11月決算法人の申告期限と決算対策|年末年始をまたぐスケジュール

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11月決算法人の申告期限は、原則として決算日の翌日から2か月後の1月31日です。年末年始の休みと、1月末の法定調書・給与支払報告書・償却資産申告が重なるため、節税策は11月30日までに実行し、決算整理は12月前半までに大半を終えるのが段取りの基本です。

執筆:ジェイスタート会計事務所 編集部(札幌の公認会計士・税理士事務所)2026年10月時点の法令に基づき作成

この記事の結論

11月決算法人の申告・納付期限は翌年1月31日(休日なら翌平日)です。節税策は11月30日まで、決算整理は12月前半までと、2段階で前倒しするのが要点です。

  • 2026年11月期は1月31日が日曜日のため、期限は2027年2月1日(月)
  • 12月に支払った経費は原則として翌期の経費。駆け込みは11月30日まで
  • 1月は年末調整の精算、法定調書、償却資産申告と法人の申告が重なる
  • 2026年11月期は2割特例を使える最後の課税期間。翌期の消費税の計算方法を決めておく
  • 防衛特別法人税は2027年11月期から対象で、税額が0でも申告が必要
目次

11月決算法人の申告・納付期限はいつ?

法人税・地方法人税、法人道民税・法人事業税・法人市民税、消費税の申告と納付は、いずれも事業年度終了の日の翌日から2か月以内が期限です。11月30日決算なら1月31日が期限で、土日祝日に当たる年は翌平日にずれます。

1月31日申告・納付期限(原則)
11月30日節税策を実行し終える日
12月前半決算整理の大半を終える目安
税目・手続き期限の原則2026年11月期の場合
法人税・地方法人税決算日の翌日から2か月以内(1月31日)2027年2月1日(月)
法人道民税・法人事業税・法人市民税法人税と同じ2027年2月1日(月)
消費税・地方消費税法人税と同じ(届出により1か月延長できる場合あり)2027年2月1日(月)
申告期限の延長特例原則1か月延長。延長期間に納める税金には利子税がかかる見込み額を2027年2月1日(月)までに納付するのが一般的
2026年10月時点の法令に基づく。2026年11月期(2025年12月1日〜2026年11月30日)は1月31日が日曜日のため翌平日が期限

延長特例を受けていても、納税は1月末が目安

定款の定めや会計監査などの理由で、決算日の翌日から2か月以内に定時株主総会を開けない状態にある法人は、申告期限の延長特例を受けられます。ただし延長されるのは主に申告書の提出で、本来の期限より後に納める税金には、延長した期間に応じて利子税がかかります。

そのため延長特例を受けていても、1月末(休日なら翌平日)までに見込み額を納付し、申告書は延長後の期限までに仕上げるのが一般的です。納税資金を1月中に用意するという前提は変わりません。

中間申告は7月末が期限

前期の法人税額が一定額を超える法人は、期首から6か月(12月〜5月)について中間申告をします。期限は6か月を経過した日から2か月以内で、11月決算法人は7月31日(休日なら翌平日)です。前期の法人税額の6か月分を納める予定申告と、仮決算による中間申告のどちらかを選べます。

消費税は、直前の課税期間の確定消費税額(国税分)が48万円を超えると年1回、400万円を超えると年3回、4,800万円を超えると年11回の中間申告が必要です。年3回の場合、11月決算法人の期限は4月末・7月末・10月末になります。

9月から1月までの決算スケジュール:いつ何をする?

11月決算の最大の特徴は、決算日のすぐ後に年末年始が入ることです。年末から年明けにかけては取引先も金融機関も止まり、請求書が年明けに届く、残高証明書の発行が遅れるなど、資料集めはカレンダーの見た目以上に時間がかかります。

時期やることポイント
9月8月までの試算表で今期の利益の着地を見込む対策の候補と納税額の目安をつかむ
10月対策を決め、設備の発注や必要な手続きを始める納期や計画の認定など、時間のかかるものから着手
11月対策の実行を終え、11月30日に実地棚卸と現金の実査を行う決算賞与は支給額を11月30日までに各人へ通知
12月前半決算整理の大半を終え、未着の請求書をリスト化する残高証明書や取引先への残高確認はこの時期までに依頼
12月後半年末調整、決算賞与の支払い、税額の概算納税資金の借入は年内に金融機関へ相談
1月決算の確定、定時株主総会での承認、申告と納付法定調書・償却資産申告と並行して進める
2月末新しい期の役員報酬の改定期限(定期同額給与)期首の12月1日から3か月以内
11月30日決算の法人の段取りの目安

