結論から言うと、給与を支払う事業主が2026年(令和8年)1月以降に使うのは「令和8年分源泉徴収税額表」です。令和7年度税制改正で基礎控除や給与所得控除が引き上げられたため、税額表も改正され、月額表の甲欄で源泉徴収税額が発生し始めるラインは88,000円から105,000円に変わりました。本記事では、源泉所得税の基本、税額表の変更点、納付期限と納期の特例までを実務目線で整理します。
源泉所得税の基本
源泉所得税は、給与・賞与・退職金のほか、税理士報酬や原稿料などの支払時に、支払者が所得税を天引きして国に納める仕組みです。給与は「扶養控除等申告書」の提出がある人は甲欄、ない人(掛け持ち先など)は乙欄で税額を求めます。徴収した税金は事業主が納付義務を負うため、預り金の管理が重要です。
令和8年分源泉徴収税額表のポイント
国税庁が公表した令和8年分源泉徴収税額表によると、基礎控除58万円・給与所得控除の最低保障65万円を反映して税額が見直され、令和8年1月1日以後に支払う給与から適用されます。具体例として、扶養控除等申告書を提出しているパート従業員の月給が10万円の場合、改正前の税額表では源泉徴収が必要でしたが、令和8年分の月額表では105,000円未満のため税額はゼロになります。給与計算ソフトの税額表更新を必ず確認してください。
納付期限と納期の特例
源泉所得税の納付期限は、原則として給与等を支払った月の翌月10日です。給与の支給人員が常時10人未満の事業者は「納期の特例」を申請でき、1月から6月分を7月10日、7月から12月分を翌年1月20日にまとめて納付できます。資金繰り上は便利ですが、半年分をまとめて払うため納付額が大きくなる点に注意が必要です。
年末調整と改正の関係
毎月の源泉徴収はあくまで概算で、年末調整で精算されます。令和7年分からは基礎控除の見直しや特定親族特別控除の創設が年末調整にも反映されており、令和8年分以後は基礎控除62万円への引上げも控えています。改正の全体像は「基礎控除の引上げと課税最低限178万円」「2026年度税制改正のポイント」をご覧ください。
実務でつまずきやすいポイント
退職金は「退職所得の受給に関する申告書」の有無で源泉徴収の計算が大きく変わります(詳細は「退職所得控除の解説」)。また、個人への外注費でも報酬の種類によっては源泉徴収が必要です。弊事務所ではAIを業務に取り入れており、給与計算の改正チェック項目の洗い出しなどにClaudeを活用したうえで、最終確認は税理士が行う体制にしています。
まとめ
- 令和8年1月以後の給与は「令和8年分源泉徴収税額表」で計算
- 甲欄で税額が出始めるラインは月105,000円に変更
- 納付は翌月10日、10人未満なら納期の特例(7/10・1/20)
- 年末調整で精算、令和7年分以後は改正項目の反映漏れに注意
- 報酬・退職金の源泉徴収も忘れずに
給与計算や源泉所得税の納付管理は、ジェイスタート会計事務所へお気軽にご相談ください。
※本記事は2026年6月時点の法令・情報に基づく一般的な解説であり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の適用にあたっては税理士等の専門家にご相談ください。
