銀行・信用金庫からの融資の種類、審査のしくみ、決算書で見られる点、融資を受けやすい決算書の作り方、経営者保証、企業価値担保権、金利上昇と手形廃止への対応を、会計事務所の視点で解説します(2026年9月25日時点)。
BANK LOAN
創業期を過ぎると、資金調達の中心は銀行や信用金庫との取引になります。審査のしくみ、決算書の見られ方、融資を受けやすい決算書の作り方、経営者保証や金利上昇への対応を、会計事務所の視点で解説します。
銀行融資の種類:証書貸付・手形貸付・当座貸越とプロパー・保証付き
銀行融資は、「どんな契約で借りるか」(証書貸付・手形貸付・当座貸越)と、「返せなくなったときのリスクを誰が負うか」(プロパー融資・保証付き融資)の2つの軸で整理できます。そのうえで、借りるお金の性格に合った形と期間を選ぶことが大切です。運転資金と設備資金、短期と長期を取り違えると、利益が出ていても資金繰りが苦しくなります。
軸1 契約の形
証書貸付・手形貸付・当座貸越の3つが基本です。返し方と、借りられる期間の長さが違います。
軸2 リスクの負い方
金融機関が自らリスクを負うプロパー融資と、信用保証協会の保証を付ける保証付き融資があります。
契約の形で分ける:証書貸付・手形貸付・当座貸越
銀行や信用金庫から事業資金を借りる契約の形は、主に次の3つです。同じ金融機関からでも、使いみちや期間によって形を使い分けるのが一般的です。
| 項目 | 証書貸付 | 手形貸付 | 当座貸越 |
|---|---|---|---|
| しくみ | 金銭消費貸借契約書(借用証書)を交わして借りる | 借り手が金融機関あての約束手形を差し入れて借りる | 上限額(極度額)を決めておき、その範囲で必要なときに借り、余裕ができたら返す |
| 主な使いみち | 設備資金、長めの運転資金 | 短期の運転資金(季節資金・つなぎ資金・賞与資金・納税資金など) | 日々の資金の過不足の調整、経常的な運転資金 |
| 期間の目安 | 1年を超える長期が中心 | 1年以内の短期が中心 | 契約は1年ごとなど、期間を区切って更新する形が多い |
| 返し方 | 毎月の分割返済(元金均等・元利均等など)が中心 | 期日に一括で返すか、期日に手形を書き替えて借入を続ける | 決まった返済日はなく、入金で残高が減る。利息は借りている金額と日数に応じてかかる |
| 注意点 | 返済が毎月続くので、返済額が利益に見合っているかを確かめる | 紙の手形は廃止に向かっており、今後の扱いは金融機関によって変わり得る | 更新のときに業績が見直され、極度額が減ったり、更新されなかったりすることがある |
一般的な特徴です。期間・返し方・金利などの条件は、金融機関と契約ごとに異なります。
証書貸付:設備資金と長期の運転資金の基本
証書貸付は、借入額・金利・返済期間・返済方法などを金銭消費貸借契約書に定めて借りる形です。日本政策金融公庫(以下、公庫)の融資は原則として月賦払いで、制度融資や保証協会付きの融資も分割返済が基本です。書面の金銭消費貸借契約書は印紙税の課税文書で、収入印紙が必要です(電子契約で結ぶ場合は、電子データの契約書が課税文書に当たらないため不要で、公庫の電子契約サービスも不要としています。詳しくは借入金の会計・税務の要点)。
設備資金は、その設備を使って利益を生む期間に合わせ、返済期間を長めにとるのが基本です。据置期間(元金の返済を待ってもらい、利息だけを払う期間)を付けられるかどうかも、契約の前に確認します。
手形貸付:短期の運転資金。手形廃止の流れに注意
手形貸付は、借り手が振り出した約束手形を金融機関に差し入れ、手形の期日に返す形です。期間の短い運転資金に使われます。事業が続く限り必要な運転資金を、期日ごとに手形を書き替えて借り続けることもあります。
ただし、紙の手形・小切手は廃止に向かっています。全国銀行協会は電子交換所での手形・小切手の最終交換日を2027年3月31日と明確にし、紙の手形・小切手の最終振出期限を2026年9月30日とする金融機関が多くなっています(期限は金融機関ごとに異なり、すでに振出しの受付を終えた金融機関もあります)。全国銀行協会の自主行動計画も、手形の存在を前提とする金融サービスについて、廃止や代わりのサービスの提供を検討し得るとしています。
手形貸付で借りている会社は、今後の扱いを取引金融機関に確認しておきましょう。詳しくは手形・小切手の廃止と資金繰り・融資への影響で解説します。
当座貸越:枠の範囲で借りて返せる
当座貸越は、極度額の範囲で自由に借りたり返したりできる形です。当座預金の残高が足りないときに自動で貸越しになるものと、借入専用の口座で使う専用当座貸越があります。使った金額と日数にだけ利息がかかるので、入出金の波が大きい事業で使いやすい形です。
一方で、契約は期間ごとに見直されるのが一般的で、業績が悪化すると極度額を減らされたり、更新されなかったりすることがあります。上限近くまで借りたままの状態が続くなら、短期の枠で長期の資金をまかなっている可能性があります。長期の借入への切替えを相談するきっかけにしましょう。
北海道信用保証協会には、当座貸越に付ける当座貸越(貸付専用型)根保証があります。業歴3年以上で2期以上申告していること、申込金融機関との取引が6か月以上あること、スコアが基準以上であることなどが条件で、金額は100万円以上2億8,000万円以内、根保証期間は1年または2年です。
そのほかの形
- コミットメントライン
- 一定の期間、決めた枠まで融資することを金融機関が約束する契約です。枠を使わなくても手数料がかかるのが一般的で、比較的規模の大きい会社で使われることが多く、中小企業では当座貸越のほうが身近です。
- 手形割引
- 取引先から受け取った手形を、期日の前に金融機関に買い取ってもらって資金にする方法です。期日までの利息にあたる割引料が差し引かれます。全国銀行協会の自主行動計画では、手形に代わるサービスの例として、でんさい(電子記録債権)の割引などが挙げられています。
リスクの負い方で分ける:プロパー融資と保証付き融資
契約の形とは別に、返せなくなったときに誰が損失をかぶるかで、民間金融機関の融資は2つに分かれます。なお、公庫の融資は、政府系の金融機関である公庫が自ら審査して直接貸す、別のルートです。3つのルートの全体の比較は融資の全体像にまとめています。
| 項目 | プロパー融資 | 保証付き融資(信用保証協会付き) |
|---|---|---|
| 返せなくなったとき | 金融機関が損失をすべて負う | 信用保証協会が金融機関に代わって返済する(代位弁済)。負担は協会80%・金融機関20%が原則で、創業関連保証など協会が100%保証する制度もある |
| 借り手のコスト | 金利 | 金利+信用保証料。北海道信用保証協会の一般保証(責任共有対象)は年0.45〜1.90%の9区分(令和8年6月1日現在) |
| 審査する人 | 金融機関だけ。決算の実績や取引の積み重ねが重視されやすい | 金融機関と信用保証協会の両方 |
| 主に使われる場面 | 決算を重ね、業績と財務が安定してきた会社の資金 | 創業期や、金融機関との取引が浅い会社の資金。札幌市・北海道の制度融資(保証が必須の資金と、必要に応じて付ける資金がある) |
保証料率は信用力に応じた9つの区分で決まり、創業関連保証は年0.86%です。詳しくは信用保証協会の基本と北海道信用保証協会の信用保証料の案内をご覧ください。
金融機関から見た違い
保証付き融資でも、責任共有制度の対象なら金融機関は2割のリスクを負います。保証が付くから審査がないわけではなく、金融機関自身も返済できるかを確かめます。
プロパー融資は、金融機関が全額のリスクを負う分、「この会社なら保証なしで貸せる」と判断できる材料が必要です。決算書の内容に加え、保証付き融資を約束どおり返してきた実績、口座の入出金の動き、決算報告の積み重ねが判断の材料になります。保証付き融資からプロパー融資へ移っていく段階は金融機関との付き合い方で説明します。
短期と長期:お金の性格と返済期間を合わせる
一般に、返済期間が1年以内の借入を短期借入、1年を超える借入を長期借入と呼びます。資金繰りを安定させる基本は、お金が戻ってくるまでの期間と、借入の返済期間を合わせることです。
期間が合っていない例
設備資金1,200万円を返済期間3年で借りると、年間の返済元金は400万円です。返済の財源(税引後の利益+減価償却費)が年300万円なら、毎年100万円ずつ手元資金が減っていきます。
期間が合っている例
同じ設備資金を、設備を使える期間に近い10年で借りれば、年間の返済元金は120万円です。財源の年300万円の範囲に収まり、残りを運転資金や次の投資に回せます。
架空の数字による例で、利息と税金の細かな計算は省いています。
運転資金でも同じことが起こります。事業を続ける限り必要な運転資金を、短い期間の分割返済で借りると、返済のたびに手元の運転資金が減り、また借りることの繰り返しになります。逆に、一時的に必要なだけの資金を長期で借りると、不要になったあとも利息を払い続けることになります。
運転資金の種類と、それぞれに合う借り方
運転資金は、何のために、いつまで必要かによって、いくつかの種類に分けられます。金融機関に相談するときも、どの種類の資金かを伝えると話が早く進みます。
| 資金の種類 | どんなお金か | 合う借り方の例 | 返済の財源 |
|---|---|---|---|
| 経常運転資金 | 売上代金の入金より先に仕入や経費の支払いが出ていくため、事業を続ける限り必要になるお金。売上が伸びると増える(増加運転資金) | 当座貸越、短期借入の書替え、長めの証書貸付 | 売掛金の回収や在庫の販売で戻るが、事業を続ける限り必要な額は残る |
| 季節資金 | 繁忙期に向けた仕入や、閑散期の売上減少を埋めるための一時的なお金 | 数か月から1年以内の短期借入 | 繁忙期の売上の入金 |
| つなぎ資金 | 工事代金や補助金など、入る予定がはっきりしているお金が入るまでの立替え | 入金予定日までの短期借入 | 予定している入金そのもの |
| 賞与資金 | 賞与の支給で一時的に出ていくお金 | 次の賞与までの期間(半年程度)の分割返済 | 毎月の利益 |
| 納税資金 | 法人税・消費税などを納めるための一時的なお金 | 次の納税までの期間の分割返済 | 毎月の利益 |
| 設備資金 | 機械・車両・店舗の内装・建物など、長く使うものを買うお金 | 設備を使える期間に合わせた長期の証書貸付 | 設備が生む利益(税引後の利益+減価償却費) |
借り方は一般的な例です。実際の形と期間は、資金繰りの状況と金融機関の判断で決まります。
経常運転資金(所要運転資金、正常運転資金とも呼ばれます)を短期借入の書替えや当座貸越で支えると、毎月の元金返済がないので資金繰りが安定します。その代わり、期日や更新のたびに金融機関の判断を受けるので、業績の説明を欠かさないことが前提になります。
月の売上が600万円、原価率70%で、売上代金は平均2か月後に入金、仕入代金は平均1か月後に支払い、在庫は仕入原価の1か月分を持つ会社の場合です。
| 項目 | 月の売上600万円 | 月の売上800万円に増えたとき |
|---|---|---|
| 売上債権(売上の2か月分) | 1,200万円 | 1,600万円 |
| 棚卸資産(仕入原価の1か月分) | 420万円 | 560万円 |
| 仕入債務(仕入の1か月分) | 420万円 | 560万円 |
| 経常運転資金(売上債権+棚卸資産−仕入債務) | 1,200万円 | 1,600万円 |
北海道の事業と季節資金
冬に売上が落ちる事業、除雪や暖房の費用がかさむ事業、観光客の多い時期と少ない時期の差が大きい事業、冬に工事が減る建設業などでは、季節資金の考え方が役に立ちます。
- 月ごとの資金繰り表で、足りなくなる月と金額を示して相談する
- 繁忙期の入金で返す短期の借入にし、長期の借入で季節の谷を埋め続けない
- 札幌市の制度融資には、1年以内の運転資金向けの短期サポート特別枠がある(限度額5,000万円。上限利率は令和8年9月30日までの実行分が年2.30%以内、10月1日以降の実行分が年2.6%以内。札幌市内で事業を営む方が対象)
- 公庫の融資には、返し方としてステップ返済(季節変動返済を含む)もある
「赤字の穴埋め」の借入は計画とセットで
赤字で減ったお金を補う借入は、返済の財源を説明しにくく、金融機関も慎重になりがちです。いつ・どうやって黒字にするかを示す改善計画と、月ごとの資金繰り表を用意して相談しましょう(経営改善計画と公的な支援制度)。
銀行の審査のしくみ:格付け・債務者区分・定性評価
銀行の融資審査は、一般に、決算書の数字による「定量評価」と、経営者・事業・将来性などを見る「定性評価」を組み合わせて行われます。その結果は格付けや債務者区分として管理され、融資の可否や金額、金利、担保・保証の条件に影響します。具体的な点数表や審査基準は金融機関ごとの内部のもので公表されていないため、ここでは一般に知られている考え方を紹介します。
審査の全体像
多くの金融機関は、融資の申込みのたびに一から審査するのではなく、決算書を受け取るたびに取引先の信用力を評価し直し、その評価を土台に個別の融資を判断するとされています。一般的な流れは次のとおりです。
- 格付け(信用格付け)
- 金融機関が、取引先の信用力を何段階かのランクで表したものです。ランクの数や名前、決め方は金融機関ごとに異なり、公表されていません。
- 債務者区分
- 取引先を返済能力に応じて、正常先・要注意先(要管理先を含む)・破綻懸念先・実質破綻先・破綻先に分ける区分です。格付けと結びつけて管理されるのが一般的です。
- 個別の融資の判断
- 格付けを土台に、今回の資金の使いみち、返済の財源、金額、期間、担保・保証などを見て、貸すかどうかと条件を決めます。
定量評価:決算書のスコアリング
定量評価では、決算書の数字から計算した指標をもとに、財務の状態を点数にするのが一般的です。よく使われるとされる指標には、次のようなものがあります。
| 観点 | 指標の例 | 何を見るか |
|---|---|---|
| 安全性 | 自己資本比率、債務超過かどうか、ギアリング比率(有利子負債÷自己資本) | 損失が出ても耐えられる体力があるか。借入に頼りすぎていないか |
| 収益性 | 売上高経常利益率、総資本経常利益率 | 本業と財務の両方を含めて、利益を出す力があるか |
