金融・保険業の仕訳事例集【設例つき80本】

公開日:2026年7月18日(令和8年度税制改正対応)|収録80本・全仕訳の貸借を検算済み

金融・保険業の経理は、保険料や貸付利息が非課税である一方、代理店手数料や事務手数料は課税売上となるなど、消費税区分の峻別が最大の勘所となる。非課税売上が多いため課税売上割合の管理と仕入税額控除の方式選択が損益に直結する。本ページでは保険代理店・貸金業・リース会社・投資助言業を想定し、売上の計上から決算整理まで80本の仕訳例を設例つきで収録した。 各事例は「設例 → 借方/貸方の仕訳表 → 実務メモ」の順で、タップすると開きます。

売上・入金

新規契約の代理店手数料

設例:生命保険の新規契約が成立し、保険会社から初年度の代理店手数料(消費税込み)330,000円が普通預金口座に入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金330,000代理店手数料収入300,000
仮受消費税等30,000
合計330,000合計330,000

契約者が保険会社へ支払う保険料は非課税だが、代理店が受け取る手数料は募集という役務提供の対価であり課税売上となる点を混同しないようにする。

継続手数料の入金

設例:既契約の保険料収納と契約保全の役務に対し、保険会社から当月分の継続手数料(消費税込み)88,000円が普通預金口座に入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金88,000代理店手数料収入80,000
仮受消費税等8,000
合計88,000合計88,000

継続手数料も新規手数料と同様に課税売上となる。手数料明細の対象月と入金月がずれるため、計上時期を明細基準で統一する。

ボーナス手数料の受取

設例:上半期の挙績が保険会社の定める基準を超えたため、ボーナス手数料(消費税込み)220,000円が普通預金口座に入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金220,000代理店手数料収入200,000
仮受消費税等20,000
合計220,000合計220,000

挙績連動のボーナス手数料も募集役務の対価に含まれ課税売上となる。通常手数料と補助科目で区分すると収益分析に役立つ。

損保代理店手数料の入金

設例:自動車保険や火災保険の募集に係る当月分の損保代理店手数料(消費税込み)165,000円が保険会社から普通預金口座に入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金165,000代理店手数料収入150,000
仮受消費税等15,000
合計165,000合計165,000

損害保険の代理店手数料も生命保険と同様に課税売上となる。保険会社ごとの手数料明細と入金額の一致を毎月確認する。

少額短期保険の手数料

設例:少額短期保険の募集委託契約に基づき、当月分の代理店手数料(消費税込み)33,000円が少額短期保険業者から普通預金口座に入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金33,000代理店手数料収入30,000
仮受消費税等3,000
合計33,000合計33,000

少額短期保険や共済の代理店手数料も募集役務の対価である点は変わらず、通常の保険と同様に課税売上として処理する。

債権譲受差益の実現

設例:額面500,000円の売掛債権を480,000円で譲り受けており、支払期日に全額が普通預金口座へ回収されたため差益を収益計上した。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金500,000買取債権480,000
債権譲受差益20,000
合計500,000合計500,000

金銭債権の譲受けによる差益は非課税売上となり、課税売上割合の分母に算入する。買取額と回収額の差額を回収時に収益とする。

預り保険料の受領

設例:契約者から初回保険料120,000円を集金し、いったん代理店の普通預金口座に入金した。保険会社へ送金するまで預り金として処理する。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金120,000預り金120,000

契約者から収受する保険料は保険会社に帰属する金銭であり、代理店の売上ではなく預り金(不課税)として区分管理する。

預り保険料の送金

設例:前月に契約者から集金し預り金に計上していた保険料350,000円を、保険会社の指定口座へ普通預金から送金した。

借方科目金額貸方科目金額
預り金350,000普通預金350,000

預り保険料の送金は預り金の取崩しであり損益に影響させない。契約者ごとの預り残高を保険会社の精算書と突合して照合する。

相殺精算による手数料

設例:保険会社との精算により、預り保険料440,000円から当月の代理店手数料(消費税込み)110,000円を差し引いた330,000円を普通預金から送金した。

借方科目金額貸方科目金額
預り金440,000代理店手数料収入100,000
仮受消費税等10,000
普通預金330,000
合計440,000合計440,000