勝負は12月前半です。ここで決算整理の8割を終えておけば、年明けは未着資料の反映と申告書の仕上げに集中できます。逆に12月を年末の業務で流してしまうと、1月にすべてが押し寄せます。

法人税の申告は、株主総会で承認を受けた決算に基づいて行います。1月中に定時株主総会を開く日程も、12月のうちに決めておきましょう。税務と社会保険の年間の予定は、11月決算法人の年間スケジュール(令和8年度版)で月ごとに確認できます。

決算前にそろえる書類

年末年始をまたぐ決算だからこそ、外部に依頼する書類は12月前半までに頼んでおきます。年明けの依頼は返信が遅れやすいためです。

  • 売上・仕入の請求書と、入金・支払いの記録
  • 預金通帳と11月30日現在の残高証明書(金融機関へ早めに依頼)
  • 借入金の返済予定表と、11月30日現在の借入残高
  • 売掛金・買掛金の残高一覧(大口の取引先とは残高を確認)
  • 経費の請求書・領収書と、電子で受け取った請求書などのデータ
  • 固定資産の取得・売却・除却の資料(契約書、請求書、事業に使い始めた日)
  • 棚卸表(在庫の数量・単価・金額)と、廃棄した在庫の記録
  • 給与・賞与の支給一覧と、決算賞与を通知した記録

記帳の抜けや勘定科目の残高のおかしな点は、経理・決算セルフチェックで12月前半のうちに洗い出しておくと、年明けの修正が少なくて済みます。

1月に重なる年末調整・法定調書・償却資産申告

1月は法人の申告に加えて、給与や報酬の支払いをまとめた法定調書合計表、従業員の住所地の市町村へ出す給与支払報告書、事業用の資産を申告する償却資産申告書の期限が集中します。11月決算法人は、こうした年始の事務と決算の申告が同じ月に重なります。

期限手続き注意点
12月の最後の給与・賞与の支払時令和8年分の年末調整基礎控除などの改正は、毎月の源泉徴収ではなく年末調整でまとめて精算
2027年1月12日(火)12月分の源泉所得税の納付年末調整で精算した後の税額を納める
2027年1月20日(水)納期の特例を受けている場合の7〜12月分の納付給与の支払いを受ける人が常時10人未満の事業所が対象
2027年2月1日(月)法定調書合計表・給与支払報告書の提出、源泉徴収票の交付2027年1月1日以後は、給与支払報告書を出せば源泉徴収票の税務署提出とみなされる(本人への交付は必要)
毎年1月31日(休日は翌開庁日)償却資産申告(資産のある市町村へ)令和9年度分から免税点が150万円から180万円に上がる
2027年2月1日(月)2026年11月期の法人税等の申告・納付上の提出物と同じ日が期限
2026年11月期の法人の場合(2026年10月時点の公表情報)

2026年中に退職金を支払った場合は、退職所得の源泉徴収票も税務署へ提出します。2026年1月1日以後の支払分から、提出の対象が全居住者分に広がりました。前々年に提出すべき法定調書が種類ごとに30枚以上ある場合は、e-Taxなどの電子的な方法で提出します。

決算賞与を12月に払うなら、年末調整との順番に注意

年末調整は、その年の最後に支払う給与で行います。11月期の決算賞与を12月に支払う場合は令和8年分の給与になるため、年末調整の計算に含めます。

賞与の支給日と年末調整を行う日の順番を12月前半に決めておくと、計算のやり直しを防げます。

経理担当者が1人の会社では、12月のうちに「決算整理」「年末調整」「法定調書と償却資産申告」の担当と締め日を割り振っておくと、1月の混雑を抑えられます。

節税策は11月30日まで:12月の支払いは翌期の経費

経費の前倒しや設備投資などの対策は、決算日の11月30日までに実行を終えていないと当期に反映されません。例えば12月に支払った広告費は、原則として翌期の経費です。「年内だからまだ間に合う」と12月に駆け込むと丸一期ずれるのが、11月決算の落とし穴です。