| 成長性 | 売上高の増加率、経常利益の増加率 | 事業が伸びているか、縮んでいるか |
| 返済能力 | 債務償還年数、インタレスト・カバレッジ・レシオ(利息を払う力)、キャッシュフローの額 | いまの借入を、事業が生むお金で無理なく返せるか |
| 規模 | 売上高、自己資本の額 | 事業の規模と、財務の厚み |
一般に使われることが多い指標の例です。どの指標を使い、どう配点し、どの水準を目安にするかは金融機関ごとに異なり、公表されていません。
定量評価で押さえておきたいのは、次の3点です。
- 1期だけでなく推移で見られる:一般に、直近2〜3期分の決算書を並べて、売上・利益・財務の動きを確かめます。札幌市の制度融資でも、主な提出書類に決算書3期分と試算表が挙げられています。
- 決算書の数字をそのまま使うとは限らない:回収できない売掛金や価値のない資産を差し引くなど、実態に合わせて修正したうえで評価されることがあります(銀行は決算書のどこを見るか)。
- 点数だけでなく中身が問われる:同じ利益でも、一時的な要因によるものか、続く力によるものかで受け止め方は変わります。数字の理由を説明できるように準備します。
信用保証協会の保証制度にも、スコアを利用の条件の一つにしているものがあります(北海道信用保証協会の当座貸越根保証など)。保証料率も、信用力に応じた9つの区分に分かれています。
定性評価:数字に表れない強みと弱み
定性評価では、決算書だけでは分からない会社の力を見ます。経済産業省のローカルベンチマークが示す4つの視点(経営者、事業、企業を取り巻く環境・関係者、内部管理体制)に沿って整理すると、見られる点が分かりやすくなります。
| 視点 | 金融機関が気にする点の例 | 準備しておくこと |
|---|---|---|
| 経営者 | 経験と実績、経営の方針、自社の数字を把握しているか、後継者の有無 | 自社の強み・課題・今後の方針を、数字と合わせて自分の言葉で説明できるようにする |
| 事業 | 商品・サービスの強み、利益が出るしくみ、競合との違い | 商品別・取引先別の売上と利益を把握しておく |
| 企業を取り巻く環境・関係者 | 市場の動き、主な取引先との関係、販売先・仕入先の偏り、従業員の状況 | 取引先の構成と、特定の取引先に頼りすぎていないかを示す |
| 内部管理体制 | 月次の試算表を早く正確に出せるか、会社と個人のお金の区分、情報開示の姿勢 | 月次決算の体制を整え、決算報告と途中経過の報告を習慣にする |
4つの視点はローカルベンチマークによるもので、表の中身は一般的な例です。
このほか、金融機関との取引の実績も判断の材料になります。約束どおりに返済してきたか、売上の入金口座として使われているか、頼まれた資料を期限までに出しているか、といった日ごろの積み重ねです。中小企業では会社と代表者個人の資産・負債をあわせて見ることもあり、代表者の個人信用情報を確認されることもあります(融資を申し込む前にやっておく8つの準備)。
「事業性」を見る融資へ
国は、担保や経営者保証に過度に頼らず、事業の実態や将来性を見る融資を後押ししています。2026年5月25日には事業性融資の推進等に関する法律が施行され、事業全体を担保にする企業価値担保権が使えるようになりました(企業価値担保権とは)。金融庁は同じ月に「事業者と金融機関の信頼関係に基づく事業性融資に関する基本的な考え方」も公表しています。決算書の数字に加えて、その背景にある事業の中身を説明できるように準備しておきましょう。
格付けと債務者区分
債務者区分は、もともと金融庁の金融検査マニュアルで示されていた区分です。金融検査マニュアルは2019年12月に廃止されました。ただ、金融庁が同じ月に公表した融資に関する検査・監督の考え方と進め方は、今の実務を否定せず、現在の債務者区分を出発点に、各金融機関が融資方針に沿って信用リスクの評価を工夫することを促しています。そのため、債務者区分の考え方は今も実務の出発点です。
| 債務者区分 | 一般的な意味 | 融資への影響(一般論) |
|---|---|---|
| 正常先 | 業況が良く、財務内容にも特に問題がない | 新しい融資や条件の相談を進めやすい |
| 要注意先 | 業況が低調・不安定、財務内容に問題がある、返済条件を変更しているなど、今後の管理に注意が必要。このうち、返済が一定期間以上(一般に3か月以上とされます)遅れている債権や、返済条件を緩めた債権がある先は「要管理先」として、より注意して管理される | 新しい融資に慎重になりやすく、改善の見通しを示す計画を求められることが多い |
| 破綻懸念先 | 経営難の状態にあり、今後、経営破綻に陥る可能性が大きい | 新しい融資は難しくなり、再生の計画づくりが課題になる |
| 実質破綻先 | 法的・形式的には破綻していないが、深刻な経営難で再建の見通しが立たない | 回収や整理の段階として扱われる |
| 破綻先 | 破産などの法的な手続に入るなど、法的・形式的にも破綻している | 回収や整理の段階として扱われる |
区分の名前は金融庁の資料によります。意味と影響は一般的な説明で、具体的な判断の基準は金融機関ごとに異なります。
一般に、債務者区分が下がると、金融機関は貸倒れに備えて多くの引当金を積む必要が出るため、新しい融資に慎重になりがちです。業績が一時的に落ちたときこそ、原因と改善策を早めに説明し、評価が必要以上に下がらないようにすることが大切です。
条件変更(リスケジュール)と債務者区分
返済が苦しくなって返済条件を変更すると、一般に債務者区分が下がりやすく、新しい融資を受けにくくなることがあります。それでも、延滞してから相談するより、早めに相談して経営改善計画を示すほうが、選べる手段は多くなります。進め方は条件変更(リスケジュール)の進め方で解説しています。
個別の融資で確かめられる5つのこと
格付けが同じでも、今回の融資の中身によって判断は変わります。申込みの前に、次の5つに答えられるようにしておきましょう。
| 確かめられること | 具体的には | 用意する資料の例 |
|---|---|---|
| 資金の使いみち | 何に、いつ、いくら使うのか。運転資金か設備資金か | 見積書、資金繰り表、発注書 |
| 返済の財源 | 何で返すのか。利益か、売掛金の回収か、補助金などの入金か | 事業計画、月次の試算表、入金予定の分かる書類 |
| 金額の根拠 | 必要な額を積み上げた結果か。多すぎたり少なすぎたりしないか | 必要資金の内訳、所要運転資金の計算 |
| 期間と返し方 | 資金の性格に合った期間か。毎月の返済が利益に見合うか | 返済予定表、借入金の一覧 |
| 保全 | 保証協会の保証、担保、経営者保証をどうするか | 不動産の資料、ほかの金融機関の借入条件 |
資金の種類と借り方の関係は銀行融資の種類で、経営者保証の扱いは経営者保証を外す・付けない方法で解説しています。
稟議のしくみ:担当者が社内で説明できる材料を渡す
銀行の融資は、窓口の担当者がその場で決めるものではありません。一般に、担当者が融資の内容と判断の理由を稟議書にまとめ、支店長や本部の審査部門の決裁を受けて決まります。金額や条件によって、決裁する人が変わる金融機関もあります。
つまり担当者は、会社に代わって社内で説明する立場です。数字の根拠や、業績が落ちた理由と改善策を資料で渡しておくと、担当者は稟議書を書きやすくなります。口頭の説明だけで終わらせず、要点を書面で残すことが、審査を早く進めるコツです。
話が進みやすい相談
- 必要な金額・時期・使いみちが資料で示されている
- 直近の試算表と、この先の資金繰り表がある
- 減益や赤字の理由と、改善策が書面にまとまっている
話が止まりやすい相談
- 支払いの直前に、金額だけを伝えて急いで頼む
- 決算書の数字の理由を聞かれても答えられない
- ほかの金融機関の借入の状況を正確に伝えていない
ローカルベンチマークと業種別支援の着眼点
審査の具体的な基準は公表されていませんが、金融機関と事業者が対話するための公的な道具は公開されています。自社を見直す材料として使えます。
ローカルベンチマーク(経済産業省)
ローカルベンチマークは、経済産業省が2016年3月に公表したツールです。経営者と金融機関・支援機関が対話しながら、会社の現状と課題を共有するために使います。シートは、財務面の6つの指標、商流と業務フロー、非財務面の4つの視点の3枚組で、経済産業省のページから入手できます。
| 財務の6指標 | 見ていること(一般的な意味) |
|---|---|
| 売上増加率 | 売上が前の期より伸びているか(成長力) |
| 営業利益率 | 本業でどれだけ利益を出しているか(収益力) |
| 労働生産性 | 従業員1人あたりでどれだけの利益を生んでいるか(生産性) |
| EBITDA有利子負債倍率 | 借入金が、本業で生むお金の何年分にあたるか(借入の重さ) |
| 営業運転資本回転期間 | 売掛金や在庫にお金がどれだけ寝ているか(資金の効率) |
| 自己資本比率 | 資産のうち、返す必要のないお金でまかなっている割合(安全性) |
指標の名前はローカルベンチマークによります。計算式の詳細はシートで確認してください。
業種別支援の着眼点(金融庁)
金融庁の業種別支援の着眼点は、業種ごとに、事業者を支援するうえでの着眼点をまとめた資料です。建設業・飲食業・小売業・卸売業・運送業・製造業・サービス業・医療業・介護業・宿泊業の10業種があります。最新版は2026年3月のもので、融資相談のときの資金別・業種別のポイントをまとめた別冊「逆引き着眼点」もあります。自社の業種の資料を読むと、金融機関がどこに注目するかの見当がつきます。
北海道の事業者が審査で説明しておきたいこと
冬に売上が落ちる、除雪や暖房の費用がかさむ、観光客の多い時期と少ない時期の差が大きい、冬に工事が減るといった季節の波は、決算書の年間の数字だけでは伝わりません。月別の売上と資金繰り表で波を示し、赤字の月が毎年の季節要因によるものか、一時的な不振によるものかを説明できるようにしておきましょう。業種別支援の着眼点には、季節や燃料費の影響を受けやすい建設業・宿泊業・運送業などの資料もあります。
会計事務所の視点
- 点数表は分からなくても、評価の材料になるのは決算書と、その説明です。増収・減益の原因や、特別な損益の中身を1枚にまとめておくと、面談が具体的になります。
- 一時的な損失や、社長個人との貸し借りなど、評価を下げやすい項目は、決算の前に顧問税理士と整理しておくと説明しやすくなります。
- 評価を上げようとして数字を実態と違う形に見せることは粉飾にあたり、信用を大きく損ないます。正確な決算書を早く出すことが、遠回りに見えていちばんの近道です。
銀行は決算書のどこを見るか
金融機関は決算書を、書かれた数字のままではなく「実態」に直して読むのが一般的です。貸借対照表で財務の体力を、損益計算書で稼ぐ力を確かめ、その両方から「いまの借入を何年で返せるか」という返済能力を見ます。自社の数字で同じ計算をしておくと、金融機関との話し合いが具体的になります。
貸借対照表
自己資本は厚いか、債務超過ではないか。資産の中身に、回収や換金が難しいものがないか。
損益計算書
売上は伸びているか。本業でもうけ、利息を払ったあとも利益が残っているか。
返済能力
借入の残高を、事業が生むお金で何年で返せるか。債務償還年数などで確かめます。
貸借対照表:自己資本の厚さと債務超過
貸借対照表でまず見られるのは、純資産(自己資本)の厚さです。自己資本比率=純資産÷総資産で、資産のうち返す必要のないお金でまかなっている割合を表します。高いほど、損失が出ても耐えられる体力があるとみられます。ふさわしい水準は業種によって違うので、同業の平均と比べて考えます(業種別の財務指標)。
資金繰りの余裕も見られます。1年以内に現金になる資産と1年以内に払う負債を比べる流動比率(流動資産÷流動負債)や、手元の現預金が月の売上の何か月分あるか(手元流動性)が、一般的な目安として使われます。
特に重く見られるのが、負債が資産を上回り、純資産がマイナスになる債務超過です。債務超過かどうかは、経営者保証を外す制度の要件にも使われています。
- 公庫の経営者保証免除特例制度(税務申告2期以上の方の要件):法人と代表者の一体性の解消が進んでいることに加え、減価償却前経常利益が2期連続の赤字でないこと、または直近の決算で債務超過でないこと
- 信用保証協会の事業者選択型経営者保証非提供制度(法人のみ):債務超過でないことと、減価償却前経常利益が2期連続の赤字でないことの両方を満たせば保証料率の上乗せは0.25%、どちらか一方なら0.45%
債務超過を解消する基本は、利益を積み上げることと増資です。公庫の挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)は、金融機関の資産査定上、自己資本とみなすことができる借入です(償還まで5年以上ある間は残高の100%、以後1年ごとに20%ずつ減る)。詳しくは事業承継の資金と資本性ローン、保証の外し方は経営者保証を外す・付けない方法で解説しています。
実態修正:決算書の数字を実態に直して見る
金融機関は一般に、資産の中に回収や換金が難しいものがないか、帳簿の金額と実際の価値に差がないかを確かめます。そのうえで、必要に応じて修正した「実態の純資産」で評価するとされています。よく見られる項目は次のとおりです。
| 項目 | 見られる点 | 修正の方向(一般論) |
|---|---|---|
| 役員貸付金・仮払金 | 何に使ったお金か、返してもらえる見込みがあるか | 回収の見込みが低ければ、資産から差し引いて見る |
| 売掛金 | 長く回収できていないものや、倒産・廃業した取引先のものがないか | 回収できない分を差し引く |
| 棚卸資産(在庫) | 売れる見込みのない在庫や、実際にはない在庫がないか | 価値のない分を差し引く |
| 保険積立金 | 帳簿の金額と、いま解約したときの返戻金の差 | 解約返戻金の額に置き換える |
| 土地・有価証券 | 帳簿の金額と時価の差(含み損益) | 時価に置き換えて見ることがある |
| 減価償却の不足 | 本来計上すべき減価償却費を計上していないか | 資産の額と利益を、計上した場合の額に直す |
| 代表者からの借入金 | 返済を急がない性格の借入かどうか | 金融機関によっては、自己資本に近いものとみなして評価することがある |
