軽くする「節税」は、むしろ積極的に取り組むべきものです。例えば青色申告特別控除は、令和8年分まで最大65万円、令和9年分からは要件を満たすと75万円になります。使える制度は節税一覧(法人・個人・相続まで)で確認できます。

正しい申告を積み重ねることは、金融機関や取引先からの信頼にもつながり、長い目で見れば会社の価値を高めます。日々の記帳から決算まで継続して確認する体制は、会計・税務顧問でご案内しています。

よくある質問

脱税と、うっかりの申告漏れはどう区別されますか?

金額の大小ではなく、事実を偽る行為があったかどうかで区別されます。二重帳簿の作成、売上の除外、架空の請求書の作成、他人名義の口座の利用などは、仮装・隠ぺいと判断されやすい行為です。単なる計算誤りや計上時期の勘違いは、通常の申告漏れとして扱われます。

家族名義の口座に売上を入れていた場合はどうなりますか?

税金は名義ではなく、実際に収入を得た人に課されます。事業の売上を家族名義の口座に入れて申告から外していた場合は、隠ぺいと判断されるおそれがあります。気づいた時点で、自主的に修正申告することを検討してください。

何年も無申告です。今からでも申告できますか?

できます。期限が過ぎた年分も期限後申告として提出でき、税務署から調査の連絡が来る前に自主的に申告すれば、無申告加算税は軽くなります。手元に資料が少なくても、通帳の入出金や取引先の請求書から金額を組み立てられることがあります。

税理士に頼めば、税務署に知られずに処理できますか?

できません。税理士は、脱税の指示や相談に応じることを税理士法で禁じられています。税理士にできるのは、事実を整理して正しい修正申告をまとめ、加算税や延滞税の負担を適正な範囲に抑えることです。

まとめ

脱税は、重加算税(35〜40%)と延滞税、最大7年分の追徴、刑事罰や青色申告の取消しまで招く、割に合わない行為です。うっかりの申告漏れでも加算税はかかりますが、調査の通知前に自主的に修正すれば負担を抑えられます。迷う取引はその都度確認し、認められた制度で正しく節税することが、会社を長く続ける土台になります。

札幌の公認会計士・税理士事務所

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出典・参考(公的機関)

本記事は2026年10月時点の法令等に基づく一般的な解説です。個別の状況により取扱いが異なる場合がありますので、実際の申告・手続きは税理士等の専門家にご相談ください。

更新履歴:2026年10月 全面改訂

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