対策11月30日までに必要なこと注意点
少額減価償却資産の特例資産を取得し、事業に使い始める2026年4月1日以後の取得は40万円未満、それより前は30万円未満。年300万円まで
経営強化税制(即時償却か税額控除)経営力向上計画の認定を受けたうえで取得し、事業に使い始める2027年3月31日までの取得が対象。認定の手続きに時間がかかる
決算賞与(従業員分)支給額を支給する全員に通知し、損金経理する決算日の翌日から1か月以内(12月31日まで)に支払う
短期前払費用1年以内に提供を受けるサービスの代金を支払う毎期同じ処理を続けることが前提
不良在庫・不要な設備の処分廃棄や除却を実際に行う写真や処分業者の証明などの記録を残す
交際費・賃上げ促進税制支出や給与の実績で決まる決算日を過ぎてからは調整できない
主な決算対策と11月決算での期限(2026年10月時点。適用要件は制度ごとに確認が必要)

具体例:2026年11月期に買ったパソコンの扱い

例えば、青色申告をしている中小法人が1台35万円のパソコンを買った場合で考えます。2026年3月に取得していれば30万円以上のため少額減価償却資産の特例は使えず、耐用年数に応じて減価償却します。

2026年5月に取得していれば40万円未満のため、年300万円の枠の範囲で全額を2026年11月期の損金にできます。同じ事業年度の中でも、取得日によって扱いが変わります。なお、この特例で損金にした資産も償却資産申告の対象です。

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少額減価償却資産の特例を計算する40万円未満の資産について、特例を使った場合に損金にできる金額の目安を確認できます。計算する

業績が良い期は納税額も膨らみます。1月は年始の支払いと納税が重なるため、12月のうちに税額の概算をつかんでおきましょう。対策の候補は法人・個人・相続までの節税一覧で整理しています。

新しい期の役員報酬は2月末までに決める

11月決算法人の期首は12月1日です。役員報酬を定期同額給与として改定できるのは期首から3か月以内、つまり2月末までです。決算の数字が固まる1月の定時株主総会で、新しい期の報酬もあわせて決めるのが効率的です。

役員賞与を損金にする事前確定届出給与は、株主総会などの決議日から1か月を経過する日と、期首から4か月を経過する日(3月31日)のいずれか早い日までに届け出ます。

消費税とインボイス:2026年11月期に確認すること

11月決算法人にとって、2026年11月期は消費税の扱いが切り替わる節目です。決算の段階で次の点を確認しておきます。

2割特例は2026年11月期が最後

インボイス登録をきっかけに課税事業者になった法人が使える2割特例(売上にかかる消費税の2割を納める特例)は、2026年9月30日を含む課税期間で終わります。11月決算法人では2026年11月期が最後で、2027年11月期からは本則課税か簡易課税で計算します。

個人事業者には令和9・10年分の3割特例が設けられましたが、法人に後継の特例はありません。簡易課税は基準期間の課税売上高が5,000万円以下なら選べ、一度選ぶと2年間は続けます。2割特例を使った課税期間の翌課税期間から簡易課税にする場合、選択届出書はその翌課税期間の確定申告期限まで提出できます。

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簡易課税・本則課税・2割特例を比較する売上と仕入の金額から、計算方法ごとの納付税額の違いを比べられます。計算する

免税事業者からの仕入れは期中で80%から70%へ

インボイスのない仕入れ(免税事業者などからの仕入れ)の一部を控除できる経過措置は、2026年9月30日までの仕入れが80%、2026年10月1日〜2028年9月30日の仕入れが70%です。2026年11月期は期中で割合が変わるため、10月と11月の仕入れは70%で計算します。

判定の基準は支払日ではなく、課税仕入れの日(引渡しやサービスが完了した日)です。帳簿には「80%控除対象」のように経過措置の対象であることを書き分けます。また、一つの免税事業者などからの仕入れで経過措置を使える上限は、2026年10月1日以後に開始する課税期間から税込1億円に下がり、11月決算法人では2027年11月期から適用されます。

請求書の記載や仕入先の登録確認など、日々の実務はインボイス制度の実務ガイドにまとめています。

2割特例が終わった後、本則課税と簡易課税のどちらが有利かは仕入れの構成で変わります。決算前の初回相談は無料です。

無料で相談する

防衛特別法人税と期限つきの優遇:11月決算法人はいつから・いつまで?