一般的な例です。どの項目をどう修正するかは、金融機関ごとに異なります。
| 項目 | 金額 | 中身 |
|---|---|---|
| 決算書の純資産 | 1,000万円 | 総資産8,000万円、自己資本比率12.5% |
| 役員貸付金 | −400万円 | 返済の予定がなく、回収の見込みが低いとみる |
| 売掛金 | −150万円 | 取引先の廃業で回収できない分 |
| 在庫 | −100万円 | 型落ちで売れる見込みのない商品 |
| 保険積立金 | +120万円 | 帳簿300万円に対し、解約返戻金は420万円 |
| 土地 | −500万円 | 帳簿2,000万円に対し、時価は1,500万円 |
| 実態の純資産 | −30万円 | 実質的には債務超過と見られる |
| 参考:代表者からの借入金600万円を自己資本に近いものとみなした場合 | 570万円 | 扱いは金融機関によって異なる |
損益計算書:売上の推移と利益の中身
損益計算書は、1期の数字より2〜3期の推移で見られるのが一般的です。売上が増えた・減った理由(単価か、数量か、取引先か)を説明できるようにしておきます。利益は段階ごとに意味が違います。
| 利益 | 意味 | 金融機関が見る点(一般論) |
|---|---|---|
| 売上総利益 | 売上から売上原価を引いた利益(粗利) | 粗利率が安定しているか。仕入価格の上昇を価格に転嫁できているか |
| 営業利益 | 売上総利益から販売費及び一般管理費を引いた、本業のもうけ | 本業で稼ぐ力があるか。赤字なら、その原因と続くかどうか |
| 経常利益 | 営業利益に、支払利息などの本業以外の損益を加えた、ふだんの事業活動のもうけ | 借入の利息を払ったあとも利益が残るか |
| 税引前当期純利益・当期純利益 | 経常利益に、土地の売却益や災害の損失など一時的な損益(特別損益)を加えたものが税引前当期純利益、そこから税金を引いた最終的な利益が当期純利益 | 一時的な損益を除くと、実力はどうか |
一般的な説明です。
中小企業では、役員報酬の水準もあわせて見られます。役員報酬を多く取って会社の利益がほとんど残っていない場合、会社の返済能力は低く見えます。役員報酬と会社の利益の配分の考え方は、次の章の役員報酬と利益の配分で解説します。
減価償却前の利益も見られる
減価償却費は、設備の購入代金を使う期間に分けて計上する費用で、計上する年に現金は出ていきません。そのため、減価償却費を足し戻した利益で、事業が生むお金の力を見ることがあります。たとえば経常利益が50万円の赤字でも、減価償却費が200万円あれば、減価償却前経常利益は150万円の黒字です。公庫の経営者保証免除特例制度や信用保証協会の事業者選択型経営者保証非提供制度でも、減価償却前経常利益が2期連続の赤字でないことが要件に使われています。
返済能力:債務償還年数とEBITDA有利子負債倍率
返済能力は、借入の残高と、事業が1年間に生むお金を比べて見ます。代表的な指標が、債務償還年数とEBITDA有利子負債倍率です。このページの計算ツールは、次の式で計算します。
- 所要運転資金
- 売上債権(売掛金・受取手形)+棚卸資産−仕入債務(買掛金・支払手形)。事業を続けるために売掛金や在庫に回っているお金です。
- 債務償還年数
- (有利子負債−現預金−所要運転資金)÷(税引後当期純利益+減価償却費)。いまの借入を、毎年の利益と減価償却費で返すと何年かかるかの目安です。
- EBITDA有利子負債倍率
- (有利子負債−現預金)÷(営業利益+減価償却費)。営業利益に減価償却費を足したもの(EBITDA)の何年分の借入があるかを表します。ローカルベンチマークの財務指標の一つです。
債務償還年数の計算で所要運転資金を差し引くのは、一般に、運転資金のための借入は売掛金の回収や在庫の販売で返せる性格のものと考えるためです。ただし、回収できない売掛金や売れない在庫は、差し引く対象から外して考えるのが一般的です。
目安と、公的な制度での使われ方
- 債務償還年数は、一般に10年以内がひとつの目安とされます。ただし、設備や不動産を多く持つ業種では長くなりやすいなど、業種や事業の内容によって見方は異なります。
- 公庫の経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)は、対象となる要件の一つに、前期に損失があって最近期に利益は増えたものの、債務償還年数が15年以上であることを挙げています(要件は8つのうちいずれか1つ。この要件での計算方法は取扱支店に確認してください)。制度の内容は業況が悪化したときの公庫の資金で解説しています。
- EBITDA有利子負債倍率は、経営者保証を外すための保証制度の要件にも使われています。国のプロパー融資借換特別保証制度(2027年3月31日まで)は15倍以内、北海道信用保証協会の事業承継特別保証は10倍以内が要件の一つです。
計算方法そのものも、金融機関によって異なります。所要運転資金を差し引かない方法や、経常利益をもとにする方法もあり、代表者からの借入金を有利子負債に含めるかどうかも扱いが分かれることがあります。数字は「自社の状態をつかむ目安」として使い、実際の評価は金融機関で確認しましょう。
| 決算書の数字 | 金額 |
|---|---|
| 有利子負債(借入金) | 6,000万円 |
| 現預金 | 1,500万円 |
| 売上債権 | 1,800万円 |
| 棚卸資産 | 700万円 |
| 仕入債務 | 1,000万円 |
| 営業利益 | 550万円 |
| 税引後当期純利益 | 300万円 |
| 減価償却費 | 200万円 |
| 純資産/総資産 | 1,800万円/9,000万円 |
| 計算 | 結果 |
|---|---|
| 所要運転資金=1,800+700−1,000 | 1,500万円 |
| 債務償還年数=(6,000−1,500−1,500)÷(300+200) | 6.0年 |
| EBITDA有利子負債倍率=(6,000−1,500)÷(550+200) | 6.0倍 |
| 自己資本比率=1,800÷9,000 | 20.0% |
- 所要運転資金を差し引かずに計算すると、(6,000−1,500)÷500=9.0年になります。計算方法で結果が大きく変わる例です。
- 税引後当期純利益が150万円に減ると、3,000÷(150+200)で約8.6年に延びます。
- 在庫を500万円増やし、その分を借入でまかなった場合、所要運転資金も500万円増えるので債務償還年数は6.0年のままですが、EBITDA有利子負債倍率は(6,500−1,500)÷750で約6.7倍になります。
自社の決算書の数字を入れて、同じ計算をしてみましょう(金額は万円で入力します)。
貸借対照表から(万円)
損益計算書から(万円)
計算結果がここに表示されます。
計算式:所要運転資金=売上債権+棚卸資産−仕入債務、債務償還年数=(有利子負債−現預金−所要運転資金)÷(税引後当期純利益+減価償却費)、EBITDA有利子負債倍率=(有利子負債−現預金)÷(営業利益+減価償却費)。結果は小数第2位を四捨五入した概算の目安です。計算方法は金融機関ごとに異なり(所要運転資金を差し引くかどうか、経常利益をもとにするかなど)、目安となる水準も業種によって違います。実際の評価は金融機関で確認してください。
年間の返済額とも比べる
債務償還年数が目安の範囲でも、毎年の約定返済(契約で決めた返済元金)がキャッシュフローを上回っていれば、手元資金は減っていきます。たとえば上の計算例の会社で年間の返済元金が800万円なら、キャッシュフロー500万円では毎年300万円足りず、新たな借入か手元資金で埋めることになります。返済期間が資金の性格に合っていない可能性があるので、借換えなどで返済額を見直すことも検討します(返済原資の考え方、繰上返済と借換えの判断)。
赤字や債務超過のときに説明すること
赤字や債務超過の決算書でも、それだけで一律に融資が断られるとは限りません。金融機関が知りたいのは、原因が一時的なものか続くものか、そしてどう立て直すかです。決算書を出すときに、次のような説明を添えましょう。
| 状況 | 金融機関が知りたいこと | 用意する資料の例 |
|---|---|---|
| 一時的な損失で赤字 | 災害・設備の除却・取引先の倒産など、その期だけの要因か。本業の利益はどうか | 特別損失の内訳、営業利益・経常利益の推移 |
| 季節や立ち上がりの影響で赤字 | 毎年同じ時期に落ちるのか、新しい店舗や事業の立ち上がりの赤字か | 月別の売上・利益、資金繰り表、店舗・事業別の損益 |
| 本業の不振で赤字 | 原因(単価の下落、原材料・人件費の上昇、取引先の減少など)と、改善の打ち手と時期 | 経営改善計画、改善後の収支の見通し、直近の試算表 |
| 債務超過 | 何年で解消できるか。実態修正や代表者からの借入金を考えるとどうか | 利益計画と純資産の見通し、代表者からの借入金の扱いの説明 |
一般的な例です。経営改善計画の作り方は経営改善計画と公的な支援制度で解説しています。
勘定科目内訳書・事業概況説明書も見られる
決算書の本体だけでなく、法人税の申告書に添付する書類も、数字の中身を確かめる資料として見られることがあります。
- 勘定科目内訳書
- 預金・売掛金・仮払金・貸付金・借入金・役員報酬などについて、相手先や金額の内訳を書いた書類です。同じ相手に長く残っている売掛金や仮払金、役員への貸付金、借入金の明細が、ここから分かります。
- 法人事業概況説明書
- 事業の内容や従業員数、月ごとの売上などを書く書類です。月ごとの売上から、季節の波や、決算期末だけ売上が多いといった不自然な動きがないかを確かめられることがあります。
次の点は、決算を締める前に確認しておきましょう。
- 借入金の残高が、金融機関の返済予定表や残高と一致している
- 同じ相手に長く残っている売掛金・仮払金・貸付金について、理由と回収の見込みを説明できる
- 役員との貸し借りの残高と、その理由が整理されている
- 月ごとの売上の動きが、資金繰り表や通帳の入金と合っている
個人事業の方も、確定申告書と青色申告決算書(または収支内訳書)が同じように見られます。勘定科目の意味は勘定科目(貸借対照表)の解説、決算書の整え方は次の章の融資を受けやすい決算書にする10の実務で紹介します。
会計事務所の視点
- 決算書は、税金の計算のためだけでなく、金融機関に読まれる前提で作ると考えましょう。実態修正で差し引かれそうな項目は、決算前に中身を確かめておくと説明がしやすくなります。
- 回収できない売掛金の貸倒れ処理や、売れない在庫の評価損・処分は、税務上の要件を確かめたうえで決算に反映します。処理の時期と方法は顧問税理士と相談してください。
- 債務償還年数などの指標を毎期計算し、推移を記録しておくと、借入の増やし方や返済のペースを考える材料になります。
融資を受けやすい決算書にする10の実務
融資を受けやすい決算書とは、見栄えを整えた決算書ではなく、実態が正確に表れ、利益と自己資本の積み上げが見える決算書のことです。ここで紹介する10の実務は、どれも数字を正しく作り、早く伝えるためのものです。決算の直前ではできないことも多いので、期首から計画的に進めましょう。
| 実務 | 主な狙い | いつやるか |
|---|---|---|
| ①節税しすぎない | 返済の財源と自己資本を残す | 期中から決算前 |
| ②役員報酬と利益の配分 | 会社に利益が残る形にする | 期首 |
| ③役員貸付金・仮払金の解消 | 資産の中身をきれいにする | 毎月と決算前 |
| ④減価償却の計上 | 実態どおりの利益を示す | 決算 |
| ⑤在庫・売掛金の実在性 | 資産の中身をきれいにする | 毎月と決算日 |
| ⑥中小会計要領に沿った決算 | 決算書の信頼性を高める | 決算 |
| ⑦月次決算の早期化と試算表 | 途中の業績を伝える | 毎月 |
| ⑧決算説明 | 評価を正しく理解してもらう | 決算・申告の後すぐ |
| ⑨借入の使いみちの記録 | 申し込んだ使いみちどおりであることを示す | 借入のたび |
| ⑩税金・社会保険料の期限内納付 | 信用の土台を守る | 納期限ごと |
①節税しすぎない:利益と納税・内部留保のバランス
税金を減らすために利益を圧縮すると、決算書の利益と純資産も同じだけ減ります。金融機関から見ると、返済の財源(税引後の利益+減価償却費)が小さく、自己資本も積み上がっていない会社に見えます。
必要な支出の結果として税金が減るのは問題ありません。注意したいのは、税金を減らすこと自体が目的の支出です。税金が減る以上に、手元資金が減るからです。
来期以降でもよい広告宣伝などに、税金を減らすためだけに決算前に300万円を支出した場合を比べます(全額がその期の経費になる支出とします)。計算を簡単にするため、税金を利益の30%と仮定しています(実際の税額は所得の金額や会社の規模などで異なります)。
| 項目 | 支出しない場合 | 300万円を支出した場合 |
|---|---|---|
| 税引前当期純利益 | 1,000万円 | 700万円 |
| 税金(30%と仮定) | 300万円 | 210万円 |
| 税引後当期純利益(純資産の増加) | 700万円 | 490万円 |
| 債務償還年数(下の前提) | 4.4年 | 6.1年 |
前提:支出しない場合の要償還債務(有利子負債−現預金−所要運転資金)は4,000万円、減価償却費は年200万円。支出した場合は手元資金が210万円少ないため、要償還債務は4,210万円。債務償還年数は4,000÷(700+200)と4,210÷(490+200)で計算しています。
②役員報酬と利益の配分を期首に決める
中小企業では、社長の役員報酬と会社の利益は、同じ財布から分け合う関係にあります。役員報酬を多く取れば会社の利益は減り、少なくすれば会社に利益が残ります。融資の面からは、会社に一定の利益が残る水準にするのが基本です。
- 役員報酬は、税務上、毎月同じ額を支給する定期同額給与が基本で、額を改定できるのは原則として事業年度の開始から3か月以内です(業績の著しい悪化などの例外を除きます)。期首の段階で、今期の利益の見込みと借入の返済額から逆算して決めます