相殺精算でも手数料は総額で課税売上に計上し、預り金の取崩しと区分する。精算書の控除内訳を保存し消費税区分の根拠とする。

解約による手数料戻入

設例:保険契約の早期解約により初年度手数料の一部返還が確定し、戻入額(消費税込み)66,000円を普通預金から保険会社へ返金した。

借方科目金額貸方科目金額
代理店手数料収入60,000普通預金66,000
仮受消費税等6,000
合計66,000合計66,000

手数料の戻入は課税売上に係る対価の返還であり、仮受消費税等も併せて減額する。売上の値引・返品と同様の取扱いとなる。

戻入相殺後の手数料入金

設例:当月の代理店手数料(消費税込み)132,000円から解約戻入分(消費税込み)11,000円が相殺され、差額121,000円が普通預金口座に入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金121,000代理店手数料収入120,000
代理店手数料収入10,000仮受消費税等12,000
仮受消費税等1,000
合計132,000合計132,000

相殺後の入金額でも帳簿では手数料の発生と戻入を総額で両建て計上し、保険会社の手数料明細との対応関係を残しておく。

共同募集手数料の分配

設例:他の代理店と共同で募集した契約について、幹事代理店から当店の分担割合に応じた手数料(消費税込み)77,000円が普通預金口座に入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金77,000代理店手数料収入70,000
仮受消費税等7,000
合計77,000合計77,000

共同募集に係る手数料の分配も募集役務の対価として課税売上となる。分担割合は共同募集契約書で定め精算書を保存する。

貸付金の実行

設例:顧客と金銭消費貸借契約を締結し、貸付金1,000,000円から契約事務手数料(消費税込み)16,500円を差し引いた983,500円を普通預金から交付した。

借方科目金額貸方科目金額
貸付金1,000,000普通預金983,500
受取手数料15,000
仮受消費税等1,500
合計1,000,000合計1,000,000

貸付金の元本は資産計上する。控除した契約事務手数料は金銭の貸付けとは別個の役務提供の対価であり課税売上となる。

貸付利息の入金

設例:貸付先から当月分の約定利息45,000円が、元本の返済とは別に普通預金口座に入金された。貸付残高に約定利率を乗じて計算している。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金45,000受取利息45,000

貸金業者の受取利息は利子を対価とする金銭の貸付けとして非課税売上となり、課税売上割合の分母に算入する。

遅延損害金の受取

設例:貸付先の返済遅延に伴い、契約に基づく遅延損害金12,000円が普通預金口座に入金された。遅延利率は金銭消費貸借契約書で定めている。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金12,000受取利息12,000

金銭債務の履行遅滞に伴う遅延損害金は、名目が損害金でも利息に相当するものとして非課税売上となり、課税売上割合の分母に算入する。

期限前完済の清算

設例:貸付先が期限前に全額を繰上返済し、元本残高750,000円と経過利息6,000円、逸失利息相当の清算金15,000円の合計771,000円が普通預金口座に入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金771,000貸付金750,000
受取利息21,000
合計771,000合計771,000

期限前完済で収受する清算金のうち逸失利息の補償に相当する部分は非課税となり、事務手数料の性格を持つ部分は課税売上として区分する。

オペレーティングリース料収入

設例:建設機械のオペレーティング・リース契約に基づき、当月分のリース料(消費税込み)275,000円が借手から普通預金口座に入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金275,000リース料収入250,000
仮受消費税等25,000
合計275,000合計275,000

オペレーティング・リースは資産の賃貸借であり、リース料収入は課税売上となる。ファイナンス・リースのような利息相当額の非課税区分は生じない。

ファイナンスリースの売買処理

設例:取得価額2,700,000円(税抜)の業務用複合機を掛けで仕入れ、同時に所有権移転外ファイナンス・リースで顧客に引き渡した。リース料総額3,600,000円のうち利息相当額300,000円は契約で明示区分している。

借方科目金額貸方科目金額
リース投資資産3,600,000売上高3,000,000
売上原価2,700,000仮受消費税等300,000
仮払消費税等270,000長期前受収益300,000
買掛金2,970,000
合計6,570,000合計6,570,000

貸手のファイナンス・リースは売買処理となり、契約で明示区分した利息相当額は非課税売上、物件部分は引渡時の課税売上となる。利息相当額はリース期間にわたり収益化する。

再リース料の入金

設例:リース期間が満了した事務機器について1年間の再リース契約を締結し、年額再リース料(消費税込み)79,200円が普通預金口座に入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金79,200リース料収入72,000
仮受消費税等7,200
合計79,200合計79,200