事業年度の開始日で適用が決まる制度は、11月決算法人では「12月1日に始まる期」がどの期かで判断します。2026年10月時点の法令に当てはめると、次のとおりです。

制度適用の決まり方11月決算法人では
防衛特別法人税2026年4月1日以後に開始する事業年度から2027年11月期(2026年12月1日開始)から。最初の申告期限は2028年1月31日(月)
防衛特別法人税の中間申告2027年4月1日以後に開始する事業年度から2028年11月期から
中小法人の軽減税率(年800万円以下の所得に15%)2027年3月31日までに開始する事業年度2027年11月期まで
交際費の定額控除(800万円)2027年3月31日までに開始する事業年度2027年11月期まで
中小企業向けの賃上げ促進税制2027年3月31日までに開始する事業年度2027年11月期まで
賃上げ促進税制の教育訓練費の上乗せ2026年3月31日までに開始する事業年度2026年11月期で終了
2026年10月時点の法令に基づく。2027年3月31日が期限の制度を延長するかは、令和9年度税制改正で決まる

防衛特別法人税は、基準法人税額から500万円を差し引いた額に4%を掛けて計算します。基準法人税額が500万円以下なら税額は0ですが、申告書の提出は必要です。申告と納付の期限は法人税と同じです。

計算例:基準法人税額が600万円の場合

例えば2027年11月期の基準法人税額が600万円の場合、600万円−500万円=100万円、100万円×4%=4万円が防衛特別法人税の額です。

中小法人の軽減税率や交際費の特例は、2027年3月31日までに開始する事業年度が期限です。延長されるかどうかは2026年10月時点で決まっていないため、2028年11月期以降の利益計画や役員報酬は、令和9年度改正の内容を確認してから固めます。

札幌・北海道の11月決算法人が気をつけること

申告先と冬の資金繰り

法人税と消費税は本店所在地を所轄する税務署へ申告します。札幌市内は所在地によって5つの税務署のどれかが所轄になり(中央区は札幌中・札幌西の2署に分かれます)、2026年7月10日からは書面の申告書を札幌業務センターへ郵送する扱いになりました。e-Taxで送る場合や窓口へ持参する場合は、所轄の税務署が窓口です。

法人道民税・法人事業税は北海道へ、法人市民税は市へ申告します。均等割は赤字でもかかり、資本金等1,000万円以下・従業者50人以下の法人は道2万円+市5万円=年7万円です。

12月から1月は、暖房費や除雪費、冬の賞与で資金が出ていきやすい時期です。1月の納税と重なるため、納税資金は11月までの利益から計画的に確保しておくと資金繰りが安定します。

よくある質問

11月決算の申告だけを税理士に頼むことはできますか?

当事務所では、決算・申告だけのスポットのご依頼はお受けしていません。期中の記帳や試算表の確認から決算・申告までを継続して担当する顧問契約で支援しています。11月決算の場合、9月から10月にご相談いただくと、決算対策の検討に間に合いやすくなります。

設立1期目が11月決算になる場合、何に注意すればよいですか?

青色申告の承認申請書の期限に注意します。期限は「設立の日以後3か月を経過した日」と「最初の事業年度終了の日」のいずれか早い日の前日です。例えば9月や10月に設立して11月30日に1期目が終わる場合は、11月29日が期限になります。法人設立届出書は設立の日以後2か月以内に提出します。

決算月を11月から別の月に変更できますか?

変更できます。株式会社なら株主総会の特別決議で定款の事業年度を変更し、税務署と都道府県・市町村へ異動届出書を出します。変更した年は事業年度が12か月より短くなり、決算と申告が1回増えます。事業年度の開始日で適用が決まる制度もあるため、影響を確認してから決めます。

11月30日に実地棚卸ができない場合はどうすればよいですか?

決算日に近い日に実地棚卸を行い、その日から11月30日までの入出庫を記録で足し引きして、決算日現在の在庫を計算する方法があります。棚卸表と入出庫の記録をあわせて保存し、数量と単価の根拠を説明できるようにしておきます。

まとめ

11月決算法人の申告・納付期限は原則1月31日で、2026年11月期は2027年2月1日(月)です。節税策は11月30日まで、決算整理は12月前半までに前倒しし、1月の年末調整・法定調書・償却資産申告と重ならないよう段取りを組みます。2026年11月期は2割特例の最後の期で、翌期から防衛特別法人税も始まるため、翌期の税金の見通しまで決算の時点で確認しておきましょう。

札幌の公認会計士・税理士事務所

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出典・参考(公的機関)

本記事は2026年10月時点の法令等に基づく一般的な解説です。個別の状況により取扱いが異なる場合がありますので、実際の申告・手続きは税理士等の専門家にご相談ください。

更新履歴:2026年10月 全面改訂(令和8年度税制改正を反映)

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