- 会社を毎期赤字にしてまで役員報酬を取ると、会社の返済能力は低く見えます
- 逆に役員報酬を低くしすぎると、生活費が足りなくなり、会社のお金を借りる役員貸付金が生まれる原因になります
- 役員報酬が社会通念上相当であることは、経営者保証に関するガイドラインや、信用保証協会の事業者選択型経営者保証非提供制度でも確認される点です
社会保険料や個人の所得税を含めた負担の合計で考える必要があるので、水準は顧問税理士と試算して決めましょう。
③役員貸付金・仮払金を解消する
役員貸付金(会社から社長への貸付)や、使いみちが確定していない仮払金は、金融機関が特に気にする科目です。融資したお金が事業以外に流れていないか、回収できるのかが分からないため、実態修正で資産から差し引かれることがあります(実態修正)。
- 会社の口座・カードを私的な支払いに使わない。立替えや仮払いは、月ごとに精算する
- 決算期末に仮払金を残さない。出張費や交際費などは、領収書で精算して正しい科目に振り替える
- すでにある役員貸付金は、返済の計画を立てて減らしていく
決算期末だけ返してもらい、期首にまた貸す形では、解消したことになりません。通帳の動きや勘定科目内訳書から分かり、かえって説明を求められます。残高を実際に減らしていく計画を立てることが大切です。
代表者への貸付金がないことは、信用保証協会の事業者選択型経営者保証非提供制度の要件でもあります。解消のしかたによって会社と個人の税金の扱いが変わるので、顧問税理士と相談しながら進めます。経営者保証との関係は経営者保証を外す・付けない方法で解説しています。
④減価償却をきちんと計上する
法人の税務では、減価償却費は上限(償却限度額)の範囲で計上額を決められるため、計上を見送ればその期の利益は大きく見えます。しかし、会社法のルール(会社計算規則)や中小会計要領では、毎期、相当の減価償却をすることが求められています。金融機関も一般に、本来計上すべき減価償却費を差し引いて実態の利益を見るので、見送っても評価はよくなりません。かえって、利益の出し方を調整していると受け止められるおそれがあります。なお、個人事業では、減価償却費は毎年必ず計上するものとされ、見送ることはできません。
- 毎期、同じ方法で減価償却費を計上する
- 設備の多い会社は、減価償却前の利益(経常利益+減価償却費)もあわせて説明する
- 使わなくなった設備は、除却の処理を検討し、帳簿に実態のない資産を残さない
⑤在庫・売掛金が実在することを確かめる
在庫と売掛金は、帳簿の金額と実際が食い違いやすい科目です。金融機関は、実際にある在庫か、本当に回収できる売掛金かを気にします。
- 決算日に実地棚卸をして、数量と金額の記録を残す。売れる見込みのない在庫は、処分や評価の見直しを検討する
- 売掛金は取引先ごとに残高を管理し、長く残っているものは回収の見通しを確かめる。回収できないものは、税務上の要件を確かめて貸倒れの処理を検討する
- 主な取引先と残高を確かめ合っておくと、数字の信頼性が上がる
数字を実際と違う形にしない
在庫や売上を実際より多く計上したり、経費を計上せずに翌期へ回したりして利益を大きく見せることは粉飾にあたり、してはいけません。発覚すれば金融機関の信頼を失い、契約によっては返済を一度に求められることもあります。企業価値担保権を使った融資では経営者保証の利用が制限されますが、粉飾などの場合は例外とされているように、粉飾は制度の上でも重く扱われています。
⑥中小会計要領に沿った決算にする
中小企業の会計に関する基本要領(中小会計要領)は、中小企業向けにまとめられた会計のルールです。これに沿って毎期同じルールで決算書を作ると、税務申告のためだけでなく、金融機関に経営の実態を伝えやすくなります。
- 売掛金・在庫・減価償却・引当金などを、毎期同じルールで処理する
- 処理のしかたを変えたときは、理由と影響額を説明できるようにする
公庫の新規開業・スタートアップ支援資金では、中小会計要領または中小企業の会計に関する指針を適用(予定を含む)し、自ら事業計画書を作り、認定経営革新等支援機関(税理士・公認会計士など)の指導・助言を受けている方が、特別利率Aの対象になります(事業開始後おおむね7年以内の方が対象の制度です)。また、北海道信用保証協会の保証料率には、会計参与を置く会社への0.1%の割引があります。
⑦月次決算を早くし、試算表を出せるようにする
決算書は年に1回で、決算から時間がたつほど情報は古くなります。そのため金融機関は、途中の業績を試算表で確かめます。公庫でも、はじめて申し込む法人で決算から6か月以上たっている場合は、試算表の提出が必要です。
- 毎月の記帳を翌月の早い時期に締め、月次の試算表を出せる体制にする
- 減価償却費や賞与などは月割りで計上し、月ごとの利益を実態に近づける
- 試算表に、この先数か月の入金と支払いの予定(資金繰り表)を添える
月次の試算表は、在庫の増減や未払いの経費を反映しないと、月ごとの利益が大きくぶれます。毎月の在庫の概算や、請求書が後から届く経費の計上をルール化しておくと、決算の数字との差が小さくなり、試算表の信頼性が上がります。
信用保証協会のモニタリング強化型特別保証(2026年3月16日開始)は、認定経営革新等支援機関と連携して月次の財務・資金繰りを報告する事業者向けの制度です。月次の数字を出せることが、使える制度を広げる場面も出てきています。会計ソフトの使い方は、freee・マネーフォワード・弥生の実務ガイドも参考にしてください。
⑧決算後は早めに決算説明をする
決算と申告が終わったら、取引のある金融機関に早めに決算書を届け、内容を説明しましょう。金融機関は決算書を受け取ると評価を見直すのが一般的なので、良い点も悪い点も、先に自分の言葉で伝えるほうが正しく理解されます。
- 決算書一式と申告書を用意する
勘定科目内訳書を含めた一式を、取引のある金融機関すべてに同じものを渡します。
- 前期と比べた要点を1枚にまとめる
売上・利益が増減した理由、特別な損益の中身、大きな設備投資などを書きます。
- 今期の見通しと直近の試算表を添える
今期の利益計画と、進み具合が分かる試算表を示します。
- 借入金の一覧と資金繰り表を付ける
金融機関ごとの残高・毎月の返済額・金利をまとめると、全体の返済負担が伝わります。
- 課題があれば、対策とセットで話す
赤字や減益の場合は、原因と改善の打ち手、その時期を説明します。
日ごろの付き合い方は金融機関との付き合い方で解説しています。
⑨借入の使いみちを記録に残す
融資は、申し込んだ使いみち(資金使途)に使うのが前提です。設備資金なら見積書どおりの設備を買い、運転資金なら仕入や経費の支払いに使います。使いみちと違う使い方をすると、次の融資の相談で信頼を失うだけでなく、契約によっては返済を一度に求められることもあります。
- 借りたお金の流れを追えるように、支払いは口座から行い、通帳に記録を残す
- 設備資金は、見積書・請求書・領収書・納品書を保管し、融資額と支払額の対応を説明できるようにする
- 予定が変わったときは、使う前に金融機関に相談する
決算書の上でも、借入金の増加と、設備の取得や運転資金の増加が対応しているかが見られます。
⑩税金・社会保険料を期限内に納める
税金や社会保険料の滞納は、資金繰りが苦しいサインと受け取られ、多くの制度で問題になります。たとえばマル経融資の推薦には税金の原則完納が、信用保証協会の特別小口保険には税の完納が求められます。札幌市の制度融資では市民税の納税証明書を提出し、公庫の資本性ローンでも、すでに1期以上の税務申告を済ませている場合は、原則として所得税などを完納していることが要件です。
納付が難しいときは、放置せず、税務署や年金事務所に早めに相談しましょう。国税や社会保険料には、要件を満たせば納期限から6か月以内の申請で分割して納められる換価の猶予があります(資金繰りが厳しいときの緊急対応)。
個人事業の方の場合
個人事業では、法人の決算書にあたるのが確定申告書と青色申告決算書(または収支内訳書)です。考え方は法人と同じですが、次の点に気をつけます。
家計費も含めて返せるかが見られる
個人事業では、事業の利益から生活費も出ていきます。公庫の冊子「創業の手引」も、利益から借入金の返済元金と家計費(個人の場合)を差し引いた額を、手元に残るお金として示しています。家計費を把握し、返済との両立を説明できるようにします。
事業と家計のお金を分ける
事業用と生活用の口座・カードを分けると、売上と経費の流れを説明しやすくなります。事業のお金を生活費などに回した分は帳簿上「事業主貸」になり、多い年は、家計費が事業から多く出ていることが分かります。
青色申告で貸借対照表まで作っていると、財務の状態も説明しやすくなります。確定申告は期限内に済ませ、控えを申告書一式として保管しておきましょう。
会計事務所の視点:節税と融資を両立させる考え方
節税と融資は、どちらか一方を選ぶものではありません。節税策の一覧で紹介している方法も、次の3つの観点で選べば、決算書の評価を大きく損なわずに使えます。
- 節税のためだけの支出を必要としない方法を優先する:もともと予定している設備投資や賃上げに使える税額控除・特例のように、手元資金を余分に減らさない方法は、融資への影響が小さくなります。減価償却を前倒しできる特例を使える場合も、たとえば300万円前倒しすると税引後の利益は210万円減りますが、減価償却費を足し戻したキャッシュフローは税金が減った90万円分だけ増えます(税金を30%と仮定)。ただし純資産の積み上がりは減るので、自己資本比率への影響もあわせて考えます。
- 支出を伴う節税は「本当に必要な支出か」で判断する:いずれ必要な設備の購入時期を合わせるのはよいとしても、税金を減らすためだけの支出は、税金が減る以上に手元資金を減らします。
- 残したい利益を先に決める:期首に、税引後の利益+減価償却費が年間の返済元金を上回り、自己資本も積み上がる水準の利益を目標にし、それを超える部分で節税を考えます。
決算の数か月前に着地の見込みを出し、融資の予定と節税の方法をあわせて検討すると、慌てた決算前の支出を避けられます。
金融機関との付き合い方:メインバンクと複数行取引
融資は1回で終わる取引ではなく、何年も続く関係です。メインバンクを軸に、複数の金融機関と同じ情報を共有し、決算報告と早めの相談を習慣にすることが、いざというときの資金調達を左右します。この章で紹介する金融機関の特徴は一般論で、特定の金融機関を評価するものではありません。
金融機関の種類と特徴
事業資金を借りる相手は、組織の形や営業の範囲によって、次のように分けられます。
| 種類 | 組織の形・営業の範囲 | 取引先の中心と特徴(一般論) |
|---|---|---|
| メガバンク(大手銀行) | 株式会社。全国と海外に店舗網を持つ | 大企業から中小企業まで取引先が幅広い。海外取引や大口の資金調達など、扱うサービスの幅が広い |
| 地方銀行(第二地方銀行を含む) | 株式会社。本店のある地域を中心に営業する | 地元の中堅・中小企業や個人との取引が中心。地域の産業や取引先の事情に通じている |
| 信用金庫 | 地域の事業者や住民が会員となる協同組織。営業できる地域が決まっている | 融資は原則として会員が対象。地域の小規模な事業者との取引が中心 |
| 信用組合 | 組合員が出資する協同組織。地域・業種・職域を基盤とする | 融資は原則として組合員が対象。小規模な事業者との取引が中心 |
| 政府系金融機関 | 公庫など。民間金融機関の補完が役割 | 創業や小口の融資に力を入れ、公庫の融資は固定金利(日本政策金融公庫の融資 完全ガイド) |
一般的な特徴です。同じ種類でも、方針や得意な分野は金融機関ごとに違います。
どこと取引するかは、種類よりも、自社との相性で考えます。
- 店舗や担当者との距離:事業所の近くに店舗があり、訪問や相談がしやすいか
- 業界への理解:自社の業種や取引先の事情に通じているか
- 使いたい制度:利用したい制度融資の取扱金融機関になっているか
- 規模の相性:自社の規模や必要な金額に合った取引先が多いか
- 決済のサービス:インターネットバンキングや、でんさい(電子記録債権)など、日々の決済に必要なサービスがあるか
メインバンクの役割
メインバンクとは、一般に、借入の残高が最も多く、売上の入金や給与の支払いなど日々の取引の中心になっている金融機関を指します。資金が必要になったときに最初に相談する相手であり、業績が悪化したときには、ほかの金融機関との調整の中心にもなります。
メインバンクとの関係を深めるには、取引をまとめて、会社の動きが見える状態にすることです。
- 売上の入金口座、給与の振込、税金・社会保険料の引落しをまとめる。口座の動きから、業況を把握してもらいやすくなる
- 決算報告や計画の説明は、まずメインバンクから行う
- 資金が必要になりそうなときは、決まってからではなく、見込みの段階で相談する
返済が苦しくなって条件変更(リスケジュール)を相談するときも、メインバンクから始めて、すべての取引金融機関に同じ内容を伝えるのが基本です(条件変更の進め方)。
複数の金融機関と取引する考え方
複数と取引する利点
- 1つの金融機関が融資に慎重になっても、ほかに相談できる
- 条件を比べられ、金利や保証の交渉の材料になる
- 金融機関ごとに得意な分野やサービスを使い分けられる
広げすぎたときの注意点
- 取引が分かれすぎると、どの金融機関にとっても自社の重要度が下がる
- 決算報告や手続きの手間が増える
- 担保や保証の条件が金融機関ごとにばらばらになりやすい
メインとサブの役割を決め、メインに取引の多くを集めつつ、サブとも決算報告を欠かさない形がよく見られます。大切なのは、同じ資料を、同じ時期に、すべての取引金融機関へ出すことです。金融機関ごとに説明が違うと、信頼を損ないます。金利の交渉の材料と進め方は金利上昇局面での借入の見直しと交渉で解説しています。
決算報告と情報開示を習慣にする
経営者保証に関するガイドラインは、保証を求めない可能性を検討する要件の一つに、財務状況の正確な把握と適時適切な情報開示を挙げています。定期的な報告を条件にした保証制度もあります。
- 経営力強化保証:金融機関と認定経営革新等支援機関の支援で事業計画を作り、四半期ごとに進捗を報告する
- モニタリング強化型特別保証(2026年3月16日開始):認定経営革新等支援機関と連携して、月次の財務・資金繰りを報告する