再リースは通常賃貸借として処理され、再リース料は課税売上となる。当初リースの売買処理と取扱いが変わるため契約満了時に区分を確認する。

投資助言報酬の入金

設例:投資顧問契約に基づく当月分の投資助言報酬(消費税込み)550,000円が顧客から普通預金口座に入金された。報酬は契約資産残高に料率を乗じて算定している。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金550,000投資顧問料収入500,000
仮受消費税等50,000
合計550,000合計550,000

投資助言・代理業の助言報酬は役務提供の対価として課税売上となる。有価証券の譲渡による非課税売上とは区分して消費税を管理する。

M&A成功報酬の入金

設例:M&A仲介契約が成約し、譲渡側企業からアドバイザリーの成功報酬(消費税込み)3,300,000円が普通預金口座に入金された。着手金は受領していない。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金3,300,000仲介手数料収入3,000,000
仮受消費税等300,000
合計3,300,000合計3,300,000

M&A仲介・FAの報酬は課税売上となる。対象が株式譲渡という非課税取引でも、仲介という役務提供の対価である以上は課税となる点を誤らない。

有価証券の売却

設例:資金運用のため保有していた上場株式(帳簿価額3,650,000円)を証券会社を通じて4,000,000円で売却し、代金が普通預金口座に入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金4,000,000投資有価証券3,650,000
投資有価証券売却益350,000
合計4,000,000合計4,000,000

株式の譲渡は非課税売上であり、課税売上割合の計算では売却益ではなく譲渡対価の5%相当額を分母に算入する点に注意する。

受取配当金の入金

設例:保有する上場株式の期末配当について、配当金100,000円から所得税等15,315円が源泉徴収され、差引84,685円が普通預金口座に入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金84,685受取配当金100,000
法人税等15,315
合計100,000合計100,000

配当金は資産の譲渡等の対価に該当せず不課税で、課税売上割合の計算にも含めない。源泉徴収された所得税等は法人税の申告で税額控除の対象となる。

公社債利子の受取

設例:保有する利付社債の利払日が到来し、利子60,000円から所得税等9,189円が源泉徴収され、差引50,811円が普通預金口座に入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金50,811有価証券利息60,000
法人税等9,189
合計60,000合計60,000

公社債の利子は非課税売上として課税売上割合の分母に全額を算入する。不課税で割合計算に含めない株式配当と区分を誤らないようにする。

受取手形の割引

設例:取引先が持ち込んだ額面2,000,000円の約束手形を、割引料24,000円を差し引いた1,976,000円で買い取り、普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
受取手形2,000,000普通預金1,976,000
受取利息24,000
合計2,000,000合計2,000,000

手形の割引は金銭債権の譲受けに該当し、割引料は非課税売上として課税売上割合の分母に算入する。期間未経過分は前受処理を検討する。

保証料収入の受取

設例:提携金融機関が実行した顧客ローンの保証を引き受け、契約者から保証期間1年分の保証料90,000円が普通預金口座に入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金90,000保証料収入90,000

信用の保証としての役務の提供は非課税であり、保証料収入は課税売上割合の分母に算入する。保証期間が翌期に及ぶ分は前受処理を検討する。

保険金の受取

設例:営業用車両が物損事故に遭い、加入していた自動車保険の車両保険金400,000円が保険会社から普通預金口座に入金された。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金400,000雑収入400,000

保険金の受取りは資産の譲渡等の対価に該当せず不課税で、課税売上割合の計算にも含めない。車両の修理費は通常どおり課税仕入として控除できる。

有料相談料の受取

設例:保険募集を伴わない有料のライフプラン相談を実施し、相談料(消費税込み)5,500円を顧客から現金で受け取った。

借方科目金額貸方科目金額
現金5,500受取手数料5,000
仮受消費税等500
合計5,500合計5,500

顧客から直接収受する相談料やコンサルティング料は課税売上となる。非課税の保険料や不課税の保険金と区分し、無料相談との線引きも明確にする。

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経費・業種特有

外交員報酬の支払

設例:雇用関係のない募集人に当月の外交員報酬(消費税込み)385,000円を支払い、源泉所得税23,483円を差し引いた361,517円を普通預金から振り込んだ。

