「会計事務所はAIを実際どう使っているのか」——札幌でAI活用の実例を探している経営者・士業の方から、よくいただく関心です。ツールの名前は知っていても、実務のどの作業にどう効くのかはイメージしづらいものです。この記事は、ジェイスタート会計事務所(札幌市・税理士/公認会計士)のAI活用を、使っている道具(Claude・Gemini・Claude Cowork)と場面ごとに、そのまま公開するものです。結論から言うと、当事務所は「読む・書く・整理する」をAIに、「確かめる・判断する・責任を持つ」を人に振り分けており、この分担は業種を問わず再現できます。
使っている道具と使い分け
| 道具 | 主な用途 | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
| Claude | 長文資料の読解、報告書・文書の下書き、論点整理 | 日本語の文章精度と長文の読み落としの少なさ |
| Gemini | スプレッドシート集計、Gmail下書き、検索を絡めた下調べ | Google Workspaceとの一体運用 |
| Claude Cowork | ファイル整理・複数ステップの定型作業をまとめて任せる | 「作業のかたまり」を依頼できるエージェント型 |
※2026年6月12日時点の当事務所の運用。ClaudeとGeminiの細かな使い分けは比較記事、全体の業務マップはClaude活用の保存版で詳述しています。

場面1:月次業務——報告書づくりが半分になる
顧問先の試算表が締まったら、主要科目の変動説明の下書きをClaudeが作り、数値の検証と経営への示唆を有資格者が加えます。スプレッドシートでの集計・グラフの下準備はGeminiの担当です。この型により、月次報告の作成時間は体感で半分以下になり、浮いた時間は面談での「次の打ち手の検討」に回っています。同じ仕組みは顧問先の経理にも展開でき、経理担当者の残業対策(経理担当者向けの記事)として機能します。
場面2:Coworkに「作業のかたまり」を任せる
Claude Coworkは、チャットで1問1答するのではなく、フォルダ内のファイル整理・複数資料からの一覧表づくり・定型レポートの組み立てといった複数ステップの作業をまとめて任せられるのが特徴です。当事務所では、精算書・請求書類の読み取りから仕訳ドラフトの組み立て(中古車業の記事で触れたオークション精算書の処理など)、ブログ・資料の一括整備のような「人がやると半日かかる段取り仕事」に使っています。重要なのは、Coworkでも最終確認は人という原則が変わらないことです。任せる範囲を「下書き・整理まで」と決めているからこそ、安心して大きな作業を渡せます。
場面3:調査・改正対応——下調べの高速化
税制改正(今年なら2026年度改正)の論点整理、顧問先への影響一覧の下書き、研修資料づくりは、AIの読解力が最も効く場面です。ただし税率・期限・要件は必ず国税庁等の一次情報で裏取りし、適用判断は有資格者が行います。「AIの答えをそのまま使わない」運用(危ない回答の見抜き方はこちらの記事)は、事務所として文書化しています。
人が必ず確認する点:運用ルールの公開
当事務所のルールは5つです。①学習に使われないプラン・設定で利用する。②マイナンバー・口座情報等は入力せず、顧問先情報は置換(匿名化)して扱う(士業の守秘義務との整理は専用記事)。③数値・税率・期限を含む出力は一次情報で検証する。④成果物は人が確定し、責任を持つ。⑤どの業務に使ったかを台帳化する。AIの導入を検討する会社・事務所は、この5つをそのまま雛形にしていただいて構いません。
顧問先への展開:自分たちで使っているから設計できる
当事務所のAI導入支援は、ここまで書いた自所の運用をそのまま顧問先サイズに合わせて移植するものです。業務の棚卸し→1業務の型化→機密ルール整備→月次レビューという進め方(90日ロードマップ)で、建設・小売・運送・医療系など業種ごとの型も蓄積しています。机上の研修ではなく「毎日使っている事務所の実装支援」である点が、当事務所の提供価値です。
同じ運用を自社に作りたい方は、お問い合わせからご相談ください。状況を伺ったうえで、対応範囲と概算をご提示します。
よくある質問
AIに任せて品質は落ちませんか?
下書きをAI、確定を人という分担では、品質はむしろ安定します。人の時間が検証と判断に集中するためです。落ちるのは「AIの出力を無検証で使う」運用の場合です。
Coworkはどんな会社に向きますか?
ファイルやデータの「整理・組み立て」が定期的に発生する会社(経理書類・案件資料・報告書づくり等)に向きます。まずはチャット型のClaude/Geminiで型を作り、作業がかたまりになってきたら検討する順番が自然です。
導入にあたり何から相談すればよいですか?
時間を取られている業務を3つ書き出してお持ちください。どれをAIに渡せるか、その場で仕分けからご提案します。お問い合わせフォームで「AI活用の相談」とご連絡ください。料金・契約・業務フローはこちらです。
まとめ
- 当事務所はClaude(読解・文章)・Gemini(表計算・メール)・Cowork(作業のかたまり)を使い分けている
- 「読む・書く・整理する」はAI、「確かめる・判断する・責任を持つ」は人
- 月次報告・精算書処理・改正対応で効果が大きい
- 学習オフ・匿名化・一次情報検証・台帳化の運用ルールを文書化している
- この運用をそのまま顧問先サイズに移植するのが当事務所の導入支援
ジェイスタート会計事務所(札幌市)は、AIを日常実装した税理士・公認会計士事務所として、税務顧問とAI導入支援を一体で提供しています。料金・契約・業務フローをご確認のうえお問い合わせください。
関連記事:Claude活用の全体像【保存版】/士業の守秘義務とAIの実務/ClaudeとGeminiどっちがいい?/会計・税務顧問サービスのご案内
※本記事は2026年6月時点の法令・情報に基づく一般的な解説であり、個別の税務判断を保証するものではありません。実際の適用にあたっては税理士等の専門家にご相談ください。