- スタートアップ創出促進保証:会社設立の3年目と5年目にガバナンス体制のチェックを受け、その結果を金融機関に出す
制度を使うかどうかにかかわらず、次のような1年の流れを習慣にしておくと、金融機関との話し合いがいつでも始めやすくなります。
- 決算の後:決算報告
決算書一式と、前期と比べた要点、今期の計画を説明します(決算説明のしかた)。
- 期の途中:試算表と資金繰り表の共有
半期や四半期ごとなど、時期を決めて途中の業績を伝えます。
- 資金が必要になる前:早めの相談
設備投資や増加運転資金は、支払いの時期から逆算して余裕をもって相談します。
- 大きな変化があったとき:すぐに報告
主な取引先の増減、大きな受注や損失、役員の交代や事業承継の予定などは、決算を待たずに伝えます。
業績が悪いときほど、早く伝えることが大切です。政府と金融庁は2025年11月と2026年3月に、金融機関に対して、資金繰りの相談への丁寧な対応や、既往債務の条件変更・借換えへの迅速で柔軟な対応などを要請しています。2026年3月の要請では、機械的な融資判断をしないことも求めています。困ってから駆け込むより、兆しの段階で相談するほうが、とれる手段は多くなります。
担当者の交代に備える
金融機関の担当者は、一般に数年ごとに異動することが多いとされます。担当者が代わっても関係が途切れないよう、次の準備をしておきましょう。
- 会社の沿革、事業の内容、主な取引先、借入の経緯と使いみち、今後の計画をまとめた会社の概要資料を作り、毎年更新する
- 引継ぎの挨拶の場で、会社の強みと課題、進めている計画を改めて伝える
- 担当者だけでなく、支店長や融資の責任者とも、決算報告などの機会に面識を持っておく
融資以外の相談相手として
取引先の紹介、事業承継や事業の譲渡・買収の相談、経営改善の計画づくりなど、融資以外の相談に応じる金融機関もあります。金融庁の監督指針等の改正(2026年4月1日適用)も、金融機関による事業承継などの支援や、経営者保証に依存しない融資の促進を盛り込んでいます。
国の早期経営改善計画策定支援(通称:Vアップ事業)では、作った計画をメインバンクなどに提出し、計画の実行を支える伴走支援の状況を金融機関と共有します。困りごとを早めに共有できる関係は、こうした制度を使うときにも生きてきます(経営改善計画と公的な支援制度)。
保証付き融資からプロパー融資へ
創業期から、いきなりプロパー融資を受けるのは一般に簡単ではありません。実績を積みながら、段階的に移っていくのが一般的な流れです。
| 段階 | 主な借り方 | 次の段階に進む材料 |
|---|---|---|
| 1 創業期 | 公庫の融資、札幌市・北海道の制度融資(保証付き) | 計画どおりの売上と、約束どおりの返済 |
| 2 実績づくり | 保証付き融資を中心に、返済と決算報告を重ねる | 黒字の決算と資産超過、返済の実績、情報開示の積み重ね |
| 3 組み合わせ | 保証付き融資とプロパー融資を同時に受ける協調型 | プロパー融資を問題なく返していること |
| 4 プロパー中心 | プロパー融資や当座貸越が中心。経営者保証を付けない形も交渉の対象になる | 業績と財務の安定、金融機関との信頼関係 |
目安の流れです。進み方は業績や金融機関の方針によって変わります。
3の段階の例として、北海道信用保証協会の協調融資型保証(スクラム5000)は、業歴2年以上で2期以上申告している事業者を対象に、保証額の5割以上のプロパー融資を同時に実行する保証です。当座貸越(貸付専用型)根保証が業歴3年以上・2期以上の申告や、申込金融機関との6か月以上の取引を条件にしているように、制度の上でも取引の積み重ねが重視されています。経営者保証の外し方は経営者保証を外す・付けない方法で解説しています。
札幌で金融機関と取引を始めるには
- 札幌市の制度融資は、市の取扱金融機関(原則として市内の店舗)に直接申し込みます
- 北海道の制度融資は、商工会議所などのあっせん機関を通じて申し込むのが基本です
- 取引のある金融機関がない場合は、北海道信用保証協会に直接相談し、保証を付けたうえで金融機関をあっせんしてもらう「あっせん保証」という方法もあります
- 融資制度や保証の相談は、札幌中小企業支援センター(北海道経済センタービル2階、011-200-5511)でもできます
制度融資の詳しい使い方は北海道・札幌市の制度融資と信用保証協会で解説しています。
信頼を損なう行動
- 金融機関ごとに、内容の違う決算書や資料を出す
- 業績の悪化や大きな損失を、決算まで伝えない
- 申し込んだ使いみちと違うことに、借りたお金を使う
- 返済が遅れそうなのに、期日を過ぎるまで連絡しない
会計事務所の視点
金融機関に出す数字は、決算書・試算表・資金繰り表・借入金の一覧のすべてで一致している必要があります。借入金の一覧(金融機関ごとの残高、毎月の返済額、金利、保証の有無)を毎月更新しておくと、どの金融機関から聞かれてもすぐに答えられます。顧問契約のある会計事務所がある場合は、月次の数字をそのまま金融機関向けの説明資料に生かせるよう、締めの時期と資料の形をあらかじめ相談しておきましょう。
経営者保証を外す・付けない方法
経営者保証は、もう「付けて当たり前」のものではありません。経営者保証ガイドラインの3つの要件を満たす会社づくりを進め、公庫の経営者保証免除特例、信用保証協会の制度、取引金融機関との交渉を組み合わせれば、保証なしで借りたり、今ある保証を外したりできる可能性が高まります。
割合は金融庁の2026年6月26日の公表によります。
経営者保証とは:なぜ外したいのか
経営者保証とは、会社が金融機関から借りたお金を、代表者個人が連帯して保証することです。会社が返せなくなると、代表者は自宅や預金など個人の財産で返済を求められます。
保証には会社の信用を補う役割がある一方で、一般に次のような問題が指摘されてきました。
- 失敗したときに個人の生活まで失うおそれがあり、新しい事業や設備投資に踏み出しにくい
- 後継者が保証の引継ぎをためらい、事業承継の妨げになる
- 業績が悪くなっても、保証があるために相談や立て直しが遅れやすい
こうした問題を解消するため、2013年12月に「経営者保証に関するガイドライン」が公表され、2014年2月1日から適用されています。2022年12月には、経済産業省(中小企業庁)・金融庁・財務省が「経営者保証改革プログラム」を策定し、保証に頼らない融資を広げる取組みが続いています。
個人事業主の場合
個人事業主は、事業の借入そのものが本人の借金なので、「経営者保証」は主に法人の問題です。個人事業主で気になるのは、家族などに保証人を頼むかどうかでしょう。公庫は個人営業の方を原則として無保証人としており、信用保証協会の保証付き融資でも、法人代表者以外の連帯保証人は原則として不要です。
ガイドラインの3要件と、金融機関が見るところ
「経営者保証に関するガイドライン」は、次の3つの要件を満たす会社について、金融機関が保証を求めない可能性を検討するとしています。
①法人と経営者の明確な区分・分離
会社のお金・資産と、経営者個人のお金・資産がきちんと分かれていること。
- 役員貸付金(会社から社長への貸付け)をつくらない・解消する
- 会社の口座やカードで私的な支払いをしない
- 役員報酬を会社の規模や利益に見合った水準にする
- 社長個人の不動産を会社が使うなら、賃料などの取り決めを明確にする
②財務基盤の強化
会社の資産や稼ぐ力だけで、借入を返していけると説明できること。
- 黒字を続け、利益を会社に残して純資産を厚くする
- 債務超過があれば解消する
- 減価償却前の利益を安定して出す
公庫の特例や保証協会の制度では、債務超過でないこと、減価償却前経常利益が2期連続の赤字でないことが、財務の目安として使われています。
③財務状況の正確な把握と適時適切な情報開示
正確な決算書をつくり、金融機関に定期的に説明していること。
- 決算書(勘定科目内訳書を含む)を毎期届けて説明する
- 試算表や資金繰り表を定期的に提出する
- 業績が悪いときほど、早めに報告する
3つの要件は、そろえば自動的に保証が外れるという基準ではなく、金融機関が保証の要否を検討するときの物差しです。とはいえ、公庫の特例や保証協会の制度で問われる中身とも重なる部分が多いので、日ごろから整えておくほど選択肢が広がります。役員貸付金や私的な支払いなど、実務で見直すポイントは公庫の担保・保証人の章にもまとめています。決算書のどこが見られるかは決算書の見方、整え方は決算書づくりの章をご覧ください。
金融機関には「保証が必要な理由」を説明する役割がある
2023年4月から、金融庁の監督指針により、金融機関が個人保証を求めるときは、どの部分が不十分で保証が必要なのか、どう改善すれば保証の変更・解除の可能性が高まるのかを、事業者に個別具体的に説明し、その結果を記録することが求められています。経営者保証改革プログラムの施策の一つで、金融機関は2023年9月期から、説明・記録の件数を金融庁に報告しています。
保証を求められたら聞いておきたいこと
- 3つの要件のうち、どこが不十分と見られているか
- 何をどこまで改善すれば、保証の変更・解除の可能性が高まるか
- 保証を外す相談は、次にいつできるか(決算報告の時期など)
- 保証の金額と、どの借入を保証するものか
聞いた内容はメモに残し、次の決算までの改善目標にします。
すでに付いている保証についても見直しの動きがあります。金融庁が2026年2月に結果を公表した監督指針の改正(2026年4月1日適用)について、案の段階の概要や「地域金融力強化プラン」(2025年12月)では、2023年3月以前に結んだ既存の保証契約にも、新しい契約と同じような説明・記録を求める方針が示されていました(金融庁の公表)。古い保証契約がどう扱われるかは、取引金融機関に確認してください。
金融機関には、ガイドラインの浸透・定着に向けた取組方針の公表も要請されています。取引金融機関の方針を読んでおくと、相談の糸口になります。金融機関の対応について相談したいときは、2023年4月に金融庁に設けられた経営者保証の専用相談窓口も使えます(連絡先は金融庁のサイトで確認してください)。
保証を付けない・外す6つの選択肢
経営者保証を避ける方法は一つではありません。対象・要件・コストが違うので、自社の状況に合うものを選びます。
| 方法 | 主な対象 | 主な要件 | コスト | 窓口 |
|---|---|---|---|---|
| 公庫の経営者保証免除特例制度 | 公庫で借りる法人 | 7つの要件のどれか(税務申告2期以上で財務の条件を満たす、創業期、物的担保の提供、技術・ノウハウの新規性、取引金融機関の協調 など)。①〜④は法人と代表者の一体性の解消を公庫が確認できることが前提 | 上乗せ利率なし(各融資制度の利率のまま) | 公庫の支店 |
| 事業者選択型経営者保証非提供制度 | 法人(2024年3月15日開始) | 過去2年分の決算書の提出、代表者への貸付金がない、役員報酬が社会通念上相当、債務超過でない/減価償却前経常利益が2期連続赤字でない、決算書を継続して出す誓約 など | 保証料率に+0.25%(財務要件を両方満たす)または+0.45%。国の補助付きの制度なら、2026年4月〜2027年3月の申込み分は0.05%を国が補助 | 取引金融機関・北海道信用保証協会 |
| スタートアップ創出促進保証 | 設立5年未満の法人など(設立予定の個人を含む) | 創業予定者または税務申告1期未了なら創業資金総額の1/10以上の自己資金。設立3年目・5年目にガバナンス体制のチェック | 保証料率年1.06%(限度額3,500万円) | 取引金融機関・北海道信用保証協会 |
| 事業承継特別保証 | 3年以内に事業承継を予定する法人など | 資産超過、EBITDA有利子負債倍率10倍以内などの財務要件 | 保証料率0.45〜1.90%(専門家の確認の要件を満たすと0.20〜1.15%) | 取引金融機関・北海道信用保証協会 |
| プロパー融資での交渉 | 取引金融機関から借りている会社 | ガイドラインの3要件を満たす状態をつくり、説明を求めて交渉する | 金融機関との交渉による | 取引金融機関 |
| 企業価値担保権 | 株式会社・持分会社 | 事業全体を担保にする新しい制度(次の章) | 取扱いや条件は金融機関に確認 | 取り扱う金融機関 |
2026年9月25日時点。公庫の7つの要件の詳細は公庫の担保・保証人の章、保証協会の制度は主な保証制度で解説しています。国の補助付きの事業者選択型の制度は、2027年3月31日までの申込みが対象です。
このほか、プロパー融資の経営者保証の解除を条件にした時限的な借換えの保証制度(プロパー融資借換特別保証制度、2027年3月31日まで)もあります。資産超過、EBITDA有利子負債倍率15倍以内、法人と個人の分離、申込み時点で返済を緩和している借入がないことなどが要件です。使えるかどうかは取引金融機関に確認してください。
状況別の入口
- 創業期の法人
- 公庫の特例(要件②)と、スタートアップ創出促進保証が入口です。どちらも法人が対象で、公庫は上乗せ利率なし、保証協会は創業関連保証の年0.86%より0.20%高い年1.06%の保証料がかかります。
- 決算2期以上で財務が健全な法人
- 公庫の特例(要件①)、事業者選択型、取引金融機関との交渉を並行して検討します。保証協会の制度は、上乗せの保証料と保証なしの安心を比べて選びます。
- 事業承継を控えた会社
- 公庫の事業承継・集約・活性化支援資金(特例の要件⑥)と、事業承継特別保証が候補です。下の事業承継のときの保証もご覧ください。
- 無形資産が中心で大きな資金が必要な会社
- 企業価値担保権を使う融資では、粉飾などの例外を除き、経営者保証の利用が制限されます。
プロパー融資で保証を外す交渉の進め方
取引金融機関からのプロパー融資(保証協会の保証が付かない融資)に付いた保証は、交渉で外せることがあります。思いつきで申し入れるより、次の順で準備すると話が進みやすくなります。
- 保証の現状を一覧にする
どの金融機関の、どの借入に、誰の保証が、いくら付いているかを、契約書の写しで確認します。
- 3要件で自社を点検する
役員貸付金・仮払金の残高、役員報酬の水準、債務超過かどうか、減価償却前経常利益の推移、決算書や試算表の提出状況を確認します。
- 金融機関に理由と改善点を聞く