借方科目金額貸方科目金額
外交員報酬350,000普通預金361,517
仮払消費税等35,000預り金23,483
合計385,000合計385,000

給与の支払がない外交員報酬の源泉徴収は、その月の税抜報酬から120,000円を控除した残額に10.21%を乗じて計算する。報酬は課税仕入となる。

免税事業者の募集人報酬

設例:適格請求書発行事業者でない募集人に外交員報酬176,000円を支払い、源泉所得税5,717円を差し引いた170,283円を普通預金から振り込んだ。

借方科目金額貸方科目金額
外交員報酬163,200普通預金170,283
仮払消費税等12,800預り金5,717
合計176,000合計176,000

免税事業者等からの課税仕入は2026年9月30日までは消費税相当額の80%を控除でき、同年10月1日以後は50%となる。控除できない部分は報酬額に上乗せして処理する。

募集人試験の受験料

設例:新たに採用した募集人4名分の生命保険一般課程試験の受験料(消費税込み)8,800円を、申込時に現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
研修費8,000現金8,800
仮払消費税等800
合計8,800合計8,800

業界団体が実施する資格試験の受験料は役務提供の対価として課税仕入となる。国等に納める登録免許税や行政手数料の非課税・不課税と区分する。

継続教育の受講料

設例:募集人の継続教育のため、業界の教育プログラムのオンライン講座受講料(消費税込み)16,500円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
研修費15,000普通預金16,500
仮払消費税等1,500
合計16,500合計16,500

募集人資格の維持に必要な継続教育の受講料は課税仕入となる。教材費や更新時の試験料も同様に処理し、対象者ごとに履歴を管理する。

代理店システム利用料

設例:契約管理や手数料明細の照会に利用する代理店システムの月額利用料(消費税込み)27,500円が普通預金口座から引き落とされた。

借方科目金額貸方科目金額
支払手数料25,000普通預金27,500
仮払消費税等2,500
合計27,500合計27,500

代理店システムやクラウドサービスの利用料は課税仕入となる。国外事業者への支払は事業者向け電気通信利用役務としてリバースチャージの検討を要する。

信用情報機関の照会料

設例:貸付審査に伴う指定信用情報機関への信用情報の照会料として、当月分(消費税込み)4,400円が普通預金口座から引き落とされた。

借方科目金額貸方科目金額
支払手数料4,000普通預金4,400
仮払消費税等400
合計4,400合計4,400

信用情報機関への照会料は課税仕入となる。貸金業法の返済能力調査に係る記録と件数を毎月の請求明細で確認して保存する。

サービサーへの回収委託

設例:債権回収会社に回収を委託していた延滞債権について、回収額264,000円から委託手数料(消費税込み)33,000円を差し引いた231,000円が普通預金口座に入金された。回収額は元本に充当した。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金231,000貸付金264,000
支払手数料30,000
仮払消費税等3,000
合計264,000合計264,000

債権回収会社への委託手数料は課税仕入となる。回収額と手数料は相殺後の純額ではなく総額で計上し、元本と利息の充当内訳を精算書で確認する。

弁護士への着手金支払

設例:回収困難な貸付金の法的回収を個人の弁護士に委任し、着手金(消費税込み)110,000円から源泉所得税10,210円を差し引いた99,790円を普通預金から振り込んだ。

借方科目金額貸方科目金額
支払報酬100,000普通預金99,790
仮払消費税等10,000預り金10,210
合計110,000合計110,000

個人の弁護士に支払う報酬は10.21%の源泉徴収の対象で課税仕入となる。弁護士法人への支払は源泉徴収が不要となる点で取扱いが異なる。

顧客紹介料の支払

設例:提携する設備販売会社からリース契約の見込客の紹介を受け、成約に伴う紹介料(消費税込み)44,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
支払手数料40,000普通預金44,000
仮払消費税等4,000
合計44,000合計44,000

事業者に支払う顧客紹介料は情報提供という役務の対価であり課税仕入となる。契約書で紹介の範囲と料率を定め、支払根拠を明確にしておく。

研修講師への謝金

設例:全社コンプライアンス研修の講師を外部の専門家(個人)に依頼し、講師料(消費税込み)99,000円から源泉所得税9,189円を差し引いた89,811円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
研修費90,000普通預金89,811
仮払消費税等9,000預り金9,189
合計99,000合計99,000

個人講師への講演料は10.21%の源泉徴収の対象で、報酬は課税仕入となる。保険募集や貸金業務の法定研修に充てる場合も取扱いは同じである。

代理店賠償責任保険料

設例:保険募集業務の事故に備える代理店賠償責任保険の年間保険料84,000円を、更改に合わせて普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
保険料84,000普通預金84,000

損害保険の保険料は非課税であり仕入税額控除の対象とならない。保険期間が翌期に及ぶ部分は前払費用として期間配分する。

業界団体の年会費

設例:所属する代理店業協会の年会費48,000円が普通預金口座から引き落とされた。会費に対する個別の役務提供はない。

借方科目金額貸方科目金額
諸会費48,000普通預金48,000

業界団体の通常会費は対価性がなく不課税で、仕入税額控除の対象外となる。研修会参加費など対価性のある支払は課税仕入として区分する。

リスティング広告費

設例:保険相談の集客のため出稿したリスティング広告について、当月分の広告費(消費税込み)198,000円が普通預金口座から引き落とされた。

借方科目金額貸方科目金額
広告宣伝費180,000普通預金198,000
仮払消費税等18,000
合計198,000合計198,000

ウェブ広告や比較サイトへの掲載料は課税仕入となる。国外の広告事業者に支払う場合はリバースチャージ方式の対象か確認する。

反社チェックツール利用料

設例:契約者の反社会的勢力該当性を確認するチェックツールの月額利用料(消費税込み)9,900円が普通預金口座から引き落とされた。

借方科目金額貸方科目金額
支払手数料9,000普通預金9,900
仮払消費税等900
合計9,900合計9,900

反社チェックや本人確認ツールの利用料は課税仕入となる。監督指針で求められる態勢整備の費用として継続的に発生する。

電子契約システム利用料

設例:金銭消費貸借契約の電子化に利用する電子契約システムの月額利用料(消費税込み)14,300円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
支払手数料13,000普通預金14,300
仮払消費税等1,300
合計14,300合計14,300

電子契約システムの利用料は課税仕入となる。電子契約では印紙税が課されないため、書面契約の印紙税と比較したコスト管理にも役立つ。

貸付金の貸倒損失

設例:貸付先の破産手続が終結し配当がないことが確定したため、貸付金残高700,000円の全額を貸倒損失として処理した。

借方科目金額貸方科目金額
貸倒損失700,000貸付金700,000

貸付金は課税取引の対価に係る債権ではないため、貸倒れに係る消費税額の控除の対象とならない。損金算入は法人税の貸倒要件で判定する。

借入金利息の支払

設例:貸付原資として調達した銀行借入について、当月分の支払利息35,000円が元本返済とは別に普通預金口座から引き落とされた。

借方科目金額貸方科目金額
支払利息35,000普通預金35,000

借入金の支払利息は非課税であり仕入税額控除の対象とならない。貸金業では調達金利と貸付金利の利ざやを補助科目で管理すると分析しやすい。

信用保証料の支払

設例:運転資金の借入れに際し、信用保証協会に保証期間1年分の信用保証料72,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
支払保証料72,000普通預金72,000

信用の保証料は非課税であり仕入税額控除の対象とならない。保証期間が翌期以降に及ぶ場合は前払費用として期間配分する。

契約書の印紙購入

設例:金銭消費貸借契約書に貼付する収入印紙20,000円2枚(合計40,000円)を郵便局で購入し、現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
租税公課40,000現金40,000

印紙税は租税であり消費税は不課税となる。金銭消費貸借契約書は記載金額に応じた印紙税額となるため、貼付漏れと過誤貼付の双方に留意する。

登記事項証明書の取得

設例:担保候補の不動産を調査するため、法務局で登記事項証明書3通の交付を受け、手数料1,800円を現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
租税公課1,800現金1,800

登記事項証明書の交付手数料など国等の行政手数料は非課税であり、仕入税額控除の対象とならない。担保評価の資料として取得記録を保存する。

保証債務の代位弁済

設例:保証を引き受けていたローンの主債務者が延滞したため、債権者である金融機関に800,000円を普通預金から代位弁済した。

借方科目金額貸方科目金額
求償権800,000普通預金800,000

代位弁済額は主債務者に対する求償権として資産計上する。弁済自体は資産の譲渡等に該当せず不課税で、回収不能となれば貸倒処理を検討する。

振込手数料の支払

設例:貸付金の交付や保険会社への送金に係る当月分の振込手数料(消費税込み)6,600円が普通預金口座から引き落とされた。

借方科目金額貸方科目金額
支払手数料6,000普通預金6,600
仮払消費税等600
合計6,600合計6,600

金融機関に支払う利息や保証料は非課税だが、振込手数料は役務提供の対価として課税仕入となる。非課税取引の多い業種ほど区分を誤りやすい。

口座振替手数料の支払

設例:貸付金の約定返済に利用する収納代行会社の口座振替手数料として、1件110円、230件分(消費税込み)25,300円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
支払手数料23,000普通預金25,300
仮払消費税等2,300
合計25,300合計25,300