2023年4月からの説明の仕組みを使い、何を改善すれば外せる可能性が高まるかを具体的に聞きます。
- 改善を実行し、数字で示す
役員貸付金の解消、利益の積上げ、試算表の定期的な提出などを進め、決算報告のたびに進み具合を説明します。
- タイミングを見て申し入れる
決算報告のとき、新しい借入や借換えのとき、事業承継のときは、保証の見直しを相談しやすい場面です。
- 条件の変化も比べて判断する
保証を外す代わりに、金利などの条件が変わることもあります。公庫の特例や保証協会の制度と、コストと要件を比べて決めます。
伝わりやすい申し入れ
「役員貸付金は今期中に解消し、次の決算で債務超過も解消する見込みです。そのうえで、この借入の保証の解除を検討していただけますか。ほかに改善が必要な点があれば、具体的に教えてください。」
伝わりにくい申し入れ
「ほかの会社は保証なしで借りていると聞いたので、うちも外してください。」
自社の状況の説明がなく、金融機関が検討する材料がありません。
金融機関との日ごろの関係づくりは金融機関との付き合い方の章で解説しています。
事業承継のときの保証
事業承継では、前の経営者の保証をどうするか、後継者に保証を求めるかが問題になります。2019年12月に公表され、2020年4月1日から適用されているガイドラインの事業承継時の特則では、次の考え方が示されています。
- 前の経営者と後継者の両方から保証を取る「二重徴求」は、原則として行わない(例外は、相続が確定するまでの一時的な場合などに限られる)
- 後継者に保証を求めるかどうかは、慎重かつ柔軟に判断する
- 実質的な経営権を持たなくなった前の経営者の保証は、解除を含めて適切に見直す
2026年4月の監督指針の改正も、案の概要では、企業の買収・合併や事業承継を予定する会社の保証契約について、解除の可能性などの説明・記録を求める内容を含んでいました。公庫では、事業承継・集約・活性化支援資金の利用者が経営者保証免除特例の対象になり、事業承継に際して保証の免除を申し入れたことで資金調達が難しくなった方も、この資金の対象の一つです。承継の資金は事業承継の資金と資本性ローン、税金は事業承継と税金で解説しています。
返せなくなったときの保証債務の整理
ガイドラインは、保証債務を整理する場面のルールも定めています。ガイドラインに沿って整理する場合、保証人は、一定の期間の生活費にあたるお金や、華美でない自宅などを手元に残せる余地があります。
2022年3月には廃業時の基本的な考え方が示され、会社が破産などで廃業しても、保証人がガイドラインに基づく整理で自己破産を避け得ることが明確になりました。2023年11月の改定では、早く着手するほど手元に残せる資産が増え得ることも示されています。一人で抱え込まず、早めに相談することが大切です(返済できなくなったら:再生と保証債務の整理)。
会計事務所の視点
- 役員貸付金や仮払金は、勘定科目内訳書を通じて金融機関から見えます。決算の前に残高と中身を確認し、解消の計画を立てておきましょう。
- 役員報酬は、高すぎて会社が赤字になっても、低すぎて個人の支出を会社の経費で払うようになっても、区分・分離の説明がしにくくなります。会社と個人の税金もあわせて水準を決めます。
- 節税を優先して利益や純資産を減らしすぎると、「財務基盤の強化」の点で不利になることがあります。
- 月次の試算表を早く出せる体制は、情報開示の要件を満たす近道です。会計ソフトへの入力を毎月締め、翌月のうちに数字を説明できる状態を目指しましょう。
企業価値担保権(2026年5月施行)とは
企業価値担保権は、不動産などの個別の資産ではなく、将来のキャッシュフローやのれんなどの無形資産を含む「事業全体」を担保にする新しい担保権です。2026年5月25日に始まったばかりの制度で、株式会社と持分会社が使え、経営者保証に頼らない融資の選択肢になり得ます。一方で、重要な財産を処分するときに金融機関との事前の相談が必要になるなど、経営への影響も理解したうえで検討します。
しくみ:これまでの担保との違い
これまでの融資の担保は、土地・建物などの不動産や、預金・売掛金といった個別の資産が中心でした。そのため、担保にできる資産が少ない会社は、事業に将来性があっても借りにくい面がありました。
企業価値担保権は、会社の総財産を一体として担保にします。2024年6月14日に公布された事業性融資の推進等に関する法律で創設され、2026年5月25日に施行されました。金融庁の法律案の概要では、土地・建物などの有形資産が少ないスタートアップや、経営者保証に頼らずに借りたい事業者などの利用を想定しています。
- 将来キャッシュフロー
- 事業がこれから生み出していく現金の流れのことです。今ある資産ではなく、これから稼ぐ力に着目します。
- のれん
- 顧客との関係、ブランド、ノウハウ、人材など、個々の資産を足し合わせただけでは表せない事業の価値のことです。
- 企業価値担保権信託会社
- 企業価値担保権の担保権者になる会社で、この制度のために新たに設けられた信託業の免許を受けています。担保権は信託契約によって設定されます。
これまでの担保(不動産担保など)
- 対象は土地・建物、預金、売掛金など個別の資産
- 担保にした資産の価値が評価の中心
- 個人事業主も法人も使える
企業価値担保権
- 対象はのれんや将来キャッシュフローを含む事業全体
- 事業が生み出す価値に着目した融資になる
- 株式会社・持分会社だけが使える
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠の法律 | 事業性融資の推進等に関する法律(令和6年法律第52号、2024年6月14日公布) |
| 施行日 | 2026年5月25日 |
| 担保の対象 | 会社の総財産(将来キャッシュフローやのれんなどの無形資産を含む事業全体) |
| 使える会社 | 株式会社・持分会社(合同会社・合名会社・合資会社)。個人事業主は使えません |
| 設定のしかた | 信託契約で設定します。担保権者は、新たに設けられた信託業の免許を受けた「企業価値担保権信託会社」です |
| 登記 | 商業登記簿に登記します |
| 貸し手 | 銀行などに限られず、ファンドなども利用できます |
| 経営者保証 | 粉飾などの例外を除き、経営者保証の利用が制限されます |
金融庁の企業価値担保権の案内・パンフレットをもとに要約。
返済できなくなったときは:取引先と従業員の保護
企業価値担保権が実行されると、事業を譲渡して得た対価を融資の返済に充てます。このとき、取引先や従業員を守るため、仕入先などへの代金(商取引債権)や従業員の給与など(労働債権)は優先して支払われる仕組みになっています。
経営者にとっては、経営者保証の利用が制限されるため、個人の財産で返済を求められる場面は限られます。ただし、粉飾などは制限の例外とされています。正確な決算と誠実な情報開示が、この制度を使う前提です。
向いている会社・慎重に考えたい会社
制度が始まって間もないため、どのような会社がどんな条件で使えるかは、まだ見通しにくい段階です。ここでは、制度の仕組みから考えられる一般的な向き・不向きを整理します。
検討の余地がある会社
- 不動産などの有形資産は少ないが、顧客基盤・技術・ブランドなどで将来の収益が見込める会社
- 成長のための投資や、企業の買収、事業承継などでまとまった資金が必要な会社
- 経営者保証に頼らずに資金を調達したい会社
- 事業計画や月次の数字を、金融機関と継続的に共有できる会社
慎重に考えたい会社・場面
- 個人事業主(制度の対象外)
- 事業の将来性を、まだ数字で説明しにくい段階の会社
- 重要な財産の売却などを、金融機関に相談せず機動的に進めたい会社
- 必要な資金が少額で、公庫や保証協会付きの融資で足りる会社(手続きの負担や費用に見合うかを確認)
よくある疑問
- 個人事業主でも、法人成りすれば使えますか?
- 対象は株式会社と持分会社なので、法人成りすれば制度上の対象にはなります。ただし、実際に融資を受けられるかは、事業の実績や計画をもとにした金融機関の判断です。
- 経営者保証はまったく付かなくなりますか?
- 企業価値担保権を使う融資では、粉飾などの例外を除き、経営者保証の利用が制限されます。ただし、保証協会が個人保証などを取っている保証付き融資は、企業価値担保権で守られる借入から除かれます。借入ごとに保証の有無を確認しましょう。
- どの金融機関でも使えますか?
- 取り扱うかどうか、どんな条件で扱うかは金融機関ごとに異なります。まずは取引金融機関に、取扱いの有無と相談の進め方を聞いてみましょう。
設定する前に確認したいこと
- 取扱いと条件
取引金融機関が企業価値担保権を使う融資を扱っているか、金額・期間・金利などの条件はどうかを確認します。
- 事前の相談・同意が必要な範囲
金融庁のパンフレットは、重要な財産を処分するときは、前もって金融機関と話し合い、同意を得る必要があるとしています。どの取引が対象になるかを、契約前に具体的に確かめます。
- 今ある借入との関係
信用保証協会の保証付き融資がある会社が設定する場合は、保証協会への事前の報告・相談が必要です。また、保証協会が個人保証などを取っている借入は、企業価値担保権で守られる借入から除かれます(金融庁・中小企業庁の留意事項、2026年5月)。
- 経営者保証の扱い
今ある保証をどうするか、保証の制限が外れる例外は何かを確認します。
- 報告の内容と手続き
月次の数字や事業計画の進み具合をどう共有するか、信託契約・登記などの手続きと費用を確認します。
制度が始まるまでの流れ
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2024年6月14日 | 事業性融資の推進等に関する法律が公布される |
| 2025年7月2日 | 施行令・関係府令などが公布される |
| 2026年5月 | 金融庁・中小企業庁が信用保証制度との関係の留意事項を公表。5月18日には金融庁が事業性融資の基本的な考え方を公表 |
| 2026年5月25日 | 法律が施行され、企業価値担保権の制度が始まる |
国の方針
金融庁には事業性融資推進本部が置かれ、2026年5月18日には「事業者と金融機関の信頼関係に基づく事業性融資に関する基本的な考え方」が公表されました(5月25日から適用)。法律の名前のとおり、事業の実態や将来性に着目した融資(事業性融資)を広げるための取組みの一つです。
金利上昇局面での借入の見直しと交渉
日本銀行の政策金利は2026年9月24日から1.25%程度になり、2024年3月から段階的な引上げが続いています。変動金利の借入は、基準となる金利が上がれば利息が増えます。まず自社の借入を「固定か変動か」「いつ見直されるか」で一覧にし、金利が上がったときの影響を試算してから、固定化・前倒し・交渉を検討しましょう。
政策金利とプライムレートの推移
短期プライムレート(短プラ)は、一般に銀行が短期の融資で信用力の高い取引先に適用する金利とされ、変動金利の融資の基準によく使われます。日本銀行が公表する値は、主要行のうち最も多くの銀行が採用している金利(最頻値)です。政策金利の引上げのあと、短プラは次のように改定されてきました。
| 政策金利の決定(適用開始) | 政策金利 | その後の短プラの改定 |
|---|---|---|
| 2024年3月(3月21日) | 0〜0.1%程度 | 1.475%のまま(2009年1月から) |
| 2024年7月(8月1日) | 0.25%程度 | 1.625%(2024年9月2日) |
| 2025年1月(1月27日) | 0.5%程度 | 1.875%(2025年3月3日) |
| 2025年12月(12月22日) | 0.75%程度 | 2.125%(2026年2月2日) |
| 2026年6月(6月17日) | 1.0%程度 | 2.375%(2026年8月3日) |
| 2026年9月(9月24日) | 1.25%程度 | —(9月25日時点の公表値は2.375%) |
日本銀行の金融政策決定会合の公表資料と長・短期プライムレートの推移をもとに作成。短プラは各銀行が決める金利で、取引金融機関の値は通知や店頭で確認してください。
長期の融資の目安になる長期プライムレートも、2025年3月11日時点の2.35%から、2026年9月10日には3.40%まで上がっています。公庫の金利は固定金利ですが、毎月のように改定され、2026年9月1日現在、無担保で税務申告を2期終えている方の基準利率は3.80〜5.40%です(公庫の金利一覧)。
変動金利はいつ見直される?借入ごとの影響
変動金利の融資は、一般に短プラなどの基準金利に、会社ごとの上乗せ幅を加えて決まります。基準金利が改定されても、新しい金利がいつから適用されるかは契約によって異なります。改定後の最初の利払日から変わる形や、年に決まった日に見直す形などがあるので、契約書で次の点を確認しておきましょう。
- 基準にしている金利の種類と、上乗せ幅
- 金利の見直し日と、新しい金利が適用される時期
- 金利の変更がどのように通知されるか
| 借入の種類 | 金利の決まり方 | 金利上昇の影響 |
|---|---|---|
| 公庫の融資 | 固定金利(契約時の金利が最後まで適用) | 借りた後は影響なし。新しく借りる分は改定後の金利 |
| 銀行の長期借入(変動) | 基準金利+上乗せ幅。契約で決めた時期に見直し | 見直し後の利息が増える |
| 銀行の長期借入(固定) | 契約時に一定期間の金利を決める | 固定の期間中は影響なし |
| 当座貸越・短期の手形貸付 | 短期の基準金利への連動や、借り換えるたびの金利の決め直しなど(契約による) | 影響が早く出やすい。残高が減りにくいので、上昇分がそのまま利息に表れる |
| 北海道の制度融資(変動を選んだ場合) | 毎年4月1日・10月1日に見直し(期間3年超の場合のみ選べる) | 見直し日以降の利息が増える |
| 札幌市の制度融資 | 上限利率は実行日で決まり、原則4月1日・10月1日に改定。実行後の利率が固定か変動かは市の資料に明記がないため、取扱金融機関で確認 | 令和8年10月1日以降に実行される融資は各資金の上限利率が0.3%引上げ |
銀行の融資の欄は一般的な例です。実際の条件は契約書で確認してください。札幌市の利率は札幌市中小企業融資制度によります。
金利が1%上がると利息はいくら増える?
残高が減らない借入なら、金利が1%上がると年間の利息はおおむね「残高×1%」増えます。返済が進む借入は残高が減るので、増え方は少し小さくなります。変動金利と固定金利の借入がある会社で試算してみます。
| 借入 | 残高 | 金利 | 返済 |
|---|---|---|---|
| A 銀行の長期借入(設備資金) | 3,000万円 | 変動・年2.8% | 元金均等、毎月50万円、残り60回 |
| B 銀行の当座貸越(運転資金) | 2,000万円 | 変動・年2.6% | 平均残高。ほぼ横ばいで推移 |
| C 公庫の借入(設備資金) | 1,500万円 | 固定 | 元金均等、年300万円 |
AとBの金利が翌月から一律に上がり、その後も続いたとすると、利息の増加額は次のとおりです。Cは固定金利なので増えません。
| 変動金利の上昇幅 | 1か月目の利息の増加 | 1年目の利息の増加 | 5年間の利息の増加 |
|---|---|---|---|
| +0.25% | 約1.0万円 | 約11.8万円 | 約44.1万円 |
| +0.5% | 約2.1万円 | 約23.6万円 | 約88.1万円 |
| +1.0% | 約4.2万円 | 約47.3万円 | 約176.3万円 |
利息は「返済前の残高×年利÷12」の月割りで計算した概算です(日割り・端数処理は考慮していません)。Bは5年間2,000万円の残高が続くと仮定しています。
+1.0%の1年目の内訳は、Aが約27.3万円、Bが20万円です。Aは毎月元金を返して残高が減るため、単純計算の30万円(3,000万円×1%)より小さくなります。一方、残高が減らないBは、上昇分がそのまま利息に表れます。
自社の数字で試すときは、借入ごとの残高・返済額を返済シミュレーターに入れ、金利を変えて比べると分かりやすくなります。返済原資の考え方は返済原資の章をご覧ください。
固定金利に切り替えるか
変動金利の借入を固定金利に切り替えるかどうかは、残りの返済期間、借入残高、利益と手元資金の余裕で考えます。返済期間が長く残高が大きいほど、金利が動いたときの影響は大きくなります。
固定にする利点
- 返済額が確定し、資金計画を立てやすい
- その後に金利が上がっても利息は増えない
- 借入が多い会社ほど、業績への影響を抑えられる
固定にするときの注意
- 一般に、借りる時点では変動より高めの金利になることが多い
- 途中の変更や繰上返済に、手数料などがかかる契約もある
- 金利が下がっても、その恩恵を受けられない
方法としては、取引金融機関に固定金利への変更を相談する、固定金利の新しい借入で借り換える、これからの借入を固定で組んで変動の割合を下げる、などがあります。使える方法と費用は金融機関ごとに違うので、見積りをもらって比べましょう。借換えの判断は繰上返済と借換えの判断で解説しています。
借入の前倒しと手元資金
金利が上がりそうだからといって、必要以上に借りると利息の負担が増えます。資金繰り表で数か月先までの入出金を見て、不足しそうな時期と金額をつかみ、それに見合う資金を早めに相談するのが基本です。融資は申込みから実行まで日数がかかります。公庫の場合、融資決定までの平均は2〜3週間程度(土日・祝日を含む)です。
制度融資のように実行日で利率が変わるものもあります。札幌市の制度融資は、令和8年10月1日以降に実行される融資の利率が各資金0.3%ずつ引き上げられます。すでに申し込んでいる方は、実行日と適用される利率を金融機関に確認してください。
金利交渉の材料と進め方
銀行などの民間金融機関の金利は、会社の信用力や取引の状況を見て決まるので、材料をそろえれば相談の余地があります(公庫の金利は、融資制度・返済期間・担保の有無で決まるしくみです)。一般に、次のような点が交渉の材料になります。
- 業績:増収・増益、黒字の継続、利益の見通し
- 財務:自己資本の積上げ、債務超過の解消、借入の減少
- 担保・保証:担保の提供などで条件が変わることがある
- 取引実績:返済の実績、預金や入出金などの取引の広がり
- 他の金融機関の条件:実際に提示を受けた具体的な条件
- 借入の一覧と試算を用意する
金融機関ごとの残高・金利・見直し日と、金利が上がった場合の影響を整理します。
- 決算報告や見直しの通知の機会に相談する
決算の説明のとき、金利の見直しの通知を受けたとき、新しい借入や借換えのときが相談しやすい場面です。
- 金利だけでなく条件全体で比べる
期間、返済額、担保・保証、手数料を含めて判断します。目先の金利だけで取引を移すと、将来の相談がしにくくなることもあります。
2026年3月に政府・金融庁が金融機関に出した要請では、金利の見直しを協議するときに丁寧に説明することも求めています(金融庁の要請文)。引上げの通知を受けたら、理由と根拠を聞き、返済計画への影響を伝えたうえで話し合いましょう。複数の金融機関との付き合い方は金融機関との付き合い方、業績の見せ方は決算書づくりの章をご覧ください。
会計事務所の視点
- 「借入金一覧表」をつくり、金融機関、借入の種類、残高、金利、固定か変動か、基準金利、見直し日、毎月の返済額、担保・保証を1枚にまとめておくと、試算も交渉もすぐにできます。
- 金利上昇の影響は、損益計算書の支払利息に表れます。月次の試算表で前年同月と比べ、資金繰り表と翌期の予算にも反映させましょう。
- 利息は経費になりますが、元金の返済は経費になりません。金利が上がっても、元金の返済額は変わらない点も押さえておきます。
手形・小切手の廃止と資金繰り・融資への影響
紙の手形・小切手は、電子交換所での最終交換日が2027年3月31日と決まり、最終振出期限を2026年9月30日とする金融機関が多くなっています。2027年4月以降も直ちに使えなくなるわけではありませんが、取扱いが変わる可能性があるため、でんさいや振込への切替えを急ぎましょう。あわせて、資金繰り表と、手形割引・手形貸付などの融資の形を見直すことが大切です。
期限は目前です
2026年9月25日時点で、多くの金融機関の最終振出期限まで数日しかありません。期限は金融機関ごとに異なり、すでに発行の受付を終えた金融機関もあります。全国銀行協会のリーフレットは、最終振出期限を設けている金融機関では、10月1日以降、紙の手形・小切手による当座預金からの支払いが原則としてできなくなると注意を呼びかけています。手形・小切手を使っている会社は、すぐに取引金融機関に確認してください。
廃止までのスケジュール
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2021年6月 | 政府の成長戦略実行計画が、約束手形の利用の廃止に向けた取組みと、小切手の全面的な電子化を掲げる |
| 2025年3月 | 全国銀行協会が、2027年度初から電子交換所での手形・小切手の交換を廃止すると決定 |
| 2026年1月1日 | 取適法(改正下請法)が施行。対象となる取引で手形による支払いが禁止される |
| 2026年6月18日 | 全国銀行協会が、手形・小切手の最終交換日を2027年3月31日と明確化 |
| 2026年9月2日 | 公正取引委員会・中小企業庁が、約束手形の利用廃止を踏まえた支払いの適正化を事業者団体などに要請 |
| 2026年9月30日 | 多くの金融機関が設定する、紙の手形・小切手の最終振出期限 |
| 2027年3月31日 | 電子交換所での手形・小切手の最終交換日 |
| 2027年4月1日以降 | 直ちに使えなくなるわけではないが、電子交換所を通さない個別の決済になり、取扱いが変わる可能性がある |
全国銀行協会の発表(2026年6月18日)、公正取引委員会・中小企業庁の要請(2026年9月2日)などをもとに作成。
全国銀行協会は、2027年4月1日以降も手形・小切手が直ちに使えなくなるわけではないと説明しています。ただし、金融機関どうしの個別の決済になり、各金融機関が取扱いを変える可能性があります。「まだ使えるから」と先送りせず、早めに切り替えるのが安全です。代わりの手段は、でんさいなどの電子記録債権と、インターネットバンキングなどによる振込です。
立場ごとの影響と対応
| 立場 | 主な影響 | 対応 |
|---|---|---|
| 手形・小切手で支払っていた会社 | 取引金融機関の最終振出期限を過ぎると、紙の手形・小切手での支払いは原則としてできなくなる(期限は金融機関ごとに異なる)。取適法の対象取引では手形払いが禁止され、電子記録債権などでも支払期日までに代金の満額を現金化しにくいものは使えない | でんさい・振込に切り替え、取引先と支払方法・支払日を合意する。支払いが早まる分の資金を資金繰り表で確認する |
| 手形で代金を受け取っていた会社 | 受取りがでんさいや振込に変わる。入金の時期が変わることがある | 取引先に支払方法と時期を確認する。でんさいで受け取る場合の手続きと手数料を取引金融機関に確認する |
| 手形割引を使っていた会社 | 紙の手形がなくなると、手形割引で代金を早く現金にする方法が使えなくなる | でんさい割引など代わりの方法があるか、取引金融機関に確認する |
| 手形貸付を使っていた会社 | 紙の手形の取扱いを見直す金融機関では、手形貸付の扱いが変わる可能性がある | 切替えの方法と条件を取引金融機関に確認する |
支払いのルールも厳しくなっています。公正取引委員会は2026年6月、製造委託等の代金を給付の受領日から60日を過ぎても支払わないことを「特定の不公正な取引方法」に指定する告示を出しました(2027年4月1日施行)。対象となる取引の範囲は、公正取引委員会の案内で確認してください。
融資への影響と切替えの考え方
運転資金の必要額が変わる
手形で支払っていた会社は、支払いが現金や早い期日のでんさいに変わると、手元のお金が早く出ていきます。売上の入金より支払いが先になる期間が長くなるほど、必要な運転資金は増えます。反対に、受け取る側は入金が早まれば資金繰りが楽になります。
切替えの前後で資金繰り表をつくり直し、不足が出るなら早めに融資を相談しましょう。運転資金の種類と借り方は銀行融資の種類で解説しています。
2026年9月2日の要請では、金融機関に対しても、支払いのサイト(期日までの期間)の短縮に取り組む事業者への資金繰り支援と、電子記録債権への円滑な移行の支援を求めています。公庫の企業活力強化資金には「支払条件改善関連」の区分があり、原則として、融資を受けてから1年以内に支払手形をすべて現金払いに改めるか、手形のサイトを60日以内に縮めると、特別利率Bになります(それ以外は基準利率、限度額7,200万円)。制度の一覧は公庫の制度一覧をご覧ください。
手形割引・手形貸付の切替え
全国銀行協会の自主行動計画は、手形の存在を前提とする金融サービスについて、廃止や代わりのサービス(でんさい担保貸付、でんさい割引など)の提供を検討し得るとしています。手形貸付をどの形に切り替えるかも含め、具体的な扱いは取引金融機関ごとに確認が必要です。
手形割引を使っていた場合
でんさい割引などの取扱いの有無と、手数料・金利・利用枠を確認します。受取りが振込に変わる取引先の分は、別の運転資金の手当てが必要になることがあります。
手形貸付を使っていた場合
返済の期日・方法を決めて借りる証書貸付や、枠の範囲で借りる当座貸越など、どの形に切り替えられるかを相談します。返済方法や金利が変わることがあるので、条件を比べて決めます。
- 使っている手形・小切手を洗い出す
支払い・受取りの別、取引先、金額、サイト、手形割引・手形貸付の有無を一覧にします。
- 取引金融機関の期限と取扱いを確認する
最終振出期限、未使用の手形帳・小切手帳の扱い、でんさいの手続き、手形割引・手形貸付の今後を聞きます。
- 取引先と支払方法を合意する
でんさいか振込か、支払日をいつにするかを決め、請求書や契約書にも反映させます。
- 資金繰り表を見直し、必要なら融資を相談する
入金と支払いのずれを月ごとに確認し、不足する時期と金額をもとに金融機関へ相談します。
会計事務所の視点
- 受取手形・支払手形の残高は、決算書と勘定科目内訳書に表れます。切替えの前後で残高と期日を照らし合わせ、未決済のものを漏らさないようにしましょう。
- でんさいに切り替えると、会計ソフトの勘定科目(電子記録債権・電子記録債務など)や記帳の流れも変わります。切替えの月から正しく処理できるよう、事前に設定を見直しておきます。
銀行融資のよくある質問
銀行融資の相談でよく聞かれる質問に、2026年9月25日時点の情報で答えます。制度や金利は変わることがあるので、実際の条件は各金融機関に確認してください。
銀行との取引をはじめる
創業したばかりでも、銀行から借りられますか?
決算の実績がない創業期に、保証協会の保証が付かないプロパー融資を受けるのは、一般に難しいとされます。創業期に銀行などから借りる方法として使いやすいのは、札幌市・北海道の制度融資や、信用保証協会の保証付き融資です(北海道の制度融資は、商工会議所などのあっせん機関を通じて申し込むのが基本です)。
たとえば札幌市の創業・雇用創出支援資金は、限度額5,000万円、令和8年10月1日以降の実行分は年2.0%以内で、信用保証料の4分の1以内を市が補給します。北海道の創業貸付(限度額3,500万円、保証協会の保証が必須)もあります。
保証の制度では、北海道信用保証協会の創業関連保証(限度額3,500万円、保証料率年0.86%)や、法人向けで経営者保証が不要なスタートアップ創出促進保証(保証料率年1.06%)があります。公庫の新規開業・スタートアップ支援資金(限度額7,200万円)と組み合わせる方法もあります。
プロパー融資と保証付き融資は、何が違いますか?
保証付き融資は、信用保証協会が返済を保証する融資です。借り手は保証料を払い、返済できなくなったときは協会が金融機関に代わって返済します。北海道信用保証協会の保証は、原則として協会80%・金融機関20%で負担を分け合う責任共有制度で、創業関連保証や小口零細企業保証などは100%保証です。
保証料率は会社の信用力に応じた9区分で、責任共有の対象なら年0.45〜1.90%です(令和8年6月1日現在)。信用保証料のほかに手数料はかかりません。
プロパー融資は保証協会の保証を付けず、金融機関がリスクをすべて負うため、一般に決算の内容や取引の実績がより重視されます。保証付き融資で返済の実績を積み、プロパー融資へ広げていくのが一般的な流れとされます。
メインバンクは1つに絞るべきですか?
日常の入出金や主な借入を集めるメインバンクを決めつつ、必要に応じてほかの金融機関とも取引する形が一般的です。メインバンクには業況をよく知ってもらえ、困ったときに相談しやすくなります。一方、1つの金融機関だけだと、その方針が変わったときに資金調達の手段が限られます。
どの金融機関にも決算書や試算表を同じように届け、説明の内容をそろえることが信頼につながります。
関連:金融機関との付き合い方
審査と決算書
赤字決算だと、銀行からは借りられませんか?
赤字だけで一律に断られるわけではありません。銀行は決算書の数字(定量評価)だけでなく、赤字の理由や改善の見込み、経営者の取組み(定性評価)もあわせて判断します。一時的な要因による赤字で、改善の道筋を試算表や改善計画で示せれば、相談の余地があります。
ただし、債務超過や減価償却前経常利益の2期連続赤字は、経営者保証を外す制度の要件にも関わります。早めの改善を心がけましょう。
決算書は、いつ・何を銀行に持っていけばよいですか?