収納代行や口座振替サービスの手数料は課税仕入となる。件数連動の従量料金は請求明細と回収件数を突合して計上する。

事務所家賃の支払

設例:店舗兼事務所の翌月分家賃(消費税込み)154,000円を、賃貸借契約の定めに基づき当月末に普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
地代家賃140,000普通預金154,000
仮払消費税等14,000
合計154,000合計154,000

事務所など事業用建物の賃料は課税仕入となる。非課税となる住宅の貸付けと異なるため、契約書の用途区分を確認して処理する。

募集資料の印刷費

設例:来店客に配布する保険商品の募集資料と意向把握帳票の印刷代(消費税込み)49,500円を、印刷会社に普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
広告宣伝費45,000普通預金49,500
仮払消費税等4,500
合計49,500合計49,500

募集用パンフレットや帳票の印刷費は課税仕入となる。保険会社から無償支給を受ける資材は取引がないため仕訳不要であり、混同しない。

企業信用調査の調査料

設例:法人向け貸付の与信判断のため、調査会社に取引先1社の企業信用調査を依頼し、調査料(消費税込み)13,200円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
支払手数料12,000普通預金13,200
仮払消費税等1,200
合計13,200合計13,200

企業信用調査の調査料は課税仕入となる。個人信用情報機関への照会料とあわせ、与信管理費用として案件別に集計すると採算管理に役立つ。

郵便切手の購入

設例:督促状や契約関係書類の発送用に110円切手100枚(合計11,000円)を郵便局で購入し、現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
通信費10,000現金11,000
仮払消費税等1,000
合計11,000合計11,000

郵便切手は使用時に課税仕入となるのが原則だが、継続適用を要件に購入時の課税仕入処理が認められる。未使用分は期末に貯蔵品へ振り替える。

担保不動産の鑑定料

設例:担保として取得予定の不動産について鑑定機関に評価を依頼し、鑑定評価料(消費税込み)308,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
支払手数料280,000普通預金308,000
仮払消費税等28,000
合計308,000合計308,000

担保不動産の鑑定評価料は課税仕入となる。個人の不動産鑑定士に支払う場合は10.21%の源泉徴収の対象となる点に注意する。

セミナー会場費の支払

設例:顧客向け資産形成セミナーを開催し、貸会議室の利用料(消費税込み)38,500円を利用当日に現金で支払った。

借方科目金額貸方科目金額
会議費35,000現金38,500
仮払消費税等3,500
合計38,500合計38,500

貸会議室の利用料は施設の利用に伴う役務提供として課税仕入となる。土地の貸付けの非課税とは異なる取扱いになる。

事務員給与の支給

設例:内勤事務員の当月給与300,000円について、社会保険料44,070円、源泉所得税6,750円、住民税12,000円を控除した237,180円を普通預金から支給した。

借方科目金額貸方科目金額
給与手当300,000普通預金237,180
預り金62,820
合計300,000合計300,000

給与は不課税であり仕入税額控除の対象とならない。事業所得となる外交員報酬とは契約実態で区分し、源泉徴収の方法の違いにも留意する。

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設備・資産・保険

営業保証金の供託

設例:投資助言・代理業の登録に当たり、営業保証金5,000,000円を本店最寄りの供託所に供託し、普通預金から払い込んだ。

借方科目金額貸方科目金額
供託金5,000,000普通預金5,000,000

営業保証金の供託は資産(供託金)として計上し、消費税は不課税となる。廃業等による取戻しまで長期間拘束される資金として管理する。

事務所敷金の差入

設例:新事務所の賃貸借契約を締結し、退去時に返還される敷金480,000円を貸主に普通預金から差し入れた。

借方科目金額貸方科目金額
差入保証金480,000普通預金480,000

返還される敷金は差入保証金として資産計上し、不課税となる。契約で償却が定められた部分は返還されないため、別途課税仕入等の判定を行う。

礼金・仲介手数料の支払

設例:事務所の賃貸借契約に伴い、礼金(消費税込み)176,000円と仲介手数料(消費税込み)110,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
地代家賃160,000普通預金286,000
支払手数料100,000
仮払消費税等26,000
合計286,000合計286,000