申告を終えたら、融資の相談がなくても早めに届けるのが基本です。決算書だけでなく、勘定科目内訳書や事業概況説明書を含む申告書一式を用意し、売上や利益が増減した理由、今期の見通し、資金が必要になりそうな時期を短く説明します。
期中も試算表や資金繰り表を定期的に届けておくと、急な資金需要のときに話が早く進みます。経営者保証ガイドラインの要件の一つも「適時適切な情報開示」です。
銀行の格付けや債務者区分は、教えてもらえますか?
格付けの付け方や点数表は銀行ごとに非公開とされ、一般に、自社の格付けがそのまま開示されることは少ないといわれます。ただ、どこが弱いと見られているかを聞くことはできます。経営者保証を求められた場合は、2023年4月から、金融機関がどの部分が不十分で保証が必要か、どう改善すれば外せる可能性が高まるかを説明することになっています。
経済産業省のローカルベンチマーク(財務の6指標と非財務の4つの視点)で自社の強み・弱みを整理し、対話の材料にするのも一つの方法です。
保証と担保
今ある借入の経営者保証を外してもらうことはできますか?
可能性はあります。まずガイドラインの3要件(法人と経営者の区分・分離、財務基盤の強化、財務状況の正確な把握と適時適切な情報開示)で自社を点検し、金融機関に不十分な点と改善策を聞きます。改善を数字で示したうえで、決算報告や借換え、事業承継のタイミングで申し入れるのが現実的です。
2023年3月以前に結んだ古い保証契約についても、2026年4月1日適用の監督指針の改正に向けた案の段階で、新しい契約と同じような説明を求める方針が示されていました。実際の扱いを取引金融機関に確認してみましょう。
経営者保証を付けないと、金利や保証料は高くなりますか?
制度によって違います。公庫の経営者保証免除特例制度は上乗せ利率がなく、各融資制度の利率のままです。信用保証協会の事業者選択型経営者保証非提供制度は、保証料率に0.25%(財務要件を両方満たす場合)または0.45%が上乗せされます。スタートアップ創出促進保証の保証料率は年1.06%で、創業関連保証の年0.86%より0.20%高い水準です。
プロパー融資では、保証を外す代わりに金利などの条件が変わることもあるので、条件全体で比べて判断します。
不動産などの担保がなくても、借りられますか?
借りられる方法はあります。北海道信用保証協会の保証付き融資には、無担保で8,000万円まで、そのうち無担保・無保証人の特別小口は2,000万円までの保証の枠があります(特別小口は従業員数などの条件あり)。公庫の国民生活事業も、融資の9割以上が無担保です。
2026年5月には、事業全体を担保にする企業価値担保権も始まりました。ただし使えるのは株式会社と持分会社で、個人事業主は対象外です。どの方法でも、担保がない分、決算書や事業計画で返済できることを示すことが大切です。
保証付き融資の信用保証料は、払った年の経費になりますか?
経費になりますが、払った年に全額ではなく、保証期間に応じて按分して費用にします。決算日の時点でまだ期間が残っている分は、前払費用や長期前払費用として資産に計上します。分割で払う保証料も、各回が1年分の対価とは限らないため、短期前払費用の特例に当たらない場合がある点に注意が必要です。
なお、信用保証料は消費税が非課税で、金融機関の事務手数料は課税です。利息は経費になりますが、元金の返済は経費になりません。
金利と手形
日本銀行が利上げすると、変動金利の借入はすぐに上がりますか?
すぐに上がるとは限りません。変動金利は一般に、短期プライムレートなどの基準金利に上乗せ幅を加えて決まり、その基準金利は各銀行が決めます。過去の例では、2026年6月に政策金利が1.0%程度へ引き上げられたあと、短期プライムレート(主要行の最頻値)は2026年8月3日に2.375%へ改定されました。
そこから自社の借入金利がいつ変わるかは、契約で決めた見直し日によります。借入ごとに、基準金利と見直し日を契約書で確認しておきましょう。
金利の引下げを交渉してもよいのでしょうか?
交渉してかまいません。銀行などの民間金融機関の金利は、会社の信用力や取引の状況で決まるので、業績の改善、自己資本の積上げ、担保の提供、取引の実績、ほかの金融機関から実際に示された条件などが材料になります。決算報告や新しい借入のときに、数字をそろえて相談しましょう。
反対に引上げの通知を受けたときは、理由と根拠を聞き、返済計画への影響を伝えて話し合います。2026年3月の政府・金融庁の要請でも、金融機関に金利の見直し時の丁寧な説明を求めています。
紙の手形・小切手は、2027年4月から使えなくなるのですか?
直ちに使えなくなるわけではありません。全国銀行協会は電子交換所での最終交換日を2027年3月31日としたうえで、4月以降も直ちに使えなくなるわけではないものの、金融機関どうしの個別の決済になり、取扱いが変わる可能性があると説明しています。
ただし、紙の手形・小切手の最終振出期限を2026年9月30日とする金融機関が多いため、2027年4月を待たずに切り替える必要があります。手形割引や手形貸付を使っている会社は、代わりの方法を取引金融機関に確認してください。
困ったとき
銀行に融資を断られたら、どうすればよいですか?
まず、何が足りなかったのかを担当者に聞きます。詳しい理由は説明されないこともありますが、決算の内容、資金の使いみち、返済の計画、ほかの借入の状況のうち、どこに課題があったかの手がかりになります。
そのうえで、ほかの方法を検討します。北海道信用保証協会には、協会に直接相談し、協会が金融機関をあっせんするあっせん保証があり、公庫や札幌市・北海道の制度融資も選択肢です。札幌中小企業支援センター(北海道経済センタービル2階、011-200-5511)では市の融資制度や保証について、北海道信用保証協会の経営金融相談ダイヤル(0120-279-540)では保証について相談できます。
返済が苦しくなりそうなとき、銀行にはいつ相談すればよいですか?
返済が遅れる前、資金繰り表で数か月先の不足が見えた段階で相談するのが基本です。借入先が複数あるときは、すべての金融機関に同じ内容を説明します。試算表、資金繰り表、改善の計画を用意すると、話が進みやすくなります。
2025年11月と2026年3月には、政府・金融庁が金融機関に、既存の借入の条件変更や借換えへの迅速で柔軟な対応を要請しています。計画づくりには、北海道中小企業活性化協議会(札幌本部 011-222-2829、相談無料・秘密厳守)も使えます。
創業融資・運転資金の調達から、補助金の申請サポート、その後の資金繰りまで。日本政策金融公庫への融資のご紹介・申請サポートの実績があります。
- 金融機関のご紹介
- 融資申請業務の提携先のご紹介
- 申請サポート
- 事業計画・資金繰り表の整備
- 金融機関向け財務資料の整備
- 複数行への説明体制づくり
顧問契約中のお客様は、月次の数字をそのまま金融機関への説明資料に活かせます。
出典・参考資料(92件・2026年9月25日確認)
- 日本政策金融公庫「はじめての方へ(国民生活事業)」
- 日本政策金融公庫「事業承継・集約・活性化支援資金」
- 日本政策金融公庫「事業資金のよくあるご質問(国民生活事業)」
- 日本政策金融公庫「企業活力強化資金」
- 日本政策金融公庫「創業に関するよくあるご質問」(固定金利)
- 日本政策金融公庫「創業の手引」2026年5月版
- 日本政策金融公庫「国民生活事業のご案内2026」
- 日本政策金融公庫「小規模事業者経営改善資金(マル経融資)」
- 日本政策金融公庫「手続きの流れ(小規模事業者・個人事業主の方)」(必要書類・試算表)
- 日本政策金融公庫「挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)」
- 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」
- 日本政策金融公庫「日本公庫電子契約サービス よくあるご質問」
- 日本政策金融公庫「経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)」
- 日本政策金融公庫「経営者保証免除特例制度」
- 日本政策金融公庫「融資のご案内」
- 日本政策金融公庫「金利(国民生活事業)」2026年9月1日現在
- 札幌市「中小企業融資制度一覧」(令和8年10月1日現在)
- 札幌市「創業・雇用創出支援資金」
- 札幌市「取扱金融機関」
- 札幌市「札幌市中小企業融資制度」
- 札幌市「短期サポート特別枠」
- 札幌市「融資制度のご利用にあたって」(主な提出書類)
- 札幌中小企業支援センター
- 北海道 中小企業総合振興資金「創業貸付」
- 北海道「北海道中小企業総合振興資金」
- 北海道信用保証協会「はじめての方へ」(手数料)
- 北海道信用保証協会「スタートアップ創出促進保証」
- 北海道信用保証協会「モニタリング強化型特別保証」
- 北海道信用保証協会「事業承継特別保証」
- 北海道信用保証協会「事業者選択型経営者保証非提供制度」
- 北海道信用保証協会「保証のお申込みから返済までの流れ」(金融機関経由保証・あっせん保証)
- 北海道信用保証協会「保証の内容」
- 北海道信用保証協会「保証料率表」(令和8年6月1日現在)
- 北海道信用保証協会「信用保証料について」
- 北海道信用保証協会「創業相談・経営金融相談ダイヤル」
- 北海道信用保証協会「創業関連保証」
- 北海道信用保証協会「協調融資型保証(スクラム5000)」
- 北海道信用保証協会「当座貸越(貸付専用型)根保証」
- 北海道信用保証協会「特別小口(無担保無保証人保証)」
- 北海道信用保証協会「経営力強化保証」
- 北海道信用保証協会「責任共有制度」
- 中小企業庁 審議会資料(ローカルベンチマークの財務指標と非財務の視点)
- 中小企業庁「スタートアップ創出促進保証制度」
- 中小企業庁「事業承継時に焦点を当てた『経営者保証に関するガイドライン』の特則」
- 中小企業庁「事業者選択型経営者保証非提供制度・プロパー融資借換特別保証制度」(2024年3月15日開始)
- 中小企業庁「早期経営改善計画策定支援事業 利用申請の手引き」(2026年3月31日改訂)
- 北海道経済産業局 中小企業活性化協議会
- 経済産業省「ローカルベンチマーク(ロカベンシート)」
- 経済産業省・金融庁・財務省「経営者保証改革プログラム」(2022年12月)
- 金融庁 事業性融資の推進等に関する法律の施行令・関係府令等の公布(2025年7月2日)
- 金融庁 企業価値担保権の信託に関する資料(2024年7月)
- 金融庁 監督指針等の一部改正(案)の概要(2025年12月)
- 金融庁「中東情勢を踏まえた金融上の対応について(要請)」(2026年3月27日)
- 金融庁「事業性融資の推進等に関する法律案の概要」(企業価値担保権と経営者保証)
- 金融庁「事業者と金融機関の信頼関係に基づく事業性融資に関する基本的な考え方」(2026年5月18日)
- 金融庁「事業者支援の促進及び金融の円滑化について(要請)」(2025年11月27日)
- 金融庁「企業価値担保権」
- 金融庁「企業価値担保権」パンフレット
- 金融庁「地域金融力強化プラン」(2025年12月19日)
- 金融庁「廃業時における『経営者保証に関するガイドライン』の基本的考え方」の改定(2023年11月)
- 金融庁「廃業時における『経営者保証に関するガイドライン』の基本的考え方」(2022年3月)
- 金融庁「手形・小切手機能の電子化について」
- 金融庁「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」の公表(2019年12月18日)
- 金融庁「業種別支援の着眼点」
- 金融庁「監督指針等の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等」(2026年2月20日公表、4月1日適用)
- 金融庁「経営者保証に依存しない融資」の割合(2026年6月26日公表)
- 金融庁「経営者保証に関するガイドライン」の公表(2013年12月)
- 金融庁「融資に関する検査・監督の考え方と進め方」
- 金融庁「融資に関する検査・監督の考え方と進め方」本文
- 金融庁・中小企業庁「企業価値担保権制度と信用保証制度の利用に関する留意事項」(2026年5月)
- 日本銀行 2026年の金融政策決定会合の公表資料
- 日本銀行 金融政策決定会合の公表文(2024年3月19日)
- 日本銀行 金融政策決定会合の公表文(2024年7月31日)
- 日本銀行 金融政策決定会合の公表文(2025年12月19日)
- 日本銀行 金融政策決定会合の公表文(2025年1月24日)
- 日本銀行 金融政策決定会合の公表文(2026年6月16日)
- 日本銀行 金融政策決定会合の公表文(2026年9月18日)
- 日本銀行 長・短期プライムレート(主要行)の推移
- 全国銀行協会 手形・小切手の電子化のリーフレット(2026年)
- 全国銀行協会 電子交換所における手形・小切手の交換廃止の決定(2025年3月26日)
- 全国銀行協会「手形・小切手の最終交換日について」(2026年6月18日)
- 全国銀行協会「手形・小切手機能の電子化に向けた自主行動計画」
- 経営者保証に関するガイドライン研究会「事業承継時に焦点を当てた『経営者保証に関するガイドライン』の特則」
- 経営者保証に関するガイドライン研究会「経営者保証に関するガイドライン」
- 国税庁「換価の猶予の申請手続」
- 日本年金機構「厚生年金保険料等の猶予制度」
- e-Gov法令検索「事業性融資の推進等に関する法律」(令和6年法律第52号)
- 公正取引委員会 取適法(改正下請法)のリーフレット
- 公正取引委員会 製造委託等の代金の支払に関する告示(2026年6月18日)
- 公正取引委員会・中小企業庁「約束手形の利用廃止を踏まえた支払の適正化に関する要請」(2026年9月2日)
- 北海道中小企業活性化協議会(所在地・連絡先)
- 日本商工会議所「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)」
このページは、2026年9月25日時点で確認できた公式情報(日本政策金融公庫、札幌市、北海道、北海道信用保証協会、中小企業庁、金融庁、日本銀行、国税庁など)にもとづく一般的な解説です。金利や制度の内容は改定されることがあります。実際の融資条件は、各金融機関・制度の窓口で必ず確認してください。
個別の融資の可否や条件を保証するものではありません。記入例・数値例はすべて架空の設例です。
最終確認日:2026年9月25日 作成:ジェイスタート会計事務所(公認会計士・税理士)