事業用物件の礼金や仲介手数料は課税仕入となる。税抜200,000円以上の礼金は繰延資産として償却が必要になるため金額区分に注意する。

業務システムの開発費

設例:顧客管理と契約更改管理を行う自社利用の業務システムの開発を外部に委託し、完成引渡し時に開発費(消費税込み)1,650,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
ソフトウェア1,500,000普通預金1,650,000
仮払消費税等150,000
合計1,650,000合計1,650,000

自社利用のソフトウェアは無形固定資産に計上し5年で償却する。開発委託費は課税仕入となり、個別対応方式では用途区分の判定も必要になる。

有価証券の取得

設例:余裕資金の運用のため上場株式を2,000,000円で購入し、委託手数料(消費税込み)11,000円とあわせた2,011,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
投資有価証券2,010,000普通預金2,011,000
仮払消費税等1,000
合計2,011,000合計2,011,000

委託手数料は課税仕入だが、個別対応方式では非課税売上(有価証券譲渡)対応として控除できない場合がある。取得価額には税抜手数料を算入する。

信用金庫への出資

設例:取引を開始した信用金庫の会員となるため、出資金50,000円を普通預金から払い込んだ。出資証券の交付を受けている。

借方科目金額貸方科目金額
出資金50,000普通預金50,000

協同組織金融機関への出資は出資金として資産計上し、不課税となる。受け取る出資配当金も不課税で、課税売上割合の計算に影響しない。

営業車両の購入

設例:募集人の顧客訪問用に軽自動車を購入し、車両本体と付属品の代金(消費税込み)1,320,000円をディーラーに普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
車両運搬具1,200,000普通預金1,320,000
仮払消費税等120,000
合計1,320,000合計1,320,000

車両本体や付属品は課税仕入となる一方、取得時の自動車税環境性能割や検査登録の法定費用は不課税・非課税のため請求書内で区分する。

複合機リース料の支払

設例:事務所の複合機について所有権移転外ファイナンス・リース契約を締結しており、月額リース料(消費税込み)22,000円が普通預金口座から引き落とされた。

借方科目金額貸方科目金額
リース料20,000普通預金22,000
仮払消費税等2,000
合計22,000合計22,000

中小企業は所有権移転外ファイナンス・リースを賃貸借処理できる。仕入税額控除は引渡時の一括控除が原則だが、支払時の分割控除も継続適用で認められる。

火災保険料の支払

設例:事務所の什器と備品を対象とする火災保険の年間保険料36,000円を、契約更改時に保険会社へ普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
保険料36,000普通預金36,000

火災保険など損害保険の保険料は非課税であり仕入税額控除の対象とならない。代理店の自社契約でも取扱いは顧客契約と同じである。

事務所の内装工事

設例:来店型店舗に相談ブースを設置する内装工事が完成し、工事代金(消費税込み)2,750,000円を施工業者に普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
建物附属設備2,500,000普通預金2,750,000
仮払消費税等250,000
合計2,750,000合計2,750,000

賃借建物の内部造作は建物附属設備等に計上し、耐用年数にわたり償却する。工事代金は課税仕入となり、敷金・保証金の不課税と区分する。

電飾看板の設置

設例:店舗前に自立式の電飾看板を設置し、製作費と設置工事費の合計(消費税込み)363,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
構築物330,000普通預金363,000
仮払消費税等33,000
合計363,000合計363,000

自立式の看板は構築物、建物に取り付ける袖看板は建物附属設備として計上する。製作費・設置費とも課税仕入となり取得価額に含める。

ノートパソコンの購入

設例:募集人用のノートパソコン1台を購入し、代金(消費税込み)187,000円を家電量販店に普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
消耗品費170,000普通預金187,000
仮払消費税等17,000
合計187,000合計187,000

中小企業者等の少額減価償却資産の特例により、取得価額300,000円未満は年合計3,000,000円を限度に全額損金算入できる。明細書の添付が要件となる。

耐火金庫の購入

設例:契約書や担保関係書類の保管用に耐火金庫を購入し、代金(消費税込み)352,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
器具備品320,000普通預金352,000
仮払消費税等32,000
合計352,000合計352,000

取得価額が税抜300,000円以上のため器具備品に計上し減価償却する。購入代金は課税仕入となり、書類の保管態勢の整備は監督上も重要となる。

営業権の譲受け

設例:廃業する同業代理店から保険契約の管理・更改に係る権利を譲り受け、対価(消費税込み)1,100,000円を普通預金から支払った。

借方科目金額貸方科目金額
営業権1,000,000普通預金1,100,000
仮払消費税等100,000
合計1,100,000合計1,100,000

顧客契約の管理・更改権の譲受対価は営業権として無形固定資産に計上し、税務上は5年で償却する。事業譲受けに伴う対価は課税仕入となる。

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決算・税務・その他

未収手数料の計上

設例:決算に当たり、3月分の代理店手数料(消費税込み)209,000円が翌期入金となるため未収計上した。手数料明細で役務提供の完了を確認している。

借方科目金額貸方科目金額
未収入金209,000代理店手数料収入190,000
仮受消費税等19,000
合計209,000合計209,000

代理店手数料は入金時ではなく役務提供完了時の課税売上となる。期末は保険会社の手数料明細と入金サイクルを照合し、未収分を漏れなく計上する。

前受利息の期末整理

設例:アドオン方式で貸付時に収受していた利息のうち、翌期対応分19,000円を決算で前受収益に振り替えた。

借方科目金額貸方科目金額
受取利息19,000前受収益19,000

受取利息は貸付期間の経過に応じて計上し、翌期対応分は前受収益とする。非課税売上の集計時期も同じ基準で継続して行う。

未収利息の計上

設例:決算に当たり、貸付金の当期経過分の利息38,000円を未収計上した。約定の支払期日は翌期初に到来する。

借方科目金額貸方科目金額
未収収益38,000受取利息38,000

経過利息は未収収益として発生基準で計上する。支払を催告しても回収できない停滞債権の利息は、計上を要しない法人税の取扱いを検討する。

個別対応方式の適用

設例:当期の課税売上割合が55%となったため個別対応方式を採用し、経費に係る仮払消費税等のうち控除できない180,000円を租税公課に振り替えた。

借方科目金額貸方科目金額
租税公課180,000仮払消費税等180,000

非課税売上の多い金融・保険業は課税売上割合95%以上の全額控除を使えないことが多い。個別対応方式と一括比例配分方式の有利判定を毎期行う。

繰延消費税額等の計上

設例:課税売上割合が80%未満のため、当期取得資産に係る控除対象外消費税額等600,000円を繰延消費税額等に計上し、当期分60,000円を償却した。

借方科目金額貸方科目金額
繰延消費税額等600,000仮払消費税等600,000
租税公課60,000繰延消費税額等60,000
合計660,000合計660,000

課税売上割合80%未満で一の資産に係る控除対象外消費税額等が200,000円以上の場合は繰延消費税額等とし、60か月で損金算入する。初年度は2分の1となる。

個別評価の貸倒引当金

設例:貸付先に破産手続開始の申立てがあったため、貸付金1,200,000円から担保の処分見込額560,000円を控除した残額の50%相当320,000円を貸倒引当金に繰り入れた。

借方科目金額貸方科目金額
貸倒引当金繰入額320,000貸倒引当金320,000

引当金の繰入れは消費税の対象外となる。破産手続開始の申立て等の事由では、担保・保証による回収見込額を控除した残額の50%を限度に損金算入できる。

簡易課税の消費税精算

設例:簡易課税を選択しており、期末に仮受消費税等500,000円と仮払消費税等320,000円を精算し、納付税額250,000円を未払消費税等に計上した。

借方科目金額貸方科目金額
仮受消費税等500,000仮払消費税等320,000
雑損失70,000未払消費税等250,000
合計570,000合計570,000

金融業・保険業は簡易課税の第五種事業に区分され、みなし仕入率は50%となる。税抜経理での精算差額は雑収入または雑損失で処理する。

源泉所得税の納付

設例:前月に募集人2名の外交員報酬から徴収した源泉所得税29,200円を、納付書を添えて翌月10日に普通預金から納付した。

借方科目金額貸方科目金額
預り金29,200普通預金29,200

外交員報酬の源泉所得税は徴収した月の翌月10日が納期限となる。納期の特例の対象は給与や士業報酬等であり、外交員報酬には適用されない。

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出典・参考情報(公的機関)

本ページは一般的な情報提供を目的とするものであり、個別の税務判断を行うものではありません。金額・取引はすべて設例(モデルケース)です。税制・法令は改正される場合があります(令和8年度税制改正を反映し、2026年7月に作成・最終更新)。実際の処理は顧問税理士など専門家へご確認ください。